朝起きたらくしゃみを連発、一日中鼻水がズルズル、目もかゆくて、勉強するにも遊ぶにもスポーツするにも、花粉症が邪魔して集中できない!
そんなお子さんを見ていると「舌下免疫療法」を試してみたいと気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回は筆者の息子の体験談を交えて、花粉症の舌下免疫療法についてお伝えしていきます。
目次
舌下免疫療法とは
アレルギーの原因物質を少しずつ体内に取り込むことで、アレルギー反応を弱めていく治療法です。
現在は、スギ花粉症とダニアレルギーと診断された方が治療することができ、2018年から5歳から治療を受けられるようになりました。
1日1回、数年に渡り薬を服用することで8~9割の人の症状が改善すると言われています。
花粉症の舌下免疫療法を始められる時期
治療を開始できるのは、スギ花粉が飛んでいない6月~11月頃。
スギ花粉が飛散している時期は、アレルゲンに対する体の反応が過敏になっているため、開始できません。
治療できる期間は病院によって多少異なるので、詳しくは病院にお問い合わせください。
花粉症の舌下免疫療法で使う薬「シダキュア」とは?
スギ花粉を原料とするエキスから作られたもの。初めは少ない量から服用して体を慣らしていきます。
- 服用頻度:1日1回
- 薬の形状:溶けやすいタブレット錠剤
- 服用方法:舌の下に薬を置き、1分間保持した後、飲み込む
- 服用する際の注意点:服用後5分間はうがいや飲食は禁止
服用後の激しい運動や入浴など、体温が上がる行動は避ける
舌下免疫療法の副作用は?
シダキュアの主な副作用は次の通りです。
- 口の中の腫れ、かゆみ、不快感
- 喉の刺激感、不快感
- 耳のかゆみ
※非常にまれにアナフィラキシーが起きる可能性もある
服用開始当初に以下のような副作用があった場合でも、毎日薬を飲み続けることで抵抗力がつき、徐々に症状がなくなります。
舌下免疫療法のスケジュール
1.血液検査
まずは血液検査をして、スギ花粉症かどうかを確認します。血液検査の結果が出るまでに1週間程度かかります。
2.病院で初めての薬を服用
検査の結果、スギ花粉症であることが確定すると舌下免疫療法を始めることができます。
初回の薬は病院で服用します。
服用後は、副反応が出る可能性があるため、院内で30分間待機します。
3.1週間後、薬の量を増やして服用
1週間後に再び通院して、問題がなければ薬の量を増やす。自宅で毎日1錠服用。
4.最低3年間、月に1度、通院
その後は最低3年間、月に1度、通院します。
花粉症の舌下免疫療法の体験談
花粉症の舌下免疫療法を始めたきっかけ
筆者の息子は、現在中学一年生。
小学校の低学年頃から花粉の時期に鼻水・鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみを訴えていました。
年々症状がひどくなり、何をするにもつらい様子。
アレルギーの薬を服用しても完全に良くはならず、舌下免疫療法が気になっていました。
調べたところ、最低3年間薬を飲まなければいけない、毎月病院に通わなければいけないとのこと。
毎日のように部活があり忙しい中学生に毎月病院通いができるだろうかと危惧しましたが、息子本人が「この辛い症状を治したい!」と強く望んだため、治療を始めることに決めました。
1度目の通院、まずは血液検査
部活が休みで早く帰ってきた日があったので、急きょ病院へ行きました。
診察時間が18時までの病院へ着いたのは17時半頃。
一応、2年3カ月前に採血したアレルギーの検査結果を持って病院に行きましたが、息子の病院では、2年以内の検査結果が必要と言われ、再度血液検査することになりました。
また、舌下免疫療法をやる初日は説明などもあるため1時間~1時間半の時間が必要とのことで遅くとも16時半には来院してもらう必要があると言われました。
病院に行けばすぐに治療を始められると思ったので、とても残念に思いました。
2度目の通院は喉が赤くて始められず
なかなか病院へ行く日がない中、2度目に病院に行ったのは初回から一カ月ほど経過した頃。
この日は少し喉が痛いと言っていましたが、治療を開始できる可能性にかけて病院へ。
診察室に入ると前回採血したアレルギー検査の結果を渡されました。
案の定、スギ花粉の測定値が大きく陽性になっていました。
舌下免疫療法を始められるとの診断でしたが、診察の結果「喉が赤いですね。今日は見合わせて、また、体調の良い日に来てください」と言われました。
3度目の通院でやっと舌下免疫療法を開始!
部活や期末テストなどが重なり、さらに1カ月ほど経った頃、やっと病院に行くことができました。
その日は体調も万全だったため、無事に治療を開始することに。
始める前に、薬の飲み方、飲むタイミング、飲んだ後にしてはいけないこと、どんな副作用が出る可能性があるかについて、看護師さんから丁寧に説明され、説明書を渡されました。
「シダキュア2000JAU錠」という薬を舌の下に1分間保持し、その後飲み込みます。
この間、看護師さんが見守ってくれました。
薬を服用した後、病院で30分間待機する必要があるため、その間、もう一度薬に関する説明動画を視聴しました。
副作用は出なかったので、30分後に帰宅。1週間自宅で同じ量の薬を飲みましたが、特に副作用はありませんでした。
1週間後に4度目の通院、薬の量が増える
さらに1週間後、もう一度来院し、今度は、薬の量が増え「シダキュア5000JAU錠」を処方されました。
この薬は家に帰ってから服用とのこと。
「副作用が出たら、処方している抗アレルギー薬を飲んでください」と言われました。
(息子はアレルギー体質のため、日ごろから抗アレルギー薬を処方されていました)。
「万が一アナフィラキシーを起こしたら救急車を呼んでください」と言われました。
少し不安に思いながら自宅に帰りました。
自宅でシダキュア5000JAU錠を服用し、副作用が出る
自宅に帰ってから、シダキュア5000JAU錠を服用したところ、息子は今までにはなかった違和感を訴えました。
「喉がなんかモヤモヤする~、なんかかゆい感じ」と言い始めました。
症状が強くなるのではないかと思い、とても心配しましたが、30分ほどで治まってきたと言ったため、抗アレルギー薬は飲みませんでした。
次の日の服用時も心配しましたが、2日目以降、息子が副作用を訴えることはありませんでした。
後日病院で先生にお話したところ、「比較的副作用はよく出るんですけど、一日で治まって良かったですね」とのことでした。
月に一度通院
薬は1か月分しか出してもらえないため、最低3年間、月に一度通院する必要があります。
通院した際に、体調に変化がないかを確認します。
筆者の息子の病院では、本人が来られない時は保護者でも薬を出してもらえます。
最低3年間毎日薬を服用
シダキュアを舌の下に入れ、一分間保持した後、飲み込む、という服用方法を毎日一回、最低3年間続けます。
最初の頃は忘れがちだった薬の服用ですが、毎日同じ時間に飲むことで習慣づき、声をかけなくても忘れることはなくなりました。
花粉症の舌下免疫療法の効果
花粉症の舌下免疫療法を始めて4カ月が経ちました。
その結果、なんと見事に症状が改善!
くしゃみ、鼻水・鼻づまり、目のかゆみといった花粉症の特徴的な症状はほぼなくなりました。
花粉が多い日に、「少し喉が痛い感じ」と言う程度です。
始める時は面倒だと思いましたが、辛い症状から解放され、本人は「やってすごく良かった」と言っています。
花粉症の舌下免疫療法の注意点
- 治療を開始できるのは花粉が飛んでいない6月~11月頃
- 舌下免疫療法を始める際は、血液検査の結果が必要
- 治療の開始当初は、続けて病院に通う必要がある
- 小さな子どもの場合は、薬を舌の下に1分間保持するのが難しい
- 薬を飲み忘れる可能性があるため、毎日親の声かけが必要
- 月に一度、薬がなくなる前に通院する必要がある
まとめ
いかがでしたでしょうか。
結論から言うと、筆者の息子の場合は、舌下免疫療法を始めて本当に良かったです。
毎日薬を飲むこと、毎月病院に行くことが3年間続くことは確かに面倒くさいですが、これでこの先ずっと花粉症から息子が解放されるのであれば、やって良かったと心から思います。
ただし、これはあくまで個人の体験ですので、まずは医師に相談してみましょう。
この記事がこれから治療を始める方の参考になると幸いです。
ママライタープロフィール
高校3年生、中学1年生の子どもを育てる母です。(※原稿執筆時)
悩んで育てた子育ても佳境に入ったので、自分の活動を再開したいと模索中。
家事は「無理をしない」がモットー。
料理は時短で、掃除は見た目キレイで済ませます。
家族の休日は自分も休みたく、週末にはデパ地下総菜が並ぶズボラ母です。