お弁当を作るときに気になるのは食中毒。
特に、梅雨時期から夏場の生野菜の取り扱いは気になるところです。
今回は、生野菜のなかでも、きゅうりをお弁当に入れるときのコツや、きゅうりを加熱調理したおかずを食中毒予防の観点から紹介します。
目次
ママライタープロフィール
15歳と18歳の息子を持つ福岡在住のライター。(※原稿執筆時)
情報誌勤務を経てフリーランスのライターとして活動中。
DIYやお笑い鑑賞、フリマアプリで不用品を売ったり、ポイ活をしたりと、興味のおもむくままに楽しんでいます。
息子たちには野球マニア、潮干狩りのプロと呼ばれています。
「食中毒を防ぐための3原則」から見るお弁当づくりのポイント
食中毒は細菌性とウイルス性があり、お弁当を作るときに特に注意が必要なのは、食品中で増える細菌性食中毒です。
細菌性食中毒を予防するための3原則は
- 細菌を食べ物に「つけない」
- 食べ物に付着した細菌を「増やさない」
- 食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」
菌を付けないための方法は流水で十分に洗って菌を落とすことです。
菌は水分が多いと増えやすいので、水分を減らすことを意識すると菌の増殖を防げます。
さらに、十分な加熱で菌をやっつけることができます。
基本的に、加熱しないおかずはお弁当には向きません。
東京都福祉保健局|お弁当をつくるときに、どのようなことに気を付ければよいですか?【食品安全FAQ】
きゅうりをお弁当に入れるときに気を付けたいこと
農林水産省ではお弁当をつくるときの注意点として
- しっかり加熱すること
- しっかりと水分をきること
- 冷やしてから詰めること
という、食中毒予防の3原則に沿った内容を挙げています。
また
生野菜や果物はよく洗い、水気を切ってから詰めましょう。別の容器に入れるとより安全です。
としています。
このことから、きゅうりを生のままお弁当に入れるときは、良く洗い、水分をしっかり切り、他のおかずとは別容器に入れることが食中毒を防ぐコツだといえます。
お弁当の定番「ちくわきゅうり」は入れてもいい?
お弁当の定番といえば、ちくわの穴にきゅうりを入れた「ちくわきゅうり」です。
私も良く作りますが、生のきゅうりを使うので食中毒が気になります。
しかし、調べてみると実はちくわの方にも注意点があることがわかりました。
農林水産省は
火を通さなくても食べられるハムやかまぼこなども、できるだけ加熱料理をするようにしましょう。
としています。
考えてみると、ちくわは冷蔵庫に入れて保存するもの。
家庭では冷蔵庫から出してそのまま食べることも多いですが、お弁当に入れるなら、加熱したほうが安心です。
きゅうり、ちくわ共にお弁当に入れるときは注意が必要なので、加熱していないちくわきゅうりはお弁当には適していないメニューといえるでしょう。
加熱調理したちくわきゅうりの味わいや食感は、次の項目で紹介します。
きゅうりを加熱してお弁当に入れよう
私が以前、中国旅行に行ったときに、街の食堂で食べたチャーハンには細かく刻んだきゅうりが入っていました。
きゅうりのシャキシャキとした食感が残っていてとてもおいしく、帰国後も自分で作るときにはきゅうりを入れるようになりました。
日本では生で食べることが多いきゅうりですが、加熱してもおいしく食べることができます。
きゅうりをまとめ買いして一度に食べられないときや、形が大きいもの、不揃いのものを食べたいときにも加熱調理はぴったりです。
きゅうりを揚げてみる
きゅうりは揚げてもおいしく味わうことができます。
お弁当にぴったりのメニューや、揚げたときの食感、味わいを紹介します。
きゅうりの春巻き
筆者撮影
春巻きの具の中にきゅうりを入れて揚げます。
きゅうりを千切りにし、調理した具と並べるようにして巻くと、切ったときに断面からきゅうりの緑が見えてきれいです。
写真ではきゅうりの量が少なくて目立ちませんが、たくさん入れたり、太めに切ったりしても良いと思います。
きゅうりそのものは味が薄いため、調理した具の味を邪魔しません。
きゅうりの唐揚げ
きゅうりを厚めに輪切りにし、ショウガやニンニク、醤油で下味をつけ、衣をつけて揚げます。
揚げたてを食べると油がじゅわっと口の中で広がり、凝縮されて濃くなったきゅうりの味がします。
また、きゅうりが少しやわらかくなります。
きゅうりの苦みが感じられるメニューなので、苦手な方は、きゅうりのあくをしっかり抜いたり、衣にカレー粉やあおさを混ぜたりすると良いでしょう。
お酒のおつまみにもちょうど良さそうな、くせになる味わいです。
きゅうりを炒めてみる
きゅうりは炒め物との相性も良いです。
きゅうりを炒めて作るお弁当にぴったりのメニューと、食感、味わいを紹介します。
きゅうりの肉巻き
筆者撮影
きゅうりを豚肉で巻いて焼き、塩コショウで味付けをしました。
食べた感想は、例えるなら、アスパラガスに似た感じです。
写真はきゅうりの断面が4分の1になるように切りました。
牛肉で巻いたり、ニンジンなどほかの野菜と組み合わせて焼いてもおいしそうです。
帰宅した息子たちに「今日の肉巻きの具は何かわかった?」と聞くと、次男は「わからない」、長男は「きゅうり」という答えでした。
いずれも違和感がなかったようで、完食していました。
ちくわきゅうり焼き
ちくわきゅうりを作り、中に火が通るようにしっかり焼きます。
冷めてから食べると……不思議なことに焼かないときと味や食感がほとんど変わりません。
ちくわが香ばしくなるので、焼いたほうが好きという方も多いかもしれません。
ちくわ、きゅうり共にお弁当に入れるときは注意が必要なので、ちくわきゅうりは焼いてから入れると良いでしょう。
お弁当にきゅうりを入れるときは注意点を守ろう
きゅうりといえば生で食べるイメージがありますが、実は加熱しても食感や味を損なうことなく、おいしく食べることができます。
加熱することで菌を殺すことができるため、食中毒予防にもぴったり。
お弁当の定番ともいえるちくわきゅうりは、加熱しても食感や味がほとんど変わらないので、加熱して入れるのがおすすめです。
きゅうりの苦みが苦手な方は、肉巻きや春巻きのように、ほかの食材と合わせて調理すると良いでしょう。
お弁当にきゅうりを生で入れたいときは、水分をしっかり切り、おかずと別容器に入れて持ち運ぶのが食中毒を防ぐコツです。