クリスマスが過ぎると、お正月の準備が始まりますね。
家をお正月らしく彩りたい方に、おすすめの花とお正月の伝統をご紹介します。
お正月に飾る花を詳しく知らない方も多いと思います。
おめでたいイメージがある松竹梅を初め、日本に伝わる伝統の花を子どもと一緒に飾って、すてきなお正月を迎えましょう!
こちらの記事は本多るみ先生に取材し執筆しました。
お正月に飾る伝統的な花とは
お正月に飾る花の種類や場所には、受け継がれてきた伝統があります。
お正月の飾りは12月30日までに準備しなければいけないと昔からいわれていますが、年末はなかなか忙しいですよね。
準備が遅れる一夜飾りが伝統的には縁起が悪くても、おこなえば子どもにお正月の伝統が伝えられますし、雰囲気も一緒に感じられます。
遅れても気負わずに、毎年の行事として子どもとおこなって欲しいと思います。
また、寒い季節の切り花は、2週間〜1ヵ月ほど楽しめます。
クリスマスを終えた最後の1週間で、花屋さんもお正月仕様にチェンジするので、クリスマスが終わったら子どもと一緒に見に行ってみましょう。
マンションやアパートでも大丈夫!飾りやすい門松(門扉)
松は「神が降りる場」として昔から重視されてきました。
大型の門松は竹3本を松で包んで、さらに藁で包み、梅を飾った大きい置物ですが、今の時代、自宅に飾る方はあまり見かけません。
スーパーで一般的に売られている門松は松の枝が2本入っていて、大きさは1〜1.2メートルほどなので結構大きいです。
花屋さんには大型の門松以外にも、飾りやすい松の小枝が売られています。
50〜60センチメートルほどの小枝2本が数百円で手に入るので、この松の枝を門扉の両側にくくりつけても大丈夫です。
門扉がない場合は、マンションのポーチやアパートの玄関扉両脇に粘着式のフックをつけて紐でくくるとつけられます。
「松を飾ると神様が来てくれるんだよ」と子どもに声をかけながら、一緒に準備をしてみてください。
今時のおしゃれなものもある♪しめ飾り(玄関)
しめ飾りの種類には、玉飾りや輪飾りがあります。
日本の神様は、八百万(やおよろず)の神様なのでひとりではありません。
しめ飾りも神様に来てもらうための印で、玄関に立派な飾りをつけたあと、トイレに水の神様、調理場に火の神様、などあちこちに小さなしめ飾りを飾ります。
昔に比べ、今は家が小さいので玄関にあれば良いかなとも思いますが、子どもと一緒に買いに行き説明しながらさまざまな場所に飾りつけると意外と覚えていて後世に伝えてくれます。
雑貨屋で見るおしゃれな和風リースようなしめ飾りではなく、生の稲穂をくるっと丸めてしだの葉をつけた(うらじろといいます)簡素な和飾りを祖父母は伝統的に買ってきますが、こちらにこだわらなくても大丈夫です。
また、生の稲わらの輪飾りとうらじろが花屋さんで売られています。
雑貨屋さんのしめ飾りも可愛くて良いですが、花屋さんのしめ飾りは藁をもぎって作っているので良い香りがしておすすめです。
お正月を彩る切り花(室内)
門扉に門松、玄関や室内に稲や藁でつくったしめ飾りを飾ったら、床の間や室内に鏡餅と生花を飾ります。
昔の家では一般的だった床の間ですが、今は旅館でしか見かけないかもしれません。
現代は、床の間がない家のほうが多いので、お正月はリビングや玄関に松を入れた切り花を飾りましょう。
次項でさらに詳しくお正月の切り花の説明をします。
お正月に室内を飾る切り花の基本
室内に飾る生花の基本は有名な松竹梅ではなく、松と千両と菊です。
松竹梅は玄関の外に置き、室内には松と千両と菊を飾ります。
松は神様が降りる場として、屋内外どちらにも使用します。
お正月は、さまざまな花が使われますが、基本の花をご紹介します。
松
神様が降り立つといわれている松ですが、花屋さんに行くとさまざまな種類が売られているのでご紹介します。
松の種類を知ると、子どもと一緒に花屋さんで見比べるのがおもしろくなります。
まっすぐな1本枝「若松・からげ松」
若松とからげ松はまっすぐ長く伸びた1本枝の松です。
若松は、一般的な門松に使われます。
からげ松のほうが小さく、50〜60センチメートルほどの小枝です。
葉が長く華やか「大王松」
大王松は、生け花の作品で見たことがあるかもしれません。
松の葉は、通常つんつんと直線で生えていますが、大王松は葉が30センチメートルほどでとても長いため、重くしだれています。
葉が広がり華やかでゴージャスな見た目です。
花屋さんに売っている枝は1000〜5000円と高めですが、先のふさ一塊だけだと500円ほどで買えるので飾りやすいです。
根がついた「根引松」
根引松は、根がついていて盆栽のような形状でカクカクしている松です。
まっすぐの枝ではなく、かっこよくて雰囲気がでます。
70センチメートルほどで売られていることが多いですが切って使っても大丈夫です。
洋風の家にも合う「五葉松(ごようまつ)」
五葉松は、もみの木のように青白くて葉が短い松です。
葉の色が特徴的で根引松は黄緑系ですが、五葉松は青緑系で少し洋風な雰囲気が出ます。
洋風の家にも合い、飾るとおしゃれな感じでおすすめです。
クリーム色が映える「蛇の目松(じゃのめまつ)」
蛇の目松は、針葉が緑とクリーム色にわかれています。
根元がクリーム色の斑入りで、名前のとおり蛇の目のように見えて個性的です。
また、カクカクした枝で華やかな印象です。
千両
実がついているものは縁起が良いといわれています。
お正月の1週間前に花屋さんで売られている赤い実がついた枝が一般的には千両です。
十両・百両・千両・万両があり、切り花は千両、鉢植えは万両が主流です。
千両の根付はあまり出回っていませんが、昭和を感じる庭には千両があることが多いです。
実が落ちやすく、水が下がりやすい(水を吸わず、萎れやすい)ので扱いにくくて飾りにくいかもしれません。
千両は大きすぎて飾りにくい、また長持ちして欲しいと思う方は、他にも実がついているものが花屋さんに売っているので、そちらを代わりにするのもおすすめです。
菊
菊は日本の国花であり、とても縁起が良い花です。
菊はお葬式のイメージが強く、縁起が悪いと思われている方もいます。
しかし、菊をお葬式に使用する理由は、最も格が高い花だからです。
もちろん、おめでたいときにも使いますが、現代はお葬式以外に花を飾る機会がなくなったため、間違った印象を持ってしまうようです。
菊には、さまざまな品種があり、なかには菊だといわれなければわからないほどきれいな花が売られています。
花屋さんに年中置いてありますが、特にお正月はたくさん取り扱われています。
大輪のほか小輪の枝咲きもあり美しく、とても長持ちするのでおすすめです。
他の花を飾っても大丈夫!その他のおすすめの花
お正月に飾る花には伝統がありますが、自分や子どもの好きな花を入れて飾っても大丈夫です!
花屋さんがお正月用にまとめた切り花のセットをそのまま飾っても良いですし、今回紹介した伝統的な花以外にも季節の花が並んでいます。
花屋さんで子どもが選んだものを入れて合わせてもらうと、子どもはすごく喜ぶため、お正月の準備を楽しく伝えられますね。
日本らしさが出る花
日本のお正月らしさを大切にしたい方は、和風な花でまとめると日本らしくなります。
枝ものや、葉牡丹、ユリなど日本の花を選んでみましょう。
伝統を大切にしながら、現代の暮らしに合わせた楽しみ方ができると良いですね。
カチカチにこだわらずに「お正月だから松を入れて飾ろうか」という感じで良いと思います。
現代に合うように洋花もお好みで
クリスマスが終わったら、春の花も花屋さんに出始めます。
子どもが好きなチューリップやフリージア、スイートピーなどの洋風な花も意外と松に合い可愛いです。
子どもは馴染みがあるチューリップを選びがちですが、意外ときれいな菊も選んでくれます。
花屋さんに親子で足を運んでみると、子どもによって好みも出ますし楽しいです。
子どもが選んだ花も入れてあげて、家族でお正月を迎えたいですね。
お正月飾りの終わりとまとめ
※著者提供写真
お正月の飾りは、1月7日(地方によっては15日)に門松やしめ飾りをはずして、どんど焼きで燃やすのが一般的です。
難しい場合は、燃えるゴミでも出せますが、気分的にためらう場合は神社の境内で燃やしてもらいましょう。
神社にはお焚き上げコーナーがあり、奉納できます。
お正月は、昔とまったく同じ方法で迎える必要はないので、多忙なら無理をせず大晦日や元日に飾っても良いと思います。
できる範囲でお正月の伝統を子どもに伝えていきたいですね。
庭に、お正月に使える菊や水仙が咲いていたり、松や千両がある家もあります。
子どもと一緒にお正月の準備を楽しく体験できると、子どもが親になったとき、次の世代に伝えてくれます。
お正月はお年玉だけじゃないよ!と、ぜひ子どもに教えてあげてください。
ママライタープロフィール
9歳の息子と6歳の娘を持つ京都出身、福岡在住のママ。
趣味は旅行、読書、牧場巡り。10年間、睡眠専門医療機関でSEを担当していたのでIT関連は得意。
上級睡眠健康指導士。デザインを学び、現在は開業してWebサイト制作を中心に活動中。株好きのFP2級でもある。
子どももクリエイティブなので一緒に絵を描いたりゲームを作りたい。最近、長男がバスケを始めた。
(※原稿執筆時)