【薬剤師監修】妊娠中に風邪薬を飲んでも大丈夫?服薬の注意点とは?

【薬剤師監修】妊娠中に風邪薬を飲んでも大丈夫?服薬の注意点とは?

妊娠中は、食べ物や飲み物にも気をつかうものです。

風邪を引いたくらいでは薬は飲めないと悩む方も多いでしょうが、妊娠中に熱や鼻水、咳などが長く続くのも大変です。

この記事では、妊娠中に風邪薬を飲んでも良いのか、飲みたいと思った場合の注意点などを薬剤師監修のもと、妊娠数週別に詳しく解説します。

現在、妊活中や妊娠中の方は参考にしてください。

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監修者プロフィール

薬剤師アイコン
櫻井 里沙子

総合病院 院内薬局の薬剤師として、また病棟薬剤師としての二つのキャリアを持つ。
現在は子育てに専念中。現役ママ目線で、子どもの服薬についてご提案します。

妊娠中に風邪薬は飲んで良い?

妊娠中に風邪薬は飲んで良い?

妊娠中は、母親が食べたものや飲んだものの成分が血液に含まれ、胎盤を通して赤ちゃんに栄養として供給されます。

そのため、食生活に神経質になる方も多いことでしょう。

ここでは、妊娠中に風邪薬を飲んでいいのかどうか、妊娠週数の目安と薬の種類別に詳しく解説します。

妊娠4週までの注意点

妊娠の時期によっても薬の影響は異なります。

妊娠にまだ気付かない2~3週目くらいまでは、市販の風邪薬を1週間程度服用したとしても特に問題ありません。

ただし、薬の種類によっては着床に影響が出る可能性があります。

妊活中の場合は、念のため服用を控えたほうがいいでしょう。

産婦人科にかかっている場合は、飲んで良い薬かどうかは医師に相談してくださいね。

妊娠4~7週頃の注意点

妊娠4~12週までは薬の影響を受けやすく、最も注意が必要な時期です。

赤ちゃんの中枢神経系や心臓、耳、眼、消化器など大事な部分が作られる時期であり、薬の服用には十分注意が必要です。

ただし、妊娠7週では、まだ妊娠したかどうかわからない方も珍しくないでしょう。

妊活をしている方や不妊治療をしている方、避妊をしていない方で妊娠の可能性がある場合、風邪気味かなと思ったら、市販薬を飲む前に病院を受診し、医師の指示を受けましょう。

自己判断で薬を飲まないようにすると良いですね。

妊娠8~15週頃の注意点

妊娠8~15週頃は、外性器や唇が形成される時期です。

まだ薬の影響を受けやすい時期なので、市販薬も服用は避けましょう。

この頃になると、お腹もやや大きくなってきて12週目以降は胎動も感じられるようになります。

風邪を引いたら、医師の診断を受けて指示に従ってください。

なお、妊娠8週目前後でも妊娠に気付かないこともあるかもしれませんが、可能性がある場合は必ず病院でその旨も伝えて相談しましょう。

妊娠に気付く前に飲んだ薬は、時期や成分などによっても影響は異なるので、心配な方は妊娠がわかった時点で相談してくださいね。

妊娠16週~出産頃の注意点

妊娠16週以降は、イブプロフェン、アスピリンなど一部の薬以外は、服用しても特に問題ないといわれています。

そのため、産婦人科医によっては、特定の薬以外は市販薬を飲んでも構わないと指示する先生もいるでしょう。

しかし、市販薬にどのような成分が入っているか個人で完璧に理解するのは難しいでしょう。

やむを得ず市販薬を服用する場合は、薬局で薬剤師の説明を受けてから購入するようにしてくださいね。

妊娠中に飲んではいけない薬・飲んで良い薬

妊娠中に飲んではいけない薬・飲んで良い薬

ここでは、妊娠中に飲んで良い薬、飲んではいけない薬の一例を紹介します。

一見すると問題ないように見える薬も、実は妊娠中は飲まないほうが良いものもあります。

葛根湯などの漢方薬や鎮痛剤は?

葛根湯をはじめとする漢方薬は、副作用があまりないようなイメージがあります。

しかし、風邪の時などに用いられる葛根湯や麻黄湯などに含まれる麻黄は発汗作用があるため、妊娠中は避けた方が良いでしょう。

漢方薬は化学合成された薬より効き目が穏やかで長期間飲み続けられるといったメリットはありますが、流産や早産を引き起こす成分も含まれることがあるので、自己判断での服薬は避けましょう。

また、薬局でも購入できる鎮痛薬に含まれているNSAIDs(代表例、ロキソニン)は流産を引き起こす可能性が報告されています。

加えて、胎児動脈管早期閉鎖との関連性が指摘され、28週以降(妊娠後期)の服用は禁忌です。

市販で飲んでもいい薬はある?

妊娠中に服用しても比較的安全だといわれている風邪薬や解熱・痛み止め(鎮痛薬)は、「アセトアミノフェン」が主成分の製品です。

処方薬なら「カロナール錠」、ドラッグストアで手に入る市販品なら「タイレノール®A」(1錠300mg)や「ラックル®」(1錠300mg)という商品名で市販されています。

ただし、安全だからと自己判断で服用せず、医師に相談のうえ服用してください。

また、赤ちゃんの肺や心臓など重要な器官が作られる妊娠初期の服用は避けたほうが無難です。

妊娠16週以降、医師や薬局に相談のうえ、症状があってやむを得ない場合だけに服用しましょう。

そして、何か異常があったらできるだけ早くかかりつけ医に相談してくださいね。

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妊娠中に風邪を引いたらどう治す?

妊娠中に風邪を引いたらどう治す?

妊娠中に風邪を引いたらどのような対処をするのが良いのかを解説します。

昨今は、妊娠しても仕事を続ける女性が大半です。

できるだけ薬に頼らないで治すにはどうしたら良いのでしょうか。

妊娠中は体調が大きく変化するので、ご紹介する方法を参考に、くれぐれも無理をしないように気を付けてくださいね。

十分に休息をとる

風邪を引いたらまずは十分に休養を取りましょう。

家事や仕事も、やることは必要最小限にして、体を休めて安静にすることが大切です。

若い頃は多少無理をしてもなんとかなりますが、妊娠中は違います。

少しでも異常を感じたら、遠出などは避けて早めに休み、睡眠不足にもならないようにしましょう。

病院を受診する場合は、妊娠していることを告げたうえで内科を選び、外出を避けたい場合や服薬を相談したい場合はオンライン診療もおすすめです。

栄養価の高い食事、水分をとる

早い回復には栄養価の高く、消化の良い食事をし、脱水症状に気を付けて水を十分にとるのが大切です。

発熱などで食欲がなかったら、スープなど飲みやすいものをとりましょう。

日頃から冷たい飲み物や食べ物は控え、ショウガやニラなどの体をあたためる食材やタンパク質やビタミンが多く含まれている食材を積極的に摂取すると免疫力が高まります。

まとめ:妊娠中はできるだけ風邪を引かないよう注意を

妊娠中はつわりなどで食べ物が十分に食べられなかったり免疫力が低下していたりして、風邪を引きやすくなることもあります。

たかが風邪と甘く見ると、肺炎など重篤な症状に移行する可能性もあるので、調子が悪くなったらできるだけ早く休養を取りましょう。

普段からマスク着用、うがい、手洗いを徹底して風邪を予防することも大切です。

できるだけ、薬を飲まずに乗り越えられると良いですね。

また、妊娠・授乳中の薬に関して不安がある場合は、厚生労働省事業の「妊娠と薬の情報センター」で相談を受け付けています。

全国47都道府県の拠点病院に「妊娠と薬外来」があり、各地域の相談外来で相談できますよ。

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ぜひお気軽にご活用くださいね。

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