シングルマザーが抱える悩みののなかで「お金」は大きな割合を占めています。「お金が足りない」とやりくりに苦労しているシングルマザーも多いのではないでしょうか?
しかし、多くの人が誤解しています。本当の問題はお金がないことではありません。お金とのつきあい方を知らず、お金に翻弄されてしまうことが問題です。
本シリーズでは、シングルマザーが自分らしく生きていくためのお役立ち情報をご紹介しています。今回のテーマは「家計のシミュレーション」です。
賃貸スタイルの「住まいの紹介サービス」では、お部屋探しのご相談を24時間チャットで受け付けておりますので、ぜひお気軽にご利用くださいね。
\ 母子家庭でもお部屋を借りたい /
監修者プロフィール

NPO法人シングルマザーズシスターフッドは、シングルマザーの心と体の健康を支援する団体です。
子育ての責任を一手に担うシングルマザーが、自分の身体や心をケアする時間を持ち、地域を超えて交流することで、互いを励まし合えるような機会を提供しています。
※当団体の講座は寄付金や助成金で運営されているため受講料は無料です。
お金の管理方法の基本を知ろう

2022年4月より高校で金融教育が義務化され、高校生のうちから家計管理やライフプランニングを学べる時代になりました。(出典:高校向け 金融経済教育指導教材の公表について )
一方、親である私たちは残念ながらそうした教育を学校では受けていませんが、
今からでも学んで実践するのに遅いということはありません。
お金とのつきあい方を知り、お金まわりの把握・管理ができるようになれば、安心して自分らしく生きることができるようになります。
シングルマザーだから仕方がないとあきらめず、お金の管理方法の基本を知り、実践してみませんか?
お金に関する悩みや不安は?
シングルマザーから寄せられた、お金の悩みをご紹介します。
- お金について苦手意識がある
- いつもお金が足りない
- 貯金がなかなかできなくて将来が不安
- 切り詰める生活に疲れてきた
- お金について考えるのは正直面倒くさい
- 家計簿をつけたことがない/続かない
- 誰かとお金の話をするのは気が引けてしまう
苦手意識があるのは、あなただけではありません。
現実に向き合うのがこわくて、考えないようにしているという人も、実はたくさんいます。
まずは家計の状況を把握してみよう
シングルマザー向けのマネーリテラシー講座の参加者にアンケートを取ると家計簿をつけている人は2割未満です。
家計簿をつけていない人に共通する特徴は、明確な目標がないまま、漠然と「節約しなければ!」と自分で自分を追い詰めており、そのストレスで無駄遣いしてしまうというものです。
ストレスや不安の原因はお金が足りないことよりも、把握できていないこと。
いつも「お金が足りない」と悩んでいる人に、「いくら足りないですか?」と尋ねても、答えられる人はほとんどいません。
家計の収支を把握しないまま、漠然と「足りない」という状態を続けていれば、どのような経済的支援があっても、足りない状態からは抜け出せないし、不安も軽減されません。
まずは勇気を出して、家計の状況を把握するところから始めませんか?
今すぐできる!お金の管理の基本コツ
シングルマザーにとって、支出を減らし、収入を増やすというのは、切実な課題でしょう。
でも、明確な目標を持たずにやみくもに節約しても、あまり効果はありません。
いますぐに月収を2倍にしようとしたりするのも、現実的ではありません。
でも、今日からすぐに始められることがあります。
それは、自分のお金周りのことを記録するということ。
その行動が、数ヵ月後、数年後に大きな違いを生み出します。
「なんだ、そんなことか」と思った方は、「そんなこと」を、ぜひ実行してみてください。
まずは入出金の定期的な把握から

まずは、何に、いくら使ったかを、記録すること。
最近は、無料の家計簿アプリなどもたくさん出ているので、負担なく、記録できるでしょう。
項目としては、住居費(家賃など)、 通信費(携帯、wifiなど) 、光熱費、食費、日用品、交通費、医療費、被服費、教育娯楽費、特別費(美容院、プレゼントなど毎月発生しないもの)、学資保険、貯蓄で十分です。
記録していくうちに、自分のお金の使い方の傾向が見えてきますので、追加したい項目があれば追加してください。
レシートをためてしまうと、どうしても億劫になってしまうので、できるだけその日のうちに記録してしまうのがおすすめです。
記録したら振り返りをしよう
大事なのは、記録をつけたら振り返りをすることです。
1ヵ月間、記録をしたら、1ヵ月分の家計の収支が可視化できます。
そうすると、自分のお金の使い方のクセがわかり、普段のお金の使い方も変わります。
やみくもに節約するのではなく、お金の流れを意識して必要なところにはしっかりお金をかけつつ、賢く節約できるようになります。
残高を月に2回記録する。
日々のお金の出入りの記録に加えて、おすすめしたいのが、毎月15日と月末に、すべての銀行口座の残高を記録することです。
その他に投資用の口座を持っている方や、ローンを返済している方は、その金額も記録します。
それを一覧にして把握できると、増えている、減っているというのが可視化されて、自分でしっかり手綱を握っている手応えを感じられます。
数千円でも増えていればうれしいですし、減っていればその原因を分析して、今月のお金の使い方に反映すればよいのです。

筆者提供画像
\ 母子家庭でもお部屋を借りたい /
家計見直しのシミュレーション成功実例

実際に記録した家計簿をもとに、家計のシミュレーションをして、家計を見直したシングルマザーの事例をご紹介します。
Aさんは、4歳(保育園年少)と7歳(小学校1年生)の子どもを一人で育てています。
残念ながら養育費は受け取れておらず(調停中)、自分のお給料と、児童扶養手当、児童手当でなんとかやりくりをしています。
家計簿をつけるのは実は初めて。
学資保険だけはコツコツ積み立てていましたが、恥ずかしながらそれ以外の貯金はゼロ。
常にお金が足りないと感じていました。
現実に向き合うのがこわくて「忙しいから家計簿なんかつけてられない」「シミュレーションなど無駄」と思い込んでいました。
家計簿をつけ始めてすぐに「そんな言い訳をして行動しなかったのは、本当にもったいなかった」と気付きます。
何に、どのくらい使っているかが、明確になったおかげで、毎月、お金が足りなくなる理由がわかりました。
そして、その記録をもとに、予算を立てるということを初めてしてみました。
現状を把握しないとシミュレーションはできないという当たり前のことに気付いたと言います。
まずは、記録して現状を把握する
まずは、1ヵ月間コツコツ記録して、項目ごとに数字を出してみました。
「ああ、やっぱり赤字だ」
でも、Aさんの心は落ち込むことなく、なぜか前向きでした。
「こうして項目ごとに整理されると、どこに使いすぎているのか?どこを削るべきか見えてくる!来月はこの記録をもとに、もっと賢くお金を使うぞ!」と闘志が湧いてきたと言います。

1カ月目の記録:筆者提供画像
まずは、記録をもとに予算を立てる
「翌月は赤字を出さないぞ!」とAさんは張り切って、翌月のシミュレーションをしてみました。
生まれて初めて、家計の予算というものを作成したのです。
こんなふうに「何に、どのくらい使うか?」を決めておけば、漠然と、やみくもに節約するのではなく、「必要なところには使う」「そうでないところは気をつけて節約する」というふうに目的を持ってお金を使うことができます。
Aさんは、今更ながら、シミュレーションの意義に気付きました。

2ヵ月目の予算:筆者提供画像
予算を意識してお金を使う
Aさんは、この1ヵ月間、自分で立てた予算を意識しながら生活しました。
「予算内に収まるとなんだかすごい達成感があってうれしい!」
上の子の誕生日も、予算を取っておいたから、安心してケーキとプレゼントを買うことができました。
貧しいひとり親だから我慢しなければと思うと、悲しい気持ちになるけれど、賢く予定を立てて使っていけば、心豊かに生活することはできると実感したと言います。

2ヵ月目の記録:筆者提供画像
シミュレーションの効果が出てきた8ヵ月後
Aさんは家計簿をつけることが習慣となり、それを振り返りながら、翌月の予算を立てるということを繰り返す中で、気になる出費を大きく改善することにも取り組んできました。
まず、家計簿をつけ始めてすぐに、通信費が負担だと気づき、格安スマートフォンに乗り換え。
数千円でも、年間にしたら大きい!
そして、家賃の負担を減らすために、子どもの転校や転園をせずにすむ地域で申し込める公営住宅を探し始めました。
そして8ヵ月後、公営住宅の申請が通って入居できることになり、固定費の負担が大幅に下がりました。
その分を、積み立てNISAに2万円積み立てていくことにしました。
NISA用の口座を開き、自動引き落としが始まったときには、資産形成のスタート!と晴れやかな気持ちになりました。
家計簿の欄に「資産形成」という項目が加わりました。

8ヵ月後:筆者提供画像
1年前の生活がもう思い出せないくらい
12ヵ月間、コツコツとお金周りを整えてきたAさん。
「もう1年前の生活が思い出せないくらい」と言います。
お金周りを整えていったところ、人生が上向きになったとも感じているそうです。
先日、元パートナーとの養育費に関する調停がやっとまとまり、養育費を月に30,000円受け取れることになりました。
子ども二人のジュニアNISAの口座を開き、15,000円ずつ積み立てることにしました。
職場での成果が認められ、お給料が1万円UP。自分のつみたてNISAも30,000円に増額しました。
1年間、記録をつけたおかげで、月によって変動する特別費の金額も大体の目処がつき、特別費のための年間予算まで立てられるようになりました。
見通しが立つことで、自分の精神も安定するということもよくわかりました。

1年後:筆者提供画像
家計を見直してみた経験者が感じたこと
「1年前の自分とは別人」と、今の自分を表現するAさんは、この体験をこんなふうに語ってくれました。
「現実を直視する勇気がなく、家計については何もせず放置していました。自分の収支をようやく把握する機会ができたことはラッキーだったと思います。何もしていなかった頃は、未来に対する漠然とした不安感と、とにかく節約しなきゃという焦燥感しかなかったのですが、現状を把握することで、課題と解決策が見えて、そこからは行動あるのみでした!人間、行動を起こすと、不思議と不安がなくなり、前向きな気持ちになるんですね」
途中でつまづいてしまったら?
「家計簿の記録や予算を作成することは大変ではないですか?つまづいてしまったことはなかったですか?」とAさんに尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。
「忙しいから、そんなの無理と思いこんでいる人もいるかもしれません。でも習慣にしてしまえば、実は、そんなに負担ではありませんでした。むしろ、今では、この作業は私にとって『やらなければならないタスク』ではなく、大切なセルフケアのひとつであり、趣味といってもいいかもしれません」
やらなければ!と思うと、負担に感じてしまうけれど、自分のメンタルの変化を感じながら楽しんで続けることがポイントですね。
「現実を把握せずに、未来に対する漠然とした不安を持っていると、気持ちも殺伐としてきます。今まで目を背けてきたお金のことにあえて向き合い、把握することで、驚くほどメンタルの状況は前向きに変化することがわかりました。ぜひその変化をみなさんにも感じてもらいたいです」
お金に向き合うことは、人生に向き合うこと
何に、どのくらいお金を使っているか?には、その人の価値観があらわれます。
記録・把握をして、お金の流れを振り返ることは、自分の価値観を振り返ることにもなるのです。
すると、「はぁ、お金がない、誰か助けて」という思考から「自分の価値観にあったお金の使い方、稼ぎ方ができているのか?そのためには何をするべきか?」という思考にシフトしていきます。
勇気を出してお金まわりを管理することに取り組むと、お金のことだけでなく、生活のさまざまなこと(住まい、健康、人間関係、仕事、などなど)がポジティブに変化していくという傾向があります。
Aさんも、自分の精神面が安定して子どもとの関係もよくなったり、無理だとあきらめていた養育費を受け取れるようになったり、職場での成果が認められてより高い収入のお仕事の可能性が開けてきたり、さまざまな領域でポジティブな変化を感じていると言います。
お金のことは話題にしにくいし、劣等感があって誰にも相談できない、だからなかなか一歩を踏み出せないという人も多いかもしれません。
それでも、まずは、自分の手元から、できることがあります。
まずは、お金周りを記録することから始めてみませんか?
これからの生活を考える中で、住まいについて悩むこともありますよね。選択肢のひとつとして、今の家の価値を無料査定で確認してみるのもおすすめです。
★ LIFULL HOME’S 不動産売却査定 査定依頼フォーム


































