【びっくり】プールで目を洗うあの蛇口。洗眼器はもう存在しない!?

プールの洗眼器

プールサイドに設置されている目を洗う蛇口をご存じでしょうか?

子どもの頃に、プールのあと洗眼するために使った経験のある方も多いかもしれません。

当時は当たり前のように使われていましたが、近頃はほとんどのプールで目を洗う姿を見かけなくなっています。

洗眼器の存在が消えつつあるのは、一体なぜなのでしょうか?

この記事では、洗眼器が使われなくなった理由や目に関する現在の考え方をご紹介します。

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プールサイドの目を洗う蛇口は過去の遺産

プールサイドに目を洗うための蛇口として設置されている洗眼器。

昭和や平成初期の子どもたちはプールのあとに目を洗うよう指導されていたことから、ママ・パパ世代の多くは使ったことがあるのではないでしょうか?

当時は当たり前のように使われていた洗眼器ですが、現在の学校やスイミングスクールでは洗眼指導をおこなわなくなっています。

そのため、洗眼器で目を洗ったことがない、使い方を知らない子がほとんどです。

プールのあとに洗眼器で目を洗う子どもの姿は、現代では珍しい光景となっています。

なぜプールのあとに目を洗っていたのか?

プール

昭和・平成初期に洗眼器が使われていたのには、目に入ったプールの塩素を洗い流すため、感染症を予防するためでした。

当時はプールの塩素消毒が現在ほど十分でなく、ゴーグルの使用も一般的ではありませんでした。

そのため、プールの塩素を水道水で洗い流し、流行性結膜炎や咽喉性結膜炎などの感染症を予防するために洗眼が必要だったのです。

子どもたちの目を守るために洗眼がおこなわれていましたが、現在は塩素管理が徹底され、ゴーグルの使用も一般的になってきています。

プールや子どもたちへの衛生管理が十分おこなわれていることから、現在は洗眼の必要性が減ったといえるでしょう。

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洗眼器が使われなくなった理由

洗眼器が使われなくなった理由には、目の健康に対する認識の変化も関係しています。

日本眼科医会学校保健部の眼科学校保健資料集では、プール後の洗眼により、目の表面を保護するムチンが減少し、角膜上皮のバリア機能が障害されたという実験結果が報告されています。

この実験は、50秒間洗眼をおこなった場合の結果であるため、何秒で目に影響がでるかは定かでありません。

しかし、洗眼を繰り返すことで目の健康を保つ物質が取り去られ、角膜の状態を悪化させる可能性があります。

このような見解から、洗眼を繰り返すことがかえって目に良くないとわかり、学校やスイミングスクールでの指導も変わりました。

プールと目に関する現在の考え方

日本眼科医会学校保健部の眼科学校保健資料集では、プール後の洗眼とゴーグル使用について以下の見解を示しています。

プールにはゴーグル使用が望ましい。またプール後の水道水による簡単な洗眼は行って良いが,積極的に推奨するものではない。なお児童生徒の体質によっては,学校医の指導のもと,プール後に防腐剤無添加の人工涙液の点眼や,簡単に水道水で目のまわりを洗うなどの対応も必要である。

※引用:
プール後の洗眼とゴーグル使用についての学校保健部見解│日本眼科医会学校保健部

このような見解から、現在は学校のプール指導においてゴーグルの使用が推奨されています。

水に慣れるための教育的配慮などから実施される、ゴーグルを使用しない水泳指導は、短時間にすべきという見解が示されました。

現在は、洗眼器で目を洗うことは推奨されておらず、洗うなら数秒以内に留めることや、角膜の安全を考慮すれば、洗眼ではなく人口涙液による点眼も好ましい対応であると記載されています。

「目を洗ってはいけない」わけではない

バツ印をする女の子

現在は洗眼器が推奨されていないとはいっても、目を洗うこと自体が危険なわけではありません。

工場などで有機溶剤が目に入った場合などは、受診前の応急措置として使用するために洗眼器が設置されています。

家庭でも、シャンプーが目に入ったときは水で洗い流すことが大切です。

目に異物が入ったときや花粉症が辛いとき、目やにが多いときなども洗眼は有効な手段といえます。

洗眼は、目に異物が入ったときに数秒洗い流すなど、必要があるときにおこなうのであれば問題ありません。

ただし、必要以上におこなうと角膜の状態を悪化させる危険があるため避けましょう。

※参考:
洗眼の功罪 | 川本眼科(名古屋市南区)

プール後に目薬を使った方がいい?

目薬点眼

洗眼の必要性が減ったといっても、プール後に目の乾燥や充血が起きる場合もあります。

洗眼を数秒に留めたほうが良いのはわかっても、子どもが適切にできるかどうかわかりませんよね。

実際に、プール後はどうすべきか、目薬を使用したほうが良いのでは?と迷うママもいるでしょう。

洗眼の代わりに目薬を使用する場合は、防腐剤無添加の人口涙液を点眼する方法が好ましいと考えられています。

ただし、学校など親がいないところで使用する場合には、事前に子どもが自分で扱えるよう使い方を教え、衛生面に配慮し使いきりタイプを選ぶことが大切です。

しかし、目薬を使えば安心とは言い切れません。

あくまでも必要に応じて使い、目に異常があった場合はすぐに眼科を受診しましょう。

※参考:
プールの後の洗眼と目薬 | 医療法人とつか眼科

洗眼器とともに姿を消した「腰洗い槽」

洗眼器とともに、腰洗い槽も姿を消しているのをご存じでしょうか?

腰洗い槽は、プール熱などの感染症を予防するためや、水質管理の一環として使用されていました。

しかし、プールの汚れは人の体についた雑菌だけでなく、木の葉や虫、ほこり、草花の胞子など、さまざまなものが入り込むことで生じます。

そのため、現在は95%以上の学校にろ過装置が設置され、プールの汚れをろ過し、消毒剤で病原菌を滅菌して浄化する方法が一般的です。

ろ過装置のある学校では腰洗い槽を使う必要がないため、洗眼器とともに使われなくなっています。

なお、ろ過装置がない学校では腰洗い槽の使用が望ましいとされており、現在も使っている学校がわずかに残っています。

※参考:
学校環境衛生管理マニュアル 「学校環境衛生基準」の理論と実践[平成30年度改訂版]

まとめ

プールで目を洗うために使用していた洗眼器と呼ばれる蛇口は、目の塩素を洗い流すためや感染症予防として使用されていました。

時代の変化とともに、現在は水道水で必要以上に目を洗うことが良くないとわかり、目の健康に対する認識が変わったことなども関係して、プール後の洗眼は推奨されなくなっています。

しかし、洗い過ぎは良くないものの、異物が入ったときなどはすぐに洗い流すことが大切です。

目を洗ってはいけないと考えるのではなく、必要に応じて洗い、心配なら防腐剤無添加の人口涙液を点眼するのも方法の一つとして柔軟に対応していきましょう。

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