「忘れ物が多い」「板書がうまくできない」など、ワーキングメモリーが低いことが関連して何か困っている子どもやその保護者は少なくありません。
ワーキングメモリーが低い子は、学校や日常生活で困難が起こりやすく生きづらさを感じることがあります。
ワーキングメモリーを鍛える方法として考えられる、簡単にできる遊びやゲームを紹介するのでぜひ参考にしてください。
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ワーキングメモリーとは?

まずは、ワーキングメモリーとは何か、ワーキングメモリーが低い場合の影響などを解説します。
ワーキングメモリーは、日常生活をはじめ認知機能全般においてとても重要なものです。
ワーキングメモリーが通常より低くなる主な原因なども解説するので、参考にしてください。
ワーキングメモリーって?重要性は?
ワーキングメモリー(working memory)は、脳の認知機能の一部で、一時的に情報を記憶し、処理する概念や働き、脳の一連の流れ、能力のことです。
作業記憶や作動記憶とも呼ばれています。
ワーキングメモリーは耳や目などから入った情報を短期記憶のように脳内に一時的に保存し、長期記憶から必要な情報を関連付けていったり、いらなくなった情報を削除していったりして、情報の操作や処理を脳のなかでおこないます。
数や単語、文章などを音声や文字で得るほか、イメージや絵、位置情報など目で見て得た空間情報なども一時的に脳に保存し、そのなかから必要な情報を取捨選択し、思考や問題解決、意思決定する際に活用します。
そのため、学校の授業や学習、新しいスキルの習得の際はもちろん、仕事や生活などあらゆる日常活動で重要なのです。
発達に悩みがある場合などに受けることが多い知能検査「WISC-Ⅳ(ウィスク・フォー)」で測り、ワーキングメモリーが低いか高いかがわかります。
ワーキングメモリーが低いとどうなる?
ワーキングメモリーが平均より低い場合、日常的に困難を感じたり、学校や仕事、生活上の問題が生じたりするおそれがあります。
耳や目から入ってくる情報をうまく処理できず、何をすべきかがわからなくなってしまうからです。
具体的には、下記のような問題を感じたり、困ったりしがちです。
- 忘れ物が多い
- 複数の指示を覚えられず、実行できない
- 細かい作業のミスが多い
- マルチタスクが苦手
- 読み書きや計算する力が弱い
- 頭の中を整理して考えるのが苦手
- 誤字脱字が多い
- 手順どおりに物事を進めるのが難しい
- 口頭での指示が通じにくい
いずれも、ワーキングメモリーの低さだけが原因とは限りませんが、もし、子どもがこのような困難を感じているなら、要因の一つにはなっているかもしれません。
ワーキングメモリーが低い原因は?
基本的にワーキングメモリーの容量は個人差があり、個々によって異なるものです。
ワーキングメモリーが低い原因は、一つだけではなく複数の要因が関係していることが考えられます。
発達障害や発達の遅れ、遺伝的要因の関連が疑われることもあります。
さらに、学習障害や睡眠障害の併発の可能性も考えられます。
また、睡眠や栄養、運動などが不足している、もしくはストレスが原因で一時的にワーキングメモリーが低下していることもあります。
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ワーキングメモリーを鍛えることは可能?

ワーキングメモリーが低いことで困難が生じているように感じられる子どもを育てる保護者のなかには、改善方法を模索したいと思う方も多いのではないでしょうか。
ワーキングメモリーを鍛えることは可能なのでしょうか。
ここでは、ワーキングメモリーで困っている子どもへのサポートや支援、ワーキングメモリーを鍛えて向上させる方法などを解説します。
ワーキングメモリーが低い子へのサポートや支援は?
WISCなどの検査結果で、ワーキングメモリーの低さに心配がある場合は、学校や保護者、専門家と連携し、最適なサポートプランを立てることが大切です。
「ワーキングメモリーが低い」といっても、その度合いや苦手な分野などには個人差があります。
そのため、サポートや支援は、個々に適した方法での対応が望ましいです。
子どもの年齢や具体的な困りごとに合わせて、サポートの方法を選択しましょう。
例えば、耳からの情報を処理しにくい子には、視覚的なサポートを増やすと理解しやすくなります。
活動の流れを、写真や図解で視覚的に提示すると良いですね。
また、やるべきことや大切なポイントは、箇条書きにすると理解しやすくなることもあります。
勉強するときや話を聞くときには、刺激となる要素が目に入らないように環境を整えたり、思い出させる言葉をかけたりすることも効果的です。
ワーキングメモリーはどうしたら向上する?
残念ながら、ワーキングメモリーは訓練や成長で必ずしも向上するものではありません。
トレーニングで鍛えるメニューもありますが、その成果にははっきりとした根拠はなく、いまだに研究段階の域を超えません。
ただし、適切な支援や介助を受けながら長期的なトレーニングをおこなうことで、困難を軽減できると考えられています。
ワーキングメモリーが変わらなくても、ツールを使ったりサポートを受けたりしながら生活に困らないように工夫できることもあるのでうまく付き合えるようにしましょう。
子どもがワーキングメモリーを鍛える遊びやゲーム

ワーキングメモリーが鍛えられるのかは賛否があります。
個人差も大きい問題なので、必ず成果を出すのは難しいかもしれませんが、トレーニングのすべてが無駄というわけではありません。
トレーニングや遊びによって、脳や身体の成長に刺激を与えることは、多くのメリットがあります。
ここでは、ワーキングメモリー機能の向上を目指せる遊びやゲームを紹介します。
逆さ言葉遊びや逆さ言葉クイズ
逆さ言葉遊びは、クイズや文を逆さにしたものを聞いて、正しい単語に戻す遊びです。
子どもに「コップを逆から読むと何になる?」と聞き「プッコ」と答えられたら正解です。
最初は3文字程度の短い言葉から始めると良いでしょう。
ほかにも、「りにおぎ」などと言葉をバラバラにして、「おにぎり」と正しい単語に戻してもらうのもおもしろいですよ。
文字を覚えながら逆さに直すのは短期記憶を鍛えるのに役立ちます。
後出しじゃんけん
後出しじゃんけんは、相手がじゃんけんで出したあとに、負ける手をだす遊びです。
例えば相手が「グー」を出したら「チョキ」を出します。
後出しといっても、最初はわざと負けることが難しいものです。
目から入ってきた情報を認識してから、何を出せば勝つのか判断することが、ワーキングメモリーの向上につながります。
最初は、時間がかかっても大丈夫です。
慣れてきたら、どんどんテンポをあげてみましょう。
子どもだけではなく、認知症予防のトレーニングでも使われる遊びで、楽しみながら脳トレの効果が期待できます。
暗算や暗記が必要なゲーム
暗算や暗記が必要なゲームは、ワーキングメモリーを鍛えるのに効果的とされています。
子どもでも楽しんでできるような脳トレゲームやアプリも多くあります。
ほかにも、ナンプレ(数独)やトランプの神経衰弱、カルタなども短期記憶を鍛えられる遊びです。
ワーキングメモリーが低い子どもは、苦手でやりたがらない場合もあるかもしれません。
しかし、「ヒントやハンディを取り入れる」「大人がうまく手加減してあげる」と、楽しんで取り組めるようになりますよ。
絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせもワーキングメモリーを鍛える練習になります。
ワーキングメモリーが低い子が自分で本を読む場合、登場人物の名前や特徴を覚えられず本の内容がうまく頭に入ってこないことがあります。
しかし、絵本の読み聞かせだと耳から入ってくる声と言葉や絵が結びつきやすいと感じる子も少なくありません。
子どもが物語の内容や登場人物を思い出し、ストーリーの展開を理解する練習にもなります。
成果に個人差はあるものの、絵本の読み聞かせは、ワーキングメモリーの向上に期待できます。
登場人物が少なく、シンプルなストーリーの絵本の読み聞かせから始めてみましょう。
外遊びもおすすめ
外での遊びは、子どもたちにとってたくさんの刺激があり、認知能力やワーキングメモリーを向上させるのに役立つ可能性があります。
例えば、外遊びは視覚的な刺激が豊富です。
帰り道で「あの公園の滑り台は何色だったっけ?」などおしゃべりをするのも楽しいですね。
自然の景色や色とりどりの花を見て楽しみつつ、おままごとやごっこ遊びをするのはワーキングメモリーを刺激し、情報を一時的に記憶し、分析する能力を向上させてくれます。
ほかにも、おにごっこやかくれんぼなど他の子と遊んだり、公園の遊具で遊んだり、外遊びで身体をたくさん使って遊ぶことも、向上につながります。
まとめ:普段の生活で意識しよう
ワーキングメモリーの低さが原因で、日常生活や学校生活に困難を抱える子どもは少なくありません。
そんな子どもたちが生活しやすいように、適切なサポートや配慮、訓練などが必要です。
ワーキングメモリーは睡眠やストレスなどで一時的に低下することもあるので、生活リズムの改善、適度に体を動かすことなども大事にしてくださいね。
ワーキングメモリーを鍛える遊びやゲームなどをしながらトレーニングすることで、生きていくために必要な力全般を楽しみながら向上させていけると良いですね。
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