コロナ禍で大人も子どももマスクの着用が習慣となった昨今。
熱中症の危険も取りざたされるなかで、マスク生活にはもう一つ暗い影を落とすものがあります。
それがマスクの下での口呼吸。
マスクの下でより酸素を取り込もうと、ついつい口で呼吸をしていませんか?
また、ついつい口が開いたままになっていませんか?
大人はもちろんのこと、子どもたちのマスク下での口呼吸には、どのようなデメリットが潜んでいるのか、介護士歴15年の施設や医療に携わる現場にいた現役未就学児ママが、対処法とともにご紹介します。
口呼吸ってなに?何が悪いの?

そもそも口呼吸とは何なのか。
読んで字のごとく、口からの呼吸のことです。
呼吸とは吸う息で体内に酸素を取り入れ、吐く息で体内の二酸化炭素を身体の外に出すことを言いますが、そのどちらかが口から行われていると”口呼吸”と呼ばれます。
この口呼吸、実は哺乳類のなかでもできるのは人間だけです。
あまり違いのないようにも思える鼻からの呼吸と口からの呼吸ですが、わたしたちの鼻は吸い込むときに鼻の奥の繊毛や粘膜で異物をとりのぞいてくれたり、外から入ってきた冷たい空気が肺に入る前に温めてくれたりと、非常に優秀な役割を果たしてくれているのです。
鼻は呼吸器、口は消化器と、実は全然役割が違うんですね!
参考文献:稲冨恵子: 息することは生きること〜良い呼吸で健康づくり
口呼吸のデメリットとは
そんな鼻を介さず直接口からの呼吸をおこなうとどのようなデメリットが起こるのか、これから解説します。
デメリットその1,風邪をひきやすくなる

口から直接空気が体内に入ると、鼻の繊毛や粘膜などのフィルター機能を介さないために、細菌やウイルスなどの外敵の侵入をとても容易に許してしまいます。
また、冷たい空気がそのまま取り込まれるために、のどや気管、肺を痛めてしまうことにもつながります。
冬の朝、目が覚めた時にのどが痛いというかたは、睡眠時の口呼吸により乾燥と冷気で喉を痛めてしまっていることが原因かもしれません。
風邪をひきやすくなること以外にも、免疫力が下がる、アトピーを誘発するなど、様々な疾病へのリスクが指摘されています。
参考文献:小児の口呼吸に関する実態調査
デメリットその2,虫歯になりやすくなる
口で呼吸をすると、口腔内が乾燥し、唾液の量が少なくなります。
唾液が少なくなるということは、唾液がもつ自浄作用や抗菌作用が十分に働かず、虫歯になるリスクが高まるということにつながってきます。
唾液に含まれる、細菌の繁殖をおさえる緩衝作用の低下は、歯周病とも深い関係が。
歯周病は進行すると歯が抜けやすくなるという怖い病気です。
「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めて、厚生省と日本歯科医師会が推進している、8020運動というものをご存じでしょうか。
「80歳になっても20本以上の歯を保とう」という運動ですが、日本人は長寿のわりに歯の健康寿命が短いとされています。
子どものお口を虫歯から守るためにも、鼻からの呼吸を習慣化していきたいですね。
デメリットその3,口周りがたるむ
口呼吸はすなわち、常に口が開いている状態ともいえます。
口周り、顔周りの筋肉が緩んでいると、あごのたるみ、ほうれい線やしわの発生原因にも。
大人もマスクの下で、人に見られていないと気もお口も緩みがちな現代。
口呼吸で顔半分が老けていくと考えると恐怖です……!
デメリットその4,口臭の原因に
虫歯の誘因として先に挙げた、口呼吸による口腔内の乾燥と唾液の減少は、口臭をも引き起こします。
舌が乾燥するとプラークのこびりつきにより、口臭だけでなく、味覚障害に陥る可能性も。
口呼吸は様々な体の不調を引き起こす可能性が高いのです。
今すぐ親子で始められる!対処法3選
これまで見てきた口呼吸のデメリット。
一刻も早く、鼻呼吸に戻そう!と思われた方も多いのではないでしょうか。
そう、意識をすることはとても大切だと考えます。
昔から子どもたちが無意識に口を開けたまま過ごしてしまう、通称【ぽかん口】と呼ばれるものをご存じでしょうか?
ゲームをしているとき、スマートフォンを見ているときなど、無意識に開いてしまう口元。
これまではすぐ見つけて指摘できていた、子どものぽかんと開いた口ですが、コロナ禍でマスクを着けている外出時は気がつきにくくなっています。
マスクを着けていない時間に子どもの顔を見られるのは家族だけ。
ぜひ親子で鼻からの呼吸を意識するとともに、習慣化していかれることをお勧めします。
最後に、道具不要で今日から実践できる対処法をご紹介します。
舌ポジションを整えよう
いつも口が開いている。そんなときは口腔内の舌の位置に注意してみてください。
上あごと舌がくっついておらず、上あごと舌の間に空間がある方は【低位舌(ていいぜつ)】といい、舌が本来あるべき位置より下がっている状態になります。
舌が下がっているということは気道をふさいでいる状態となり、うまく酸素を取り入れることができないために口で呼吸をしてしまう原因となります。
舌の正しいポジションは上あごに舌の大半がついていて、舌先は前歯の裏あたりに、前歯にくっつかないようセットされている状態をいいます。
舌の位置なんて考えたこともなかった、というかたはぜひ一度親子で話題にし、確認しあっていただけたらと思います。
参考:舌の正しい位置をチェック!舌トレーニングやMFTについてご紹介
高齢者施設でも実践!あいうべ体操

高齢者施設でも食事の前に口腔体操として取り入れられている”あいうべ体操”。
ゆっくりとした動きで【あ、い、う】と大げさなくらいに大きく口を動かし、【べー】と舌を前に出す動きで、顔と舌の筋肉を鍛えます。
福岡市の、みらい クリニック院長の今井一彰先生が考案されたこの体操。
顔のたるみやほうれい線の改善にも効くと美容効果もいわれており、舌を大きく動かすことで唾液の分泌にもつながることから、虫歯予防にも、風邪予防にもいいとされる、取り入れない理由はない!というほど、ママにも子どもにもうれしい体操です。
1日に30回、朝昼夜ご飯の前に10回ずつを目安に毎日続けることが望ましいとされています。
参考:福岡のみらいクリニック㏋ あいうべ体操 | 福岡のみらいクリニック
よく噛んで食べよう

これもさまざまな健康効果がいわれていることですが、口呼吸の改善にも効果あり。
食事に、嚙まないと飲みこめない食材を取り入れることも効果的です。
やわらかい食べものは、舌を上あごにくっつけなくても飲みこめてしまうため、舌が下がったままとなります。
よく噛み、舌を動かすことが口周りの筋肉にも作用し、結果口呼吸の改善につながってくるというわけです。
食材が思いつかない、普段の料理に取り入れるイメージがつきにくいというかたは、日頃からよく使う食材を大きめにカットしてみるのも効果的です。
まとめ
いかがでしたか。
空気が乾燥してくるこれからの季節。
ぜひ親子で実践していただけたらと思います。
ママライタープロフィール

小学3年生と年長の2人の男の子を子育て中。(※原稿執筆時)
普段は幼児教室やイベントも運営しているママライター。
いつもパワフル2男子を短時間でいかに満足させるか模索中。
近場で低価格で行ける屋外でのお出かけスポットを探しています。


































