回文とは、前から読んでも後ろから読んでもまったく同じ音になる単語や文章です。
例えば、「竹やぶ焼けた(たけやぶやけた)」「新聞紙(しんぶんし)」などです。
この記事では、面白い回文や回文作りのポイントを解説します。
親子で楽しみながら言葉の理解を深められる面白い回文作りにチャレンジしてみましょう!
回文とは?子どもが学ぶ効果やメリットも解説
まずは、回文とはどのようなものなのか知りましょう。
誰もが一度は聞いたことがある有名な回文から、日本語以外の言語にも回文は存在しているのかや言葉遊びのメリットなどを紹介します。
回文とは?有名な例は?英語の回文もある?
回文とは、前から読んでも後ろから読んでもまったく同じ音になる単語や文章です。
有名な日本語の回文には、次のようなものがあります。
- 竹やぶ焼けた(たけやぶやけた)
- 新聞紙(しんぶんし)
- トマト(とまと)
- 私負けましたわ(わたしまけましたわ)
トマト、子猫(こねこ)、八百屋(やおや)などの短い単語は、逆さ言葉とも呼ばれる回文です。
回文は、子どもから大人まで楽しめる言葉遊びとして古くから親しまれ、さまざまな作品が生み出されてきました。
ちなみに、回文は英語でPalindromeといい、日本語と同じように古くから言葉遊びとして親しまれてきました。
有名な英語の回文には、次のようなものがあります。
- Madam, I’m Adam. (マダム、私がアダムです)
- Was it a cat I saw? (私が見たのは猫だった?)
- Some men interpret nine memos. (男たちが9つのメモを解釈する)
単語の制約がある英語は、日本語よりも回文を作るのが大変そうですね。
回文を作ろう!小学校2年生頃で回文も学ぶ
回文は、小学校2年生の2学期頃に国語の授業で学習します。
回文とはどのようなものなのか知り、実際に回文を読んだりカードに書いたりしながら学習を進め、回文作りの基本を学びます。
回文は、素材として使いやすい言葉や組み合わせが見つかると意外と簡単に作れますよ。
子どもと回文で言葉遊びをする効果とメリット
回文を作るためには、いつもとは違う逆からの読みにも意識を向ける必要があります。
逆からの音の並びを文章になるようつなぎ合わせようと考えることで思考力や判断力を養えるだけでなく、さまざまな言葉にも触れられるチャンスにもなります。
語彙力や文章力を楽しみながら伸ばせるのが言葉遊びのメリットでしょう。
面白い回文20選
面白い回文を考えるのは、子どもの言語能力を育むうえでとても効果的です。
子どもが楽しみながら取り組めるよう、参考になる面白い回文を20個紹介します。
ぜひ親子で一緒に楽しんでみましょう!
面白い!短い回文15選
短い回文は基本的なポイントさえ押さえておけば、初心者でも比較的簡単に作れます。
以下を参考にして、使えそうな単語やつなぎ方を覚えましょう。
【3文字】
- 南(みなみ)
- 奇跡(きせき)
- 紳士(しんし)
【4文字】
- キツツキ(きつつき)
【5文字】
- 歌うたう(うたうたう)
- 色白い(いろしろい)
- 多分ぶた(たぶんぶた)
【6文字】
- たしかに借りた(たしかにかりた)
- サルに似るさ(さるににるさ)
- 池と時計(いけととけい)
【7文字】
- 鶏とワニ(にわとりとわに)
- 右手バテ気味(みぎてばてぎみ)
- バリウム売り場(ばりうむうりば)
- たまにガニ股(たまにがにまた)
- まさか逆さま(まさかさかさま)
「サル~るさ」のようなパターンは「~るさ!」と語尾を終えるので、比較的使いやすいパターンですね。
面白い!長い回文5選
続いては長い回文を紹介します。
単語+1文字で作れる短い回文とは違い、複数の単語が含まれるので難易度はぐっと高まりますね。
【9文字】
- ゾウ買いたい!買うぞ!(ぞうかいたいかうぞ)
- じいさん天才児(じいさんてんさいじ)
【12文字】
- 筋肉ボディ!僕人気(きんにくぼでぃぼくにんき)
【13文字】
- ママが私にしたわがまま(ままがわたしにしたわがまま)
- 私きつね、鐘つきしたわ(わたしきつねかねつきしたわ)
「ゾウ~うぞ」は使いやすいパターンの一つです。
また「私~したわ」なども使いやすいですね。
ほかにも現代的な回文として「回数か定期か聞いて買うSuica(かいすうかていきかきいてかうすいか)」(17文字)などもあります。
面白い回文を作ってみよう!ポイントとコツも解説
回文作りのポイントは、使いやすい単語とパターンを覚えることです。
前項で紹介した「サル~るさ」「私~したわ」のようなパターンをたくさん覚えておくと、回文作りが楽になります。
回文の作り方とルール
回文の作り方とルールは以下のとおりです。
- 前から読んでも後ろから読んでも同じ音
- 意味が通じる
- 濁音(゛)や半濁音(゜)を静音(濁らない読み方)に変えるのはNG
- 長音(ー)をかな読みに変えるのはOK(クリーム → くりいむ)
- 促音(小さい「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」)や拗音(「きゃ」「じゅ」「ぴゃ」など)は普通に読んでもOK (「カツ焼き却下(かつやききゃっか)」)
回文作りには厳格なルールはなく、上記に挙げた考え方などから採用するものとしないものを選んで決めます。
作者によって濁音や半濁音を静音に読み替えられる場合もあれば、読み替えられない場合もあるなど、回文作りのルールは比較的曖昧です。
子どもと一緒に作りやすいルールからはじめてみましょう。
上で紹介したトマトや新聞紙などの単語を上手に使い、「が」「は」「と」「で」など言葉をつなぐと作りやすいですよ。
面白い回文の作り方
面白い回文を作るためには、とにかくさまざまな言葉を逆さに読んでみることが大切です。
身の回りや街中にあるさまざまなものの名前を逆から読んでみたり組み合わせてみたりして、面白い言葉になるものを見つけましょう。
- 単語をひっくり返してダブった文字を消す(スイカ → スイカカイス → スイカイス → スイカ椅子)
- 単語の並びを逆にする(トイレ → トイレレイト → レイトトイレ → 「う」を追加 →レイトウトイレ → 冷凍トイレ)
読む方向や言葉の並べ方に固着せず、自由に組み合わせることが面白い回文を作るポイントです。
回文がテーマの絵本も参考に
子ども向けの絵本のなかにも、回文をテーマにした作品がたくさんあります。
以下はほんの一例です。
- 『まさかさかさま 動物回文集』(石津ちひろ/著、長新太/イラスト|河出書房新社)
- 『世界のことばあそび〈2〉世界の早口ことば・数え歌・回文 (世界のことばあそび 2)』(こどもくらぶ編集部/作|旺文社)
- 『ことばあそび玉手箱』(石津ちひろ/訳、つちだのぶこ/絵|小学館)
子どもでも読みやすい文章で作られた回文がたくさん登場します。
面白い回文作りに役立つ単語、単語の組み合わせを探すうえでとても参考になりますよ!
まとめ:親子で回文を楽しもう
いきなり上手に回文を作るのは難しいので、まずは親子でいろんな回文を探してみましょう。
そのなかから使えそうな単語や組み合わせを見つけ、オリジナルの回文にアレンジするのがおすすめです。
親が言った言葉を子どもに逆から読んでもらう遊びをしながら、逆さ言葉をたくさん書き出してみましょう。
回文を作るだけでなく、単語を調べたり逆さ言葉を考えたりする過程すべてを遊びととらえて取り組むと楽しめそうですね!
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