昨今、子どもたちが長い文章を書いたり読んだりする機会が減り、読解力の低下が懸念されています。
子どもの読解力を鍛えるためには、家庭でできることは何があるでしょうか。
子どもの読解力低下の理由と読解力向上の方法を紹介します。
親子で取り組めるので、ぜひ参考にしてください。
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読解力とは?低下の現状と理由
読解力が具体的にどのような力のことなのか、日本の子どもの読解力が低下していると話題になった現状と理由も紹介します。
読解力とは?
読解力を簡単に説明すると、文章を読み取る力のことです。
文章を読み取る力とは、文章や文章に含まれる情報を正しく理解し、意味を把握する能力のことです。
基礎的な読解力は、事実や根拠のある文章を読んで、意図や内容を理解する力ですが、文章の主旨や概略、結論などを把握して的確に答え、自分の考えや意見を述べる力も必要です。
また、年齢が上がるにしたがって、論理的な読解力や共感的読解力などさらに高度な力が必要になります。
ちなみに、国際学習到達度調査(PISA調査)の読解力の定義は「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」となります。
日本の子どもの読解力が低下している?
日本の子どもの読解力は年々低下傾向にあることは、PISA調査の結果を見ると明らかです。
PISA調査は3年に1度、15歳を対象に読解力をはじめとした国際学力テストを実施しています。
2018年の結果をみると、日本の子どもの読解力は前回の8位から15位へと順位を落としています。
数学的リテラシーと科学的リテラシーは高い水準である一方、読解力については、低得点層の増加が顕著です。
さらに、2018年に出版された新井紀子氏の『AI Vs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報)では、日本の中高校生が詰め込み教育によって表層的な知識は豊富だが、中学校の歴史や理科の教科書程度の文章を正確に理解できていないことが指摘され、話題となりました。
参考:文部科学省│国際学力調査(PISA、TIMSS)
文部科学省│OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)の結果公表を受けての萩生田文部科学大臣コメント
読解力が低下している理由と対策
読解力が低下している理由として、SNSなどで短い文章のやりとりが増えたことや、読書量の減少が挙げられます。
文部科学省からは、課題の改善が指摘され、授業改善や文章を読むプロセスに着目した学習の充実などの指導が教育現場に向けて入っています。
読解力向上には、主体的かつ対話的な学びの視点から取り組むことが重要です。
子どもたちが自ら考え発言し、意見を交換する機会を増やすことで、より深い学びと読解力が生まれるでしょう。
子どもたちが自分たちで学びを深められるように、周囲の大人は適切な質問や課題を提供することが求められます。
子どもの読解力を鍛えるには?大人と家庭でできる対策とは
子どもの読解力を鍛えるには、具体的にどうすればいいのでしょうか。
子どもの読解力を向上するために家庭でできる対策を一つずつ詳しく説明します。
読書・音読を増やす
読解力を鍛えるためには、読書や音読で語彙力を増やすことが大切です。
図書館へ行く、子ども新聞を取るなどして子どもの読書量を増やすことで、文章をより正しく読むことにつながります。
読書といっても、難しくて長い本を読まなければ意味がないわけではありません。
謎解きゲームや推理ゲームなど、楽しみながら読解力を育める本もあります。
また、読書をしていても、本当に正しく読めて理解できているのかわからない場合は、音読の機会を増やすことも効果的です。
「ちょっと手が離せないから読んで聞かせてほしいな」などいうと、喜んで読んでくれる子もいます。
親子で読書タイムを作ったり、お出かけにお気に入りの本を持っていく習慣をつけたりするのもおすすめです。
本の読み聞かせをする
子どもが1人で読めるようになると、読み聞かせをやめてしまうご家庭も多いですが、本の読み聞かせの継続も大切です。
自分で読んでいると物語の様子や言葉が入ってこない子も、読んでもらうと絵が浮かぶことがあります。
他の人に読んでもらうことで、文字を正確に目で追うことに囚われないですみ、登場人物の感情の変化がわかりやすい場合もあるでしょう。
読み聞かせは素晴らしい体験であり、読解力の基礎を築くことができます。
読解力を鍛えるためには、絵本に限らず児童書や図鑑などの読み聞かせを、小学校入学以降もできるだけ長く続けることをおすすめします。
読んだあとに感想を話し合ったり、クイズを出し合ったりするのもとてもためになる時間です。
親子でよく会話する!交換日記もおすすめ
言葉の発達に大切なのは、まわりの大人とのコミュニケーションです。
親子でよく会話するのも読解力を鍛えることにつながります。
家庭内でも、保護者が関わり方を工夫したり、言葉の吸収を促してあげることで変化があるでしょう。
短い単語だけで会話するのではなく、原因や理由を言ったり、自分の意見をわかりやすく言えることを意識した会話が大切です。
読む力と伝える力を鍛えるためには、親子間の交換日記や手紙、メール交換などもおすすめです。
辞書を使う習慣をつける
辞書を使う習慣をつけると語彙が増え、正確な意味もわかるので、読解力が鍛えられます。
意味のわからない単語や知らない表現がでてきたら、その都度調べることが大切です。
紙の辞書のほか、電子辞書や国語辞典や漢字辞書などを使って調べるくせをつけましょう。
気になった文章や事柄は、図鑑などで調べて解説を読むのも良いですね。
「どういう意味だった?」などと調べて理解した新しい語彙や知識を親や周りの人に説明を促す質問をすると、自分で答えをまとめて言えるようになります。
作文や日記など書く機会を増やす
作文や日記など、文章を書く機会を増やすことも読解力には大切です。
日記や手紙以外にも、書く作文や自分で書いて答える問題が多い問題集を使うのも良いでしょう。
お気に入りのメモ帳とペンを用意して、スケジュールや今の気持ちなどを小まめに書く習慣をつけるのもおすすめです。
最初は短い文章だけでも良いですし、うまく書けなくても大丈夫です。
文章を書く機会が増えると、より正確な表現をするためには、語彙を増やすことが重要であることがわかります。
書くことに慣れたら、自分が伝えたいことを相手に伝えるために必要な情報や知識、表現力を増やすことにも気を付けられたら理想的です。
まとめ:読解力を鍛える本やゲームでトレーニングも
子どもの読解力を鍛えるには、読書や読み聞かせなどで語彙を増やし、表現力を学ぶことと、作文や日記など、自分自身の言葉で表現する機会を増やすことが重要です。
いきなり難しいことにチャレンジする必要はないので、親子で読書タイムを楽しみましょう。
読書が苦手な子どもでも、読解力を鍛えるための本やゲームがたくさんあるので、興味を持ちそうなものから活用してみましょう。
親子で楽しく継続的に取り組めたらいいですね。
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