「早生まれの子どもは、不利」「いい大学に行けない」などと聞いて、ショックに感じたパパやママもいるのではないでしょうか。
「早生まれの子どもは、人生のさまざまなポイントで遅生まれの子どもに比べて不利になる傾向だ」という研究結果が発表されましたが、本当にそうなのでしょうか?
この記事では、早生まれが不利だといわれる理由や、その話を気にしなくても良い理由、早生まれの子どもの育て方などをお伝えします。
早生まれの子どもがいて悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。
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早生まれが不利といわれる理由
1月1日~4月1日生まれのことを、「早生まれ」といいます。
早生まれの子どもが不利だといわれる大きなポイントは、子どもの体の大きさの違いです。
その他の点も、見ていきましょう。
同学年でもほぼ1歳違う
日本では4月2日~翌年の4月1日生まれの子どもを同じ学年として扱うため、同学年でありながら4月1日生まれの子どもは4月2日生まれの子どもとほぼ1年の差があるわけです。
特に、子どもが小さいうちはその1年の違いは大きく、体格にも身体能力にも大きな差が出ます。
日々成長し、新しいことができるようになる子どもたちですから、遅生まれの子ができることも、早生まれの子はまだできない、ということが多々あります。
研究結果が発表された
東京大学大学院の山口慎太郎教授は、早生まれは遅生まれより入学した高校の偏差値や大学の進学率が低いこと、30代前半の所得が低いことなどを発表しました。
また、コミュニケーション能力などの非認知能力面も、早生まれの子どもは相対的に低いというのです。
このように、権威ある学者による研究結果が発表されたことで、「早生まれは不利なのでは?」という曖昧なイメージが「不利である」と世のなかで決定づけられてしまった感があります。
早生まれのプロ野球選手・Jリーガーが少ない
早生まれの子どもが不利だといわれるのは、プロ野球選手やプロサッカー選手(J1)のなかに早生まれの方が少ないことも理由の一つです。
世間で活躍しているスポーツ選手たちのなかで、最も多い生まれ月は4~6月で全体の約31%。
1~3月生まれは、4~6月生まれの半分ほどで約16%しかいません。
これは女性も同様の傾向で、バスケットボールやバレーボールのプロ選手にも共通しています。
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「早生まれは不利」は気にしなくてOK!
早生まれの子どもは生まれながらにして人生が不利なのかといえば、それは違います。
続いては、その理由をご説明します。
研究結果は統計的な傾向を示したもの
大切なのは、研究によって示された結果は、あくまでも統計的な傾向に過ぎないということです。
たくさんの人について調査し、その平均などをまとめたものが統計であり、それはわが子の将来を決めるものではありません。
ですから、「うちの子どもは早生まれだから、成功しない」と思う必要はまったくないのです。
早生まれで成功している方も、たくさんいます。
歴史的な偉人であるアインシュタインもそうですし、最近では陸上のサニブラウン選手も早生まれです。
当然ながら、伸び悩む遅生まれの子どももいます。
つまり、「早生まれは不利」と考えるのは、「A型は○○」「末っ子は○○」と同じような考え方です。
統計からわかる傾向よりも、個人差のほうが大きいので、わが子の成長をしっかり見ていくことが大切です。
オリンピックの金メダリストは早生まれが多い
不利な研究結果や傾向で悩んでしまうならば、反対に良い情報を見てその気持ちを解消してみましょう。
ここ100年ほどのオリンピックへの日本人出場選手の数をみてみると、生まれ月による顕著な差はなく、3ヵ月区切りではいずれも25%くらいです。
しかし、金メダリストは1~3月の早生まれが最も多く、4~6月生まれの約2倍もいます。
例えば、体操の内村航平選手(1月)、柔道のウルフ・アロン選手(2月)、スケートボードの堀米雄斗選手(1月)や四十住さくら選手(3月)などが早生まれの金メダリストです。
ちなみに、ノーベル賞受賞者も早生まれが多く、日本人受賞者のうち早生まれは約半数におよびます。
しかし、ここでご紹介した情報も、全体的な傾向を示しているに過ぎません。
成長とともに気にならなくなる
保育園や幼稚園、小学校低学年の頃は体格差を感じやすいかもしれません。
しかし、小学校3~4年生くらいになると、次第に他の子どもたちに追いつき、差を感じなくなってきます。
それとともに、「早生まれによる不利」が気にならなくなってくるでしょう。
重要なのは、まだ周りとの差がある幼い時期の子どもへの接し方です。
詳しくは、次で解説します。
早生まれの子どもをどう育てるか?
子どもが早生まれの場合、何に気を付けて子育てしていけば良いでしょうか。
詳しく解説しますので、特に早生まれの子どもがいる方はチェックしてみてください。
「早生まれだから不利」の思い込みを捨てる
まずは、早生まれが不利だと親が思い込まないようにしましょう。
子どもの前で「早生まれだから心配」「早生まれだからまだできない」などとネガティブなことを言うと、ゴーレム効果(周囲からの期待や評価が低いと、本人のパフォーマンスも下がる)で子どもも「自分はダメなんだ」「できないんだ」と思ってしまう可能性が高まります。
子どもの自己肯定感が下がり、意欲的になれなくなると、何事にも積極的に取り組めなくなってしまいます。
人生を良い方向へと導く非認知能力として注目されている「やり抜く力」を育てるためにも、自己肯定感を高めることは大切です。
自己肯定感を育てる方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
▼子どもの自己肯定感の育て方が知りたい!親ができること・注意するべきポイントは?
▼子どもの自信にもつながる!上手なほめ方のポイント
たくさんの成功体験を積ませる
遅生まれの子のほうが身体的、精神的に成長が早い傾向にあるので、成功体験の機会が多いことは事実として挙げられます。
例えば、学校で初めて体験する子どもも多い野球やサッカーなどは、遅生まれで体格や筋力などが有利な子どもが上手にでき、活躍の場が与えられがちでしょう。
早生まれの子どもには、学年で区切ることをしない、学校以外の場で成功体験を積ませてあげることも大切です。
習い事であれば、レベル別にレッスンがおこなわれる水泳や、個人指導の楽器などもおすすめです。
そのような環境下では、自分の努力次第でクラスがあがっていくため「やればできる」と自信がつきます。
認知能力と非認知能力の両方を高める
「早生まれであることを気にしない」とはいえ、ほぼ1歳違う他の子どもとの差を埋めるには、時間がかかります。
その間は差がついてしまうのは致し方ないことですが、できるだけ差を生まず、有利な状態にしたいと思うのが親心でしょう。
遅生まれの子どもとの能力的な差を縮めるためには、認知能力と非認知能力の両方を高めることが大切です。
ついつい、テストの点数など、形になって見えやすいところに注目してしまいがちですが、勉強を詰め込んでやらせるのは長い目で見れば良いとはいえません。
自発的に何かをおこなう意欲や自制心、発想力なども育てることで、将来的に自分で自分の能力を伸ばしていける下地を作ってあげたいものです。
非認知能力については、こちらの記事も参考にしてみてください。
▼「非認知能力」ってどんな能力?認知能力との違いや種類、例を簡単に解説します
早生まれだと保活が不利?!
保活に関しては、早生まれの子どものママは少し苦労する可能性があります。
なぜなら、法律的に、2月中旬生まれ以降だと0歳児クラスへの4月入園ができないからです。
もう少し詳しく解説します。
労働基準法により産後56日間は就業不可となっているため、保育園で子どもを預かってもらえるのは生後57日からです。
また、4月入園の申し込みは前年の12月頃までで締め切られる自治体が多いため、生まれた時点では申し込みが間に合いません。
子どもの預かりを「生後6ヵ月から」としている園もあり、そのような園に4月から入るには、やはり月齢が届きません。
やむを得ず1歳児クラスから入園させようと思っても、1歳児クラスは空きが少なく、激戦となる保育園も多数です。
このように、早期に職場復帰したいと考えるママにとって、早生まれの子どもの保活は少し不利になります。
しかし、早生まれであることで選考が不利に働くことはありません。
1~2歳まで育休を取るならば、時間の余裕ができるので保育園の見学に行ったり、周囲の口コミを参考にしたりしやすいのがメリットです。
まとめ
早生まれは不利だといわれ、そのような統計や研究結果も出されています。
しかし、それはあくまでも平均値や傾向を語っているものに過ぎません。
実際、早生まれで活躍しているスポーツ選手やノーベル賞受賞者もたくさんいます。
子どもの成長は個人差が大きいものなので、わが子の成長を見守り、性格やその他の特徴をしっかりと見きわめてあげることが大切です。
遅生まれの子どもとの差が目につきやすい体格や勉強にばかりこだわらず、子どもが自分のしたいこと、したい遊びを思い切りできるように適切に見守ってあげることが、将来の能力の発達につながるでしょう。
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