「紅葉狩り」はどういう意味?親子で楽しめる紅葉狩りのポイントもご紹介

紅葉の葉

秋も深まると山々が色づき、紅葉の季節がやってきます。

春のお花見と同じように、秋は紅葉狩りで紅葉を楽しむ方が多くいますよね。

しかし、何かを狩るわけでも、果物狩りのようにもみじを木から採るわけでもないのに、なぜ紅葉「狩り」というのでしょうか。

今回の記事では、紅葉狩りはどのような意味なのかをご紹介します。

親子で楽しめる紅葉狩りのポイントも合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

紅葉狩りの意味

京都の紅葉

何かを狩るわけでもないのになぜ「紅葉狩り」というのか疑問に思ったことがある方はきっと多くいるでしょう。

そもそも紅葉狩りとは、主に落葉樹の葉が色づいた木々を見て楽しむことをいいます。

言葉どおりに何かを「狩る」「採る」と勘違いしている方もいるようですが、紅葉狩りでは何かを採ったり狩ったりするわけではありません。

落葉樹の基本的なサイクルは、「春:花や新葉をつける→夏:葉が新緑となる→秋:紅葉する→冬:落葉する」です。

落葉樹が一斉に紅葉し、色づく様子は季節を感じる圧巻の美しさがあります。

これを眺めて楽しむことを「紅葉狩り」といいます。

紅葉狩りの由来

紅葉狩りの言葉の意味はわかりましたが、ではなぜ「紅葉狩り」という言葉になったのか、由来が気になる方もいるのではないでしょうか。

由来は諸説ありますが、ここでいくつかご紹介します。

貴族の風習

昔の貴族にとって、「ただ歩く」のはあまり上品な行為ではないとされていたようです。

本来「狩り」とは、鳥獣を追いかけて捕まえる「狩猟」を指す言葉ですが、紅葉を眺めて歩く行為を狩りに見立てて「紅葉狩りに行く」と表現したのが一説とされています。

また、平安時代には使用人に狩りをさせ、自分たちは狩りをしない貴族の階級ができました。

その貴族たちが自然観賞することを「狩り」と呼ぶようになった説もあります。

俳句の季語には「桜狩り」という言葉もあり、紅葉以外にも「狩り」という言葉は使われています。

紅葉姫の伝説

紅葉狩りという言葉には、紅葉姫と呼ばれる鬼女を退治する(狩る)伝説が由来となっている説もあります。

【紅葉姫の伝説】
かつて戸隠山に「紅葉姫」という鬼女が住んでいました。

紅葉姫は山を下りては村の人々を食べて飢えをしのいでいましたが、帝王に鬼退治を命じられた「平維茂」によって、討伐されることになりました。

紅葉姫は、平維茂を美女やお酒を使って罠にかけ、討伐を避けようとします。

しかし、お酒で眠った平維茂の夢のなかに神様が現れ、危機一髪のところで目を覚ました。

平維茂によって紅葉姫は退治され、戸隠山に平和が戻りました。

紅葉狩りの歴史

卓上 もみじ

紅葉狩りには平安時代など昔からおこなわれてきた歴史があります。

どのような歴史があるのか紹介します。

万葉集にも紅葉を詠んだ和歌がある

日本最古の和歌集といわれる万葉集にも「紅葉」という言葉が登場します。

当時は中国の文学にならい「黄葉」と書いて「もみち」と読むのが一般的でした。

葉が赤や黄色に変わる「もみつ」という動詞から派生した言葉といわれています。

1200年以上前に書かれた万葉集のなかには「黄葉」を詠った和歌が多数あることから、日本人が昔から紅葉を観賞していたことがわかります。

平安貴族が紅葉狩りを楽しむようになる

先述したように、平安貴族が紅葉の観賞に野山へ出かけるようになったのが紅葉狩りの始まりといわれています。

平安貴族にとって、宮中などで紅葉に染まる山の景色を楽しんだり、葉を集めて楽しんだりしていましたが、紅葉を見るためには野山に足を運ぶ必要がありました。

この頃はまだ、紅葉は人生のはかなさや訪れる冬の物悲しさを感じさせるもので、本格的に鑑賞を楽しむようになったのは室町時代である説もあります。

庶民に定着したのは江戸時代

貴族の楽しみであった紅葉狩りでしたが、江戸時代になると庶民にも文化が広がっていきました。

江戸時代中期には、伊勢講(いせこう)と呼ばれる伊勢神宮へのお参りや熊野詣でなどの影響で、庶民が旅行を楽しむようになったことがきっかけの一つです。

さらに、「都名勝図絵」などの名所案内本で紅葉スポットが紹介されたことで紅葉狩りがブームになりました。

江戸時代の紅葉狩りは現代の花見や紅葉狩りと同様に、木の下に敷物を敷き、お弁当やお酒をいただきながら紅葉を楽しむようになったとされています。


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「紅葉(こうよう)」と「紅葉(もみじ)」の違い

「紅葉(こうよう)」と「紅葉(もみじ)」、同じ漢字で違う読み方であることを不思議に思ったことはありませんか?

読み方が違うように意味も違うのか、詳しくご紹介します。

紅葉(こうよう)

秋になって葉が紅色に変わること。また、その葉。黄葉を含めていうこともある。

※引用:
紅葉(こうよう)の意味 – goo国語辞書

辞書によると、紅葉(こうよう)は、秋に植物の葉が赤く色づく現象やその葉を指すとされています。

また、黄色く色づく現象やその葉を含むこともあります。

一方、「紅葉(こうよう)」は葉が色づく「現象」のことを指す言葉です。

紅葉(もみじ)

晩秋に草木の葉が赤や黄色に色づくこと。また、その葉。こうよう。カエデの別名。また、その葉。

※引用:
紅葉/黄葉(もみじ)の意味 – goo国語辞書

辞書によると、晩秋に植物の葉が赤や黄色に色づく現象のこと、またはその葉を指すとされています。

これは、紅葉(こうよう)と同じ意味ですね。

ただし、「紅葉(もみじ)」は植物の「楓」の別名としても使われます。

「紅葉(もみじ)」と「楓(かえで)」の違い

紅葉(もみじ)も楓(かえで)も同じカエデ科カエデ属の植物です。

前述のとおり、紅葉(もみじ)は楓の別名でもあり、混同して使われることも多くあります。

では、紅葉(もみじ)と楓にはどのような違いがあるのでしょうか。

紅葉(もみじ)

イロハモミジ

紅葉(もみじ)は、葉の切れ込みが深く、5枚くらいに分かれているのが特徴です。

「もみじ」という言葉は、ベニバナなどから染料を揉み出し、水がじわじわ染まっていくさまを指す「もみづ」という動詞が派生したものといわれています。

そして、染み出すように草木が色づくさまを「もみぢ」と呼ぶようになりました。

楓(かえで)

ハウチワカエデ

楓は紅葉に比べて葉の切れ込みが浅いのが特徴です。

楓の葉の形がカエルの手に似ていることから「かえるで」となり「かえで」と呼ばれるようになりました。

カエルの手に似ている葉を「かえるで」と呼んでいたため、紅葉(もみじ)も「かえで」と呼ばれるようになったという説もあります。

家族で紅葉狩りを楽しむためのポイント

せっかく家族で紅葉狩りに行くなら、思う存分を楽しみたいですよね。

何となく紅葉を見るのではなく、ポイントを押さえて紅葉狩りに行きましょう。

観光案内所や道の駅で情報を仕入れる

紅葉を見に行くとき、事前に下調べをしてから目的地に向かうことが多いかもしれません。

しかし、下調べをしてあっても直接目的地に向かうのではなく、観光案内所や道の駅でおすすめの場所などを聞いてみましょう。

現地の方に聞くことで、インターネットにはない、現地の方ならではの情報が聞けるかもしれません。

実際に触ってみる

紅葉狩りは景色を楽しむことがメインになります。

景色を眺めて楽しむのも良いのですが、せっかくなら木や葉っぱに触ってみてはいかがでしょうか。

カサカサする落ち葉を踏んで音を感じたり、きれいな葉を拾い集めて持ち帰ったりしても、心に残る思い出となるでしょう。

ぜひ、五感で秋を楽しんでくださいね。

落ち葉を持ち帰って工作に使う

現地で紅葉を満喫したら、自宅でも遊べるように落ち葉を持ち帰るのもおすすめです。

落ち葉には色や形の種類がたくさんあるので、集めるだけでも楽しめます。

ただし、必ず落ち葉を拾うようにしてください。

枝を折るのは絶対にNGです。

持ち帰った落ち葉は、貼り絵やリース作りなど工作に使うことで、家族での紅葉狩りの思い出が作品になって残るのでおすすめですよ。

まとめ

鉄道と川と紅葉

今回の記事では紅葉狩りの言葉の由来や歴史、紅葉狩りを楽しむためのポイントなどをご紹介しました。

紅葉狩りの由来は古く、平安時代まで遡るなど、歴史のあるものでしたね。

紅葉を家族で楽しむ際も、ただ紅葉を見るだけでなく、由来や言葉の意味などを子どもと話してみましょう。

また、紅葉狩りを楽しむ際も現地の方と交流してみたり、その場で楽しむだけでなく落ち葉を作品にしてみたりと、工夫することで一層楽しめますよ。


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