子どもたちが楽しみにしている夏休みに入りましたね。
毎朝、学校に通わなくなる長期のお休みは、生活リズムが崩れやすいので注意が必要です。
今回は、上級睡眠健康指導士であり、二児の母でもあるママライターが、夏休みも早寝早起きで健康に過ごす秘訣をわかりやすくまとめました。
生活リズムが崩れないように、親子で気をつけて過ごしたいポイントをご紹介します。
親の影響を受けやすい子どもの睡眠リズム
環境により、生活リズムは大きく変わります。
学校がお休みの日は、起床と就床の時刻が乱れやすくなります。
睡眠は子どもにとって、脳が育つ大切な時間。
子どもの生活と睡眠のリズムは、親の影響を強く受けます。
「早く寝なさい!」
と子どもに怒鳴ってしまったこと、みなさん少なからずあるのではないでしょうか。
いってもきかないと諦める前に、子どもが眠くなる時間が就寝時刻になるように、子どもの睡眠環境を整える方法をお伝えしたいと思います。
睡眠と生活リズムのチェックリスト
- 毎日、起きる時刻と寝る時刻が決まっている
- 毎日、朝食、昼食、間食、夕食の時刻が決まっている
- 習慣化している適度な運動がある
- 寝る2時間前に夕食、お風呂を済まし、以降のテレビやゲームは控えている
毎日、同じ時刻に起床・就床し、食事をとることで体内時計が整います。
毎日ばらばらな方や平日と休日でずれている方は、生活習慣を見直しましょう!
また、運動の習慣がない対象に対して、習慣がある対象は良好に睡眠を維持すると報告されています。
寝る前は、心身ともにリラックスできている状態が理想です。
できれば、就寝2時間前には、からだや心に刺激を与えそうな行動は控えるようにしましょう。
乱れた睡眠と生活リズムの解決ポイント
睡眠を学ぶ機会って、なかなかありませんよね。
医療業界でも睡眠を専門的にみている施設はあまり多くありません。
睡眠は人生の3分の1です。
夏休みを機に、睡眠や生活リズムの大事さに意識をしてみましょう。
生活リズムがガタガタだと、睡眠のリズムも乱れます。
睡眠のリズムが乱れると質の良い睡眠がとれずに、朝にスッキリ起きれなかったり、イライラしたり、起きていないといけない場面で眠気がきたりします。
前項の生活リズムをチェックして、質の良い睡眠が十分にとれる起床・就床時刻を親子で決めましょう。
推奨される睡眠時間は、3〜5歳(未就学児)で10〜13時間、小学生で9〜11時間です。
朝起きれないお悩みを改善
目覚ましがなっても起きない……!
がんばって子どもを起こそうとしても、びくともしない……!
むりやり起こしたらぐずりがひどく、自分から何もしてくれない……!
忙しい朝は、子ども自ら起きて、機嫌よく行動してくれたらいいのに……と思いますよね。
スッキリ起きれない理由は、十分に睡眠が足りていないからかもしれません。
通常、なかなか起きない深い睡眠は、睡眠前半に多くみられます。
夜、眠りについたからだは、ゆっくり休み、徐々に起きる準備をしています。
しかし、睡眠が足りていない状態だと、起きる準備ができずに、朝方にも深い睡眠が続きます。
からだが起きる状態になっていないので、起きようと思ってもスッキリ目覚めることができません。
【子どもと考える:その1】睡眠日誌をつけてみよう
親子で睡眠の役割を考える時間を作ってみてください。
断眠を続けると人間は生きられません。
心とからだを健やかに保つには十分な睡眠が必要不可欠です。
「朝起きれない」は、睡眠が足りていないサインのひとつです。
できれば2週間ほど、起きた時刻と寝た時刻、お昼寝した時間などをメモして、睡眠日誌をつけてみてください。
朝スッキリ起きれていない子どもは、睡眠時間が不規則だったり、足りていないと意識できるようになります。
起きない子どもを起こすために親ができること
起きない子どもをむりやり起こすのは、なかなか大変ですよね。
まずは、親子でつけた睡眠日誌を確認してみてください。
前述した推奨睡眠時間と比べて、足りていない場合は十分に睡眠時間がとれるように工夫しましょう。
もちろん、睡眠時間は個体差があります。
睡眠時間が少なくても、朝スッキリ起きて昼間も元気に活動できる子もいますよ。
朝は、起こすときにカーテンを開けて子どもに光をあててください。
朝食もバランスよくしっかりとれるようにしましょう。
ちなみに、私はずぼらなのでパン・ミニトマトやレタス・魚肉ソーセージなど、出すだけですむメニューにしています……。
夜眠れないお悩みを改善
夕方に寝てしまい、夜に寝ない……!
子どもが眠たくなる時間が遅い……!
寝る時間になっても元気に走り回っている……!
子どもにとって睡眠は大事で早く寝たほうが良いことはわかっていても、スムーズに就寝してくれないと寝かしつけにすごく時間をとられてしまいますよね。
夜に眠気がくる時刻は、朝の行動ですでに決まってきます。
人間は、起きて光を浴びた14〜16時間後に、睡眠へ導くホルモンがたくさん分泌されるようになっています。
朝に起きる時刻や光を浴びる時刻が遅れるほど、早い時刻に眠ることが難しくなります。
【子どもと考える:その2】眠くならない理由を知ろう
子どもに何で寝ないのか聞いてみました。
「遊びたい。眠くないのにじっとしないといけないなんて時間のむだ!」と返事がありました。
話を聞くと、子どもだって眠かったら寝たいようです。
まずは、なぜ眠くならないのか睡眠を知り、行動を変えることが大切です。
光は睡眠を促すホルモンの分泌を抑えてしまいます。
夕方以降は、テレビやゲームなど強い光が目に入るのを控えましょう。
また、お昼寝で就寝時刻が遅れてしまう場合は、生理的な眠気がくる14時頃に30分以内の昼寝にとどめてみましょう。
なかなか寝ない子どもに対して親ができること
保護者が寝て欲しい時間になっても、寝ようとしない子どもの相談はよくあります。
子どもも大人も、興奮した状態では眠れません。
いうことをきかない子どもを寝かせようとして、「寝なさい」と怒鳴るのは逆効果です。
ストレスや不安が強い状態でも寝付けませんので、夜は親子で落ち着いて会話をしたり、絵本などを読んであげて、お互いリラックスできると良いですね。
寝かしつけに特化した絵本もたくさんありますので、ぜひ活用されてみてください。
子どもが好むリラックスできる優しい音楽や香りも効果的です。
睡眠リズムが崩れたときの整え方
十分な睡眠時間を確保してもスッキリ起きれない場合は、からだのリズムを合わせてあげましょう。
時間がかかるケースもあるので夏休みのような長期休暇はチャンスです。
まずは、自然に起きる時刻にカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。
翌日は、前日より15分早く起きて、同様に太陽の光を浴びましょう。
こちらを起きたい時間になるまで繰り返します。
覚醒と睡眠のリズムは、光に最も影響を受けます。
人の概日リズムは24時間ぴったりではありませんので、毎朝、光でリセットしてあげないとずれていきます。
夕方以降は明かりを落として過ごしましょう。
夜は、子どもが安心して眠るためのルーティン作りがおすすめです。
就寝2時間前にはお風呂と晩ごはんをすませて、寝る前はパジャマに着替えて、リラックスできる子どもが好きな曲をかけて、絵本を読んで、電気を消す。
など、一連のルーティンを作ることにより、今から眠るんだぞ!と、からだが覚えます。
不眠に悩む方のなかには、ルーティンや寝る環境を変えるだけで改善される方もいます。
概日リズム睡眠・覚醒障害
朝に起きて活動し夜に眠るという一般的なリズムを保てない睡眠障害があります。
リズムが後ろにずれてしまう睡眠・覚醒相後退障害
リズムが前にずれてしまう睡眠・覚醒相前進障害
リズムが不規則な不規則睡眠・覚醒リズム障害 など
朝起きれずに、やる気がないと判断されたり、精神疾患とされてしまうことがあります。
外の環境と合わずに不登校や気分の落ち込みにつながりますので、適切な睡眠衛生指導や治療をおこなえる医療機関の受診が必要です。
他にも、朝スッキリ起きれない・眠気が生活に支障をきたすさまざまな睡眠障害があります。
【睡眠のリズムを整える】簡単にできるおすすめ行動まとめ
睡眠のリズムを整える方法を箇条書きにしてまとめてみました。
できることから試してみてくださいね。
- 推奨睡眠時間は、3〜5歳(未就学児)で10〜13時間、小学生で9〜11時間
- 睡眠日誌をつけて、自分の睡眠習慣を知る
- 毎日、起きる時刻と寝る時刻を決める
- 朝は、カーテンを開けて太陽の光を浴びる
- 朝食は、バランスよくしっかりと食べる
- 毎日、朝食、昼食、間食、夕食の時間を決める
- 就寝時刻が遅れるときは14時頃に30分以内の昼寝にとどめる
- 適度な運動を習慣化する
- 夕方以降は光を落とし、テレビやゲームは控える
- 寝る2時間前に晩ごはん、お風呂を済ませる
- 夜は、親子で心身ともにリラックスして過ごせる工夫をする
- 子どもが安心して眠るためのルーティンを作る
ママライタープロフィール
9歳の息子と6歳の娘を持つ京都出身、福岡在住のママ。
趣味は旅行、読書、牧場巡り。10年間、睡眠専門医療機関でSEを担当していたのでIT関連は得意。
上級睡眠健康指導士。デザインを学び、現在は開業してWebサイト制作を中心に活動中。株好きのFP2級でもある。
子どももクリエイティブなので一緒に絵を描いたりゲームを作りたい。最近、長男がバスケを始めた。
(※原稿執筆時)