天気予報やニュースなど日常のなかでたびたび耳にする機会がある「初冬」という言葉。
しかし、具体的にどの時期を指すのかわからない方もいますよね。
そこで今回の記事では、初冬が具体的にどの時期のことなのか、晩秋との違いや時候の挨拶での使い方などをご紹介します。
旬の食べ物も合わせてご紹介するので、季節の変わり目の気温差対策にぜひ参考にしてください。
普段は意識しない言葉の知識を深めて、子どもに質問された際などにスムーズに答えられるようにしましょう。
初冬はいつを指しているの?
秋が過ぎ、気温がぐっと下がると冬がやってきます。
その頃に耳にするようになるのが「初冬」。
では、初冬は具体的にどの時期のことを指すのでしょうか?
初冬は冬を3分割にした最初の1ヵ月のことで、11月頃の時期です。
二十四節気では立冬(11月7日頃)から大雪(12月6日頃)の前日までと定義されています。
この期間は小雪の期間で、完全に冬になって凍えるほど寒いというよりも、木枯らしが吹き草木が枯れ初めて少しずつ寒さが増してくる時期になります。
「晩秋」との違い
初冬と同じように耳にする機会があるのが「晩秋」です。
晩秋は11月の終わりから12月の初旬頃を指し、初冬と同じような時期に使われる言葉です。
しかし、初冬と晩秋には季語としての使い方に明確な違いがあります。
晩秋は字のとおり秋の季語として歳時記に収められており、秋以外の季節で使用されることはありません。
初冬は冬の季語となっており、使用されるのは冬のみです。
季節の挨拶として使う「初冬」
初冬は季節の挨拶としても使用されます。
ここでは、初冬を季節の挨拶として使用する場合、具体的にどのように用いるのかをご紹介します。
「初冬の候」を使う時期
初冬は二十四節気のなかの言葉ではないため、「初冬の候」をいつからいつまで使用するのかは厳密に決められてはいません。
初冬は冬の始まりを感じさせる言葉であるため、立冬を過ぎた11月上旬から12月上旬頃の挨拶に使用するのが適当でしょう。
「初冬の候」を使った例文
目上の方に手紙を送る際、「初冬の候」は以下のような使い方をします。
- 書き出し:謹啓 初冬の候 冬の気配も濃くなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
- 結び:年末に向かい諸事ご多用のことと存じますが、ご自愛専一にてお過ごしください。謹白
- 書き出し:拝啓 初冬の候 朝夕の寒さが一段と厳しくなってまいりましたが、皆様お変わりございませんでしょうか。
- 結び:日に日に寒くなってまいりますが、お風邪を召しませんようご注意ください。敬具
「初冬の候」と同じ時期に使える季語
冬の初めに使用する「初冬の候」ですが、同じ時期に使用できる他の季語もあります。
- 晩秋の候
- 立秋の候
- 初雪の候
- 落葉の候
- 小雪の候
- 霜月の候
- 菊花の候
- 向寒の候
- 年末の候
- 師走の候
- 小春日和が続いております。
- 日増しに寒くなってまいりました。
- 今年もいよいよ押し詰まってきました。
- 今年も残り少なくなってきました。
初冬に旬を迎える食べもの
どの季節も旬のものを食べるとおいしいですよね。
ここでは、初冬に旬を迎える食材をご紹介します。
白菜
白菜の旬は11~2月頃です。
約95%が水分でできている白菜には、水溶性ビタミンのビタミンCが含まれています。
水溶性ビタミンは水に溶けでてしまうので、スープや鍋など煮汁と一緒に食べる方法がおすすめ。
白菜は他の野菜に比べて淡白で飽きのこない味わいですが、内側の葉ほどやわらかく甘みが強くなります。
寒さが厳しくなるほどに甘みが増すのも特徴です。
ごぼう
11~1月が旬のごぼうには、ビタミンB群やビタミンE、食物繊維が含まれ、ミネラルも比較的豊富に含まれています。
ごぼうの食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランス良く含まれており、便通を整えるのに役立ちます。
土のような独特の風味と繊維質な歯ごたえは、ごぼうならではでクセになりますね。
大根
一年中目にする大根ですが、旬は11月~3月。旬に収穫される大根は甘みが強いのが特徴です。
大根の葉以外の部分は約95%が水分でできています。
皮を剥いて食べる方が多いと思いますが、そのまま食べることでビタミンCやカリウムが摂取できるためおすすめです。
大根は葉に近い部分が甘く、先端部分は辛みが強いため、部分ごとに食べ方を変えることでよりおいしく食べられます。
カブ
かぶの旬は11~1月頃で、通年目にするものの寒い時期のほうが甘みが強くおいしい野菜です。
かぶにはでんぷんを分解する消化酵素のアミラーゼが含まれているため、胃もたれや胸焼けを感じるときにおすすめの食材です。
また、葉には強い抗酸化作用があるβ-カロテンやビタミンC、カルシウムなどが豊富に含まれています。
春菊
春菊の旬は11月~2月です。
独特の風味を持つ春菊ですが、これはαピネンとペリルアルデヒドによるものです。
αピネンはマツやヒノキ、杉などの針葉樹に多く含まれる香り成分で、安眠を促す作用があります。
ペリルアルデヒドには抗菌・殺菌作用があるので、食中毒を防ぎ胃腸の働きを助けてくれる作用が期待できます。
旬の食べ物を食べるとなぜ良いのか?
旬の食べ物を食べると良いと聞いたことがある方は多いでしょう。
ここでは、旬の食べ物がおすすめである理由をご紹介します。
栄養価が高い
最近ではハウス栽培など栽培方法の発展によって、旬の食材でなくても年中気軽に購入できるようになりました。
しかし、旬の食材は栄養価が高くそれ以外の時期と比べると、栄養価が2倍以上違うものもあります。
もともと野菜や果物などの食材は自然だったため、環境に応じて生きていく成分を持っており、旬の食材を食べることで季節ごとに必要な栄養を取ることができます。
安価で手に入る
野菜や果物は旬になると収穫量が増えます。
需要に対して供給量が増えるため、旬ではない時期に比べると比較的価格が安くなります。
旬を過ぎてしまうと価格が上がる食材もあるため、季節ごとに旬の食材を選ぶのがお得といえます。
その時期に体に必要な栄養が取れる
旬の食材にはその季節に合った栄養が取れるものが多くあります。
例えば、夏には水分量が多く体を冷やしてくれる作用があるトマトやきゅうり、スイカなどが旬を迎えます。
一方、体を温めたい冬の旬野菜は、ゴボウやにんじん、ねぎなどです。
冷やす温める以外にも、ビタミンなどの必要な栄養素も旬の食材には含まれていることが多くあります。
まとめ
今回の記事では、初冬の具体的な時期や晩秋との違い、季節の挨拶としての使い方などをご紹介しました。
耳にする機会が多い言葉でも、どのようなものか説明できるほど理解できていないこともありますよね。
初冬と晩秋はほとんど同じような時期ですが、季語としては使い方が違うこと、季節の挨拶としての使い方など、知っておくと少し便利になるかもしれません。
また、今回は季節ごとの旬の食材を食べるとメリットがあることも併せてご紹介しました。
体調を崩しやすい季節の変わり目に、旬のものを食べて体調を整えましょう。
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