松茸はなぜ高いの?意外と知らない、松茸の秘密とは?

松茸はなぜ高いの?意外と知らない、松茸の秘密とは?

秋の味覚の王様ともいわれる松茸。

独特の香りを持つ、日本を代表する高級食材の一つです。

ここでは、松茸の主な産地や旬、なぜ値段が高いのかなど、気になる松茸の秘密を紹介します。

松茸とは?価格や産地、旬を紹介

松茸とは?価格や産地、旬を紹介

そもそも松茸とはどのような食べ物で、どのように生産、もしくは採取されるのでしょうか。

食べ方や産地、旬について詳しく紹介します。

松茸とは?価格や主な食べ方

松茸は、アカマツ林に自生しているキノコの一種です。

独特の香りや価格の高さで有名で、歯触りも抜群なため毎年食べたくなる秋の味覚の代表格といえるでしょう。

栄養素はビタミンBやナイアシン、カリウムのほか、他のキノコ類と同様に多くの食物繊維を含みます。

お吸い物や土瓶蒸し、松茸ご飯などにして食べられることが多く、どれもシンプルな味付けにすることで松茸特有の香りと食感を楽しめます。

松茸の価格は、スーパーでパック入りを購入するか贈答用に箱入りのものを購入するかでも異なりますが、例えば2020年の岩手産なら1パックに1〜2本入って2,000円程度。

なかには100g10,000円以上するものもあり、産地やカサの開き具合によっても異なるようです。

松茸の場合、つぼみの状態のほうが味もおいしく値段も高い傾向にあります。

松茸の主な産地は?

2020 年の調査によると、国内で主に松茸が収穫できる都道府県のトップ3は岩手県、長野県、岡山県の3県です。

なかでも岩手県の松茸生産量は群を抜いており、重さにして19t、割合でいうと6割を占めています。

しかし、松茸の最高級品は岩手県産でも長野県産でもなく、京都・丹波で収穫される「丹波マツタケ」です。

丹波マツタケは全国ブランドとして広く知られており、松茸が自生しやすいマツ林の環境整備をおこなうことによって松茸の生産を助けています。

ただし丹波マツタケはとても希少なため、手に入れにくいのが現状です。

松茸の旬はいつ?

松茸の旬は、秋の味覚の代表格といわれるとおり9〜10月が最盛期です。

地域によって収穫時期に差があり、北海道では8月中旬、九州では10月下旬と、寒い地方から順に収穫を迎えます。

また、輸入松茸は中国産が7月頃、カナダ産が8月頃、アメリカ産が9月頃と、外国産の松茸が出回る時期にもばらつきがあります。

天然物でありながら、7〜10月まで比較的長期間楽しめるのも松茸の魅力の一つです。

松茸はなぜ高い?希少価値が高い理由

松茸はなぜ高い?希少価値が高い理由

他のキノコ類に比べ、松茸が特に高価なのはなぜでしょうか。

実は、人工栽培できるかどうかが松茸の金額に大きく影響しています。

シイタケやエノキタケが安価なのは、300年も前から人工栽培されているからなのです。

その点を踏まえ、松茸が高い理由を詳しく3つ紹介します。

根菌で赤松に寄生して成長するから

松茸は、樹齢25年ほど経った生きたアカマツの根に寄生して成長するという特性を持ちます。

そのため、そもそもアカマツが自生している環境にしか生息することができません。

また、松茸の菌はアカマツに寄生する他のキノコよりも弱く、淘汰されやすいため、なかなか増えないことも理由の一つ。

さらに、松茸が痩せた土壌を好む一方で、近年人が山に入らなくなったことで腐葉土が増え、土が肥えてしまったことから松茸の生育環境に合わなくなったことも関係しているといわれています。

エネルギー源が薪からガスに変わったことで、人々が森林の手入れや管理をする機会が減り、その結果腐葉土が蓄積しやすい環境になったという時代的な背景があるようです。

人工栽培できないから

松茸は生育する環境条件がいまだはっきり解明されていないことから、他のキノコのように人工栽培ができません。

100%天然物である松茸は年によって収穫量にばらつきがあり、収穫の少ない年は特に値段が高くなる傾向に。

また、松茸の収穫時期になると、採取者である業者が山の持ち主に入山料を支払ったうえで松茸を探すため、多くのお金と労力もかかります。

人工栽培ができないことで安定的な収穫と業務の効率化が図れないことが、松茸の価格が高い大きな理由となっています。

ただし、一部では松茸の人工栽培の研究も進められているため、近い将来国産の松茸を安価に入手できる日が来るかもしれません。

おいしい松茸を気軽に食べられるようになればうれしいですね。

参考:近畿大学農学部農LABO|きのこの生態を解き明かし、世界初のマツタケ人工栽培をめざす。

鮮度と香りが重要だから

松茸の一番の売りといえば、その独特の香りです。

松茸は冷凍保存ができないことから、香りを楽しむため国内の旬のものに需要が集まる一方で、欲しい人が多く生産が追いついていない現状があります。

輸入された松茸は比較的安価に購入できますが、輸入品の松茸は土を洗い落とさなくてはならない法律があるため、香りがどうしても落ちてしまうのがデメリット。

国産の松茸に人気が集まることで、需要と供給のバランスによって価格が高くなってしまうのです。

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安い松茸をおいしく食べるには

安い松茸をおいしく食べるには

国産の松茸は希少価値が高く値段も高いため、スーパーなどで見かけてもなかなか手が出せないという方も多いのではないでしょうか。

その点、輸入品は比較的安価なため気軽に食卓に取り入れることができます。

輸入品をおいしく食べるコツは、輸入時に落ちた香りを補充すること。

実は、松茸に含まれるマツタケオールという成分は枝豆にも含まれるため、枝豆と一緒に炊き込むことで、国産の松茸を使った炊き込みご飯と遜色ない風味を作ることが可能です。

できるだけ安価に松茸の風味や香りを楽しみたい方は、ぜひこの秋に試してみてはどうでしょうか。

まとめ:松茸はなぜ高いの?

松茸は、人工栽培ができないことや、菌が生息できるアカマツ林が年々減少していることから、昔に比べ希少価値が高まっている食材です。

フランス料理のトリュフやイタリア料理のボルチーノ茸が、人工栽培できないことにより高額で取引されているのと同じ原理ですね。

松茸の人工栽培については近年研究が進んでいるため、うまくいけば近い将来、国内産の松茸を安価に楽しめる日が来るかもしれません。

期待して待ちつつ、今年も松茸をはじめとした秋の旬の味覚をぜひ家庭で楽しんでくださいね。

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