賃貸住宅を探しているとき、間取りとともにキッチンの位置やタイプに注目して物件選びをする方は多いと思います。特に子育て世帯の場合、キッチンは調理のために熱源を扱う場所であるため、子どもの安全などにも配慮してキッチンを選びたいと考えているのではないでしょうか。
この記事では、賃貸住宅に備え付けられているキッチンのひとつ、「システムキッチン」の概要やメリット・デメリット、選び方のポイントなどをご紹介します。
システムキッチンとは
物件情報やテレビCMなどでよく見かけることが多いシステムキッチン。従来のキッチンとシステムキッチンはどう違うのでしょうか。
ここでは、システムキッチンの概要や、システムキッチンにも主に形による分類があることなどをご紹介します。
システムキッチンの概要
システムキッチンとは、シンクとガス(IH)コンロ、調理用の作業台がセットになっており、1枚につながった天板で構成されているキッチンです。
それに対しシンクやコンロ、作業台などが一体ではなく別々の構成となっているキッチンはセパレートキッチンと呼ばれます。
システムキッチンの種類
システムキッチンは、その形状や各部の配置によって複数の種類に分けられます。システムキッチンは主に、L型、I型、II型、U型の4種類です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
I型
コンロやシンク、作業台が一列に配置されている、一文字形状のシステムキッチンです。
スペースの有効活用ができることが特徴で、壁に沿って設置されるケースが一般的です。
L型
シンクとコンロが直角に配置され、その間の角にあたるスペースを作業台としたL字の形状のシステムキッチンです。
家事をする際の導線が短いため、作業効率がよい点が特徴です。両面を壁付けして設置する方法と、L字形状の一辺を壁付けにして、もう一辺がカウンターを兼ねた対面式の形に設置する方法があります。
U型
コンロとシンクをL型に配置し、もう一辺細長い作業台スペースを設けてU字の形状にしたシステムキッチンです。
「コの字型」とも呼ばれます。ダイニングキッチンに設置しても、キッチン部分がほぼ独立した空間になるため、生活感が出すぎない点が特徴です。
II型
コンロと作業スペースを兼ねた1台と、シンクとカウンターを兼ねた1台が並列する形で配置されるシステムキッチンです。
コンロ・作業スペースの台を壁付けにし、シンク・カウンターをアイランド型に設置するケースが一般的です。
シンク作業とコンロ作業を並行する際も振り返るだけでよく、身体移動が少なく済む点が特徴です。
システムキッチンの耐用年数
システムキッチンを含む家庭用キッチンの耐用年数の目安は、約20年とされています。
システムキッチンのメリット
家族がシステムキッチンを選ぶメリットは、子どもの安全性に関わる面が挙げられます。
現代のシステムキッチンは、安全性に配慮された設計がされており、事故に遭う危険も最小限に抑えられています。
またIHコンロが備え付けられたシステムキッチンがある物件を選べば、火を使わないので火事のリスクや子どもの危険もさらに減らせます。
システムキッチンに子どもを近づけたくない場合は、U型やII型のキッチンならベビーゲートを取り付けやすく、安全対策のための間仕切りが楽です。
子どもからお年寄りまで、家族みんなが安心できるのが嬉しいポイントです。
システムキッチンのデメリット
システムキッチンは使いやすく安全性への配慮もしやすいですが、デメリットを挙げるとすれば、修理やリフォームが大がかりになる点です。
賃貸住宅のシステムキッチンをリフォームする際は金銭面の心配はありませんが、工期が長くなればその間の暮らしに支障が出ます。
システムキッチンの失敗しない選び方
賃貸物件を探す際、システムキッチンを条件にあげる家族は多いと思います。
特に小さな子どもがいる場合は、システムキッチンの熱源がガス火かIHかは検討が必要です。
火災のリスクを抑えることを最優先にするなら、安全のためにIHコンロのシステムキッチンを選択するのがおすすめです。
しかし、調理時に強い火力を求める料理好きの家族は、ガス火を考えているケースもあるかもしれません。
その場合は、子どもが小さなうちから火の危険を教えるなど、あえてガス火の安全利用を考える前向きな心がけで選びましょう。
リフォームする場合
賃貸に暮らす場合は、設備の老朽化にともなう改修は基本的に大家がおこないます。自費でシステムキッチンを入れ替える必要はほぼないかもしれませんが、システムキッチンの入れ替え費用についても触れておきます。
同じ設置場所で、同じ種類のシステムキッチンに入れ替える場合(I型→I型など)にかかる費用の目安は、50万円~100万円ほどです。
ただし、壁付けのシステムキッチンを対面式に変更するなど、レイアウトを大幅に変更する場合は100万円~200万円ほどかかることもあります。
賃貸住宅の設備改修については、事前に必ず大家さんと相談する機会があると思います。
基本的には同じ場所に同じタイプのキッチンを入れ替えることが多いでしょう。
水回りの配管移設などが必要となるレイアウト変更を申し出ても、配管の位置が決まっているマンションやアパートの場合、費用以前に変更が難しいこともあります。
まとめ
自宅で料理をする機会も多く、家族でおいしい食事を楽しみたい子育て世帯。
調理や片付けがしやすく、お手入れも楽なシステムキッチンは、賃貸物件を探す際も欠かせない条件として人気です。
小さな子どもがいる場合は、安全性にこだわったシステムキッチンを選ぶ必要があります。
可能であれば内見のときに、キッチンを自分の目で確認するなど、慎重に物件探しをしましょう。
子どもの学校周辺で賃貸を探す時は、ママ賃貸がオススメです。