自主学習ノート(自学ノート)は、現在、小学生の家庭学習の方法として広く取り組まれています。
今回は、元塾講師・教員のママライターが、子どもと一緒に取り組んできた体験を元に、自学ノートの効果や取り組みのヒントをご紹介します。
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目次
ママライタープロフィール
小学5年生の娘を持つママライター(記事執筆時)。
塾講師など教育経験が長い、元大学教員の博士ママ。現在はフリーで活動中。
娘の習い事はピアノとバイオリン。プログラミング教育に関心あり。
短時間で勉強を済ませるコツを研究中。
自学ノートって何?効果は?子どもに合った使い方で効果あり
自学ノートって何?
わが家の場合、小学3年生から自学ノートが始まりましたが、住んでいる地域や小学校によって何年生から始まるのか、その内容も異なりますので、体験からお話しします。
自学(ノート)とは、子ども自ら学習するテーマを選び、家庭で学習する方法を指します。
自学のテーマは、先生が指定する場合と、子どもが自分で設定する場合の2種類がありました。
自学ノートの効果は?
自学ノートの効果を、図のように整理してみました。
図 自学ノートの効果(筆者作成)
第一に、先生によるテーマ指定型ノートの場合は、子どもが学習内容を選ぶことができません。
「明日漢字の10問テストがあるので、自学ノートにテスト範囲の漢字を2ページ書きましょう。」のような宿題です。
このテーマ指定型は、自学ノートの初心者や家庭学習が身に付いていない子どもに対して、家庭で自習する姿勢や方法を教える効果があります。
子どもは「明日テストがあるときには、今日これだけの勉強をするんだ。」と学びます。
第二に、自学のテーマを子ども自身が設定する場合。
「自分の興味があることを、自由に自学ノートにやりましょう。」などです。
この場合、さらに、「子どもの好きを伸ばす」ノートと「子どもの弱点を克服する」ノートに分けることができます。
通常の宿題(ドリルP○〜P△までのような宿題)では対応できない部分を、その子どもに合ったノート作りをすることで補う効果があります。
子どもの好きを伸ばす自学ノートのヒント
「子どもの好きを伸ばす」自学ノートを作成するヒントを具体的にご紹介します。
今回は、自学ノートが開始される小学3年生から、ノートの事例を考えます。
小学3年生、4年生向け 自学ノートのヒント
自学ノートを始めたばかりの学年であれば、まずは好きな教科を中心にノート作りをしてみましょう。
(1)好きな教科に関連する自学ノート
国語が好きなら、漢字の成り立ちを調べたり、自分の詩や俳句を作ってみると楽しくできます。
読書が好きなら、読書ノートを書いたり、読書感想文の下書きにしてもよいでしょう。
旅行が好きなら、オリジナルの旅行ガイドを書けば社会につながります。
北海道や九州地方などの地方毎に名産品・特産品を調べたり、電車が好きなら、各地方の公共交通をまとめたりするのはいかがでしょうか。
娘は漢字が好きなので、写真のノート例のような、さかなへんの漢字を集めるという自学ノートを作ってみました。
※筆者撮影
(2)自分の好きな分野・得意分野を活かす
主要4教科(国算理社)以外でも、自学ノートは作れます。
絵を描くことが好きなら絵の描き方を詳しく調べたり、工作が好きなら自宅で工作を作ってみると、図画工作につながります。
スポーツを習い事にしているなら、その競技を解説したり、世界で活躍している選手を詳しく調べるのもよいでしょう。
オリンピックや世界大会などがあれば、参加している国に関してまとめることができますね。
小学5年生、6年生向け 自学ノートのヒント
高学年も、好きな教科を重点的に進めるのは同じです。
進学を考える時期ですので、中学年より高度なものに取り組みましょう。
(1)好きな科目を深く掘り下げる
国語であれば、難読漢字や故事成語、古典などがおすすめです。
例えば、小学5年生で古典が出てくるので、『竹取物語』や『平家物語』の暗唱と共に、子ども向けの読みやすい訳本を読んで感想を書きます。
理科が好きなら、実験や星座、天気等の観察を実際に行うことで、自学ノートだけでなく自由研究のまとめとしても活用できます。
社会が好きなら、例えば歴史上の戦いや人物を調べてまとめるのはどうでしょう。
(2)時事問題や話題のテーマのなかから関心のあるものを取り上げる
高学年になれば、『朝日小学生新聞』や『読売KODOMO新聞』などの子ども向けの新聞を読んだり、新聞の子ども向け記事などを読むことで、社会問題や話題のテーマを取り上げることができます。
SDGsや温暖化、エネルギーなどを、子ども向けに分かりやすく解説しています。
子どもが関心のあるものをまとめていくことで、自学ノートから調べ学習や自由研究にもつなげることができます。
参考:
朝日小学生新聞
読売KODOMO新聞
【小学5年生向け】おすすめの自主学習ノートのネタ集【実例あり】
【小学6年生向け】おすすめの自主学習ノートのネタ集 すぐ終わる工夫も紹介【実例あり】
子どもの弱点を克服する自学ノートのヒント
子どもの弱点を克服するために、自学ノートを活用するヒントをまとめます。
基本的には<何が弱点かを見つける→なぜ弱点なのか(分からないのか)を考えて、できるだけ弱点を減らす>という形にします。
小学3年生、4年生向け 自学ノートのヒント
基本は、宿題で間違った箇所やテストで間違った箇所をやり直します。
必ず弱点を確認したほうがいいのは、算数だと思います。
小学算数を子どもと一緒に解き直しながら、四則計算、九九でつまづくと中学年、高学年まで苦労することを実感しました。
また、3年生から教科に理科と社会が増えるので、子どもが対応できているかチェックしましょう。
写真のノート例は、日本地図の地方、都道府県名、県庁所在地をまとめたものです。
【小学4年生向け】おすすめの自主学習ノートのネタ集【実例あり】
※筆者撮影
小学5年生、6年生向け 自学ノートのヒント
高学年になると、4教科のテストの内容も難しくなりますので、単元ごとのテストや学期末テスト、塾のテストなど、対策が必要になります。
テスト期間が設けられている場合は、1日にどの教科を何ページ勉強するのか、計画を立てます。
そして、テストが返されたら間違えた箇所を確認し、次は解けるように復習する、<テスト対策→復習>の学習姿勢を身に付けます。
また、4教科以外の英語、保健、家庭科等のテストもありますので、同様に<テスト対策→復習>をします。
自学ノートは、子ども主導が基本ですが、自分では苦手なところに気づけないことが多いので、大人がどこかでチェックしましょう。
忙しい子ども向け 短時間で仕上げる自学ノート
現実的に考えれば、今の子どもは塾や習い事で忙しいと思います。
そこで、忙しい方向けに、短時間で仕上げる自学ノートのヒントをお伝えします。
絵を描く 理科社会がおすすめ
わが家の場合は、絵を描くのが好きなのでその利点を生かし、図解する自学ノートをよく作成します。
写真のノート例のように、理科なら動植物の絵やかん電池のつなぎ方、季節の星座なども描きやすいと思います。
社会であれば、歴史上の人物の似顔絵などもおもしろいですね。
※筆者撮影
ひたすらノートを埋める 漢字や英語、計算がおすすめ
絵が苦手な場合は、ひたすらノートを埋める方法もあります。
漢字が得意なら各学年で習う漢字、英語であれば英単語や英会話を書きます。
算数の場合は、計算問題の早解きがおすすめです。
例えば、計算問題10問を何分、何秒で解けるか記録を書き、どんどん記録を更新します。
好きなものをまとめる
好きなものなら書けるということであれば、好きなものを学習につなげましょう。
プログラミングが好きなら、自分で作ったゲームの写真をノートに貼り、解説文を書きます。
写真のノート例は、子どもが食べることが好きなので、家庭科の調理実習前に教科書を見ながら自分で料理し、イラスト解説したものです。
※筆者撮影
それでも時間が足りない時には、塾の授業や宿題を自学ノートを使って効率よく学習を進めるという方もいらっしゃいます。
おわりに
最後に、自学ノートを作成するために便利な参考書をご紹介します。
- 『中学入試 くらべてわかるできる子図鑑理科(改訂版)』旺文社2018などの図鑑系は、図解と解説が分かりやすくおすすめです。
- 青木伸生・笹原宏之/監『小学生おもしろ学習シリーズ 完全版 ことわざ・四字熟語・慣用句大辞典1120』西東社2021などは、小学生で知っておきたい言葉をまとめてあるので、とても便利です。
- 読書の本に悩んだら、齋藤孝監修『1話5分!小学生のうちに読んでおきたい名作101』日本図書センター2020などが参考になります。
- 『るるぶ 地図でよくわかる都道府県大百科』JTBパブリッシング2018などは、旅行ガイド本から子ども向けに書かれた学習本で、楽しく読むことができます。
自学ノートは子どもの学習習慣をつけるツールですので、まずは子どもの学習意欲を大切に考えていきたいですね。
参考HP:
・『中学入試 くらべてわかるできる子図鑑理科(改訂版)』旺文社2018
・青木伸生・笹原宏之/監『小学生おもしろ学習シリーズ 完全版 ことわざ・四字熟語・慣用句大辞典1120』西東社2021
・齋藤孝監修『1話5分!小学生のうちに読んでおきたい名作101』日本図書センター2020
・『るるぶ 地図でよくわかる都道府県大百科』JTBパブリッシング2018
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