「寝正月」とはどういう意味?寝正月のリセット方法やお正月を有意義に過ごすコツ

ソファで寝ている女性

お正月は、慌ただしい年末を過ごしたあとにやってきます。

日常から解放され、ゆっくり過ごしたいという方も多いでしょう。

一方で、どこにも出かけずに寝正月を過ごすことに、後ろ向きなイメージを感じる方もいるかもしれません。

この記事では、本来の正月の迎え方や寝正月の意味、寝正月のリセット方法、お正月を有意義に過ごすコツなどを紹介します。

ママライタープロフィール

ayu

15歳と19歳の息子を持つ福岡在住のライター。(※原稿執筆時)
情報誌勤務を経てフリーランスのライターとして活動中。
DIYやお笑い鑑賞、フリマアプリで不用品を売ったり、ポイ活をしたりと、興味のおもむくままに楽しんでいます。
息子たちには野球マニア、潮干狩りのプロと呼ばれています。

寝正月の言葉の意味や由来

昔ながらのお正月の意味を知れば「寝正月」に対するイメージが変わるかもしれません。

ここからは、昔ながらのお正月や大晦日の過ごし方を紹介し、寝正月の由来を紐解いていきます。

寝正月とは?

寝正月とは

どこにも出かけず正月を家でゆっくり寝て過ごすこと。また、病気で正月を寝て過ごす場合、縁起をかついでいう。デジタル大辞泉

という意味です。

大晦日・お正月は歳神様を迎える儀式

神棚の写真

昔から、お正月には、新しい年の実りをもたらしてくれる”歳神様”が訪れるとされてきました。

「門松に使う木材を山へ採りに行く」「すす払いをする」「正月用の餅をつく」「しめ飾りを飾る」といったお正月の準備は、歳神様を迎える場所を浄化し、供物を用意するためのものです。

歳神様が訪れる元旦(1月1日の朝)には、風呂に入って身を清めたあと、神棚にお神酒やおせち料理を備えて歳神様を迎えます。

実はこの「元旦」、明治初期までは現在と違う日を指していました。

明治初期以前に日本で採用されていた「太陰暦(旧暦)」では、月が現れる日没を1日の始まりと考えます。

したがって、元旦は大晦日の日没を意味していたのです。

大晦日には、家族そろって新年最初の膳を囲んで新年を祝い、お迎えした歳神様に失礼がないように一晩中起きて過ごす習わしがありました。

大正時代頃までは、大晦日の晩から自宅や氏神の社に籠って、寝ずに翌朝を迎えるのが一般的だったそうです。

昔からの「寝正月」には意味がある

歳神様を迎えるために一晩中起きていた人々はそのあと、どのように過ごしていたのでしょうか。

1月1日の朝は、歳神様の霊力を受けるために、大晦日の晩にお供えした神棚の供物を下げて家族でいただきます。

そのまま1月1日は家族で過ごし、年始回りは1月2日以降におこなっていました。

1月1日の朝に関する行事には、1月1日の早朝に男性が井戸の水をくむ「若水汲み」や1月1日の朝に鎮守や氏神に参る「初詣」がありますが、あまり多くはありません。

「おせち」を用意する理由は、女性が正月三が日に休めるようにとも、神様をお迎えした台所を騒がせないようにともいわれています。

こうした様子から、元日は行事が少なく、自宅でゆっくりと過ごしていた様子が伺えます。

「寝正月」はあまりしないほうが良い?

おせちの写真

現在ではマイナスのイメージで使われることも多い寝正月。

寝正月はしないほうがよいのでしょうか。

寝正月をしないほうが良いケース

正月休みのあとには学校や会社がスタートするため、睡眠習慣を崩すほどの寝正月はしないほうが良いでしょう。

規則正しい睡眠習慣は、翌日の活力を得るために必要不可欠。

最低でも学校や会社がスタートする前日には元の生活リズムに戻しておきたいものです。

正月には、1月3日までの「三が日」、7日まで(地域によっては15日まで)の「松の内」、11日の「鏡開き」といった区切りがありますが、1月2日には年始回りをおこなっていたことから、昔ながらの寝正月は1月1日をゆっくり過ごすことを指していたと考えられます。

現代では、三が日以降は仕事が始まるケースも多いため、寝ていられるのは遅くとも1月2日頃まででしょう。

冬休み中の子どもたちは、もっと遅い時期まで寝正月を過ごせるかもしれませんが、遅寝遅起きの習慣が定着すると戻すのに時間がかかってしまうので、注意が必要です。

寝正月をしたほうが良いケース

現在でも、大晦日には除夜の鐘を聞き、テレビ番組を見たり、初詣に行ったりして1月1日の朝を迎えるという方が多いです。

夜更かした翌日ということもあり、1月1日はゆっくり過ごしたほうが良さそうです。

寝正月の意味に「病気で正月を寝て過ごす場合、縁起をかついでいう」とあるように、体調が悪いときや病気のときは無理をせず、ゆっくりと寝正月を過ごしましょう。

「寝正月」のリセット方法

日々の忙しさから離れてゆっくりと寝正月を過ごすと、心身をリフレッシュできます。

しかし、生活習慣が崩れてしまった状態で仕事や学校に復帰すると、体調を崩しかねません。

生活習慣を整えるには、睡眠リズムを見直すのが効果的。

ここでは、寝正月明けを元気に過ごすために、睡眠リズムを整えるコツを紹介します。

睡眠リズムの整え方

睡眠リズムを整える生活習慣は、以下のとおりです。

朝、起床したら日の光を浴びて体内時計を整え、朝食をとって脳に栄養を届けます。

午前中にしっかりと活動すると午後になって眠くなるので、短時間(15分程度)の昼寝をします。

さらに、就寝の3時間ぐらい前に運動をしたり、2~3時間前に入浴したりして体温を上げると、スムーズに入眠できるといわれています。

入浴は、38度のぬるめのお湯で2~30分、42度の熱めのお湯で5分程度が目安です。

体内時計を24時間に調節するために、夜は明るい光を浴びないことが大切。

寝る前にスマートフォンやゲームを触るのはやめて、暖色系の蛍光灯の元で過ごします。

就寝前に食事をしたり、カフェインを含む飲食物を飲んだりするのも良くありません。

覚醒してしまい寝付けないので注意が必要です。

できることから取り入れてみると、体内時計が24時間に整い、質の高い睡眠をとることができます。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット|快眠と生活習慣

寝正月にしたくない方必見!有意義に過ごすコツ

雷門の写真

せっかくのお正月休みを有意義に過ごしたい方に、アクティブに行動するコツを紹介します。

初詣、初売りに行く

正月といえば、初詣や初売り。

初詣は三が日や松の内に参拝するものとされていますが、本来の初詣が元日の朝におこなわれていたことに倣って、元旦に早起きをして参ってみてはいかがでしょう。

初売りは元日から、遅くとも三が日の内におこなわれることが多いです。

同時に開催されるセールや福袋の発売を狙って朝から並ぶなど、あえてアクティブに過ごしてみるのも楽しそうです。

旅行に行く

「家族が全員揃う長期休暇はお正月ぐらい」という家庭も多いのでは。

自宅で過ごすお正月も良いですが、思い切って旅行をするとたくさんの思い出を作ることができます。

「三が日は料理をせずに済むようにおせち料理を準備する」といいますが、自宅にいればまったく何もしないわけにはいきません。

一方で、旅行先では家事をせずに済みます。

日常から完全に開放されるためにも、旅行は有意義な過ごし方です。

映画館に行く

イオンシネマの「ハッピーファースト」や、TOHOシネマズの「ファーストデー」のように、多くの映画館では毎月1日を割引対象日にしています。

1日1日も対象となることが多いため、正月は話題作を見るのにうってつけです。

人気作品や観光地の映画館は混みあうことが予想されるので、早めに座席を予約することをおすすめします。

参考:
イオンシネマ|イオンシネマのサービスデー
TOHOシネマズ|お得に映画を観よう

寝正月で休息をとるのも有意義な過ごし方

現代社会において、お正月休みは貴重な長期休暇です。

寝正月を過ごすことで慌ただしい日常から離れて、心身を休めたり、家族と過ごしたりすることができます。

元日をゆっくりと過ごしたあとは寝正月を切り上げて、仕事や学校に向け、まず睡眠リズムから整えると良いでしょう。

寝正月を、「自宅でゆっくり過ごせた」と考えるか「だらだらしてしまった」ととらえるかは、個人の気持ち次第なのかもしれません。

参考文献:
「日本の暦と年中行事 和のしきたり」日本文芸社
「知っておきたい日本の年中行事事典」吉川弘文館



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