「小学校の特別支援学級と特別支援学校の違いは?」「特別支援学級ってどんなことをしているの?」など、子どもの小学校への進学で悩んでいる保護者さんも少なくないのでは。
この記事では、特別支援教室に入れるべきか、通常の学級に入れるべきか悩んでいる方に向けて、特別支援学級と通常学級との違いや、通級指導教室について詳しく説明します。
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目次
小学校の特別支援学級とは?通常学級や支援校との違い
小学校の特別支援学級とはどんなものなのでしょうか。
通常学級や特別支援学校との違いをくわしく紹介します。
特別支援学級とは?
特別支援学級は、障害のある子や強い特性やこだわりを持つ子に応じた教育を受けるためのクラスです。
学校によって、「なかよし学級」や「ひまわり学級」「青空学級」などと呼ばれることもあります。
基本的に、専門的な知識や資格を持つ教員が授業やサポートをし、給食や行事、一部の授業などは通常学級と一緒に交流することもあります。
すべての授業を特別支援学級で受けるわけではないので、多く生徒とのコミュニケーションが経験できるのがメリットです。
特別支援学級で授業を受ける場合、その子の特性に合わせながら、個別の指導計画が作成されるので手厚いサポートを受けられます。
ただし、公立小学校では、学校の規模や教員不足などで特別支援学級のないところもあります。
その場合は、近隣の公立小学校に入学することになることが多いようです。
通常学級との違いは?
通常学級というのは、多くの子どもたちが通う一般的なクラスのことです。
1クラスは35人以下を標準にして振り分けられます。
特別支援学級とは違い、基本的にはすべての教科を同じクラスの子と一緒に同じ内容の授業を受けます。
通常学級に通っていても、加配や個別指導計画が必要になる子もいます。
その場合、教諭の加配や特別支援教育支援員からのサポートを受けながら、通常学級で学ぶ環境を整えていくことも可能な場合もあります。
加配教員や特別支援教育支援員は発達障害のある子や1人では授業の理解が難しい子につくサポートの担当者のことで、授業をおこなう担任の先生とは別です。
特別支援学校とは?
特別支援学校は、心や身体に障害を持つ子どもが将来自立できるような教育に重点を置いた学校のことです。
1クラス3人以下などの少人数制で、その子ども1人ひとりに合った指導計画を作り、自立をサポートしてくれます。
学校にいる先生は、教員免許だけではなく特別支援学校の教員免許を取得している専門的な知識と経験を持つ教師です。
手厚いサポートが受けられるのが魅力ですが、特別支援学校の数はそれほど多くなく、通うのに距離があったり、人数に制限があったりします。
特別支援学級の対象となる児童生徒
特別支援学級の対象となる児童生徒とは、いつどのような判断で決まるのでしょうか。
特別支援学級に入る基準や、入学までの流れを詳しく紹介します。
ただし、基準は受け入れる学校側の体制や自治体の判断によって変わることもあるので注意してくださいね。
特別支援学級に入る基準
障害のある子どもといっても、障害の内容や重さは人それぞれです。
多くの場合、知的障害、肢体不自由、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害などが対象となります。
ただし、特別支援学級のある学校でも、すべての障害に対応しているわけではありません。
障害の有無や等級だけで判断されるのではなく、子どもの個性や学校側の状態などを色々検討したうえで判断されます。
特別支援学級に入るまでの流れ
特別支援学級を検討しているのであれば、入学前年におこなわれる就学相談などで市区町村の就学支援委員会に相談する必要があります。
就学相談の時期が遅く、もっと早くに多くの情報や選択肢を知りたいという場合は、幼稚園を通してもしくは直接、市区町村の就学支援相談室などに問い合わせてみましょう。
就学先によって、指導内容や教育課程が異なり、学校や自治体によってさまざまな選択肢があります。
保護者や先生はもちろん子ども本人の意見を丁寧に聞き取りながら、市区町村の就学支援委員会が判断し、最終的には教育委員会から決定の通知が届きます。
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特別支援学級の指導内容
特別支援学級に通わせようと思うものの、指導内容がどのようなものかわからないと不安ですよね。
ここでは、特別支援学級の指導内容がどんなものか、その1例を紹介します。
通常学級と違い、子ども1人1人に合った内容での教育になるので、詳しく知りたい方は検討している学校に問い合わせてみると安心です。
特別の教育課程を編成
小学校学習指導要領解説によると、特別支援学級では、自立活動と、必要に応じた教科内容の変更、児童の障害の程度に合わせた教科変更に重点をおき、生徒一人ひとり個別の教育課程を編成しています。
自立活動とは、障害による学習上または生活上の困難を克服し、自立を図るためのもので、授業に取り入れるよう配慮されています。
また、児童の障害の程度や学級の実態などを考慮したうえで、各教科の目標や内容を下学年の教科の目標や内容に替えたり、各教科の内容を特別支援学校の各教科に替えたりするなどして、実態に応じた教育課程を編成するように配慮されています。
参照:文部科学省|【総則編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説
「自立活動」の指導とは
特別支援学級で指導される自立活動とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
人間としての基本的な行動は「健康の保持」「心理的な安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「身体の動き」「コミュニケーション」の6つに分類されています。
自立活動は、その6つを子ども1人ひとりの状況や必要性に合わせて指導し自立を促します。
「身体の動き」が苦手な子どもであれば、リハビリやストレッチなどをおこない、日常生活に必要な動作が少しでも上達するようにサポートします。
「人間関係の形成」が苦手な子どもには、他者への声がけなど、関わりの基礎的なことを指導します。
特別支援学級に通わせるべき?通常の学級に通わせるべき?
子どもに障害がある場合、特別支援学級に通わせるべきなのか?通常の学級に通わせるべきなのか?と迷う保護者さんは少なくありません。
子どもの一生に関することなので、少しでもたくさんの情報を知り、検討する必要があります。
「特別支援学級」か「通常学級+加配」かなど、判断に悩む方のために知っておきたいポイントを紹介します。
自治体での選択肢や進路先の情報収集
子どもに障害の診断がついている場合、自治体によって選択肢が変わるので、進路先の情報収集が大切です。
住んでいる地域によっては、校区内の学校に特別支援学級がない(もしくは空きがない)ということもあります。
通級による指導教室や特別支援学級、学校の種類や数、入る条件なども異なるので、どのような選択肢があって希望すれば就学できる状況なのかを調べておく必要があります。
選択肢として検討している学校に通う先輩の保護者に聞いてみたり、学校公開を見学したりすると良いでしょう。
学級の数や1学級あたりの人数や条件などをしっかり確認することが大切です。
特に発達障害はそもそも特別支援学級の対象にあたるのかも自治体によって異なります。
学区を超えての通学候補まで検討すると選択の幅が広がるのでおすすめです。
子どもの状況や特性を相談しつつ整理
特別支援学級か通常の学級か悩んだとき、子どもの障害の具合や置かれてる状況、特性を把握し、どのような支援やサポートがあればいいのかを考えてみましょう。
子どものためにどのような環境や配慮があれば学びやすく、過ごしやすいのかを考えると良いでしょう。
少人数で専門的なサポートが必要な子がいる一方で、特性によっては、多くの子どもたちと同じ教室でコミュニケーションを取るほうが良い刺激になる場合もあります。
今、通っている幼稚園・保育園や療育施設の職員さんに相談して、子どもの様子を聞いてみると参考になるでしょう。
大切なのは、親だけの意見や専門家だけの意見ではなくいろんな人の意見を聞いて、子どもに合った環境を探すことです。
親の付き添いは必要かどうか
特別支援学級の場合、親の送迎や授業中の付き添いは必須もしくは可能かを確認しておくことも必要です。
特別支援学級に通う子の場合、学校によっては集団登校が必須にも関わらず、親の付き添いや車での送迎が必要なケースもあります。
最初のうちは母子分離が難しく、授業中教室の後ろで見学しなくてはいけない場合もあります。
送迎や授業中の付き添いが許可されるかどうかは学校側の考えもあり、希望しても通らないこともあります。
逆に学校側から付き添いをお願いされることも考えられます。
自治体や学校によって考え方や状況も異なるので、支援学級でも通常学級でも親の負担がどの程度あるか、見学する際によく確認しておきましょう。
「通級指導教室」という選択肢も
特別支援学級以外にも、通級指導教室という選択肢もあります。
障害の程度が軽く、特別なサポートが必要なのはごく一部という子どもたちが利用するクラスです。
そもそも小規模校で特別支援学級があることは珍しく、知的障害を伴わない発達障害は「通級指導教室」しか選択肢がない自治体もあります。
例えば、学習障害のなかには「算数障害」などという場合もあります。
その場合、サポートが必要な算数だけを特別支援学級で学ぶというケースが考えられるでしょう。
週に1〜8時間程度、別の教室で障害の特性に応じた学習や指導が受けられ、ほかの時間は、通常学級に在籍していて他の子どもたちと一緒に過ごします。
基本的に普通学級に在籍しているので、同級生としっかりコミュニケーションが取れるのがメリットです。
まとめ:相談しつつ柔軟に対応を
特別支援学級や通級指導教室の仕組みや手続き、条件は自治体や学校によってさまざまです。
自治体の担当者や学校の先生、今現在特別支援学級に通っている先輩ママなどいろんな人に意見を聞いてみましょう。
一番大切なことは、子ども自身が無理せずに自分らしく過ごせる環境を用意することです。
大人だけではなく、子ども自身にもどうしたいのか聞いて判断材料の一つにしましょう。
もし、実際に通っていて困ったことがあったら、途中で通常学級へ変更するなど柔軟な対応も可能か確認しておくことも大事です。
大変なことも多いと思いますが、子どもの成長をふまえつつ、その都度相談し、対応を考えると良いですね。
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