椿と山茶花はどう違うの?子どもに教えたい見分けるコツと遊び方

椿の写真

冬に咲く花の代表である椿(ツバキ)と山茶花(サザンカ)の見分けはつくでしょうか?

どちらも有名な名前の植物ですが、実際に見比べて見るとそっくりです。

日本にとって馴染み深い、椿と山茶花の見分け方や遊び方をご紹介します。

もし見かけたら「椿と山茶花はお茶の木の仲間なんだよ。見分け方を知ってる?」と子どもにぜひ教えてあげてください。

こちらの記事は本多るみ先生に取材し執筆しました。
参考:Amazon 本多るみの著者ページ

椿も山茶花も同じ仲間

椿と山茶花は見た目がそっくりで、なかなかぱっと見分けられませんよね。

それもそのはず、どちらもツバキ科ツバキ属の植物でとても共通点が多いからです。

生垣や柵に使われているので、子どもと一緒に歩いているときに見かけたら「実は、同じに見えるけど2種類の違う花があるんだよ」と子どもに教えてあげましょう。

椿の花や葉をイメージできる子どもは多いかもしれませんが、名前は知っていても山茶花がどのような花か思い浮かばない子どももいるかもしれません。

2種類とも日本原産の植物です。

椿

赤い椿の写真

椿の学名はカメリア・ジャポニカ (Camellia japonica)で日本生まれの植物です。

絶滅したトキもニッポニアニッポンという世界に通じる学名がついています。

学術的に許され、世界的にニッポンという名前が入っている日本の花として有名です。

17世紀末にヨーロッパで大人気となりました。

オペラ『椿姫』に登場し、トリノオリンピックのブーケにも椿が使用されました。

雪のなかで咲く奇跡の花として化粧品などにも使われ、とても人気で愛好家の多い花です。

また、木材としては、そろばんや印鑑など小型の生活用品などで使用されましたが、野生の大きい木は伐採されて、今では木材用として育てられることもなく庭木として定着しています。

山茶花

山茶花の写真

山茶花の学名はカメリア・サザンカ (Camellia sasanqua)で椿と同様、日本の植物です。

山茶花は、名前がそのまま学名になっています。

カメリアはツバキ属の属名で、植物学者のカメリアがヨーロッパに持ち帰り、学名の由来になりました。

山茶花の漢字の由来は、中国からきた漢方薬の表記です。

そこからなまってさざんかと呼ばれるようになりました。

椿のほうが愛好家が多く有名ですが、山茶花も童謡『たきび』と一緒に思い出に残っている方が多いと思います。

生薬や油として活用

ツバキ科の植物はアジアの地域にありますが、椿と山茶花の2種類は日本固有の植物です。

ツバキ科ツバキ属を一言でいうとお茶の木の仲間です。

お茶の葉をとる地域にあり、紅茶・ウーロン茶・緑茶・ほうじ茶などはすべてツバキ科ツバキ属の木の葉です。

「椿と山茶花はお茶の木の仲間なんだよ」と子どもに教えると、覚えてもらいやすいですね。

また、生薬としても利用されています。

現在、私たちの身の回りにある薬は多くが植物由来です。

植物からつくられている漢方がイメージしやすいですね。

ちなみに、抗生物質系は微生物がつくっています。

そして、椿油は化粧用に使用されているのでとても有名です。

子どもにも使えます。

椿と山茶花を見分けるポイント

常に緑の葉が生えている椿や山茶花は、生垣・柵としてよく使用されています。

野生の花なので、どちらも植えたままで育ちます。 

学校や通学路で見つけた椿や山茶花を子どもと一緒に観察してみましょう!

この2種類を見分ける5つのポイントをご紹介していきたいと思います。

花の時期

山茶花は11〜2月頃に咲き、椿は1〜4月頃に咲きます。

1〜2月頃は両方咲いている時期なので花が咲いているか、咲いていないかでは見分けがつきにくいです。

花びら

椿の花びらは、固くてハリ・厚みがありしっかりしています。

そして、全体的にカップ状にすぼまって咲きます。

次に、山茶花の花びらは、薄くてヒラヒラしていて椿よりふんわりと優しい印象です。

そして、全体的に広がり反り返って咲きます。

名前の語感も、椿はきりっとしていて、山茶花はふわんとしている感じがしますね。

しべ(めしべ・おしべ)

椿のしべは、1つに固まり、花びらともくっついて1つになっています。

椿に比べて山茶花は、バラバラでくっついていません。

花の散り方

椿は花びらとしべが一塊になっていてボトリと丸ごと落ちます。

山茶花は、花びらもしべもバラバラと落ちます。

椿は、まとまっているので糸や松葉をとおしたり、葉を巻いてお人形のようなものを作って遊べます。

また、椿はボトリと丸ごと花が落ちているので子どもが拾いやすいです。

少し茶色いものもあるかもしれませんが、割ときれいな状態で落ちます。

よって、椿や山茶花を見分けるときは、木を見るより、下を見たほうがわかります。

花が丸ごと落ちていたら椿、バラバラに落ちていたら山茶花です。

葉の大きさ

椿と山茶花は、年中、緑の葉がみられ、葉の形もよく似ています。

しかしよく見ると、椿の葉は、山茶花の葉より大きくて厚いことに気付きます。 

垣根には、小さい葉がびっしりとはえている山茶花のほうが使いやすいです。


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椿と山茶花で子どもと遊ぼう

山茶花の写真

日本の花だと、梅が咲いてくる時期まで、冬に咲く花はあまりありません。

花の少ない冬にも咲いている椿と山茶花で、冬の花あそびをしてみましょう。

たとえば、パンジーは冬にも咲いていますが、抜いてはいけませんし、子どもにさわらせてあげるのは難しいです。

しかし、地面に落ちている椿や山茶花は気軽に拾えて遊びやすいと思います。

毒をもつ種類も多い植物ですが、椿と山茶花には毒もなく子どもも扱いやすいです。

実やタネを拾って遊ぶ

椿や山茶花の実や実が割れて出てくるタネは形がかわいくてきれいです。

子どもと一緒に探してみましょう。

落ちずに引っかかっているものなら、ツンツンとするだけで落ちてきます。

集めてそのまま飾っても子どもは喜びますし、リースの飾りにもなります。

椿の花でネックレス

まるごと落ちている椿の花に糸を針にとおして、真ん中のしべの部分に糸を通してつなげていくと、椿でできた頭や首にかけるハワイ風の飾り(レイ)がつくれます。

つるが見つかれば糸の代わりになりますが、なかったら針と糸でとおせば簡単でかわいくできます。

ぜひ子どもと一緒につくってみてください。

童謡『たきび』

山茶花は、童謡にもでてくる身近な花です。

最近は、たき火はできなくなっていますが、さざんか、さざんか、咲いた道♪の歌詞で有名な童謡『たきび』はすぐにメロディーが浮かんでくると思います。

山茶花は、住宅街の垣根に多いので、街を歩きながら歌うのも子どもの記憶に残って良いですね。

実際にたき火(焼き芋も)のできる地域なら、歌いながらたき火をすると楽しいです。

椿は鳥媒花

中学校の生態系の例でも椿がでてきますね。

花の受粉は、虫によって運ばれる虫媒花、風によって運ばれる風媒花、鳥によって運ばれる鳥媒花の3種類あります。

椿は、鳥に花粉を運んでもらう鳥媒花です。

鳥が頭を突っ込みやすいように、斜め下向きに花が咲きます。

中学の理科で習う鳥の鳥媒花の代表例として椿が使われています。

メジロやヒヨドリが首を突っ込み蜜を吸いにくるので観察してみてください。

「椿は鳥がくる木だよ」と子どもに教えてあげましょう。 

まとめ

昔は、焚火の匂いとともに思い浮かんだ山茶花が歌詞にでてくる童謡『たきび』も、焚火禁止条例がある今では知らない子どもが増えています。

子どもと「椿と山茶花、どっちかな?」と話しながら一緒に見たり、集まる鳥や虫を観察してみてください。

花びらや木の実で遊んだり、童謡を歌ったり、親子で楽しんだ思い出は、大人になっても咲いている花を見ると浮かんできます。

椿も山茶花も、世界に通じる有名な日本の花だと世代を超えて伝えていけたら良いなと思います。

ママライタープロフィール

tokami

9歳の息子と6歳の娘を持つ京都出身、福岡在住のママ。(※原稿執筆時)
Webサイト制作を中心にフリーランスで活動中。
上級睡眠健康指導士、株好きのFP2級でもある。
趣味は旅行、読書、牧場巡り。
最近、長男がバスケを始めた。


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