子どもに市販の風邪薬を飲ませてもいいのか迷うママやパパは多いはずです。
「風邪っぽいものの病院に行くほどでもない気がする」くらいの症状の場合は、特に迷いますよね。
子どもが風邪をひいた場合は、小児科を受診して必要に応じて処方された薬を飲むのが原則です。
市販の風邪薬は、ママやパパも具合が悪くて病院に連れて行けないなど、どうしても受診できないときのみ飲ませましょう。
ただし、注意点もいくつかあります。
この記事では市販の子ども用風邪薬の選び方や注意点を解説します。
目次
監修者プロフィール

総合病院 院内薬局の薬剤師として、また病棟薬剤師としての二つのキャリアを持つ。
現在は子育てに専念中。現役ママ目線で、子どもの服薬についてご提案します。
2歳未満の子どもに市販の風邪薬は原則使用しない

2008年1月、FDA(米国食品医薬品局)は2歳未満の子どもが風邪薬を服用し死亡事故が発生している問題を受け、2歳未満に市販の風邪薬等を飲ませることを控えるよう勧告を出しました。
さらに2008年10月、米国OTC医薬品協会は特定の成分を含むOTC風邪薬等の誤飲・誤用を防ぐために、4歳未満は服用しないよう注意喚起を促しています。
厚生労働省でも、2歳未満でも服用できる市販の風邪薬に以下のような文章を記載するよう指示を出しました。
2歳未満の乳幼児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合のみ服用させること
※引用:
小児用かぜ薬・鎮咳去痰薬等の安全対策について│厚生労働省
日本の小児用風邪薬を米国のものと比較すると濃度は薄く、正しく使用すれば問題は起こりにくいとされています。
とはいえ、乳幼児の症状を判断するのは難しいため、原則使用しないよう注意を促されています。
子どもの風邪薬は「小児用」「ジュニア用」を選ぶこと
やむを得ない事情で子どもに市販の風邪薬を飲ませる場合は、「小児用」「ジュニア用」と記載されている、子ども用のものを選びましょう。
パッケージに対象年齢が記載されているため、子どもの年齢と合っているものを選ぶことも大切です。
なお、大人用の風邪薬が飲めるようになるのは15歳になってからです。
内蔵機能や脳の発達は大人と子どもでは異なります。
大人用の風邪薬には、子どもに飲ませてはいけない成分が含まれていることもあるため、15歳以上と記載されているにも関わらず、小学校高学年や中学生で体格がいいからと大人用を飲ませる行為は避けましょう。
子どもに飲ませてはいけない成分

子どもに大人用の風邪薬を飲ませてはいけない理由は、大人用の風邪薬に子どもには飲ませていけない成分が含まれているケースがあるからです。
子どもに飲ませる風邪薬を購入する際は成分をしっかり確認するか、薬剤師に確認しましょう。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)とは、ロキソプロフェンナトリウム、イブプロフェン、アスピリン(アセチルサリチル酸)、イソプロピルアンチピリンなどが含まれている薬です。
解熱鎮痛効果が期待できますが、一部のNSAIDsはインフルエンザ脳症と関連している可能性が指摘されており、インフルエンザ治療においても慎重に使用すべきとされています。
子どもに解熱鎮痛剤を飲ませる場合は、アセトアミノフェンのみの薬を使用しましょう。
※出典:
市販の解熱鎮痛薬の選び方|厚生労働省
コデイン類
コデイン類は咳止め薬などに含まれる成分です。
海外では呼吸抑制などの副作用が報告されており、FDAは12歳未満への使用を控えるよう促しました。
日本では呼吸抑制などの副作用は報告されていないものの、2019年から12歳未満の使用を禁忌としています。
そのため、小児用の風邪薬等にコデイン類は含まれず、咳止めを目的とする成分にはチペピジンヒベンズ酸塩など、ほかの成分が使用されています。
※出典:
資料1-6 | コデインリン酸塩等の小児等への使用制限について│厚生労働省
カフェイン
症状を緩和するための成分ではありませんが、大人用の風邪薬にはカフェインが含まれているものがあります。
これは薬の服用による眠気を防止するためのものです。
小さな子どもはカフェインへの感受性が高い傾向にあり、眠りを妨げる可能性があるため、子どもには飲ませないようにしましょう。

子どもに市販の風邪薬を飲ませるときの注意点
市販の子ども用風邪薬を選び、成分もしっかり確認したから安心できるわけではありません。
いつも以上に子どもの様子をよく観察する
子どもの年齢に合った風邪薬を飲ませた場合でも、薬を飲んだあとは子どもの様子を注意深く観察しましょう。
体がだるい、呼吸が苦しい気がするなど、小さな子どもは副作用の症状をうまく伝えられない可能性があるからです。
じんましんや黄疸など、目で見てわかる症状の場合はもちろん、いつもと様子が違うなど、おかしいと感じたらすぐに受診しましょう。
アレルギーがある場合は薬剤師に相談して購入する
食物アレルギーや薬物アレルギーなど、何らかのアレルギーがある場合は、薬を購入する時点で薬剤師に相談することも大切です。
薬のなかには原料にアレルギー反応を起こす食材や成分が使用されているものもあるからです。
アレルギーがある場合は、日頃からかかりつけ医に使用しても問題ない市販薬を確認しておくと良いですよ。
市販薬で症状が改善に向かわないときは受診する
市販薬を飲ませて数日経過しても症状が改善しない場合は、かかりつけ医を受診しましょう。
また、症状が悪化した、ぐったりしている、水分が取れない状態になっているなど、おかしいと思った場合は様子を見ずにすぐ受診してください。
受診するべきか判断に迷った場合は、かかりつけ医や以下のような相談窓口へ相談しましょう。
【目的別】子どもでも飲める市販の風邪薬

市販の子ども用風邪薬は複数販売されており、目的や用量、飲み方などが異なります。
子どもの年齢や目的に合った薬を選びましょう。
【風邪の諸症状】ムヒのこどもかぜ顆粒a
| 有効成分 | アセトアミノフェン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩・チペピジンヒベンズ酸塩・dl-メチルエフェドリン塩酸塩 |
| 用量 | 7歳以上11歳未満…1包 3歳以上7歳未満…2/3包 1歳以上3歳未満…1/2包 |
| 1日の上限 | 3回 |
| 服用間隔 | 1日3回 |
| 飲み方 | 食後なるべく30分以内 |
解熱やくしゃみ、鼻水、咳など風邪のあらゆる症状に対する有効成分が含まれている風邪薬です。
イチゴ味の顆粒で、苦味を感じにくくするためにWコーティング加工が施されています。
個包装で外出時にも持ち歩きやすく、保育園などで薬を持参するよう指示された場合も便利ですよ。
※1歳未満は服用できません。
【風邪の諸症状】キッズバファリン かぜシロップS・P
| 有効成分 | アセトアミノフェン・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物・グアイフェネシン ・ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
| 用量 | 3歳以上7歳未満…10mL 1歳以上3歳未満…7.5mL 6ヵ月以上1歳未満…6mL 3ヵ月以上6ヵ月未満…5mL |
| 1日の上限 | 4時間の間隔をおいて6回まで |
| 服用間隔 | 1日3回および就寝前 |
| 飲み方 | 毎食後 |
発熱や咳、鼻水など風邪の諸症状に効果がある成分が含まれた風邪薬で、生後3ヵ月以上から服用できます。
イチゴ味とピーチ味の2種類が用意されているので、子どもが好きなほうを選べます。
子どもに配慮して処方されており、カフェインや麻薬成分は含まれていません。
はなかっぱが描かれている、かわいらしいデザインも特徴です。
※3ヵ月未満は服用できません。
【発熱・痛み】小児用バファリンチュアブル
| 有効成分 | アセトアミノフェン |
| 用量 | 11歳以上15歳未満…4錠 7歳以上11歳未満…3錠 3歳以上7歳未満…2錠 |
| 1日の上限 | 3回 |
| 服用間隔 | 4時間以上あける |
| 飲み方 | なるべく空腹時を避ける、かみ砕くか口のなかで溶かして飲む |
熱や痛みをすばやく緩和するチュアブルタイプの解熱鎮痛薬です。
風邪による熱や痛みのほか、歯痛や耳痛、ねんざ、外傷痛などにも使えます。
胃に優しく水なしで飲めるため、まだ錠剤が飲めない子どもも服用しやすいでしょう。
※3歳未満は服用できません。
【発熱・痛み】ムヒのこども解熱鎮痛顆粒
| 有効成分 | アセトアミノフェン・アスコルビン酸(ビタミンC)・グリシン |
| 用量 | 7歳以上11歳未満…1包 3歳以上7歳未満…2/3包 1歳以上3歳未満…1/2包 |
| 1日の上限 | 3回 |
| 服用間隔 | 4時間以上あける |
| 飲み方 | なるべく空腹時を避ける |
胃に負担をかけないための制酸剤と、発熱時に失われやすいビタミンCが配合されている解熱鎮痛顆粒です。
顆粒が上手に飲めない場合は、ヨーグルトやプリンに混ぜて飲ませることもできます。
イチゴ味がついており水やジュースに混ぜても問題はないものの、苦味が出てくる可能性があります。
※1歳未満には服用できません。
【せき・たん】宇津こどもせきどめシロップA
| 有効成分 | デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・グアイフェネシン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩・ナンテンジツエキス・キキョウエキス |
| 用量 | 8歳以上11歳未満…10ml 5歳以上8歳未満…6.5ml 3歳以上5歳未満…5ml 1歳以上3歳未満…4ml 3ヵ月以上1歳未満…2ml |
| 1日の上限 | 6回 |
| 服用間隔 | 約4時間あける |
| 飲み方 | 1日3回毎食後、必要に応じて就寝前 |
有効成分としてナンテンジツエキスやキキョウエキスなどの生薬成分が含まれています。
砂糖やカフェインが含まれていないため歯磨き後も飲ませやすく、子どもの眠りも妨げません。
また、子どもが誤って開けてしまうことのないようキャップを工夫したり、割れにくいプラスチックボトルを採用していたり、安全にも配慮されています。
※3ヵ月未満は服用できません。
【せき・たん】ヒヤこどもせきどめチュアブル(販売名:小児用せきどめチュアブル)
| 有効成分 | チペピジンヒベンズ酸塩・ノスカピン・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 |
| 用量 | 11歳以上14歳未満…4錠 8歳以上10歳未満…3錠 5歳以上7歳未満…2錠 |
| 1日の上限 | 3回 |
| 服用間隔 | 1日3回食後 |
| 飲み方 | 噛むか口のなかで溶かして飲む |
水がなくても飲めるラムネ味のチュアブルタイプの錠剤です。
咳が出やすい子どもやアレルギー性の咳にも有効とされています。
砂糖やカフェインが含まれていないため、就寝前でも服用可能です。
※5歳未満は服用できません。
まとめ
市販の子ども用風邪薬の服用は重大な事故が発生したこともあり、海外では使用しないよう促している国が少なくありません。
日本でも2歳未満の乳幼児は服用しない方針を掲げています。
万が一の事態を防ぐためにも、子どもに風邪の症状が現れた場合、基本的にはかかりつけ医を受診するよう心がけましょう。
何らかの事情でやむを得ず市販薬を飲ませる場合は、今回解説したポイントを意識するとともに、薬剤師に相談の上購入するのがおすすめです。

































