【恵方巻】食べ方のルールや風習を知ろう!2024年の方角は?

恵方巻

2024年の恵方は「東北東」。

縁起が良い方角を向いて太巻きを丸かぶりする恵方巻の風習は、子どもと一緒に恵方巻を作ったり、毎年変わる恵方を探したりと大人も子どもも楽しめるイベントですよね。

太巻き丸かぶりが印象的ですが、実は食べ方のルールには地域差があるって知っていますか?

そもそもいつどこではじまった風習なのか、全国にはどのような食べ方のルールがあるのかなど、恵方巻の知識を紹介します。

恵方巻とは?

恵方巻は、節分の日にその年の恵方を向いて太巻きを丸かぶりする風習です。

今ではすっかり全国区となったものの、もともとは関西の一部地域の風習だったこともあり、食べ方のルールなどは地域による違いが存在します。

まずは恵方巻の由来とともに、縁起が良い方角とされる恵方を理解しましょう。

恵方巻の由来

恵方巻の由来は諸説あります。

戦国時代に松江藩初代藩主の堀尾吉晴(ほりおよしはる)が、巻きずしを丸かぶりして出陣したところ見事に勝利を収めたことにあやかり、大阪の海苔問屋が広めたとする説。

江戸時代後期から明治時代にかけて商売繁盛、無病息災や家庭円満などを願って食べられるようになったとする説。

花街で芸子さんと楽しむ大人の遊びとしてはじまった説などなど。

いずれも関西を中心に浸透した風習だとする点は共通しているものの、はっきりとしたことはわかっていません。

その後、1998年にセブンイレブンが恵方巻を全国展開したことで広く知られるようになりました。

七福神に因んだ7種類の具材を使い、商売繁盛や無病息災を願います。

恵方とは?言葉の意味

恵方は、神道において古来よりその年の福徳を司る神様「歳徳神(としとくじん)」のいる方角です。

陰陽道では、その年に歳徳神のいる方角に向かって事を成せば万事うまくいくと考えられ、大切にされています。

歳徳神は「大年神(おおとしのかみ)」とも呼ばれ、新年を迎えるにあたり神棚などにお祀りする歳神様(としがみさま)の1柱(はしら)です。

元旦に家々にやってきて五穀豊穣、家内安全、無病息災、長寿や商売繁盛など幅広いご利益をもたらしてくれます。

歳徳神がいる方角は十干(じっかん)を見れば明らかです。

十干は文字どおり10種類あるものの、恵方は東北東、西南西、南南東、北北西の4種類しかありません。

以下のとおり、西暦の一の位を見ると恵方の方角がわかります。

【恵方一覧】
西暦の一の位方位
1およそ南南東辛 (かのと)
2およそ北北西壬 (みずのえ)
3およそ南南東癸 (みずのと)
4およそ東北東甲 (きのえ)
5およそ西南西乙 (きのと)
6およそ南南東丙 (ひのえ)
7およそ北北西丁 (ひのと)
8およそ南南東戊 (つちのえ)
9およそ東北東己 (つちのと)
0およそ西南西庚 (かのえ)

2024年の方角は?

2024年は十干でいうと甲(きのえ)となり、恵方はおおよそ東北東です。

「おおよそ」としているのは、現在一般的な16方位と十干には若干のズレがあるためで、詳しくいうと方位角75度の東微北となります。

恵方巻の食べ方:ルールや風習

恵方巻を頬張る子供

恵方巻を食べるときには、その年の恵方を向いて食べるのが原則的なルールです。

2024年なら「東北東」を向いて食べれば十分に意義を果たせますが、全国的に見るといくつかのルールが存在します。

全国的に広く知られるものから地域限定のものまで、さまざまな食べ方で恵方巻を楽しんでみましょう。

食べるのはいつ?

恵方巻を食べるのは、2月3日の節分です。

節分は二十四節気のはじまりを告げる「立春」の前日で、ほとんどの場合は2月3日が該当します。

ただ稀に立春が1日ずれることがあり、節分が2月2日になったり2月4日になったりすることもあるんですよ。

立春は太陽黄径が315度になる日のことで、国立天文台が地球の運行や太陽の動きなどを観測して翌年の暦を発表する際に立春や節分の日も決まります。

節分の日の何時に恵方巻を食べるのかは決まっておらず、昼食でも夕食でもおやつでも構いません。

黙って食べる

節分に恵方巻を食べるときの基本ルールは「恵方を向いて食べる」ですが、「しゃべらずに食べる」のもルールの一つです。

恵方を向いてよそ見をせずに、黙々と食べましょう。

「なぜ食べている間おしゃべりをしてはいけないの?」と疑問に感じましたか?

これは、おしゃべりをしてしまうと「福が逃げる」と考えられているからです。

ただし、場所によっては目を閉じるというルールもあるようなので、もし地域での風習があるなら、そのとおりに恵方巻を食べましょう。

一気に食べる

恵方巻を食べるときは、一度かぶりついたら「口を離さず一気に食べきる」というルールもあります。

味が物足りないからと途中で醤油をつけたり休憩したりはしてはいけません。

恵方巻を口から離してしまうと「福が逃げてしまう」といわれているため、このようなルールがあります。

また、恵方巻は一人一本が基本で、包丁で切るのはNGです。

これは、口を離してはいけないのと同様に、「福が途切れる」「縁が切れる」などといわれているためです。

とはいえ、小さな子どもにとって大きな恵方巻を一気に食べきるのは大変ですよね。

食べきれるサイズのものを準備してあげるか、細めのものなら食べやすいのでおすすめですよ。

願い事をしながら食べる

恵方巻を食べるときに、願い事をしながら食べると願いが叶うといわれています。

学業成就や健康祈願、家内安全など、どのような願い事でもOK。

なるべく具体的に願い事を思い浮かべながら恵方巻を食べましょう。

ただし、願い事を口に出さないように注意してくださいね。

その他

一般的によく知られる恵方巻の食べ方は前述した3つですが、ほかにも「笑って食べる」「立って食べる」「目をつぶって食べる」「醤油を付けるのは1度だけ」などのルールがある地域もあります。

ただ、立って食べるのは行儀が悪いと感じたり、醤油をつけないと食べにくかったりしますよね。

恵方を向いて食べる原則的なルールを守りつつ、おいしく楽しく食べられるように家庭でルールを決めて楽しむのも良いでしょう。

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恵方巻に使われる代表的な7つの具材と意味

家で巻き寿司

恵方巻にどの具材を使うのか特に決まりはありませんが、縁起の良いものを7種類入れると良いとされています。

ただし、最近では市販でも海鮮類やお肉、なかにはスイーツ系などさまざまな種類があるため、あまりこだわる必要はありません。

ママやパパ、子どもがおいしくいただけるものを準備しましょう。

卵焼き・伊達巻

卵焼きや伊達巻の色は黄色ですよね。

黄色は見た目にも明るく、いかにも縁起が良い感じがします。

卵焼きや伊達巻は、黄色い見た目から「金運上昇」のゲン担ぎとして使われます。

また、伊達巻は巻物に形が似ているため、「知識向上」の願いも込められているようです。

かんぴょう

巻き寿司の定番ネタでもあるかんぴょう。

恵方巻の具材としても定番の一つです。

かんぴょうは細くて長いその見た目から、「長生きできるように」との願いを込めて恵方巻の具材として使われます。

しいたけ煮

しいたけ煮も恵方巻の具材としてよく見かけるものです。

しいたけは古くから神様のお供え物として使われてきました。

そして、傘の形が「陣笠」に似ていることから「身を守ってくれる」ご利益を願って恵方巻の具材として入れられます。

さくらでんぶ

ほんのりピンク色のさくらでんぶは、恵方巻に入れるだけで彩りがよくなりますよね。

鯛などの白身魚の身をほぐしてピンクに色付けをしたさくらでんぶは、鯛の「めでたい」という言葉をかけた縁起ものです。

きゅうり

“きゅうり=縁起物”のイメージはあまりないかもしれませんね。

しかし、きゅうりはその名前から「9つの利を得る」と考えられ、縁起物として恵方巻の具材になっています。

海老

おせち料理にも使われる海老は、腰の曲がったその姿から「腰が曲がるまで長生きできるように」と長寿の願いを込めて恵方巻にも用いられます。

また、海老の色は紅白であることと目玉が飛び出していることから、「め(目)で(出)たし」という語呂合わせで使われる縁起物でもあります。

うなぎ・あなご

うなぎは昔から縁起物として馴染みがある食材の一つです。

「うなぎのぼり」という言葉もあるように、出世や上昇などの意味が込められています。

また、うなぎやあなごの長い姿から「長寿」の願いも込められています。

決まりはないためオリジナルでOK

恵方巻に使う具材に厳密な決まりはありません。

紹介したもののなかにも、うなぎなど用意しにくいものもありましたよね。

無理に用意しようとせず、スーパーなどで手軽に用意しやすいものや好きな具材を入れてOKです。

地域ならではの具材を入れるのもいいアイデアでしょう。

魚介系のものや野菜などが苦手な子どももめずらしくありません。

そのようなときは、ツナマヨやエビフライ、ウインナーなど、子どもでも食べやすい具材を用意するといいでしょう。

まとめ:恵方巻の食べ方を学んで節分をもっと楽しもう

恵方巻作りを楽しむ家族

今回の記事では、恵方巻の由来や言葉の意味、食べ方のルール、具材を紹介してきました。

恵方巻のルールには諸説あるものの、どれも家族の幸せを祈っておこなわれるものばかりです。

また、入れられる具材も同様に「健康」「長寿」「身を守る」などの縁起物が使われています。

恵方巻の由来や具材の意味など、子どもに伝えることでコミュニケーションをとりながら食べれば「食育」にもつながります。

今年の節分は、お気に入りの具材が入った恵方巻を家族で楽しく食べましょう。

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