子どもが頭痛を訴えたとき、早く痛みを和らげてあげたいですね。
市販されている頭痛薬を使っても良いのか、知識として知っておきたいところです。
子どもに飲ませても良い頭痛薬はどのようなものなのか、頭痛薬の選び方や服薬時のポイント、注意点などを薬剤師監修の元で紹介します。
監修者プロフィール
総合病院 院内薬局の薬剤師として、また病棟薬剤師としての二つのキャリアを持つ。
現在は子育てに専念中。現役ママ目線で、子どもの服薬についてご提案します。
子どもに市販の頭痛薬を使ってもいいの?
子どもが頭痛を訴えているとき、大人の場合と同様に市販の頭痛薬を購入して使っても良いのでしょうか。
子どもに市販の頭痛薬は使えるのか、まずは基本的なことを紹介します。
子どもが頭痛を訴えたら?頭痛の原因は?
子どもが頭痛を訴えているときは、風邪などによる発熱が原因になっていることが少なくありません。
まずは発熱していないかを確かめましょう。
ほかにも、頭痛を引き起こす原因には体調不良、鼻炎などによる鼻づまり、眼精疲労や目の病気、運動不足、肩こり、心配事や精神的なストレスなど、さまざまなものがあります。
子どもの場合は朝食を欠食することによる低血糖、寝すぎや寝不足、暗い部屋でゲームをするなどの生活習慣が頭痛の原因になる場合もあります。
何が原因で頭痛が起こっているのかをはっきりさせることが大切です。
そのため、自己判断をするのではなく、なるべく医療機関を受診して医師の診察を受けることが望まれます。
子どもに市販の頭痛薬を使ってもいい?
子どもが頭痛を訴えたとき、医師の診察を受けずに安易に市販薬を使ってしまうことにより、医療機関を受診するタイミングが後ろ倒しになりがちです。
結果として適切な検査や介入を受ける時期が遅くなってしまうリスクがあります。
また、頭痛薬を飲んだからといって頭痛の症状が改善するとはいえません。
頭痛薬を飲みすぎてしまうと、かえって頭痛が悪化することもあります。
そのため、最初から自己判断で市販の頭痛薬に頼ることはおすすめできません。
できる限りまずは医療機関を受診するようにしましょう。
片頭痛?市販の頭痛薬を使っても良い場合
片頭痛は遺伝性が高い病気とされており、両親のどちらかが片頭痛持ちの場合は子どもに遺伝する可能性が高まります。
子どもが頻繁に頭痛を訴えるようであれば、一度医療機関を受診して原因を調べてもらいましょう。
子どもの頭痛が片頭痛や緊張型頭痛と診断された場合は、市販薬を使えます。
大人の頭痛の原因はホルモンバランスや睡眠不足などが多いですが、子どもの場合は遺伝や生まれつきの体質により起こることが多いようです。
子どもの頭痛が片頭痛なら市販薬もOK!
子どもの頭痛が片頭痛だと医療機関から診断された場合は、市販薬を使えます。
子どもの片頭痛にはどのような特徴があるのでしょうか。
頭痛薬の選び方や注意点なども含めて紹介します。
子どもの片頭痛とは?特徴は?
大人の場合の片頭痛は頭の片側が痛むことが多く、子どもの場合は頭の両側が痛むことが多いです。
大人の場合は4~72時間持続することが多いのに対し、子どもの場合は1~72時間持続するようです。
片頭痛が起こる前兆には、光や音、臭いに敏感になる、テレビや音などの刺激に敏感になる傾向がみられることも。
片頭痛になると、ズキズキと脈打つような痛みが起こるほか、吐き気や嘔吐、光、音、臭いなどに敏感になるなどの症状が出ることがあります。
どんな頭痛薬を選ぶと良い?注意点は?
医師から片頭痛だと診断されている場合は、用法、用量を守って市販薬を使用しても構いません。
子どもの頭痛に対する処方薬として、痛み止めの成分としてアセトアミノフェンが含まれた薬がよく使われます。
薬剤師のアドバイスを聞いたうえでアセトアミノフェンを含む薬を選ぶと良いでしょう。
ただし、アセトアミノフェン製剤は商品によって小学生には使えない場合があります。
購入する際に薬を服用できる年齢をよく確認しましょう。
医療機関からは片頭痛の薬としてイブプロフェン(ブルフェン® 5歳以上)、アセトアミノフェン(カロナール®)が処方されます。
年齢制限のある頭痛薬はある?
市販の薬だと、イブプロフェンは15歳以上に使用可能となっているため、15歳未満の子どもには使えません。
また、ロキソプロフェンは子どもへの臨床試験がおこなわれておらず、副作用がわからないため、15歳未満の子どもには使えません。
小学校高学年以上で処方されたイブプロフェンやアセトアミノフェンを服用しても症状が改善しない場合、片頭痛治療薬のスマトリプタン、リザトリプタンを使用することで痛みが軽快する場合があります。
市販の子ども向けアセトアミノフェン頭痛薬の選び方
15歳未満の子ども向けの頭痛薬は臨床試験で効果が認められているアセトアミノフェンだけです。
市販されているアセトアミノフェン頭痛薬にはいくつか種類があるので、選び方やおすすめを紹介します。
選び方の注意点とポイントは?
アセトアミノフェンは味に苦みがあるので、子どもが飲みやすい味がついているものを選ぶことがポイントです。
薬の種類は粉薬、噛み砕いて飲めるチュアブル錠、錠剤などさまざまです。
小さな子どもなら粉薬やチュアブルが飲みやすく、大きくなれば錠剤のほうが飲みやすいかもしれません。
薬の形は子どもが飲みやすいタイプを選びましょう。
どんなときに頭痛薬を飲ませる?
頭痛が1時間以上継続しているときに頭痛薬を飲ませると良いでしょう。
ただし、商品によって飲むタイミング、回数や注意点が異なるので、商品の説明書をよく読んで正しく服用することが大切です。
副作用が出た場合は服用を中止し、気になることがある場合はすぐに医師の診察を受けましょう。
おすすめの子ども向け市販頭痛薬
小児用バファリンはアセトアミノフェンのみを使用した頭痛薬です。
飲んだあとに眠くなる成分が入っていないので、学校のある日にも使えます。
飲む錠剤の数を変えれば3~14歳までと、幅広い年齢の子どもに使える薬です。
小中学生用ノーシンピュアはアセトアミノフェンに解熱鎮痛作用を助ける成分が加えられた薬です。
錠剤の外側がコーティングされているので、苦みを感じずに服用できます。
生理痛や頭痛に効果的な薬です。
まとめ:薬剤師とよく相談し用法と量を守ろう
子どもは年齢のほか、体重によっても薬の適切な服用量が違ってきます。
市販の頭痛薬を購入する際には薬剤師に相談して使用法の説明を受け、各商品に書かれている説明や注意点をよく読みましょう。
薬を服用するタイミングや回数などの用法、用量を守って使用することが大切です。