シングルマザーにとって、どんな仕事をするかは死活問題。
本当は収入を上げたい、一生使える資格を手にしたい……という方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、いざ仕事に直結するような資格を取るとなると勉強も必要になります。
その間の生活はどうしたらいいんだろう?
仕事も育児も勉強もなんて……と、躊躇する方もきっと、多いはずです。
今回は、そんな方のための国の給付金「高等職業訓練促進給付金」をご紹介します。
これからシングルマザーになるかもしれない方、シングルマザーでお仕事をお休みされている方にもお役立ちの情報です!
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目次
監修者プロフィール

NPO法人シングルマザーズシスターフッドは、シングルマザーの心と体の健康を支援する団体です。
子育ての責任を一手に担うシングルマザーが、自分の身体や心をケアする時間を持ち、地域を超えて交流することで、互いを励まし合えるような機会を提供しています。
※当団体の講座は寄付金や助成金で運営されているため受講料は無料です。
働きながらでもOK。高等職業訓練促進給付金とは?

シングルマザーといえば、「経済的に苦しい」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際に、シングルマザーの平均収入は、両親が揃っている子育て世帯の半分ほど、というデータも出ています。
同時に指摘されているのが、シングルマザーの時間的貧困。
仕事があり、家事があり、目の前の子どものケアがあり、教育のことも考え……そう、すべてを一人でこなすシングルマザーは、とにかく時間に追われています。
そんな中で、キャリアアップしたくてもチャンスがない、目の前のことで精一杯で、自分が何をしたかったかも忘れてしまう、そうなるのも無理はありません。
でも、一日の大半を費やす仕事は、とても大切なもの。
子どもに胸を張って「お母さんの仕事はこれだよ」と言えるような仕事、子どもも自分も笑顔にできるような、余裕のある仕事を目指したい、そんな思いを抱えている方も多いはずです。
「高等職業訓練促進給付金」とは
そんなシングルマザーに知ってほしいのが、国の制度である「高等職業訓練促進給付金」です。
「高等職業訓練促進給付金」は、指定された資格取得のために学校に通う間、毎月給付金を受け取りながら勉強できる制度です。
生活費をもらいながら、資格を取るための学び直しができます。
下記はさいたま市、川越市の例ですが、働きながら資格の取得を目指す場合は通信制の利用も可能です。
お住まいの自治体で確認してみましょう。
さいたま市/ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金
高等職業訓練促進給付金 川越市
資格を取って経済的に自立したい方、手に職をつけて、どこでも安定して稼げるようになりたい方、働きながら資格を取得したい方。
また、キャリアの途中でシングルになったけれど、挑戦したかった職業がある、そんな方にはぜひ、知っておいていただきたい情報です。
高等職業訓練促進給付金の支給金額は?
本制度は、看護師、保育士などの国家資格や一部民間資格を取得したい方向けに、学校に通う期間中、月10万円のまとまった金額を毎月支給する国の制度です。
学校を卒業・修了する際も、修了支援金が給付されます。
対象はひとり親で児童扶養手当の支給を受けているか、同等の生活水準の方。
住民税非課税世帯の場合月10万円、課税世帯でも月75,000円を、所定の学校の修了年月まで受給できます。
いわば、学校に通う間の生活費を毎月受給できる、というわけです。
※現在は、就学中の年度はさらに月+4万円増額されています。(2023.8月現在)
対象の資格は?どんなママにおすすめ?
お住まいの自治体の窓口に相談し、支援が必要と認められたら申請ができます。
特におすすめなのは、次のどちらかにあてはまる方です。
1 看護師・保育士などの国家資格を取りたい方
まずおすすめなのが、看護師や保育士、介護福祉士などの国家資格を取りたい方。
特に、ケアにかかわる国家資格は、全国どこでも重宝され、歴史的にも女性が多く働いてきました。
いずれも、「その資格がないとできない」仕事ばかりで、安定して仕事を続けられるのが魅力です。
2 Webにかかわる仕事につきたい、キャリアアップしたい、在宅で働きたい方
高等職業訓練促進給付金の緩和が2024年3月末までとなるため、利用するなら2023年がチャンスです。
これまでは看護師や保育士など医療・福祉系の国家資格が主な対象でしたが、現在は情報系の民間資格なども対象になりました。
在宅ワークを目指す方や、成長産業で賃金アップがしやすいIT系のキャリアに挑戦したい方も、条件を満たせば、「高等職業訓練促進給付金」がもらえることになりました。
訓練期間も最低1年間から、最低6ヵ月間に短縮されています。
注意点は2つ。まずは、相談のタイミングです。
自治体への相談は、取りたい資格の各種学校への入学前にする必要があります。
つまり、すでに通っている方は支援の対象外となるので注意してください。
2つめは、高等職業訓練促進給付金の利用は一人につき一回限りとなる点です。
高等職業訓練促進給付金のおすすめポイント

それでは、本制度の魅力やポイントをみていきましょう。
実は本制度、もともとは国家資格取得のための制度でしたが、2021年4月からは対象になる資格が一気に広がっています。
本記事では、まだあまり知られていない最新情報も含めて、くわしくご紹介します。
安心して勉強、キャリアチェンジに踏み出せる
なんといってもこの制度の魅力は、学びに集中しながら資格が取れること!
基準を満たすひとり親であれば、生活費を心配せず勉強に打ち込み、自分のキャリアを作っていけます。
月に100,000円(住民税課税世帯は70,500円)あれば、生活のために働く時間もぐっと抑えられるはず。
通学中は、「就学」要件で、保育園や学童などの利用の申請を出すことができます。
また、雇用保険にこれまで加入している、取りたい資格が「教育訓練給付金」の条件も満たしている、などがあれば、かかった学費や入学金の一部を「教育訓練給付金」から支給してもらうこともできます。
これは、資格取得後、資格取得のためにかかった通学費用の最大60%を支給するもの。
あとからの支給なので、いったん自分で費用を負担する必要がありますが、それでも返ってくるのはとても助かりますよね。
自治体によっては、希望者には住宅支援(家賃など)や、学費の貸付支援が用意されている場合もあります(別途申し込みが必要です)。
また、資格の種類によっては、無事就職し、継続的に就労できれば返還免除になるものも!
特に看護師資格は、病院の奨学金制度と併用ができ、学校修了後、継続的に就労すると学費が全額免除になることから、従来多く取得されてきました。
2024年3月までの今なら、条件を満たす各種民間資格&最短6ヵ月での受給も可能に。在宅ワークを目指す方にも!
「リスキリング」ということば、聞いたことがありますか。
国は現在、社会人が働きながら新しいスキルを身につける、学び直すこと「リスキリング」を後押ししています。
そうした流れから、今回、2024年3月までの期間限定で、従来ハローワークで申し込んでいた「教育訓練給付金」の講座の一部も、「高等職業訓練促進給付金」の対象となりました。
特にWebやIT系の資格は、国としてもますます人材が必要となることから、注目されています。
※2024年までの期間限定措置について※
こども家庭庁|母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について
(期間や対象資格については、上記ページ内にリンクされている「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について」(平成26年9月30日雇児発0930第3号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)(PDF)の 要綱2 4対象者 5対象資格 に記載があります)
まずは、自分が挑戦してみたい資格やスクールが、「教育訓練給付金」の対象となっているか、厚生労働省のWebサイトで探してみてください。
参考:厚生労働省|教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム
「いいな」と思う学校があったら、問い合わせをして、「高等職業訓練促進給付金」が使えるかどうかまずは確認、という流れになります。
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高等職業訓練促進給付金の手続きと段取り

では実際に、どのように利用していくのが良いのでしょうか?
申し込む前の条件から、終了後までの段取りをまとめました。
申し込み対象の条件をチェックしよう
2023年8月現在、対象となるシングルマザーの条件は以下の通りです。
(東京都世田谷区の場合。詳しくはお住まいの自治体のひとり親担当の窓口にお問い合わせください。
「自治体名 高等職業訓練促進給付金」でGoogle検索すると便利です)
- 20歳未満の子どもを育てている方
- 児童扶養手当の支給を受けているか、または同様の所得水準にある方
※子どもの人数や、各種控除がどの程度使えるかによって、経済的な基準は異なります。
くわしくは、お住まいの窓口にご相談ください。 - 就業(お仕事)や育児をしながらの資格取得に困難を抱えている方
※自治体の窓口で相談する際、現在の生活の状況などをお話しいただきます。 - 資格取得のため、通学制の学校に所定期間(6ヵ月以上)これから通う見込みの方
- 過去に同じ制度を使ったことのない方
高等職業訓練促進給付金の利用は一人につき一回限りです。
ほかにもいくつか、注意点があります。
- 現在、すでに取りたい資格取得のための学校に通い始めていないこと
入学前に自治体に相談、申請する必要があります。 - 現在、ハローワークで「教育訓練給付制度」を使っていないこと
こちらは、シングルマザー・シングルファザーにかぎらず、学び直しのためのスクール受講に使用できる制度です。
申し込みしたいタイミングですでに、こちらの制度を使っている場合は、対象外になります。
過去に通っていた場合は申請できることもあるので、くわしくは自治体の窓口にお問い合わせください。
取得したい資格を決め、窓口へ問い合わせよう
まず取得したい資格を決めて、事前に窓口へ相談してみましょう。
挑戦したい資格や学校などの希望を洗い出し、資格を取るまでの過程だけでなく、資格を取ってどうなりたいか、どんなお仕事や暮らし、働き方がしたいか一度、じっくり考えてみましょう。
各種スクール、専門学校で「高等職業訓練促進給付金」を使いたい、と相談すると、自分にぴったりのコースや、過去の事例など、相談に乗ってくれるケースも多いようです。
次に、お住まいの地域の自治体窓口へ申し込みます。
窓口に行く日を電話予約し、担当の方と面談します。
「教育訓練給付金」があわせて受けられる場合は、ハローワークで所定の書類をもらって申請する必要があります。
スクールでの相談時に「教育訓練給付金」が対象になるかを確認し、事前に所定の書類を取りに行ってからであれば同時に申請ができます。
ハローワークへは予約は必要ありません。
自治体の担当の方との面接では、普段の生活の状況や今後のキャリアの目標などもあわせて相談します。
窓口というと緊張される方や、不安になる方も多いですよね。
ですが、ここで包み隠さずにしっかり相談することで、現実的に希望を叶えていくことができます。
「高等職業訓練促進給付金」は国の制度ですが、最終的な審査は、お住まいの自治体が行います。
まずは、自分の希望をしっかりと、堂々と伝えることがとても大切です。
自分の希望や思いを伝えるのは、けっして「わがまま」になることではありません。
自分の未来を丁寧に、具体的に考えていること、計画があること、しっかりと資格を取り就労したい熱意を伝えること、これらを考え、人に話すことは、資格を取ったあと、仕事に就くための準備にもなります。
学校への出願後、自治体の窓口へ申請しよう
担当との事前相談でOKが出たら、学校への出願後、再度窓口で申請します。
生活費にあてられる、「訓練促進給付金」が受け取れるようになります。
月1回など定期的な報告や書類提出が必要な場合もあります。
振り込まれる時期や、必要書類などは自治体によってさまざまです。
修了後に給付金を受け取ろう
無事、学校に通い終わり、単位を取得し、学校を卒業、修了する際は「修了支援給付金」を受け取ることができます。
こちらも、実際の金額や受け取れる時期はお住まいの自治体によって違います。
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申し込み前の確認ポイント

お金をもらいながら資格が取れる、キャリアチェンジができる……こう聞くと、とても魅力的ですよね。
でもいざやってみて、「予想と違った!」となってしまうこともあるかもしれません。
あなたの時間とお金は、とても大切なもの。
一度立ち止まって、デメリットも検討してみましょう。
勉強と育児の両立はそれなりにハード
「勉強なら、仕事よりは自分のペースでできそう」そう思う方もいらっしゃると思います。
実はライター自身も、本制度の使用はしませんでしたが、子育てと並行しながら、国家資格である教員免許を取得しました。
特に国家資格取得の場合、勉強内容が多い、実習がある、授業もフルタイムであるなど、勉強と育児との両立はそれなりにハードです。
実習で休めない日に限って子どもが熱を出す、授業が休みの日もレポート作成に追われる、などもしばしば。
病児保育や区の休日保育など、使える制度は全部登録して、周りにも事情を説明し、なんとか切り抜けた思い出です。
課題をこなすタイムマネジメントスキルや、周囲との調整も必要になります。
ちなみに、やむを得ず卒業・修了をあきらめた場合も、もらった給付金を返す義務はありません。
ただしこの制度、使う前の審査は丁寧に行われます。
大切な税金で賄われる制度です。
人生に一回の機会を、思いっきり活かしてくださいね。
「資格さえあれば」……それって本当?
シングルマザーが働くなかでは、予期せぬ環境の変化や子どもへの対応など、難題がさまざまに降りかかります。
もし、なんとなく「安定していそうだから」と資格取得を目指しても、結局は仕事に結びつかない、続けられないなどのデメリットも。
本制度に関する学術研究では、いったん資格を取ったあとでも、本当に長期的・安定的な雇用に結びつくかは別問題だと指摘されています。
参考論文:シングルマザーへの就業支援事業の効果 ―高等職業訓練促進給付金に注目してー
自分が目指したい資格は、本当に心から、自分が納得して進める道でしょうか?
「資格ありき」になっていないか、一度ふりかえってみましょう。
【体験談】自分を客観視するきっかけに
2024年3月までの制度改正では、ハローワークの「教育訓練給付金制度」での対象講座でも、本給付金が使えるようになりました。
同制度はSNSで調べてみただけでも、「さまざまな人と話すことで、将来の希望が明確になった」「職業訓練を受けていることが企業に信頼され、就職につながった」などさまざまな声があります。
また、実際に動いてみることで「違ったな」などの感想を持つことも。
実はライター自身も一度、元夫との別居前に区役所に相談した経験があります。
専業主婦だった私には、別居後いきなり働くことは自分には無理かも、と思い、「給付金をもらいながら、ゆっくり勉強できるならいいな」と魅力的に感じたのです。
その時目指そうと思ったのは、保育士資格でした。
が、スクールについて調べて、自治体の担当者の方に相談して……と調べていくうち、「本当に私は、保育士として働き続けていきたいかな? 私はもっと他にやりたいことがある!」と気付いたのです。
……結果的にチャレンジはしないことにしました。
話す間に客観的になれ、「あのとき焦って決めなくてよかった!」と感じています。
また今回の記事を書くにあたり、Web系のスクールの方にも、お話を聞いてみることに。
こちらは興味があるなと思えたので、一度資料を取り寄せることにしました。
自治体での審査が厳しいからこそ、本気の挑戦ができるのも、本制度の特徴かもしれません。
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動きながら、考えていこう

シングルマザーにとって、自分に合ったお仕事を見つけることは、自分自身の心身の健康にも、そして何より子どもとの生活にもとても大切です。
気になった方は、まずはご自身の挑戦したい資格やお仕事を、検索するところからはじめてみてください。
スクールの方、自治体の担当者の方……様々な方と話すうちに、自分の「これだ!」が見えてくるかもしれません。
そうしてわかった自分の軸こそが、何より望む未来を拓いてくれることを願います。
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