夏の夜、年々上昇する気温……そして、寝ない子ども。
からだも気持ちもぐったりしてしまいますよね。
今回は、上級睡眠健康指導士であり、二児の母でもあるママライターが、寝苦しい夏の夜の対策をわかりやすくまとめていきたいと思います。
夏は、暑さですぐに寝付けなかったり、途中で起きることが増えてしまいます。
しっかり睡眠環境を整えて、熱帯夜も家族みんなで気持ちよく眠りましょう!
春夏秋冬で睡眠時間が変わる?夏の眠りの特徴とは
睡眠は、太陽の光に影響を受けています。
夏の日照時間は冬よりも長く、日の出に合わせて起きる時間は早くなり、日の入に合わせて寝る時間も遅くなりやすくなるのです。
つまり、夏は睡眠時間が短くなる季節。
そして、日本の夏は高温多湿!
眠るとき、温度が高いと体の熱を放出するために汗が出ます。
乾燥していると、そのまま蒸発してくれるのですが、湿度が高いと汗がたまりやすくなり、その不快感でぐっすり眠れなくなってしまいます。
寝室の温度や湿度を適切に調整して、熱帯夜を乗り切りましょう。
子どもの睡眠の大切さ
「寝る子は育つ」という言葉があるように、子どもにとって睡眠はとても大切です。
不規則な生活で睡眠不足となり、からだや心の発達を妨げてしまわないように気を付けましょう。
子どもは代謝も良く、大人よりも汗をかきやすいです。
夏場は、特に汗疹ができやすくなるので、室温を適切に保つように心がけたいですね。
からだが痒くなると睡眠も浅くなってしまいます。
そして、睡眠の質が悪くなると、日中にボーっとする時間が増え、授業も集中して受けれなくなります。
幼い子の場合は、ぐずることが多くなります。
夜に寝ない乳幼児
赤ちゃんは、大人とは睡眠の構造が異なります。
夜にまとまって眠る大人とは違い、1日で何度も寝たり起きたりを繰り返し、親はそのリズムに付き合うことになります……。
生後2ヵ月ほどで夜にまとまって眠れるようになってきますが、出産でボロボロの体に鞭打つように育児に追われるので、この時期に産後うつになってしまうお母さんもいます。
暑くて眠れないなんて、さらにイライラしてしまいますよね。
出産後は、父親に育児休暇をしっかりとってもらったり、両親などに声をかけてサポートしてもらえる環境を準備しておくと安心です。
環境を整えて熱帯夜に備えよう
寝室の最適な温度は16〜26度、湿度は50〜60%ほどだといわれています。
夏場も、最適な温度と湿度に調整すると、暑すぎたり寒すぎたりすることなく眠れます。
夏場は冷房をうまく使い、寝る1〜2時間前から室温を26度に下げておきましょう。
睡眠後半は、外の温度も下がりますし、朝方は自然に体温が上がるので、タイマーは睡眠前半にいれておくと良いです。
熱帯夜は熱中症にならないためにも、特に環境に気を配りましょう!
夏に最適!通気性の良い寝具・パジャマの素材とは
夏の寝床の湿度は80%以上にもなるといわれています。自宅に帰ったときに、窓を開けて部屋の熱気を外に出すようにしましょう。
湿度が高いと汗をかいても蒸発しにくくなり、どうしても熱がこもります。吸湿性・放湿性の良い素材を選ぶことがおすすめです。
シーツは、発散性に優れ清涼感がある麻やでこぼこがあるワッフル生地、掛ふとんは室温に合わせて組み合わせます。
パジャマも同様に麻を使用したものがおすすめです。
生活を整えて眠れるからだを作ろう
夏は、暑くて食欲がなくなったり、脱水症状を起こしやすくなります。
暑い屋外とエアコンがきいた涼しい室内で温度も大きく変わるため、からだがついていけず自律神経も乱れがちに……。
冷たいものが欲しくなりますが、摂りすぎると胃腸の機能が悪くなりますので気をつけましょう!
冷房や扇風機で空調を整えることも大切ですが、からだのなかから寝る準備をしてあげることが大切です。
朝が大事!夕方までの過ごし方
からだには覚醒と睡眠のリズムを調整する仕組みがあります。
体内時計という言葉を聞いたことがあると思います。
朝に太陽の光をしっかり浴びると、約14〜16時間後に眠気がでてきます。
起きてから、なるべく早く太陽の光を浴びて体内時計を整えるようにしましょう!
また、朝ごはんをバランス良く食べることで、日中を元気良く過ごすエネルギーになります。
そして、朝ごはんは睡眠を促すといわれているホルモンの材料になります。
朝ごはんを食べずに登校する子どもたちが問題になっています。
時間がないからと朝ごはんを抜いてしまうと、集中力や学習能力が落ちますので朝食はしっかりと食べましょう!
昼間に軽く汗ばむ程度の運動をすることも、睡眠の質を上げるのに役立ちます。
夜もやっぱり大事!寝るまでの過ごし方
睡眠は光の影響を受けやすいので、夕方以降は、明るさを調整できるタイプの照明であれば、部屋の明るさを下げて過ごせます。
光を減らして、夜ですよとからだに教えてあげることで眠りやすくなります。
寝る2〜3時間前までには夕食を終わらせておくことが理想です。
タンパク質や脂肪の消化には2〜3時間かかりますので、寝る前に食べてしまうと、深い睡眠がとりにくくなります。
もし、空腹で眠れないときは、牛乳や消化の良いものがおすすめです。
また、寝る直前に熱いお風呂に入ると眠りにくくなりますので気をつけましょう!
二児の母、上級睡眠健康指導士の1日をご紹介します!
子どもがいる保護者のお話を聞いていると、子どもの睡眠で多くの方が悩まれているようです。
私は、睡眠専門の医療機関に10年勤務し、睡眠の仕組みや快眠方法などを学んできました。
子どもが寝ない理由がわかると落ち着いて対応できますよ。
現在、わが子は2人とも小学生です。
家族を快眠に導くために、私が実際におこなっている1日の行動をポイントを抑えてご紹介していきたいと思います!
夜の自分時間を手に入れる!1日の流れと子どもとの過ごし方
夜に子どもを寝かしつける準備は、起きたときからもう始まっています。
朝は、毎日同じ時刻にカーテンを開けて子どもを起こします。
お休みの日も同じ時間に子どもを起こします。
(ちなみに、平日に比べて休日が2時間以上長く眠ってしまう方は睡眠不足の可能性が高いです)
ずっと続けているおかげか、朝になかなか起きれないケースはあまりなく、2人ともさっと起きて活動しています。
朝食は、ベーコンや卵などのタンパク質を必ず入れるようにしています。
(睡眠を促すホルモンであるメラトニンの材料になります!)
なかなかぐっすり眠れないという子は、日中の外遊びがおすすめです。
ただし、疲れすぎて夕方に寝てしまうと、夜に寝付けなくなりますので注意します。
わが子は2人とも年中さんからは、お昼寝をいやがるようになったので、無理に寝かせません。
19時台に晩ごはんもお風呂も終えてしまえば、あとは楽です。
子どもが「寝たくない〜~!!」などと興奮しているときは、隣で絵本を読んで落ち着かせてあげましょう。
興奮した状態での寝かしつけはとても難しいです。
電気を消して、子どもが寝付いたらそっと離れます。脱力し、呼吸が深く変化したらよく眠っている合図ですので、そ〜っと離れて寝かしつけ終了です!
夏の夜にひんやり涼しい便利グッズ
熱帯夜は、頭部を冷やすと寝つきが良くなり、睡眠の質も改善が期待できます。
水枕や冷やしたタオル、冷えピタなどを額に置くと気持ちよく眠れそうです。
ひんやり涼しい便利グッズで、高温多湿な夏の夜も、しっかり眠って元気に乗り越えたいですね!
【夏の快眠まとめ】簡単にできるおすすめの行動
<夏の快眠まとめ>
- 朝起きたら、しっかり太陽の光を浴びる
- 朝ごはんは、タンパク質を入れてしっかり食べる
- 適度な運動
- 帰宅後は、窓を開けて部屋の熱気を外に出す
- 夕方以降は、部屋の光を弱くする
- 寝る前の食事や入浴は避ける
- 寝具やパジャマは吸湿性・放湿性の良い素材、麻がおすすめ
- 寝る1〜2時間前から室温を26度にする
- 冷房のタイマーは睡眠前半に設定する
- 暑いときは頭部を冷やす
寝苦しい夏も、眠りのメカニズムや睡眠に適切な環境について知っていると質の良い睡眠がとりやすくなります。
夜にぐっすり眠れると、日中も快適に過ごせて良いこと尽くめです。
できることから試してみてくださいね。