【土用干しとは】何となく知ってる?言葉の意味や由来、風習を解説

【土用干しとは】何となく知ってる?言葉の意味や由来、風習を解説

土用干しとは、どんな風習なのでしょうか?

梅干しを干す日、といったイメージを持っている方も多いでしょうが、土用干しは梅干しだけでなく、いろいろなものを干す日でもあります。

昨今は、乾燥機やエアコンの普及などにより衣服の土用干しをする方は少なくなりましたが、以前はどの家庭も自然におこなう習慣がありました。

土用干しの意味や由来、どんなことをするのかなどを紹介します。

土用干しとは?時期や意味は?

土用干しとは?時期や意味は?

土用干しとはどのようなことをするのか、時期と共に解説します。

「土用」という言葉は、「土用の丑の日」などで聞いたことがある方も多いでしょう。

なぜ、土用に「干す」なのか、その意味も解説します。

土用干しとは?何を干す?

土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間を指します。

夏の暑い日にうなぎを食べる「土用の丑の日」として広く知られているので夏のイメージが強いですが、春や冬にも土用があります。

土用干しとは、文字どおり、土用の時期にものを干す行事です。

代表的なのは梅干しですが、衣類や書物なども干します。

日本の気候は高温多湿であり、定期的に持ち物の湿気を飛ばさないとカビの被害が発生しやすいという事情があります。

衣類や着物の土用干しは、家庭内の持ち物の湿気を飛ばしてカビを防ぐためにおこなう目的で定着しました。

書類や書籍を陰干しするのも「土用干し」の一つです。

さらに、この時期は田んぼの水を抜く「中干し」もおこなわれます。

土用の時期とは?2023年はいつ?

土用の時期は年4回ありますが、土用干しは立秋前の18日間におこないます。

2023年の夏の土用は7月20日(木)~8月7日(月)です。

土用の時期は、毎年微妙にずれますが、だいたい7月後半~8月前半と覚えておくとよいでしょう。

この時期は、ちょうど梅雨明けの時期と重なります。

梅雨時にたっぷり湿気を吸い込んだ服や書物などを干すのにはちょうど良い季節なのです。

ちなみに、旧暦の場合8月は夏ではなく秋にあたるので、夏物をしまい、秋・冬物を準備するのにも良い時期でした。

土用干しの由来や意味は?

土用干しではそれぞれ何を干すのかで違いはあるが共通しているのは、乾かすことです。

夏の土用は、1年で一番暑く紫外線も多い時期です。

この時期に梅干しを干すのは、紫外線で日光消毒してカビの発生を抑える効果があるためです。

また、書物や衣服も湿気が大敵です。

湿気を飛ばし、紫外線を当てることで細菌の繁殖を防いだりカビの発生を防いだりできます。

湿気やカビ、細菌の繁殖は健康の大敵です。

また、土用に田んぼの水を抜くのは、虫の発生を防いで病気の予防のためです。

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土用干しの風習と意味を解説

土用干しの風習と意味を解説

土用干しは、干す物によって意味が異なってきます。

ここでは、干す物にごとの土用干しの意味を解説します。

衣類・書籍の土用干し

衣類や書籍は、湿気を嫌います。

梅雨時のじめじめ、むしむしとした空気のなかに置いておけば、着物や衣類はカビが生えやすくなります。

そのため、梅雨明けに、土用のからっとした空気の下で虫干しすることで、梅雨の間にこもった湿気をしっかり飛ばして日光消毒するのは着物や衣類を守るための大事な習慣でした。

なお、着物の場合はこの時期一度結び目をほどいて洗濯し、新たに縫い直す洗い張りをおこなうこともあります。

ただし、着物も書物も直射日光に当てすぎると退色する可能性もあるので、干す場所や時間はよく考えましょう。

ちなみに書物の虫干しは、曝書(ばくしょ)とも呼びます。

梅干しの土用干し

六月頃に収穫し塩漬けにした梅を梅雨明け後に干す習慣があります。

梅干しの土用干しは、保存力を高めるためです。

梅干しは塩分で保存力を高めていますが、日光に当てて消毒すれば、さらに保存力がアップします。

昔は保存できる食料が少なく、長期間保管できる梅干しは貴重だったので、少しでも長持ちさせたかったのでしょう。

梅干しの土用干しは、3日3晩干す、夜露をあえて浴びせるなどいろいろなルールがありますが、目的が日光消毒なので、水分を飛ばせれば十分です。

なお、水分を飛ばすのが目的なので、雨に当たってはいけません。

天気予報で雨が降らない日が4日以上続く日をよく確認してから、干しましょう。

水田(稲)の土用干し

水田の土用干しは、土用の頃にわざと水田の水を抜くことです。

水田の水を抜くことで、稲穂がならない無駄な茎の成長を抑える、健康な根がよくはるようにする、根もとに酸素が入りやすくして悪性なガスが充満するのを避けるといったメリットがあります。

また、虫の発生を抑える効果も期待できます。

水田の土用干しは一週間前後を目安におこなうのが一般的です。

なお、土用干しはやり過ぎてもやらなくてもいけません。

土用の頃に田んぼを訪れる機会があったら、水を抜いた田んぼを見られるのでぜひ確かめてみましょう。

まとめ:土用干しの風習を続けよう

土用干しの風習を続けよう

衣類や書籍を干す土用干しは、エアコンや乾燥機の普及で今では家庭で日常的におこなわれる風習ではなくなりつつあります。

しかし、季節の変わり目を実感し、丁寧な暮らしをすることで心身を調えていく効果が期待できます。

特に、親子で楽しむ梅仕事はおすすめです。

梅干し作りに挑戦し、ぜひ土用干しをじっくりとおこなってみましょう。

手間をかけた分、おいしい梅干しができるはずですよ。

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