ほったらかしで美味しく完成!“保温料理”でガス代も節約

電卓とレシート

国際的な燃料価格の高騰が続き、経済産業省が省エネ・節電を呼びかけるなど、エネルギーをめぐる情勢がひっ迫しています。

今後も光熱費の値上がりが予想されるなか、さらなる節約を考えている家庭も多いのではないでしょうか。

この記事では、すぐに始められてガス代の節約に役立つ、保温料理を紹介します。

余熱を活かすので省エネに!”保温料理”とは

ガスの火の写真

保温料理とは、加熱した鍋を火からおろしたあと、バスタオルやフリースなどで包んで保温し、余熱で食材に火を通す方法です。

煮込む過程を保温に置き換えるため、火で加熱する時間を短縮できます。

省エネ以外にも魅力がたくさん”保温料理”のメリット

火にかけている時間は鍋のそばについている必要がありますが、保温している間は目を離しても大丈夫です。

長時間煮込む方法と比べると、野菜の煮崩れが少なく、じんわりと味が染みておいしくできあがるのも特徴です。

家庭にあるバスタオルやフリースを使うため、新たな道具を買う必要がなく、今日から、すぐに始めることができます。

“保温料理”の注意点

保温料理をする際に最も注意したいのは、腐敗や食中毒対策です。

厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」では、食中毒を防ぐ加熱の目安を「中心部分の温度が75度で1分間以上」としています。

保温する前には、75度以上の温度で十分に加熱し、料理が完成して温めなおすときも、中心部分が75度以上になるように加熱しましょう。

時間とともに鍋の中の温度が下がると、腐敗や細菌が繁殖しやすい温度になってしまうため、料理が完成したあとは室内に放置せず、冷蔵庫に入れて保存するか、再加熱して食べることが大切です。

また、保温料理で使うバスタオルやフリースは引火しやすいので、火のそばで使うときは取扱いに気を付けましょう。

保温中の鍋の中は高温なので、間違って触らないように、保温中であることが家族にわかるようにすると安心です。

参考:厚生労働省|家庭でできる食中毒予防の6つのポイント


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“保温料理”でカレーを作ってみよう!

保温している間、鍋の中の温度はどれぐらい保たれているのでしょうか。

実際に保温料理でカレーを作り、1時間おきに鍋の中の温度を測ってみました。

保温料理の手順

バスタオルで包んだ鍋
※著者撮影

保温料理に必要なのは、鍋、バスタオルやフリース、鍋敷きや新聞紙です。

新聞紙はフリースで包むときに、フリースと鍋底がくっつかないように使っています。

鍋をバスタオルやフリースで完全に包み込み、熱を逃さないようにするのがコツです。

食材は普通に料理するときと同じように切ります。

今回はすべての具材を同時に入れたので、火の通りやすさを考えて「人参は小さめ」「じゃがいもは大きめ」に切りました。

具材の量やメニューによりますが、5~10分程度過熱して火からおろすことが多いです。

今回は温度の変化がわかりやすいように、100度まで加熱しました。

今回は12月に実験し、室温は17度程度でした。

夏では結果が異なる可能性があります。

保温してから1時間後の鍋の中は、まだまだ熱い!

保温調理の温度変化1
※著者撮影

保温を始めて1時間後の鍋の中の温度は76.8度でした。

保温開始時の100度と比べると下がっていますが、湯気がたってアツアツの状況です。

じゃがいもには完全に火が通っています。

人参や肉は少し固めですが、箸で切ることはできました。

保温してから2時間後、温度はキープ

保温調理の温度変化2
※著者撮影

保温を始めて2時間後の鍋の中の温度は60.5度でした。

2時間経っても鍋の中はまだまだ熱いことがわかります。

人参、肉にもしっかり火が通り、やわらかく煮えました。

ここで終わってもよかったのですが、あと1時間試してみることにしました。

保温してから3時間後、肉がよりやわらかくなる

保温調理の温度変化3
※著者撮影

保温を始めて3時間後の鍋の中の温度は50度でした。

保温開始時と比べると半分の温度になったことになります。

アツアツとはいえませんが、十分温かいです。

肉は、よりやわらかくなりました。

最初の1時間で火が十分に通っていたじゃがいもも、煮崩れせずに形を保っています。

具材に十分火が通ったと判断し、再加熱をしてルウを溶かし、仕上げました。

保温してから2時間後にはカレーが完成!

カレーの写真

鍋の中の温度を測ってみると、約2時間後には具材に十分火が通っていたことがわかりました。

鍋のサイズや具材の量によりますが、3時間後には100度から50度まで鍋の中の温度が下がったことから、3時間以降は余熱の効果が薄れていくと考えられます。

食中毒や腐敗のリスクも高まるため、今回のケースでは2時間以上放置しないほうがよさそうです。

保温料理以外にも当てはまる注意点ですが、ルウを溶かしたあとのカレーはウェルシュ菌に汚染されやすいです。

特に一晩おいたカレーに繁殖しやすく、死滅させるためには加熱に加えて、空気を含ませるようにかきまぜる必要があります。

参考:ハウス食品グループ|一晩寝かせたカレーには要注意!!夏も冬も気を付けたいカレーの保存

煮込み料理は保温料理でガス代節約!

煮物の写真

味噌汁、煮つけ、煮込み料理など、保温料理は幅広く使えます。

おすすめは、カレー、おでん、豚汁です。

料理は毎日するものなので、長い目で見れば効果的な節約になるはず。

今日から気軽にチャレンジしてみてください。

ママライタープロフィール

ayu

中学生と高校生の息子たちを子育て中のママライター。(※原稿執筆時)
息子たちの興味に合わせて、鉄道、天体観測、自学などを楽しんできましたが、思春期になったいま、息子との会話は専らスポーツ観戦です。
DIYやお笑い鑑賞、フリマアプリで不用品を売ったり、ポイ活をしたりと、種類を問わず興味のおもむくままに楽しんでいます。


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