文部科学省が定めた「生きる力」って?学校教育はどう変わるの?

文部科学省が定めた「生きる力」って?学校教育はどう変わるの?

子どもの教育において「生きる力」が今、注目されています。

「生きる力」は、学校で学んだことが、子どもたちの未来へつながる力になるように、文部科学省が学習指導要領のなかで指針を出しているものです。

では実際に「生きる力」はどんな力で、学校でどのようにその力を育てているのでしょうか?

この記事では、新しい学習指導要領のなかで伝えられる「生きる力」がどのようなものか、実践内容を含めて具体的に紹介します。

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新学習指導要領の「生きる力」とはどのようなもの?

新学習指導要領の「生きる力」とはどのようなもの?

「生きる力」と聞いても、どのような学習内容なのか想像がつきにくいですよね。

新しい学習指導要領の改訂は、子どもの学びを時代にあわせて進化させるため、何を学ぶかだけでなく、どのように学ぶか、何ができるようになるかも重視され、子どもたちの生きる力を確実に育むことを目的としています。

ここからは、文部科学省が定めた内容や目指す点をわかりやすく解説します。

「学習指導要領」とは?

学習指導要領とは、全国どこの学校でも一定の教育水準が保たれるように、文部科学省が定めている教育課程の基準です。

時代の変化などを見据えて、およそ10年に1度改訂され、前回の改訂は2008年におこなわれました。

今回の学習指導要領は、子どもの学びをよりいっそう深化させることを目的として改訂され、それによって教科書や時間割も変化しています。

学んだことを社会に出ても活かせる学校教育を目指し、小学校は2020年度、中学校は2021年度から各学校で新学習指導要領に沿った授業が全面実施されています。

高等学校は、2022年度の新入生から順次実施される予定です。

参照:文部科学省:学習指導要領「生きる力」> 平成29・30・31年改訂学習指導要領の趣旨・内容を分かりやすく紹介

「生きる力」とは?

「生きる力」は2008年に、文部科学省が小・中学校の学習指導要領を改訂する際に掲げた理念です。

一人の人間としての資質や能力を指す力であり、「知・徳・体のバランスのとれた力」の総称を「生きる力」と文部科学省は呼んでいます。

インターネット社会の発展など、変化の激しい現代社会を生き抜き、自分の道を切り拓いていくために不可欠な力として重要視されている「生きる力」。

これからの予測不能の現代を生きるための教育を、国を挙げて目指しているのです。

2020年度の改訂では、この「生きる力」を子どもたちの未来に活かせるようにより具体的に発展させています。

「知・徳・体」とは?

「知・徳・体」とは?

文部科学省によると「生きる力」は「知・徳・体」の三つに分類され、三つをバランス良く総合的に育むものとされています。

それぞれどういう意味を指しているのか、以下にまとめました。

  • 基礎的な学力、学問の基本を確実に身につけ、その知識を活用して自ら課題を見つけ、自ら学び、考える力。
  • 見つけ出した課題に対して主体的に判断・行動し、より良く問題解決する資質や能力。
  • 自らを律しながら、他者と協調性を持って行動する力。
  • 思いやりの心や感動する心などの、豊かな人間性。
  • たくましく生きるために健康で過ごす力や、体力。

従来は、知識がより重視され、どれだけ多くの知識を記憶できているかをテストの点数など数値化できるもので測り、評価の基準にしていましたが、これからは個人の資質を育むことに主軸を置いていることがわかります。

「資質・能力の三つの柱」とは?

新しく制定された学習指導要領では、新しい時代を生きる子どもたちに必要な力を三つの柱として整理しています。

「何のために学ぶのか」その意義を共有しながら教育を発展させるため、文部科学省は三つの柱を以下のように定めました。

  1. 知識及び技能:実際の社会で働き、生活するために役立つもの
  2. 思考力、判断力、表現力など:未知の状況にも対応できるための能力
  3. 学びに向かう力、人間性など:学んだことを人生や社会に生かしていく資質

特に、三つ目の「学びに向かう力、人間性など」は今回の改訂で新しく追加された項目で、学校で学んだことが実際の社会でどう役立ち、つながっていくのかを理解することに重きを置いています。

改訂の理由や目的は

2020年度から始まった学習指導要領は、学校で学んだことが子どもたちの「生きる力」となって、この先の人生につなげて欲しいという願いが込められています。

これから社会がどのように変化し、予測困難な時代に突入しても、それぞれに思い描く幸せを実現できるようにさまざまな要素が盛り込まれました。

自ら課題を見つけ出し、自ら学び、自主的に考え、判断、行動する能力は明るい未来につながります。

「社会の変化を見据えながら教育も進化させる」決意のもと、学校だけでなく、社会全体で「生きる力」の可能性に注目し、子どもたちの学びを応援していくことを目指しています。

なぜ「生きる力」が必要なの?

現代は、社会を構成するすべての活動基盤に、新しい知識や情報技術が重要な位置を占める「知識基盤社会」だといわれています。

これからの未来、政治・経済・文化などあらゆる領域で、新しい知識・情報・技術が必要となってくるでしょう。

そして「知識基盤社会」では、状況がどんどん変化します。

社会はどんどん複雑化し「自ら課題を見出して解決する力」が生きるうえで必要不可欠です。

さらに、技術の発展や情報の流量が増えている現代では「知識・技能の更新のために生涯にわたる学習」が大事になってきます。

地球環境の変化にともなって、「他者や社会、自然や環境とともに生きること」も視野に入れなくてはいけません。

どんどん変化する社会に柔軟に対応していくためにも「生きる力」は大事な能力です。

小学校で具体的に何が変わった?

小学校で具体的に何が変わった?

2020年度からはグローバル化や情報化が進む社会を考慮し、「社会に開かれた教育課程」を念頭に教育改革がおこなわれました。

小学校でもプログラミング教育や英語教育が必修になり、「いじめ」などの問題に取り組む道徳教育も充実しています。

また国語の学習では、論理的な考え方やコミュニケーション能力を育むカリキュラムが組み込まれ、豊かな感性を育むことに重きをおくようになってきました。

学びに向かう意欲や姿勢も評価に加えることで、授業中に質問したり、発表したり、自分の考えを伝える力も大事な能力として考えられています。

子どもの能力を点数や偏差値などだけで測るのではなく、人間としての資質に目を向け、多面的に子どもたちを見ることが重要視されています。

子どもたちの「生きる力」を家庭でも育むには

「生きる力」は学校だけでなく、家庭を含む社会全体で育む必要があると、文部科学省も伝えています。

では、「生きる力」を家庭でも育むには具体的に何ができるでしょうか?

まず、学校で学んだことを日常生活でも応用したり、家庭での親子の経験を学校生活に活かしたりするのが大切です。

早寝早起きや3度の食事など基本的な生活習慣を大事にするところから始め、いろいろなものに触れ、経験を重ねて子どもの好奇心を育みましょう。

子どもが興味を持ったことにどんどん取り組めるようにするのも大事です。

手につけたものは中途半端で終わらせず、最後までやり抜けるように励ますのも良いでしょう。

また、学校や友達のこと、地域や社会の出来事などを家庭内でよく話すようにし、自分の考えをしっかり伝えられるようにするのもおすすめです。

まとめ:詰め込みでもゆとりでもなく

親のなかには、詰め込み教育や、ゆとり教育を受けた世代の方が多いのではないでしょうか。

しかし時代が変わり、これからは「生きる力」を中心に学びを深めていくのが大切です。

学習指導要領が目指す「生きる力」像に圧倒されるかもしれません。

しかしよく理解すれば少しの意識で実践できることばかりです。

学校と家庭の両方で子どもの生きる力を育めると良いですね。

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