【今さら聞けない!】デジタル教科書とは?いつ導入されるの?メリットと今後の変化も解説します

タブレット学習をする女の子

オンライン授業を続けている学校もあるなかで、最近では教科書も端末を使って閲覧できるようにする「デジタル教科書」の導入について検討がなされています。

では、デジタル教科書とはどのようなものなのか、いつ頃導入されてどのように活用すればいいのか気になるところですね。

ここでは、小さい子どもを持つ親御さんが知っておきたいデジタル教科書の導入時期やメリット、今後の展望をご紹介します。

デジタル教科書って何?

文部科学省によると「デジタル教科書は、紙の教科書の内容の全部をそのまま記録した電磁的記録である教材」と定義しています。

紙の教科書を端末からも閲覧できるようにして、子どもたちが学校の授業で活用できることを想定したものです。

あくまで紙の教科書を端末で見られるようにすることがデジタル教科書なので、動画や音声、アニメーション等のコンテンツは、学習用デジタル教科書には該当せず、これまでと同様に補助教材として扱われます。

これまでは教師から児童・生徒への一方向的な学びだったのが、タブレット端末ならインターネットを活用できるので、先生と生徒または生徒同士の双方向で授業を展開できるようになると見込まれています。

デジタル教科書の導入時期

オンライン授業をうける子ども
デジタル教科書の導入時期は、2024年度の小学校の教科書改訂を機に本格導入を予定しています。

それに向けて2021年度からデジタル教科書の実証事業がすでにスタートしました。

現在は、デジタル教材との連携や各自治体の参考となる事例収集・情報提供、教育データ標準の改訂といったソフト面や、校内ネットワーク、学習用端末の手配といったハード面での準備を進めています。

なお、2024年度の本格導入以降も、紙の教科書と併用しながら導入を進める予定です。

※出典:
教育のデジタル化に関する主な取組について
文部科学省「学習者用デジタル教科書実証事業」(令和3年度)に関するお知らせ | 学校図書株式会社

デジタル教科書本格導入はGIGAスクール構想の完全実現が前提

このデジタル教科書の本格導入は、GIGAスクール構想の実現を前提としています。

そもそもGIGAスクール構想とは「Global and Innovation Gateway for All」の略で「すべての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉」という意味です。

義務教育を受ける児童・生徒が一人1台端末を使用した学習を進め、高速ネットワーク環境を整備する計画で、現在はその準備段階に入っています。

もっとも、一人1台タブレットがなければデジタル教科書の本格導入は成立しません。

GIGAスクール構想という土台がない状態ではデジタル教科書の導入は難しいので、多くの公立校で端末の用意やネットワークの整備が加速しています。

※出典:
(リーフレット)GIGAスクール構想の実現へ

ママ賃貸

デジタル教科書のメリット

タブレットで勉強をする女の子

デジタル教科書には、紙の教科書のデメリットをカバーできるようなさまざまなメリットがあります。

文字・写真・図表を拡大できる

タブレット端末なら、スマートフォンのように指先で操作して文字や写真、図表を拡大できます。

紙の教科書より見やすさが格段とアップしますね。

視覚障害を持つ子どもの場合、自分が見やすいサイズに拡大できるので学びを深めていけます。

また、紙の教科書ではできなかった立体の回転、グラフの変化などもデジタル教科書なら容易にできるので、理解が深まり、勉強への意欲が湧くことも期待できます。

何度でも書き込み修正ができる

デジタル教科書では、端末の画面に専用のタッチペンを使って操作します。

今までは教科書に書き込みをしていたら消しゴムまたは修正テープなどで消していましたが、デジタルならそうした手間が省けます。

簡単な操作で削除し、あらためて書き直せるので授業の復習にも役立ちます。

音声による読み上げが可能

デジタル教科書は音声による読み上げができるので、聴覚障害を持つ児童・生徒も利用しやすくなります。

また、外国語の発音や実際の会話なども音声による読み上げを聞けば、文字を目で追うだけで学ぶよりも一層理解が深まります。

学力分析がしやすくなる

デジタル教科書の導入により、教師の指導や児童生徒の学びを支援する観点から教育データを活用することで、多様な子どもたちの資質・能力を育成するための個別最適な学びと共同的な学びを実現できると見込まれています。

例えば、学習ログを残して個別に学習時間を確認できたり、間違えやすい問題やつまずきやすい箇所を把握したりすれば、教師が重点的に指導するべきところがわかるので、子どもたちの学力向上にもつながります。

※出典:
資料5-1 誰一人取り残すことのない「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(中間まとめ素案)

デジタル教科書導入で今後どう変わる?

オンライン授業で勉強する男の子
デジタル教科書が導入された場合、子どもたちの勉強や教育の現場は次のような変化があると予想されています。

複数の教科書類がタブレット1台にまとまる

小学生はランドセル自体に重みがあることに加え、教科書やノートを持参しています。

子どもたちの重たいランドセルは、子どもの体への影響を心配する声もあり、「ランドセル症候群」という言葉もあるほどです。

タブレット端末が1台だけなら、重たい教科書やノートを持参する必要がなく、ランドセルが軽くなって子どもたちの登下校時の負担が軽減されます。

また、タブレットさえ持参すれば教科書やノートの忘れ物がなくなり、紛失も防げる点もメリットといえます。

テストもコンピューターを使ったものに変わっていく?

文部科学省は、2021年7月に、2024年度を目途に全国学力テストは順次CBT化(Computer Based Testing)すると発表しました。

2021年度から一部の学校で試験的に運用がなされています。

これもGIGAスクール構想の一環で、全国学力テストのCBT化により、子どもがつまずきやすい問題を把握し、多方面な分析が可能になります。

また、テストの回収、集計、採点といった教員がおこなう一連の工程を効率化できることから、将来的には定期テストや入学試験もCBT化されることが期待されています。

※出典:
全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ(WG)最終まとめ│文部科学省

まとめ

デジタル教科書のメリットや導入時期についてご紹介しました。

小中学生の子どものいるご家庭では、すでに子どもがタブレット端末によるオンライン授業や宿題、課題をおこなっている方も多いのではないでしょうか。

タブレットに向き合って勉強する子どもの姿を見ると、デジタル教科書を使った学習が一層現実的に見えてくるかもしれません。

現在、2024年度の本格導入に向けてさまざまな準備が加速しています。

デジタル教科書が利活用され、学びがどう変わるのか今後の変化に期待しましょう。

▼小学校のオンライン事情について、こちらの記事もおすすめです。
【小学校】オンライン授業は不安?メリットやデメリット、家庭での注意点をご紹介
小学校のタブレット端末配布 授業や学習はどう変わる?


ママ賃貸フリーダイヤル