「幼稚園と保育園、うちの子にはどっち?」違いと選び方をわかりやすく解説

「幼稚園と保育園、うちの子にはどっちが合うんだろう?」

子どもが3歳前後になると、多くの家庭が一度は悩むテーマです。預かり時間や教育内容、費用、働き方との両立など、比べるポイントが多く、なかなか決めきれない方も少なくありません。

この記事では、幼稚園と保育園の違いを基本からわかりやすく整理し、それぞれに向いている家庭の特徴や選び方のポイントを解説します。

自分たちの暮らしに合った選択を考えるヒントとして、ぜひ参考にしてください。

そもそも幼稚園と保育園は何がどう違う?

「そろそろ子どもを預けて働こうかな」「お友達と関わる環境を作ってあげたいな」と考えたとき、最初に悩むのが幼稚園と保育園の違いですよね。

一見、どちらも「小さな子どもたちが通う場所」ですが、実は国の決まりのなかではまったく別の目的で作られた施設なのです。

その違いを分かりやすく整理してみましょう。

幼稚園は「文部科学省」、保育園は「厚生労働省」が管轄

そもそもの違いは、幼稚園と保育園では国の中で担当している役所(省庁)が違うということです。

幼稚園は「文部科学省」の管轄
小学校や中学校と同じ「学校」という位置づけです。幼稚園で働く先生たちは「教員免許」を持っています。

保育園は「厚生労働省」の管轄
赤ちゃんや子どもたちの生活を支える「児童福祉施設」という位置づけです。保育園で働く先生たちは「保育士資格」を持っています。

同じ年齢の子どもたちが集まる場所ですが、実は「学校」に行くのか、「福祉施設」に行くのかという、根本的な仕組みの違いがあるのです。

「教育」をする場所か、「保育」をする場所か

この仕組みの違いは、そのまま施設の目的の違いにつながります。

幼稚園は「教育」をするところ
満3歳から小学校に上がるまでの子どもたちが、集団生活や学びの基礎を身につけるための場所です。

保育園は「保育」をするところ
パパやママがお仕事をしていたり、体調を崩していたりして、おうちでのお世話が難しい赤ちゃんや子どもたちを、家族の代わりに大切に預かってお世話(保育)をする場所です。

「教育」と「保育」、この違いがあるからこそ、申し込むときの条件や、1日の過ごし方、ママやパパが園行事に関わる頻度などが変わってきます。

最近では、勉強に力を入れている保育園が増えたり、のちほどご紹介する「認定こども園」という両方のいい点を取り入れた施設も登場しています。

それでも、ベースにある仕組みが違うことだけ頭の片隅に置いておくと、これからの園選びがグッとスムーズになりますよ。

参考:幼稚園(ようちえん)について教えて!:文部科学省
参考:保育所123|厚生労働省

幼稚園と保育園、わが家はどっち?「入園の条件」をチェック

幼稚園と保育園では、申し込むときの条件がまったく違います。まずは「わが家がどちらの条件に当てはまるか」から、園選びをスタートしてみましょう。

保育園に入園するには「理由」が必要

実は、希望すれば誰でも保育園に入れるわけではありません。保育園を申し込むには、自治体から「おうちでお世話をするのが難しい状態(保育の必要性)」と認めてもらう必要があります。

例えば、以下のような理由がある場合に対象となります。

  • パパやママがお仕事をしている(パートや在宅ワークもOK)
  • 妊娠中、または出産前後である
  • 病気やケガ、介護などでつきっきりのお世話が難しい
  • 求職中である

一方、幼稚園にはこのような条件はありません。

ママやパパが専業主婦(主夫)のご家庭でも、共働きのご家庭でも、年齢(満3歳から)に達していれば、原則として誰でも申し込むことができます。

「共働き」じゃなくても保育園に入園できる?

「フルタイムでバリバリ働いていないと、保育園に申し込みできないのでは?」と心配になるママも多いでしょうがそんなことはありません。

週に3日だけのパート勤務や、自宅でのリモートワーク、フリーランスで仕事をしている場合でも、保育園の申し込みはしっかりできます。

ただし、ここで知っておきたいのが「点数(選考)」の仕組みです。

子どもの数に対して保育園の空きが少ない地域では、先ほどご紹介した「お世話が難しい理由」を自治体が点数化し、点数の高い(=より切実に保育園を必要としている)家庭から優先的に入園が決まります。

そのため、「条件を満たしているから申し込める」ということと、「実際に希望の保育園に入れる」というのは、少し話が変わってきます。

「自分の働き方だと、地域の保育園に入りやすいのかな?」と気になったら、まずは自治体の保育課などの窓口で、過去の入園状況や選考の目安について相談してみるのがおすすめです。

預ける時間がこんなに違う!幼稚園と保育園で1日の過ごし方を比べてみよう

子どもを園に預けたあと、パパやママの毎日のスケジュールがどうなるかは気になるところですよね。

幼稚園と保育園では、預けられる時間や1日の流れがガラリと変わります。

【幼稚園】1日4時間が基本(午後2時頃にお迎え)

幼稚園の預かり時間は、お昼を挟んで「朝9時頃〜午後2時頃まで」の約4時間です。

また、小学校などと同じように、夏休み・冬休み・春休みといった長いお休み(長期休暇)がしっかりあるのも特徴です。

「それだと、仕事をしていると預けるのは無理かな……」と思うかもしれませんが、最近は「預かり保育(延長保育)」を実施している幼稚園もあります。

朝の7時台から夕方6時台まで預かってくれる園も珍しくなく、共働きをしながら幼稚園を選ぶママ・パパもいるようです。

幼稚園の預かり時間、一時預かりとの違いは以下の記事でも解説しています。

関連記事:【幼稚園】預かり保育とは?時間や内容、一時保育との違いを解説!

【保育園】預かり時間は朝から夜まで

保育園は、パパやママのお仕事の時間に合わせて、朝7時台〜夜7時頃まで(長いところでは11時間以上)たっぷりと子どもを預かってくれます。

急な残業のときなどの「延長保育」はもちろん、土曜日に開園しているところも多く、お盆や夏休みも関係なく(年末年始以外)いつでも開いているのが、働くママ・パパにとって何より心強いポイントです。

また、生後数ヶ月の「0歳児」から預けられる園も多いため、「育休から早めに復職したい」というキャリアプランにも柔軟に合わせることができます。

園の行事も、仕事を休まなくても参加しやすいよう土曜日に行われたり、保護者が集まる回数自体が少なめだったりと、忙しい家庭に配慮されている園が多い傾向にあります。

関連記事:【保育園】お迎えに行くのは何時?預かってもらえるのは何時間?

保育園はお金がかかる?幼稚園と保育園の「気になる費用」

3歳になったら、幼稚園も保育園も「基本は無料」

子育て世帯を応援する制度(幼児教育・保育の無償化)により、3歳から5歳まで(小学校に上がるまで)の子どもは、幼稚園・保育園・認定こども園のどこに通っても、毎月の基本的な利用料は「無料」になっています。(※認可外の保育園などの場合は、もらえる金額に上限があります)

つまり、「保育園のほうが高いから幼稚園にしようかな」「幼稚園は毎月高そうだからやめておこうかな」というように、毎月の月謝だけでどちらにするか悩む必要はほとんどなくなりました。

費用面を心配せず、純粋に「わが家に合うのはどちらの園かな?」という目線で選びましょう。

参考:幼児教育・保育の無償化|こども家庭庁

「完全無料」ではない?入園したあとにかかる隠れたコスト

「利用料が無料」と聞くと、1円もかからないように思えますが、無料になるのはあくまで「お部屋で過ごすための基本的な費用」だけです。

園生活を送るなかでは、以下のような「無償化の対象外」になるお金が毎月、またはスポットでかかってきます。

  • 毎月の給食費(ごはん・おかず代)
  • 絵本やクレヨンなどの教材費、遠足などの行事費
  • 園バスの利用代、PTA会費など
  • 制服代、指定の指定カバンや帽子代(入園時に数万円〜10万円ほどかかる園もあります)

特に保育園では、制服がない園が多く初期費用は抑えめな反面、毎日のお着替えのストック、布団セット・カバーなどの準備、延長保育を使う場合の「延長料金」などが必要になります。

「無償化だからお金の準備はゼロでいい」と思っていると、入園前後に意外な出費でビックリしてしまうことも。

見学に行ったときなどに「毎月の給食費や教材費はどれくらいですか?」「入園時に用意するものはいくらくらいかかりますか?」と、園の先生に聞いておくと、年間にかかる総額がイメージできて安心です。

関連記事:保育園の料金はどれくらいかかる?無償化で費用は無料になる?
関連記事:幼稚園にかかる費用はいくら?無償化されて自己負担はないの?

保育園は遊ぶだけ?幼稚園とのカリキュラムの違い

保育園にも国が定めた「ガイドライン」がある

実は、保育園にも国が定めたしっかりとした「ガイドライン(保育所保育指針)」があります。

子どもが3歳を過ぎてからの教育内容については、幼稚園も保育園も、基本的には同じ「ねらい」や「目標」にそって運営されています。

そのため、どちらの園に通っていても、小学校の入学に向けて必要な集団生活のルールや、思いやりの心、言葉の力などはバランスよく身につく仕組みになっています。

その園のカラーが大切

最近では保育園であっても専門の先生を呼んで、英語、リトミック、体操、リトミック、パソコン(ICT)教育などのレッスンを積極的に取り入れている園があります。

逆に幼稚園のなかでも、泥んこになって1日中たっぷり自由に遊ぶことを大切にしている園もあれば、小学校受験を見据えたハイレベルなカリキュラムを組んでいる園もあります。

「わが子にはどんな環境が合うのかな?」と考えたとき、本当に大切なのは仕組み(制度)の違いではなく、「その園ならではの雰囲気や方針」です。

幼稚園か保育園かという2つの選択肢にこだわりすぎず、「この園の先生たちは優しそうだな」「ここなら楽しそうに過ごせそう!」という、見学に行ったときのママと子どもの肌感覚を、ぜひ大切にしてみてくださいね。

新しい選択肢「認定こども園」とは?

近年は、幼稚園と保育園の両方の特徴をあわせ持つ「認定こども園」も増えています。

教育と保育を一体的に行う施設で、共働き家庭だけでなく、専業主婦(主夫)家庭の子どもも通うことができます。

大きな特徴は、家庭の働き方が変わっても通い続けやすい点。

例えば、保護者の働き方や育休取得などで保育の必要性が変わった場合でも、認定区分を変更することで継続して利用できるケースがあります。

そのため、「今後働き方が変わるかもしれない」「きょうだいの出産予定がある」といった家庭にとっては、柔軟に利用しやすい選択肢の一つです。

一方で、認定こども園の数や募集状況は地域によって差があります。

気になる場合は、自治体のホームページや園の見学を通して、どのような施設があるのか早めに確認しておきましょう。

参考:認定こども園概要|こども家庭庁

家庭のライフスタイルに合わせて園を選ぼう

園選びでは、「どちらが良いか」だけでなく、「わが家の暮らしに合っているか」を考えることが大切です。

働き方や今後のライフプランによって、通いやすい園や無理なく続けられるスタイルは変わるためです。

共働き家庭の場合

共働き家庭では、預かり時間や送り迎えのしやすさが大きなポイントになります。

フルタイム勤務の場合は、保育園や認定こども園、預かり保育が充実している幼稚園などが候補になることが多いでしょう。

また、勤務時間や通勤距離によっても通いやすさは変わります。

朝夕の送迎を誰が担当するのか、急なお迎えが必要になったときに対応できるかなど、実際の生活をイメージしながら考えてみるのがおすすめです。

専業主婦(主夫)家庭の場合

専業主婦(主夫)家庭では、幼稚園を選ぶケースが多い一方で、認定こども園などを検討する家庭も増えています。

園に通うことで、下の子のお世話や通院、自分のリフレッシュ時間、今後の復職準備などに時間を使いやすくなる場合もあります。

ただし、自治体によって利用条件は異なるため、希望する園にどのような入園条件があるのか事前に確認しておくと安心です。

将来の働き方や家族の変化も見据えて考えよう

子どもが園に通う3〜5年間という時間は、家族にとっていろいろな変化が起きやすい時期でもあります。

例えば、転職や引っ越し、第二子の出産などによって、必要な保育時間や通園環境が変わることもあるでしょう。

そのため「今の便利さ」だけでなく、数年後の暮らしも少しイメージしながら選べると良いですね。

入園前に確認しておきたいチェックポイント

園見学では、設備のきれいさだけでなく、「実際に毎日通うとどう感じそうか」をイメージしながら見ることが大切です。

特に確認しておきたいのは、保育時間や送迎のしやすさ、延長保育のルール、年間行事の内容、給食の有無、園庭や室内の安全面など。

また、先生たちの雰囲気や子どもへの接し方も、ぜひ見ておきたいポイントです。

例えば、子どもが泣いたときや困っているときに、先生がどんな声かけをしているかを見ると、その園の保育の雰囲気が伝わってくることがあります。

パンフレットやホームページだけでは分からない部分も多いため、可能であれば複数の園を見学して比較してみるのがおすすめです。

まとめ:「わが子や家庭の暮らしに合っているか」を考えよう

幼稚園と保育園には、それぞれ異なる特徴があり、「幼稚園だから安心」「保育園だから便利」と一括りにはできません。

実際には、同じ幼稚園でも教育方針や園の雰囲気は大きく異なり、保育園でも園ごとに過ごし方や力を入れている内容はさまざまです。

大切なのは、「幼稚園か保育園か」だけで決めるのではなく、「わが子や家庭の暮らしに合っているか」という視点で考えること。

実際に園を見学し、先生や子どもたちの様子、通園後の生活をイメージしながら比較していくことで、納得できる選択につながります。

子どもが毎日長い時間を過ごす場所だからこそ、制度やイメージだけでなく、「この園なら安心して通えそう」と思えるかどうかを大切に選んでいきたいですね。

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