いじめによる転校や引っ越しを考える場合に注意したいこと

いじめによる転校や引っ越しを考える場合に注意したいこと

子どものいじめを理由に転校を考える方は少なくありません。

ただし「転校させたいけど引っ越しはできればしたくない」「私立に編入する金銭的余裕はない」など、悩みは尽きないものです。

原則として、いじめを理由にした公立学校への転校は可能です。

しかし、転校すればすべてがリセットされるわけではなく、デメリットや注意点があるのでよく考えて行動することも大事です。

後悔しないためにも、いじめによる転校や引っ越しを考えたときに知っていると良いことや注意点を解説します。

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いじめが理由で公立校への転校は可能?

いじめが理由で公立校への転校は可能?

程度の差はあれど、いじめがまったくない学校や環境はありません。

環境を変えた方が良いと思っても、引っ越しをしたり私学に転校したりするのは心理的にも金銭的にもかなりの負担になります。

ここでは子どもが小学校や中学校でいじめにあった場合、いじめが理由の転校は可能なのかどうかを解説します。

いじめで住所を変えずに転校は可能なの?

公立の小中学校は、住まいのある住所ごとに就学すべき学校が決まっています。

ただし、理由があれば、校長と教育委員長の同意を得たうえで希望する公立校に転校が認められるケースがほとんどです。

どのような理由でどういう手続きを経れば、転校できるかどうかは、各自治体や学校の方針によって異なるため、教育委員会や学校と相談し、詳細な情報を得ることが重要です。

いじめが理由で引っ越しをせずに近隣校への転校は無理だと判断せずに、ぜひ学校側に相談しましょう。

学区外就学が可能になったのはいつから?

いじめなどの理由で学区外に就学が許可されるようになったのは比較的最近ですが、改正された時期や詳細は、全国の市区町村によって異なります。

例えば、千葉県市原市の場合は2000年(平成12年)に「いじめや、精神の状態による不登校などで、転校することによって改善がのぞめる場合に、学区外の学校に通学する」と改正しました。

指定校変更許可基準に「児童・生徒がいじめ等により、通学(就学)が困難な場合」を設定している自治体は多いですが、理由書など必要書類などは改正によって省かれる場合もあります。

多くの自治体でいじめ、不登校などに関連した指定校変更ができるようされているはずなので、ぜひお住まいの地域でも調べてみてください。

いじめで転校を希望する場合の流れ

いじめで転校を希望する場合の流れ

もし、いじめが原因で転校を希望する場合どのような流れで話を進めていけばいいのでしょうか。

基本的な流れを紹介するので、参考にしてください。

本人の意思確認

まずは、今後どうしたら良いかを親子で十分に話し合いましょう。

「今の学校でいじめを解決したい」もしくは「とにかく加害者から離れたい」「誰も知らないところでやり直したい」のか、時間がかかってもいいので、子どもの意思確認を十分に行うことが大切です。

親子だけでは解決しにくい場合、学校や教育委員会など各種相談機関なども利用しましょう。

子どもが意思決定しやすいように、転校によるメリットやデメリットを整理してあげるといいでしょう。

子どもにとって、一番後悔の少ない方法を選択できるようにすると良いですね。

担任や校長先生に申立てをする

転校したいという気持ちが固まったら、いじめを理由に転校したいという希望や事情を学校に伝えましょう。

自治体によっては学区を超えて公立校に転校する場合、学校側がいじめを認め、状況を正確に理解したうえで書類作成してもらう必要があります。

もし、学校側からの合意が得られない場合は教育委員会に相談する方法もあります。

教育委員会に「いじめがなかなか解決しないので、転校を考えている」と相談することで話し合いがスムーズに進むケースもあります。

その後、指定校変更・区域外就学などの申請をして、在籍している学校から「在学証明書」と「教科書給与証明書」を受け取り、手続きを進めます。

新しい学校には「在学証明書」「教科書給与証明書」と一緒に、教育委員会から発行される「転入学通知書」も一緒に持っていきましょう。

いじめが理由で転校するメリットデメリット

いじめが理由で転校するメリットデメリット

転校のメリットとデメリットは、具体的な状況や子どもの個性によって異なります。

親と子どもは学校側も含めて慎重に検討し、必要なサポートをすることが大切です。

メリットだけではなくデメリットも知っておくと後悔が少なく済みます。

引っ越しを伴わない転校ならではのデメリットもあるので、それぞれ詳しく説明します。

転校するメリット

転校する一番大きなメリットは、いじめられる状況や加害者から逃れて子どもの安全と心理的負担を軽減できることです。

いじめは被害者に深刻な心的外傷を与えることがあり、新しい学校で再スタートできれば精神的な回復に役立つでしょう。

また、新しい学校で、新しい友人や人間関係を作る機会が得られます。

さらに、学校側や先生の対応に不信感がある場合は、転校で親のストレスも激減するでしょう。

引っ越しをしない場合は、保護者側も引っ越しにかかる費用などを伴わないので金銭的負担は最小限で済みます。

転校するデメリット

距離が遠くなることで登下校の負担が増す場合があります。

新しい学校のカリキュラムや教育方針が異なる場合、調整が必要ですし、買い足すもの、買い替えるものもあって金銭的な負担もあります。

また、子どもによっては、新しい人間関係や新しい環境に慣れるまでには時間がかかる場合があります。

学校に仲良しの友達がいる、学校の先生やクラブ活動が気に入っている場合、転校がマイナスに感じられてしまう場合も考えられます。

さらに、学校側がいじめだと認定してくれない、もしくは転校に関する書類をなかなか用意してくれずに時間がかかる場合など、交渉に精神的な負担が増すケースもあります。

一方、引っ越さずに転校するデメリットは、学校での人間関係はリセットさせるものの、いじめ加害者とのご近所付き合いはそのまま続くことです。

基本的な生活圏が変わらないので、転校前の同級生やいじめ加害者とどこかで鉢合わせする可能性があります。

ほかにも、習い事など学区を超えた知り合いがいる場合も少なくないので、転校先でいじめられていたという噂が広がることもあります。

いずれにしても転校する過程で精神的な負担感を抱くこともあることを理解しておきましょう。

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転校する際の注意点

転校する際の注意点

いじめが原因で転校する際、以下のような注意点があります。

注意点を確認することで、最良の決定をくだす手助けになります。

いじめが原因で転校を考える際の注意点を紹介するので、参考にしてください。

転校先の情報収集

転校先の学校の風紀や学習進度、ルールなど、事前の情報収集は必須です。

できれば、いじめの発生率や学校のいじめ対策や対応の情報を入手し、転校先の環境がどれほど安全か、いじめによる転校の理解があるかを確認しましょう。

学習面に関する情報収集も大切です。

今の学校と授業の進度が違う場合、塾に行く、家庭教師などで対応が必要になるかもしれません。

もし、近隣の学校に問題がありそうなら、引っ越しを伴う転校、私立への転入、祖父母のもとに身を寄せるなどまで含めて選択肢を広く検討するほうが良い場合もあります。

いじめの状況の把握と本人のケア

いじめの状況や子どものメンタルの状況によっては、転校だけでは問題が解決しないケースもあります。

例えば、いじめが原因で不登校が長く続いた場合、新しい環境で友人関係を築けるのか、そもそも学校に通うことができるのかなど、本人の心のケアが最優先課題です。

いじめがまだ続いている、スマートフォンやネットなどでつながっている場合は、離れるだけでは解決に至らないこともあるでしょう。

まずは子どもの心身の安全を確保し、回復をはかるのが大事です。

そのうえで、安心して学校生活を送れるように、状況の把握と本人のメンタルケアを十分にする必要があります。

転校せずに事態を好転させる方法も検討

子どもがいじめにあっていると知ったとき、保護者としては現場から距離を取ることを最優先にしてしまう場合があります。

しかし、もし現在の学校で仲の良い友達がいたり、学校側の対応が適切だと感じたりするなら、転校しないことも一つの選択肢です。

いじめを学校に訴え、加害者に伝えたとき、相手やその保護者の対応次第では、事態が終息し、反省と謝罪があり、二度と再発しないなど好転するケースもあります。

本人が自分の力と親の助けで問題を乗り越え、自分の居場所を作れたと感じるほうが良い場合もあります。

いじめと向き合うことは時間も労力もかかりますが、いじめを解決したことが子どもの自信につながることも。

さらに、加害者側の転校で状況が改善する場合もあります。

簡単な問題ではないですが、あらゆる角度から最善の方法を考え、そのなかで転校ではない選択肢も検討してみても良いかもしれません。

まとめ:情報収集しつつ、最善の方法を

児童がいじめにより転校を余儀なくされるのは、いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」にあたります。

そのため、学校に調査組織の設置をお願いすることも可能です。

フランスでは、2023年9月から学校内でいじめが確認された加害者の生徒を、別の学校へ転校させることができるようになりました。

被害者が転校することが解決策なのではなく、加害者側が転校するのが当たり前になるほうがいじめの抑止力につながる可能性も期待されています。

いずれにしても、子どもにとって、最善の方法が見つかることを願っています。

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