単身赴任は子どもが中高生になると増える傾向にあります。
離れて暮らすことで子どもの成長や教育にどのような影響があるのか、思春期の子どもの変化に対応できるのか、不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、単身赴任による子育てへの影響や、どのように対応すればよいかについて、体験を交えて紹介します。
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目次
ママライタープロフィール
15歳と19歳の息子を持つ福岡在住のライター。(※原稿執筆時)
情報誌勤務を経てフリーランスのライターとして活動中。
DIYやお笑い鑑賞、フリマアプリで不用品を売ったり、ポイ活をしたりと、興味のおもむくままに楽しんでいます。
息子たちには野球マニア、潮干狩りのプロと呼ばれています。
転勤族が単身赴任になるタイミング
転勤族家庭では、いつまで家族一緒に引っ越しをするかがよく夫婦の話題になります。
子どもの進路への影響やマイホームの購入を区切りとして、夫(または妻)だけが転勤をすることが多いようです。
その時期はちょうど、子どもの思春期と重なります。
わが家の場合、「中学生以降の転校は馴染みにくいかも」「そろそろマイホームを検討したい」と考え、長男が小学5年生、次男が小学2年生のときに地元に戻ってきました。
私の住む福岡市は転勤族が多いことで知られています。
周囲には、子どもの中学校入学を前に家族での引っ越しをやめ、単身赴任になった家庭が多くありました。
同じタイミングでマイホームを購入した家庭も多かったため、「子どもの学校・友達関係・進路」と「マイホーム購入」は単身赴任を決定づける理由になると感じます。
単身赴任が及ぼす子育てへの影響
単身赴任は、子育てにどのような影響を及ぼすのでしょうか。
夫婦間と親子間のコミュニケーションの減少という観点から考えてみましょう。
夫婦間のコミュニケーションが減少…子育てに対する共有が困難に
同じ家で暮らしていれば、夫婦で何気ない雑談をする時間がたくさんありますが、単身赴任だとそうはいきません。
毎日電話をする夫婦でも、一緒に暮らしているときと比較すると会話は減ってしまうでしょう。
連絡や報告はできても、子どもに関する何気ない心配事やちょっとした話題を共有しにくくなります。
これが積み重なり、子どもに関することを決めるタイミングで、子育てに対する意見の相違が生まれがちです。
子どもとのコミュニケーションが減少し、感情的な距離が埋めにくい
赴任先から自宅に帰るタイミングは家庭によって異なりますが、1ヵ月に1度帰宅できれば多い方かもしれません。
子どもと一緒に遊んだり、話したりする機会は、一緒に暮らしているときと比べるとどうしても減少します。
しかし、この点はそこまで問題ではないかもしれません。
中高生は部活や勉強で忙しく、思春期で親と話したくない心境も相まって、会話自体が減るからです。
その分、子どもの様子を理解するために、ちょっとした雑談の時間や様子を察することが大切になります。
離れて暮らしていると、雑談のタイミングが合わなかったり、子どもの変化に気づきにくかったりして、子どもの状況を理解しづらくなります。
また、一度ぶつかると次に会うときまで修復するタイミングを持ちにくいという問題もあります。
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思春期の子どもと離れて単身赴任…子どもにどんな影響がある?
思春期の子どもは、どのように変化するのでしょうか。
家庭内では「口数が減り、学校のことを話さなくなる」「親に反抗的な態度を取る」が、代表的な変化といえるでしょう。
親は思春期の子どもにどのように接すれば良いか悩むものですが、思春期は親子の対決ではなく、協力して乗り越えるもの。
親の言うことを素直に聞く幼少期は終わり、自分で考え自分で行動したい思春期に入った事を理解して、親も子どもへの対応を思春期仕様に変化させる必要があります。
思春期における親の役割
思春期は、親から自立したい気持ちと親に依存したい気持ちの間で揺れながら、自我を形成していく時期です。
子どもは自分の気持ちの変化に戸惑い、自分自身で対応できず、反抗的な言動を繰り返してしまうことがあります。
親には、こうした子どもの気持ちの揺れを、日常生活に支障がない範囲に収めるようにサポートする役割が求められます。
思春期におけるこころの発達にはさまざまな要因が関係していて、その一つに家庭環境も含まれます。
子どもが安心できる家庭環境を作り、子どもの気持ちの揺れを理解してサポートする……文章にするのは簡単ですが「自分にできるのだろうか」と心配になる方も多いかもしれません。
単身赴任が及ぼす思春期の子どもへの影響
思春期の子どもは、自分で考え自分で行動したいと思う一方で、話を聞いてほしい、甘えたいという気持ちも持っています。
ただし「自立」と「甘え」の切り替えは、子どものタイミングでおこなわれるため、自立のタイミングで親が口を出すと、反発を招くことがあります。
「適度に距離を保って見守ること」や「子どもが話したそうにしているときに話を聞くこと」が、思春期の親子関係をスムーズにしてくれるのですが……。
子どもの様子を毎日見ていれば、距離を置いたほうが良いタイミングや、子どもが話を聞いてほしそうな雰囲気に気付くことができますが、離れて暮らしながら子どもの微妙な変化に気付くのは難しいものです。
感情的な影響
思春期は、孤独感や漠然とした不安を抱きやすい時期です。
離れて暮らす親とうまくコミュニケーションが取れず、苛立ちや寂しさを感じるケースもあるでしょう。
一方、親の立場から見ると、一緒に暮らしていても思春期の子どもの変化には戸惑うもの。
離れて暮らしていれば、戸惑いが大きいのは当然です。
子どもが幼い頃と同じようにコミュニケーションを取ろうとして反発されたり、反抗期の態度に不満を抱いたりして、感情的な距離ができるケースも少なくありません。
学業や進路に及ぼす影響
株式会社マクロミルと認定NPO法人カタリバが協働調査した「思春期の実態把握調査」によると、思春期の悩みのなかでも「自分の成績、能力について」「自分の進路、将来について」に悩んでいる人がそれぞれ半数を超えています。
「自分の成績、能力について」悩む人の33%、「自分の進路、将来について」に悩む人の55%は親に悩みを相談していて、他の相談相手よりも親への相談が最も多い割合を占めています。
このことから、子どもは学業や進路の相談を親にしたいと考えている可能性が高いと考えられます。
普段のコミュニケーションが不足していると、こうした悩みを相談しにくいと感じるかもしれません。
単身赴任家庭での思春期のサポート方法
単身赴任家庭では、思春期の子どもをどのようにサポートすればよいでしょうか。
離れていてもコミュニケーションはとれる!
離れて暮らしていることはマイナスばかりではありません。
子どもと一定の距離を保つことができるため、過干渉にならない点はメリットといえます。
いつも一緒にいる親には言いたくないことも、離れて暮らしている親には言えるかもしれません。
ただし、これは思春期の特徴をわかったうえで子どもとコミュニケーションが取れていることが前提。
夫婦のコミュニケーションを密にして子どもの様子を知り、思春期の子どもの心境を理解してあげましょう。
電話、ビデオ通話やLINEなど、コミュニケーションをとる方法はいろいろとあります。
周囲の人にサポートしてもらう
思春期の子どもは親だけでなく、さまざまな大人(目上の人)と触れ合って自立します。
前述の「思春期の実態把握調査」によると、進路以外の悩みについては「誰にも相談しない」と答えた子どもが多く、親に悩みを相談しない理由について「解決してくれなさそう」「共感してくれなさそう」という回答が目立ちました。
親に相談したいのにできない場合は問題ですが、悩みを言える相手は必ずしも親である必要はありません。
親だけでうまく対応できないときは、身近な大人(先生、親戚など)にサポートしてもらうと良いでしょう。
単身赴任で子どもの思春期をサポートできる!
思春期の子どもは自分自身の気持ちの揺れに戸惑い、さまざまな悩みを抱えています。
親は思春期には「自立」と「甘え」の両面があることを理解し、積極的にサポートしたい気持ちを抑えて、程よい距離を保つことが大切です。
単身赴任をして離れて暮らすと、こうした思春期の実態を知り、子どもの変化を理解するのが難しくなります。
夫婦でコミュニケーションをとって子どもの状況を共有することが重要です。
また、すべてを親だけで解決しようとせず、周囲の人の力を借りて子どもをサポートしてあげましょう。
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ぜひお気軽にご活用くださいね。
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