お正月準備の一つでもある「お年玉」の用意。
「子どもの頃は毎年お年玉をもらうのが楽しみだった」という方も多いでしょうが、いざ自分がお年玉をあげる立場になると、金額の相場がわからず戸惑ってしまいますよね。
そこでこの記事では、お年玉は何歳くらいまであげるものなのか、年齢別にどれくらいの金額あげるべきかなど、皆さんが悩みやすいお年玉の相場やお年玉事情についてまとめました。
子どもへのお年玉は何歳まで渡す?
「お年玉は子どもにあげるもの」なのは、多くの方が知っているでしょう。
しかし、一口に「子ども」といっても、お年玉をあげる子どもの年齢は何歳から何歳までを指すものでしょうか?
まずはお年玉をあげる子どもの一般的な年齢や、親戚の子どもにお年玉をあげるべきかなど、お年玉の気になる疑問について詳しく解説します。
何歳から何歳までお年玉をあげる?
「お年玉をあげる子どもの年齢はいつからいつまで」と、明確な決まりがあるわけではありません。
しかし、一般的には入学前の5〜6歳頃から高校を卒業する年(17〜18歳頃)、または20歳頃までお年玉をあげる、というケースが多いようです。
しかし、一般的には5歳頃から高校を卒業する年、または成人するまでお年玉をあげる、というケースが多いようです。
理由は、ある程度お金の意味や価値が理解できるようになる年齢から始め、自分でお金を稼げる年齢まで渡すことが目安になるからです。
もちろん「◯歳の子どもにお年玉をあげるのはNG」という決まりはないので、各家庭の事情に合わせてお年玉をあげる年齢を決めてくださいね。
親戚の子や甥や姪にあげる?(相手の親と要相談)
親戚に子どもが生まれた、または初めて甥っ子や姪っ子ができた、という場合、お年玉をあげるべきか悩む方も多いのではないでしょうか?
親族に子どもが生まれた場合は、お正月を迎える前にお年玉をどうするか、身近な親族間や兄弟間で相談しておくといいでしょう。
「何歳からお年玉をあげるか」「お年玉をあげる親族の子どもの範囲はどこまでか」など、親族内でのお年玉のルールを事前に決めておくと安心です。
また、親族が多い場合は誰にお年玉を渡したか、もらう側であればどの親族からお年玉をもらったか、親が混乱してしまうことがよくあります。
そのような場合は、ぽち袋の表面にお年玉を渡す子どもの名前を書き、裏面には自分の名前を書くなどの工夫をして、予期せぬお年玉トラブルを防ぐようにしましょう。
兄弟間で差をつける?
子どもの兄弟の人数が多いと、兄弟間でお年玉の金額に差をつけたほうがいいのか気になる方もいるでしょう。
兄弟間でお年玉に差をつけるかどうかは各家庭によってさまざまですが、おすすめなのはあらかじめお年玉の金額に関する方式を決めておくことです。
- 年齢×500円の額を渡す
- 2歳差くらいまでなら同じ金額で揃える
- 1家庭1万円ずつとして、兄弟の数で割る
このような方式を家庭内で決めておくと、年末に慌てることなく、スムーズにお年玉の用意ができますよ。
赤ちゃんや幼児はどうする?
一般的には5歳からお年玉をあげるケースが多いお年玉ですが、場合によっては赤ちゃんや5歳未満の幼児に渡すこともあるでしょう。
しかし、赤ちゃんや小さい子どもはまだお金の使い方もわからないので、家庭内や親戚間で話し合って、事前にあげるのかあげないのかや金額を決めるのがおすすめです。
親戚の赤ちゃんにお年玉をあげる場合は、直接本人には手渡さず両親に預けるのがベストです。
3、4歳頃なら手渡しでも良いですが、金額も500円〜1,000円程の少額で良いでしょう。
また、お金の意味や価値を理解できない年齢なら、お金ではなくプレゼントを贈るほうが喜ばれるかもしれません。
値が張るものではなく、お互い気を遣わずに済むようなアイテムを選びたいもの。
例えば、絵本、図書カード、お菓子の詰め合わせ、靴下、おもちゃなどを贈ると良いでしょう。
プレゼントを贈る前に、持っている絵本、好きなキャラクター、アレルギーの有無などの確認も忘れずにすると良いですね。
自分の子どもへお年玉をあげる場合は、子ども名義の口座を開設し、貯金しておくという方法もあります。
【年齢別】お年玉の金額相場を紹介
「お年玉っていくら位あげるべき?」「もしかしてうちってお年玉をあげ過ぎてる?」など、お年玉の金額相場はどの家庭でも気になるところでしょう。
住信SBIネット銀行の「2021年 お年玉に関する意識調査」に基づいて、一般的なお年玉の相場について解説します。
年齢別にお年玉の平均額や相場を分けて紹介するので、ぜひ参考にして下さい。
参考:住信SBIネット銀行「2021年 お年玉に関する意識調査」
幼稚園・保育園児にあげるお年玉額の相場
小学生以下の幼稚園・保育園児にあげるお年玉額の相場は、1,000円~3,000円が一般的なようです。
40%近くの人が1,000円以下、約30%の人が1,001円~3,000円を金額と定めていることがわかりました。3,001円~5,000円を渡している人も20%近くいました。
しかし、上述したように、年齢が低い子どもはまだお金の使い方がわからず、お年玉をもらっても親がそのまま子どもの貯金に回す、というケースも少なくありません。
そのため、3歳くらいまでの子どもにはお年玉の代わりに絵本やおもちゃをあげる人も多いようです。
絵本やおもちゃであれば小さな子どもでも受け取ったその場で楽しく遊ぶことができるので、お年玉の代替案のひとつとして検討してみるのもいいかもしれませんね。
低学年の小学生にあげるお年玉額の相場
小学校低学年(1~3年生)にあげるお年玉額の相場は、1,001円~3,000円が約40%、3,001~5,000円が約30%でした。
小学生になると、硬貨でお年玉をあげることがグンと減ります。
学年によって金額を決める家庭も多く、1年生なら1,000円、2年生なら2,000円、3年生なら3,000円と徐々に増額していくケースもあります。
これなら、小学生同士の兄弟がいる場合でも「学年が上がる毎に金額も上がるよ」と伝えることで、金額が多い少ないで喧嘩になることも防げます。
地域によっては、2,000円は割り切れる数字なので縁起が悪いとされ、1,000円もしくは3,000円にすることもあるそうです。
しかし、一般的に「偶数は縁起が悪い」とされるのは結婚式のご祝儀の場合なので、お年玉に2,000円をあげるのはマナー違反とはならないでしょう。
高学年の小学生にあげるお年玉額の相場
小学校高学年(4~6年生)の場合は、3,001円~5,000円が約45%、5,001円~10,000円が約25%を占めました。
小学生とはいえ、まだ幼児感が残る低学年と、心身ともにしっかりしてくる高学年では、お年玉の相場に差が見られるようです。
また、高学年は学年が上がっても金額を上げず、毎年3,000円をあげるケースもあります。
高学年になるとお金の価値を理解できたり、自分で買いたい物が出てきたりと、子どもながらに自我が出てくるものです。
行動範囲も広がり、友達同士で買い物に出かける機会も増えます。
正しい金銭感覚を養い始めたい時期でもあるので、親から子どもへお年玉を渡す際は、無駄使いせずに計画的にお金を使うことの大切さを伝えるようにすると良いでしょう。
近年ではあまりうるさく言われませんが、世代によっては「上一桁が偶数」「4は死を連想する」などの忌み数は縁起が悪いと考える方もいますので、4,000円は避けた方が良い場合もあります。
これは冠婚葬祭でのマナーなのでお年玉では特に意識する必要はありませんが、相手との関係性や性格などを考慮することで、失礼に当たることは防げるかもしれません。
中学生にあげるお年玉額の相場
中学生にあげるお年玉額の相場は、3,001円~5,000円が約30%、5,001円~10,000円が50%近い結果となりました。
また、小学生までは10%以下であった10,001円~30,000円という回答が約10%に増えており、高額なお年玉をもらっている中学生も少なくないようです。
中学生にもなると友達付き合いがさらに広くなり、親の目の行き届かないところでお金を使う機会もぐんと増えてきます。
親戚が多く、中学生の子どもが何万円ものお年玉をもらっているという家庭は、「中1なら1万円、中3なら2万円まで使ってOK」など、家庭内であらかじめお年玉のルールを定めておくのもいいでしょう。
高校生にあげるお年玉額の相場
高校生にあげるお年玉額の相場は、5,001円~10,000円が約50%、次に10,001円~30,000円が約20%と続いています。
小中学生と比べて、高校生になるとお年玉の相場が一気に上がることがわかりますね。
親戚の子どもに高校生がいる場合、お年玉を渡そうとしても「うちでは高校生はもう大人という認識だから、お年玉はいらないよ」と、親からお年玉の受け取りをお断りされることもあるかもしれません。
お年玉をお断りされた場合は無理強いはせず、頃合いを見てお年玉を終わりにするのも選択肢のひとつです。
ただし、その場合は自分の子どもが高校生になった時にもお年玉を受け取らないようにするなど、親族間であっても相手に失礼がないように心がけましょう。
大学生にあげるお年玉額の相場
大学生にあげるお年玉額の相場は、5,001円~10,000円が50%近く、10,001円~30,000円が30%超えです。
大学生は子どもと大人の分かれ目なので、お年玉をあげるべきか、もらうべきか迷うこともあるでしょう。
一般的には、社会人になるまでの学生の間はお年玉をあげようと考える人が半数近くいます。
その反面、大学生は大人扱いされ、高校を卒業と同時にお年玉を終わりにする方も多いようです。
また、大学生というより20歳を一つの区切りとして考える方もいます。
お年玉額についても、大学生は成人しているのだから高校生3年生よりも金額を増やそうと考えるケースと、成人しているのだからほんの気持ちだけで十分だと考え金額を減らすケースがあります。
地元から離れた大学に通っている場合は、帰省できずにお年玉をもらえなかったということもあるようです。
いずれにせよ、大学生のお年玉はあげる人の考え方によって異なるといえます。
高校生と同様に大学生の場合もお断りされたら無理強いはせず、お年玉を終わりにするのが無難です。
地域によって差がある?お年玉の全国平均
スマートフォンアプリ「ウェザーニュース」が、2022年1月に7,105人に向けて行ったお年玉による出費額の調査によると、お年玉の出費額相場は地域によって差が見られることがわかりました。
都道府県ごとのランキングを見てみると、一番太っ腹なのは徳島県で16,656円、一番財布の紐が堅いのは岩手県で5,516円という結果に。
地域によって1万円近くも差があるとは驚きですね。
また、西日本の地域ほどお年玉の出費額相場が平均より高い県が多く、北日本の地域は平均額よりお年玉の出費額相場が少ない県が多いなど、興味深いデータも見られました。
ちなみに、2021年に一番太っ腹だった石川県は、12,877円で6位に。一番財布の紐が堅かった秋田県は8040円で41位となりました。
参考:ウェザーニュース「お年玉出費の全国1位は徳島県 金額は減少傾向続く」
まとめ:地域差や家庭差も大きいので柔軟に
お年玉の相場は地域差や家庭差もあるので、あまり気にし過ぎなくてもいいかもしれません。
ただし、結婚後は夫婦間でお互いの意識をすり合わせておくこと、孫や甥姪にお年玉をあげる際は、サプライズより大人同士で事前確認しておくことが大切です。
今回の記事で紹介した内容も参考にしながら、自分たちの家庭に合ったお年玉額を決められるといいですね。