暑中見舞いは年賀状ほど普及していませんが、古くから日本に根付いている季節のご挨拶です。
暑中見舞いは、夏の暑い時期に身内や親戚、友人知人、取引先などに、健康を気遣うメッセージを送ります。
プライベートや仕事で暑中見舞いをもらったことがある方は多いかと思います。
しかし、暑中見舞いに対して、どのように返事をすれば良いのか悩んでいる方も多いかもしれません。
そこで、この記事では、暑中見舞いの返事の書き方やマナーをご紹介します。
暑中見舞いをもらったら返事を出すのがマナー
暑中見舞いや残暑見舞いを受け取ったら、返事をするのがマナーです。
メールでもらったらメールでの返信で構いませんが、手書きのはがきや封書でもらった場合は、礼儀として同じようにはがきや封書で手書きで書いた返事を郵送しましょう。
暑中見舞いや残暑見舞いに対して、暑い時期が過ぎて涼しくなってから返事をするのを避けるためにも、受け取ってからあまり時期を開けずに返事を出したいですね。
暑中見舞いを返す時期
暑中見舞いと残暑見舞いは、どちらも同じようなものと混同される方もいるかもしれません。
しかし、それぞれ異なる意味合いを持つ挨拶状であり、明確な分岐点となるのが二十四節気の立秋です。
二十四節気は、太陽を基準として一年を春夏秋冬に分け、さらに6つに分けたもので、春分や夏至、秋分や冬至などがあります。
このうち、暑中にあたるのが二十四節気の小暑と大暑にかけての期間です。
令和5年は、小暑が7月7日から、大暑が7月23日から、立秋は8月8日からです。
つまり、7月7日頃から8月7日までに届くものを暑中見舞いとし、立秋からは暦の季節では秋になるため、8月8日以降に届くものは残暑見舞いとします。
二十四節気の区分はその年ごとに日付が1日程度前後するため、その年の暦で確認してください。
暑中見舞いの返事の書き方
暑中見舞いの返事は、もらった暑中見舞いと同様の構成で構いません。
以下に、基本的な構成や注意点を解説します。
お見舞いの挨拶
まずは、どのような用件であるかがわかるように冒頭に「暑中お見舞い申し上げます」と、次に続く本文よりもやや大きめの文字で書きます。
暑中見舞いや残暑見舞いでは、相手が目上でも「拝啓」「敬具」などの頭語や結語は使いません。
ただし、「見舞う」は、相手より優位に立った表現と受け取られる場合があるため、目上の方には「暑中お伺い申し上げます」としたほうが無難です。
暑中見舞いのお礼
先に相手から暑中見舞いを受け取っているときは、まず暑中見舞いをもらったお礼を伝えましょう。
「ご丁寧に暑中見舞いをいただき、誠にありがとうございます」などのような、お礼の言葉を添えると丁寧です。
もちろん相手の関係性や文体に合わせて適宜変更してくださいね。
時候の挨拶・相手を気遣う言葉・近況報告
次に、いただいた暑中見舞いの内容を受けた挨拶や気遣いの言葉を入れましょう。
相手が元気であることを知らせてきたら「猛暑日が続いておりますがお元気でお過ごしとのこと、安心しました」と、安心や喜びの言葉を忘れずに。
また、自分の近況や体調にも触れましょう。
「おかげさまで私たち家族も、変わりなく過ごしております」と簡単に報告します。
相手の近況報告にキャンプに行ってきたと書いてあったら、「楽しいキャンプのお話を、ぜひ今度聞かせてください」などと入れましょう。
季節の挨拶状としてのやり取りなので、あまり詳しく長く書く必要はありません。
結びの挨拶・日付
本文の最後には、相手の健康や無事を祈る言葉で締めます。
「まだまだ暑い日が続きますが、くれぐれもご自愛くださいませ」などと入れると良いでしょう。
「ご自愛」は体を大切にするという意味なので、「お体をご自愛ください」は二重表現で間違いです。
日付は、具体的に何月何日と書く必要はありません。
暑中見舞いなら「2023年 盛夏」、処暑に入ってもう少しで立秋というときは「晩夏」が適しています。
残暑見舞いなら「立秋」としましょう。
マナーに厳格な方へ返事を書くときの注意点
本来であれば、季節の挨拶やお見舞い(お伺い)、お中元などは、目下の立場にある方が、お世話になった目上の方に向けて送るものです。
目上の方から先にもらって、それに対して返事をするという考えがそもそもありません。
このことで不快に感じる方は多くないと思いますが、マナーなどに厳しい方には暑中見舞いに対する「返事」として書いていいものか考えたほうが良いかもしれません。
もし目上の方から先に暑中見舞いをいただいた場合は、あえてお礼やお詫びなどの返事を入れなくても良いでしょう。
メールはOK?暑中見舞いの返事で気になるマナー
暑中見舞いや残暑見舞いにも、年賀状のように最低限守りたいマナーがあります。
相手に失礼にならないように以下の点に気をつけましょう。
忌中は避ける
年賀状と違って暑中見舞いはお祝いではないため、相手や自分が喪中でも、送ったりもらったりすることは何の問題もありません。
ただし、一般的に四十九日までの忌中は、なにかと慌ただしく悲しみが癒えていないこともあるでしょう。
忌中とわかっていて無理に暑中見舞いをやり取りする必要はありません。
忌明けでなおも暑さが厳しいような場合に、カラフルで派手なデザインを避け、落ち着いた色合いのお見舞いやお伺いの挨拶を送ると良いでしょう。
残暑見舞いの時期を過ぎたらお礼状として送る
暑中見舞いや残暑見舞いをもらったにも関わらず、仕事やプライベートで忙しかったり、長期に出かけていたりして、返事を出すのが残暑見舞いの時期を過ぎてしまうこともありますよね。
その場合は、「残暑お見舞い申し上げます」とは書かず、普通の挨拶状として返事を出しましょう。
冒頭に時候の挨拶を入れる場合は、「秋涼の候」「秋風の候」など、その時期にふさわしい言葉を選んでください。
メールの暑中見舞いにはメールで返事をしてOK
ビジネスや親しい方との間ではメールで暑中見舞いをもらうこともあるでしょう。
その場合は、メールで返事をして構いません。
相手から届いたメールに返信する形ではなく、新規作成で送ったほうがより丁寧で好印象です。
メールの件名には、ひと目で内容がわかるよう、「○○より 暑中お見舞い申し上げます」のように、自分の名前と暑中見舞いであることを明記します。
また、当然ですが、同じ文面で一斉メールで送るにしてもBCC扱いで送るのがマナーです。
ハガキで届いた暑中見舞いや残暑見舞いに対しては、相手を尊重してハガキで返事をしましょう。
まとめ
手軽にスマートフォンで連絡が取り合える時代になっても、季節の挨拶をやり取りする文化は残したいですね。
暑中見舞いをもらったら、暑い季節が終わる前の早めの行動が肝心です。
こちらの健康を気にかけてくれた心遣いに感謝して、相手に失礼にならないようマナーを守って返事を送りましょう。
毎年暑中見舞いをやり取りする目上の方には、できるだけこちらから先に送るようにしたいですね。
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