汗ばむ季節になってくると、子どものあせもが気になってきますよね。
「夏は暑いしあせもができやすい季節だから仕方ない」と考えてしまうかもしれません。
しかし、あせもは悪化すると治るまで時間がかかったり、跡が残ったりする可能性も……。
そこでこの記事では、あせもの予防方法や対策方法などを解説します。
ホームケアであせもを予防し、デリケートな子どもの肌を守ってあげましょう。
「あせも」の原因
あせもは「汗疹(かんしん)」や「汗貯留症候群(かんちょりゅうしょうこうぐん)」とも呼ばれており、皮膚に小さな水疱ができるのが特徴です。
あせもができる原因は、大量に汗をかくことで汗の通り道となる汗腺の一部「汗管(かんかん)」が詰まるからです。
汗管が詰まると皮膚の内側に汗が貯留して周辺を刺激するため炎症を起こし、あせもとなります。
あせもが子どもにできやすいのは、子どものほうが汗腺の密度が高いからです。
汗腺の密度を比較すると1歳児は大人の8倍、新生児は12倍といわれているのだとか。
そのため、子どもは大量の汗をかきやすく、あせもができやすくなります。
あせもの種類
あせもは汗腺のどの部分に汗が詰まるかによって、3種類に分けられます。
それぞれの特徴を確認してみましょう。
水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
水晶様汗疹は、角層内やそのすぐ下の汗腺が詰まるとできるあせもです。
新生児の顔にできることが多く、大人が熱を出したときにできることもあります。
赤みやかゆみのない直径数ミリメートル程度の水疱ができ、1日から数日で消えます。
何もしなくても自然と消えるため、気が付かないケースも少なくないようです。
紅色汗疹(こうしょくかんしん)
紅色汗疹は「顆粒層(かりゅうそう)」という角層よりも少し深いところにある汗腺が詰まるとできるあせもです。
乳幼児や多汗症、肥満の方にできやすく、高温多湿の環境が原因となることもあります。
皮膚が赤く1~2ミリメートル程度盛り上がり、強いかゆみを感じることがあるのも特徴です。
悪化すると「とびひ」の原因になることもあるため、注意が必要です。
深在性汗疹(しんざいせいかんしん)
紅色汗疹を繰り返すことでできるのが、深在性汗疹です。
深在性汗疹では表皮と真皮の間にある汗腺が詰まり、汗を排出できなくなります。
汗をかくと皮膚が蒼白色に盛り上がり、かゆみを伴わないのが特徴です。
体温調節が難しくなるため広範囲にできると熱中症になるリスクが高まりますが、深在性汗疹は日本ではあまりできません。
※出典:
大人も発症するあせも。自分でできる予防法も解説│医療コラム│一般皮膚科・美容皮膚科の日比谷ヒフ科クリニック│日比谷、八重洲、蒲田、品川の全4院
<知っておきたい>大人から赤ちゃんまで発症!あせも(汗疹)の原因・症状・予防法 | ロート製薬: 商品情報サイト
あせもができやすい部位
あせもができやすいのは汗をかきやすかったり、熱気や湿気がこもりやすかったり、皮膚がこすれて摩擦を受けやすかったりするところです。
例えば、熱気や湿気がこもりやすく洋服とこすれやすいおなかや背中、汗をかきやすい首回りや関節の内側、足の付け根などが挙げられます。
その他、額やおしりなどにできることもあります。
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子どものあせもを予防するための工夫
あせもを予防するには、肌を清潔に保つように工夫するのが基本です。
なるべく汗をかかないように環境を整えたり、汗をかいたら早めに対処をしたり、あせもができやすい状況をつくらないように気を付けましょう。
温度と湿度を調整する
高温多湿の環境にいると汗をかきやすくなるため、まずはなるべく汗をかかない環境をつくるよう意識しましょう。
室温は25度前後、湿度は50%前後になるように保ちます。
湿度が高いと汗が乾きにくくなるので、湿度も重要なポイントです。
暑い日はエアコンを使用する、湿気が多いときは除湿器を使用するなどして環境を整えましょう。
吸水性・通気性の良い衣類を選ぶ
吸水性・通気性の悪い衣類を着ていると汗が肌に残りあせもができやすくなるため、肌着や服の素材も意識します。
ポリエステルやアクリルなど化学繊維の衣類よりも、吸水性・吸汗性に優れたコットンや麻、絹などの天然繊維を選びましょう。
また、近年は冷感や速乾素材の肌着も販売されていますが、化学繊維が肌に合わないこともあるため、できるだけ避けたほうが安心です。
汗を流す・ふき取る
汗をかいた場合はなるべく早く対処するように心がけましょう。
家にいる場合は汗をかいたらすぐにシャワーで流す、外出時はウェットティッシュや濡らしたタオルを持ち歩きこまめに汗をふき取るなどです。
乾いたタオルでも汗はふき取れますが肌に老廃物が残るため、ウェットティッシュや濡らしたタオルが良いですよ。
帰宅後は早めに入浴やシャワーで汗を洗い流しましょう。
なお、1日に何度もシャワーを浴びる場合は、肌の乾燥を防ぐために石けんを使用するのは1日に1度のみにしてくださいね。
保湿をする
保湿をすると逆効果のイメージがありますが、肌は乾燥するとデリケートになるため、ちょっとした刺激でかゆみやあせもが出やすくなります。
汗をかくと同時に水分も蒸発してしまうので、保湿は大切なポイントです。
特に乾燥しやすい入浴後は、ローションやクリームなどで保湿してあげましょう。
べた付きやすい部位は水分の多いローション、乾燥しやすい部位は油分の多いクリームなど、使い分けるのもおすすめです。
予防をしてもあせもができてしまったら?
子どもは汗をかきやすく、予防をしていてもあせもができてしまうことがあります。
あせもができてしまったときの対処法も確認しておきましょう。
肌の清潔を保つ
あせもができてしまったあとも、汗をかいたら流す、こまめにふき取るなどあせもを予防する方法を続けて肌の清潔を保ちましょう。
水晶様汗疹の場合は2~3日程度で治まりますし、紅色汗疹でも1週間程度で改善するでしょう。
掻きむしらない
あせもを搔きむしると悪化して治りが遅くなることもあります。
とはいえ、子どもは我慢できなかったり、無意識に掻いてしまったりすることも……。
皮膚を傷付けないよう、子どもの爪は短く切っておきましょう。
小学生くらいなら自分でも我慢できるため、掻かないように言い聞かせてあげてください。
なお、かゆみが強いときは、冷たいタオルやハンカチなどに包んだ保冷剤で冷やすと、かゆみや痛みがやわらぎます。
市販のあせも治療薬を使う
ドラッグストアなどで購入できるあせも用のクリームや、あせも治療薬を使用するのも一つの方法です。
治療薬を使用するとかゆみを抑えられるため、子どもがかゆがるまえに塗ってあげましょう。
市販のあせもクリームやあせも治療薬を使用する際は、パッケージに記載されている使用法を守ることも大切です。
それでも改善しない場合は、皮膚科や小児科の受診を検討してください。
受診して治療する
治りが悪い場合や、症状が悪化してきた場合は皮膚科や小児科を受診しましょう。
病院ではステロイドの塗り薬などが処方されます。
使用量や使用期間を間違えると治療に時間がかかることもあるため、薬が処方されたら指示を守ることも大切です。
ちなみに、医師から処方されたステロイドなら、用法・用量をしっかり守れば子どもにも問題なく使用できます。
まとめ
あせもは、大量の汗をかき皮膚の内部に貯留した汗が周辺を刺激してできます。
あせもは子どものほうができやすいため、日頃から予防をしておくことが大切です。
それでもできてしまった場合は、予防方法を実践しつつ市販のクリームや治療薬を使って対処します。
改善されない場合は、皮膚科や小児科を受診して治療しましょう。
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