かつての小学校では「土曜授業」がおこなわれており、子どもたちは土曜日も当たり前のように学校に通っていました。
保護者のなかには、土曜日にも学校に通っていた方や途中で土曜日の授業が廃止されて週休2日制に変わったことを覚えている方も多いでしょう。
週5日制の教育が定着してしばらく経ちますが、最近では土曜授業を再開している学校もあります。
この記事では、小学校で土曜授業が復活している理由やいつから始まるかなどを解説します。
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小学校の土曜授業はいつ廃止に?
「子どもの頃は土曜日もお昼まで授業があるのが普通だった」という保護者も多いのではないでしょうか。
現在では土曜日に授業がないことが当たり前のようになっていますが、以前は小学校で土曜授業がおこなわれていました。
1992年から授業時間を減らす取り組みが始まり、毎週第2土曜日が休みになった経緯があります。
1995年の4月からは第4土曜日も休みになり、土曜授業は月2回になりました。
そして、2002年には小学校ですべての土曜日が休みになり、週5日制が定着しました。
小学校の土曜授業はなぜ廃止に?
2002年に小学校の土曜授業が廃止され、現在では週5日制が定着しています。
土曜授業が廃止された背景として、日本の社会全体に週5日制が浸透したことがあります。
以前は小学生だけでなく社会人も週6日制で働いていました。
しかし、1980年代後半から徐々に週休2日を取り入れる企業が増えていきました。
こうした動きのなかで、教員も休みを取る必要があることや子どもへの詰め込み教育を回避することなどを目的として土曜授業が廃止されたという経緯があります。
小学校の土曜授業が復活している?
最近、全国で土曜授業を復活させる小学校が徐々に増えています。
いつ頃から、どのような理由で復活しているのでしょうか。
ここでは、小学校の土曜授業が復活している流れの背景や実施状況をご紹介します。
いつからなぜ、どこで復活している?
土曜授業が復活した背景として、経済協力開発機構の加盟国を中心として実施する国際的な学習テスト「PISA」において、2003年・2006年に日本の順位が下がったことがあります。
日本の社会に定着している週休2日制やゆとり教育が学力低下を招いたと考えられ、東京都教育委員会によって推進されたのが土曜授業です。
子どもたちに充実した学習機会を提供するための施策の一つとして、2012年度から月2回程度の土曜授業の実施が打ち出されました。
2013年度からは脱ゆとり教育の対策として学習指導要領も改訂され、授業数が増えたことに伴って土曜授業の実施が決まりました。
現在の実施状況は?
文部科学省の調査では、2012年(平成24年)に土曜授業を実施した学校は公立小学校全体の8.8%、そして、2013年(平成25年)には全体の約15%に上昇しています。
「平成30年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査」の調査結果によると、土曜授業を実施している小学校の割合は26.3%です。
ただし毎週実施しているわけではなく、年に2〜4回、4時間程度のペースで土曜授業がおこなわれていることが多く、頻度が高い学校でも月1回・3時間程度と報告されています。
昨今は新型コロナウイルスによる影響もあり、振替や時間調整などでさらに土曜授業をする学校が増えているのではないでしょうか。
例えば、東京都品川区の区立学校では、原則として第1・3土曜日を授業日とし、給食なしの午前中授業がおこなわれていることがWebサイト上で日程とともに公開されています。
参考:文部科学省「平成30年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査 調査結果」
品川区立学校における土曜日の授業の実施について
土曜授業に給食はある?いつからいつまで?
土曜授業は、基本的には平日と同じ時間から始まって3時間目などで終わることが多くなっています。
子どもたちは、給食を食べずに帰宅します。
また、運動会や学芸会、学習発表会や学校公開日などを土曜授業にあてることも多いでしょう。
さらに、新年度に合わせて4月から土曜授業を実施する学校もあります。
学童保育は利用できる?
自営業を営む家庭や土曜日も仕事が入っている保護者は、学童保育の利用状況も気になります。
土曜授業がある場合、お弁当を持参すると学童保育が利用できることが多くなっています。
土曜授業に合わせて対応してくれるところが多いため、通学する学校が土曜授業を始める場合は問い合わせてみましょう。
復活し、また廃止する小学校も?
佐賀市教育委員会では市立の全小中学校で午前中のみの土曜授業を原則年5回おこなっていましたが、2022年春から廃止する旨を発表しました。
土曜授業を廃止する代わりに、2学期の始業日を3日間早めることで授業時間数を確保する方針を示しています。
土曜授業の廃止の背景として、土曜日は習い事などで欠席する生徒が多く、現場からは全員揃った状態での学習が困難との指摘があります。
さらに、教職員の振替休日取得が難しいことも課題です。
こうしたことが理由で、土曜授業を復活してもまた廃止する地域や学校があるのが現状です。
土曜授業のメリット・デメリット
土曜授業のメリットは、共働きが増えた昨今において授業参観や説明会などを土曜日におこなうほうが調整しやすい点です。
また、教師もゆとりをもって授業が調整でき、子どもに豊かな教育の機会を与えることができます。
お昼前に終わる土曜授業の日は放課後に余裕があるため、子ども同士が遊ぶ約束をしやすい点も挙げられるでしょう。
デメリットとしては、教師の休みを調整する必要がある点や、子どもが習い事や他の行事で土曜日に出席できないことが多い点などが挙げられます。
これまでの週5日制と生活のリズムが変わるため、教師と子どもの両方に負担がかかってしまうことがあるでしょう。
まとめ:土曜日に授業があるかどうか確認を
土曜授業を復活するための取り組みが各地でおこなわれていますが、土曜授業の実施状況や運営方針は自治体や学校によって異なります。
保護者にとっても土曜授業があると予定を変更する必要が出てくるため、早めに知りたいと思っている方も多いでしょう。
気になる場合は、各自治体のWebサイトで確認したり学校の説明会で質問したりするのがおすすめです。
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