桜餅といえば、春の訪れを知らせてくれる代表的な和菓子です。
「桜餅に巻かれている葉っぱは食べられるのか、それとも食べてはいけないのか」と、話のネタになることがよくありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
また、桜餅が関東と関西で見た目や食感が違うことをご存じですか?
今回は、そんな奥深い桜餅の豆知識を詳しくご紹介します。
手作りしたい方向けにレシピも掲載しているので、ぜひ作ってみてくださいね。
桜餅の葉っぱは食べてもいいの?
桜餅の葉っぱは食べてもいいのか、食べてはいけないのか、議論になることがありますよね。
全国和菓子協会は「葉っぱをはずしたほうが本来の桜の風味を味わえる」として、はずすことを推奨しているようです。
しかし、葉っぱ自体は食べられるものなので、食べても特に問題はありません。
葉っぱをはずす・はずさないは人それぞれ。
好きな方はそのまま食べて、苦手な方ははずして食べても大丈夫ですよ。
※出典:桜餅の葉っぱ、どうする? 全国和菓子協会の見解は「食べないで!」 – ライブドアニュース
桜餅の葉っぱには毒性があるって聞いたけど……
「桜餅の葉っぱは体に悪いからやめたほうがいい」と心配する声も聞かれます。
これは葉のなかに含まれている天然成分「クマリン」が原因かもしれません。
クマリンは、大量に摂取すると肝臓機能に障害を起こすリスクがあるとされているので、「食べてはいけない」という誤解が広まった可能性があります。
ただ、クマリンは医薬品や化粧品の原料になることもあるほか、ミカンやグレープフルーツ、にんじんなどの身近な食材にも含まれています。
また、血糖値や血中脂肪を低下させ、血液をサラサラにする効果を期待できることもわかっています。
毒性はゼロではないものの、桜餅の葉っぱをたまに食べる程度なら心配しなくてもよさそうですね。
なお、桜餅に巻く葉っぱは伊豆のオオシマサクラの葉っぱが使われています。
ソメイヨシノよりも葉が大きく、芳香成分が豊富で葉に産毛がないことから食用に適しているとされています。
桜餅に葉っぱが巻いてある理由
桜餅に葉っぱがまかれることで意外なメリットがあります。
まず、ピンクの餅に緑の葉っぱが巻かれているので色使いが美しいことです。
塩漬けされた桜の葉っぱが桜餅にほんのり塩味をつけ、あんこの甘味をさらに引き立ててくれます。
また、桜餅を葉っぱに巻かずにそのままにしておくよりも、乾燥を防ぐ効果も。
葉っぱには抗酸化作用があるので雑菌の繁殖を防ぎ、よりおいしさを保つことができます。
桜餅の由来
桜餅は、1717年に東京の墨田区にある長命寺の門番、山本新六が考案しました。
隅田川の土手の桜の葉が大量に落ちるのを見て「この葉っぱを何かに利用できないか」と考えたそうです。
そこで、桜の葉を塩漬けにして餅を巻いて墓参りに来た人にふるまったところ、大変評判となり、全国に波及したといわれています。
桜餅は「関東風」と「関西風」がある
桜餅には関東風と関西風があることをご存じでしょうか。
ピンクと緑の彩りは似ていますが、見た目も作り方も実はまったく違うのです。
両者の違いを詳しくご紹介します。
関東風
関東風の桜餅は、クレープ生地のような薄い生地で餡をくるくると包み、桜の葉を巻いたもの。
生地は小麦粉や白玉粉、砂糖などを混ぜたものを焼き上げているので、お饅頭のような食感が特徴です。
関西風と区別するために「長命寺桜餅」と呼ばれることもあります。
関西風
関西風の桜餅は見た目が丸く、ツブツブとしているのが特徴。
もち米を蒸して乾燥させ、粗くひいた道明寺粉を使用しています。
大阪府藤井寺市で道明寺粉を使用した桜餅が作られたことから、「道明寺餅」とも呼ばれています。
あんこを生地で丸く包みこんでいるので、関東風とは違い、中の餡が見えないのが特徴です。
もち米をつぶす過程で食感やツブツブ感を残しており、モチモチとしています。
桜餅を作ってみよう!
関東風と関西風の桜餅の作り方をご紹介します。
材料はどれもスーパーで入手できるものばかりなのでぜひ作ってみてください。
関東風桜餅のレシピ
- 【材料】(8個分)
- 白玉粉 15g
- 薄力粉 75g
- 砂糖 大さじ1と1/2
- 水 100cc
- 食紅 適量
- サラダ油 適量
- こしあん 180g
- 桜の葉の塩漬け
- 【作り方】
- 桜の葉は流水でさっと洗い、たっぷりの水を入れた容器に浸して塩を抜く。30分ほど浸したら水気をキッチンペーパーで拭き取る。
- ボウルに白玉粉を入れ、水を数回に分けて入れて泡だて器でよく混ぜ合わせる。砂糖と薄力粉を入れ、なめらかになるまで混ぜる。
- 少量の水で溶いておいた食紅を入れ、全体が均等なピンク色になるまで混ぜる。
- フライパンにサラダ油を入れ、手のひらサイズの楕円形になるよう生地を流し入れて焼く。
- こしあんを8等分にして俵型に丸めておく。
- 4の粗熱が取れたらこしあんを巻き、桜の葉で包む。
関西風桜餅のレシピ
- 【材料】(5個分)
- 道明寺粉 60g
- 砂糖 15g
- こしあん 100g
- 食紅 少量
- 水 125cc
- 砂糖(手水用)小さじ1/2
- 水(手水用)40cc
- 桜の葉の塩漬け 5枚
- 【作り方】
- 桜の葉は流水でさっと洗い、たっぷりの水を入れた容器に浸して塩を抜く。30分ほど浸したら水気をキッチンペーパーで拭き取る。
- 小鍋に分量の水、砂糖、食紅を入れて火にかけ、沸騰したら道明寺粉を入れて木ベラでよく混ぜる。
- さらに沸騰したら弱火にしておよそ6分煮込み(焦げないように注意)、その後火を止めてふたをして10分ほど蒸らす。
- こしあんを5等分にして丸めておく。
- 粗熱が取れた3の餅を、手水を使用して直径7cm程度の円形に伸ばし、中央に4を置き、餅の端を伸ばしながら口を閉じるように丸くして形を整える。
- 5を桜の葉の裏を外側にして巻く。
まとめ
桜餅の葉っぱは、食べても食べなくてもどちらでもよく、葉っぱを残しても失礼にはあたりません。
また、同じ桜餅でも関東風と関西風で見た目や食感が異なりますが、どちらの桜餅も春の訪れを感じることに変わりはありませんね。
この機会に両方を食べ比べてみてもいいかもしれません。
なお、葉っぱはシーズンになると製菓店やスーパーで販売されるようになります。
インターネットショップなら年間を通して購入できるので、ぜひチェックしてみてください。
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