「ウチは食費にお金をかけすぎかな?それとも、かけなさすぎなのかな?」と、家庭の食費を考えたことのある人もいるのではないでしょうか。
家族構成や価値観の違いなど、家庭によって事情が違うのは当然ですが、食費の目安や平均を知ると家計管理がしやすくなります。
この記事では、幼児や小学生の子どものいる4人家族の食費の平均や、食費を節約するための工夫をご紹介します。
家庭の食費で悩んでいる方、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
コラム監修者プロフィール
子どもたちの教育資金に苦労した経験から2010年に2級FP技能士を取得。
得意分野は「住宅ローン」と「家計の見直し」。現在は家づくり学校にて、FP資格を生かした家づくりアドバイザーとしてお客様の住まいづくりをサポートしています。
ムダを省き、整理することが大好きなシンプルリストです。
家づくり学校HP:https://school.stephouse.jp/
4人家族の平均的な食費
それでは早速、気になる4人家族の食費の具体的な数字を見ていきましょう。
一般的な4人家族の食費
総務省の「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」によれば、2020年の4人家族の勤労者世帯(夫婦と子ども2人、有業者が世帯主)の食費は86,316円という結果でした。
この中から、外食費と給食費の合計である14,214円を除くと、家庭でかかる食費は72,102円の計算になります。
この金額は、実は500万円~750万円の収入の世帯では、そう大きく変わりがないのが実情です。
食費全体で8万円前後となっており、収入に関わらず食費を節約しながら生活している様子が窺えます。
また、世帯主の年齢が上がるほど、食費も上がる傾向にあります。
それは、世帯主の年齢とともに子どもの年齢も上がるため、年齢の高い世帯主の家庭には育ち盛り、食べ盛りの子どもがいることが考えられるからです。
幼児・小学生の子がいる4人家族の食費
子どものいる4人家族といっても、未就学児2人と、小学校中・高学年の子2人とでは、食べる量はまったく違うでしょう。
まだ食べる量が少ない子どもたちのいる家庭では、子ども2人分をより大きな子ども1人分と考えても良いかもしれません。
そこで、ここでは3人世帯の食費もご紹介します。
同じく総務省の統計によれば、3人世帯の1ヵ月分の食費は75,667円です。
そこから外食・給食費の11,253円を引いた、64,414円が食料品を買う費用の平均となります。
先ほどお伝えした、4人世帯の食費の数字とあわせて考えると、およそ65,000~72,000円あたりが4人世帯の平均的な食費(外食費と給食費を除く)といえそうです。
新型コロナウイルスによる食費への影響
新型コロナウイルスによる影響で、2020年はそれまでの年と比べて、食費の内訳に変化が起きました。
食費全体 | 外食費 | 食費-外食費 | |
---|---|---|---|
2018年 | 81,093円 | 17,354円 | 63,739円 |
2019年 | 82,980円 | 18,101円 | 64,879円 |
2020年 | 86,316円 | 14,214円 | 72,102円 |
このように、食費全体は増加しているにも関わらず、外食費が減少していることがわかります。
そのため、2020年の食費の統計を見るときには、数字を目安として考えるのが良いでしょう。
2020~2021年は例年と違う状況であることをふまえ、金額を参考にしてみてください。
なお、食費が増えた要因としては、テレワークやオンライン授業、外出自粛などで、家族が家で食事をするタイミングが増えたことなどが考えられます。
エンゲル係数から見る4人家族の食費
続いては、「エンゲル係数」を使って食費を考えてみましょう。
まず、エンゲル係数という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
エンゲル係数は、その家庭のすべての消費支出金額の合計のうち、食費に使った金額がどの程度の割合を占めるかを数字で表したものです。
計算の仕方は、下記のとおりとなります。
エンゲル係数(%)=食費÷消費支出合計×100
総務省のデータによると、エンゲル係数の平均値は25%です。
先ほど紹介した4人家族の平均では、エンゲル係数は22.5となっており、理想値に近いことがわかります。
家庭の食費を見直す目安として、一度計算してみると参考になるでしょう。
食費の節約術
食費にまつわる数字を紹介してきたところで、節約の必要性を感じている人もいるかもしれませんね。
続いては食費の節約方法をご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ買いをする
買い物は、週に1度程度の計画的なまとめ買いがおすすめです。
必要なものを都度買いに行くスタイルだと、どうしても買い物のたびに余計なものを買ってしまいがち。
また、出かけるときは極力子どもと一緒ではないほうが良いでしょう。
子ども連れだとお菓子などをねだられて、予定外の支出につながってしまうこともあります。
計画的なまとめ買いのためには、1週間の献立をある程度考えておかなければならないため、その点では少々面倒に感じるかもしれません。
ですが、そこまできっちりではなくても、今まで毎日何を買っていたかを考えて、その週に買うものをなんとなく決めるぐらいから始めてみてはいかがでしょうか。
献立作りは骨の折れる作業ですが、節約のためにトライしてみましょう。
見切り品・値引き商品を活用する
スーパーでは、閉店間際やタイムセール、雨の日セールなど、食材が安くなるタイミングがあります。
また、見切り品用のワゴンなどが出ているスーパーもあるでしょう。
そのようなタイミング、品物を見定めて買い物に行くのも一つの手段です。
見切り品や値引き商品は、賞味期限が近く、保存がきかないものもあります。
そのような食材は早めに使ったほうが良いので、買った当日や翌日には使うようにしましょう。
また、安くなっている商品をまとめ買いした場合は、冷凍保存を活用してください。
賞味期限が短くても、その週のうちに使えれば問題ありません。
ただし、食材や状態にもよりますので、状況に応じた判断が必要です。
食材をわかりやすく管理する
冷蔵庫や冷凍庫の中をわかりやすく整理することも、食費の節約につながります。
食材や保存した日、賞味期限などをわかりやすく書いて、早く使うものを手前に置くなどの工夫をしてみてください。
そうすると、手前にあるものを見て献立を考えれば良いので効率的です。
また、整理されているので、すでにある食材を再び買ってしまうという無駄を省けるようになります。
庫内の整理には、100円ショップのプラスチックケースなどを活用すると整理がしやすく、おすすめです。
食品ロスを減らす
「安いから」とつい食材を買いすぎてしまい、使い切れずに結局はダメにしてしまったことはないでしょうか?
これは、まとめ買いで起こりがちな失敗ですね。
買ったものはすべて使い切れるように、すぐに適切な保存をしましょう。
また、賞味期限の近い肉などは、下味を付けて冷凍しておくと調理時の時短にもなって便利です。
そして、食材を使うときには余すところなく活用することを心がけてみてください。
例えば、野菜の皮や葉もダシを取ったり漬け物にしたりと、活用できます。
そのように使えば、今まで捨ててしまっていた部分で一品作ることができて、よりお得です。
かぼちゃの種も、ミキサーでペーストにしてスープにできます。
また、大根と人参の皮を細切りにしてポン酢で和えれば、副菜ができあがりです。
おやつは子どもと手作りする
先にお伝えした総務省の家計調査では、菓子類にかかった平均金額が8,051円でした。
意外と高いと感じる人も多いのではないでしょうか。
おやつ類にかかる費用は、家族のためには削りづらいポイントです。
もし節約するならば、おやつを手作りするのがおすすめ。
そうすれば、おやつの材料費が単なる食費ではなく、楽しく過ごす時間のための支出になります。
おやつ作りのアイデアもいろいろとあります。
例えば、ホットケーキミックスと野菜で作る蒸しパン、型抜きクッキーなど、特別な材料をそろえなくても作れるものも多いです。
休日に家族で楽しめば、子どもたちの心もお腹も満足するでしょう。
まとめ
日本の4人世帯では、食費の平均がおおよそ7万円前後ということがわかりました。
子どもの年齢や家庭ごとの価値観などによっても違いはあるので、この平均値に囚われすぎる必要はありません。
しかし、食費は節約がすぐに数字となって表れるポイントでもあります。
計画的なまとめ買いや冷蔵庫の整理整頓、買い物のタイミングの工夫など、上手に買い物をすれば節約は可能です。
ぜひ食費の節約にトライして、浮いたお金を貯金や余暇に使ってみてはいかがでしょうか。