お正月のしめ縄飾りにはどんな意味がある?神社のしめ縄との違いとは?

お正月のしめ縄飾りにはどんな意味がある?神社のしめ縄との違いとは?

お正月に玄関や神棚に飾る、しめ縄飾り(しめ飾り)。

しめ縄飾りを飾ることはあっても、なぜ飾るのか理由まではわからない方も多いのではないでしょうか。

ここでは、しめ縄の意味や、神社のしめ縄とお正月に飾るしめ飾りの違いを解説します。

子どもに説明する方法も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

しめ縄やしめ飾りとは?意味や由来

しめ縄やしめ飾りとは?意味や由来

神社に飾られていたりお正月に自宅の玄関に飾ったりするしめ縄には、どのような意味があるのでしょうか。

しめ縄の由来から子どもへの説明の仕方まで紹介します。

しめ縄って?どのような意味や役割がある?

しめ縄は、神様がいる神聖な場所と、それ以外の部分を区別する結界の役割を果たしています。

神社の拝殿や鳥居に取り付けられているのはそのためです。

しめ縄がある場所には不浄のものや悪霊が入らないとされているため、魔除けのような役割もあります。

お正月にしめ縄を玄関に飾るのは、その家が歳神様(としがみさま)を迎えるのにふさわしい場所であることを示すため。

昔の人は、ご先祖様の霊が山や田んぼの神となり、お正月に歳神様になってやってくると信じていました。

その風習から、神様をお迎えするためにしめ縄を飾り、神聖な場所に整えているのです。

しめ縄の由来や歴史

日本神話のなかに、天照大御神(あまてらすおおみかみ、アマテラス)という太陽の女神が「天の岩戸」と呼ばれる洞窟に身を隠してしまい、世界が闇に包まれ多くの災いが起こった話があります。

困った他の神々は、アマテラスを天の岩戸から引き出そうと協力し、なんとかアマテラスを外に連れ出すことに成功。

その際、アマテラスが二度と天の岩戸に入ることのないようしめ縄で塞いだのが、しめ縄の起源とされています。

しめ縄の「しめ」には「占める」という意味が込められており、神の占める場所、すなわち神域であることを表しています。

正月のしめ飾りとは?意味や由来

お正月に飾るしめ飾りも、しめ縄と同じく聖域を表すものです。

しめ飾りと神社のしめ縄の異なる点は、飾りつけがあるかどうか。

縁起の良い飾りをつけることで、歳神様を迎えるおめでたい気持ちや、飢饉にならないことを願う気持ちを表していると考えられています。

神社にあるしめ縄としめ飾りの違い

お正月に山から降りてくると考えられている歳神様は、神社に祀られている神様とは別の神様です。

歳神様とは、来訪神や穀物神、歳徳神などとも呼ばれ、地域で古くから信仰されてきた神様を指します。

神道が普及する以前から拝められていた神様で、穀物の神様だったり祖先の霊だったりと、歳神様の解釈は地域によってさまざま。

いずれの神様もお正月に山から降りてくるため、木々の葉や縁起物をあしらうことでお迎えの気持ちを表しています。

子どもへの伝え方

子どもにしめ縄を飾る理由を伝える際は、簡単な単語を使ってわかりやすく説明してあげましょう。

「神社にあるしめ縄は、『ここに神様がいるよ』と周りの人に教えるためにつける印だよ。神様がいる場所は悪者が入ったら大変だから、悪者が入れないようにバリアする意味もあるよ」

「お正月にしめ縄を飾るのは、いつもはいない神様がお正月だけおうちにきてくれるから、神様がちゃんとおうちに入ってくれるように、神社みたいに神様が居心地良い場所にするためだよ」

などと伝えるとわかりやすいでしょう。

基本のしめ飾りの種類や飾るものの意味

基本のしめ飾りの種類や飾るものの意味

しめ飾りにはいくつか種類があり、地域や飾る場所によって使い分けられています。

それぞれの種類や、飾りつけるものを具体的に紹介します。

基本のしめ飾りと普通の縄との違い

しめ縄やしめ飾りは、一般的な縄とは反対方向の左側にねじる、左綯い(ひだりない)でつくることが特徴です。

日本では、左が聖、右が俗と考えられているため、一般的な縄と神様に使う縄は区別する必要があるためです。

ねじり方以外にも、例えば「ごぼう注連」という左右の太さが異なるしめ縄の場合、飾る際に神様から見て左、人間側から見て右が太くなるように設置するのが一般的といわれています。

また、しめ飾りは縄だけのものもあれば、飾りをつけたものもあります。

おめでたいものを加えたり、縄を輪の形にしたりと、アレンジ方法はさまざまです。

しめ飾りは玄関や神棚に飾るのが一般的ですが、特に決まりがあるわけではありません。

地域によってはルールが決まっている場合もあるため、住んでいる地域の慣習を確認しておくと安心です。

しめ飾りの種類

しめ飾りの種類には、ごぼう注連にわらの前垂れをつけて飾りを加えたものや、太いしめ縄を輪っかにしてから前垂れをつけ、縁起物を加えた「玉飾り」などがあります。

前者は西日本、後者は東日本でよく見られるしめ飾りで、どちらも玄関向きです。

また、細いしめ縄を使った小型の「輪飾り」は、キッチンやトイレなどの水まわりなど、室内に飾るのに適しています。

橙(ダイダイ)

みかんのようなオレンジ色の実の橙は、別名ビターオレンジやサワーオレンジと呼ばれる果物です。

実が木から落ちにくく何年も実をつけたままにしていることもあり、また古い実がついていても翌年には新しい身をつけることから、子孫繁栄の象徴とされています。

読み方が先祖代々と同じ「だいだい」であることも、縁起が良いとされる理由の一つです。

裏白(ウラジロ)

裏白はシダ植物の一種で、暖地の山の中に生える大型の多年草です。

名前のとおり葉の裏が白く、山の中に大群を作ってたくさんはびこります。

その大きさから生命力が強い象徴といわれたり、繁殖力の強さから子孫繁栄の象徴といわれたりしています。

譲り葉(ユズリハ)

譲り葉は日本原産の常緑樹で、冬でも青々とした葉を茂らせています。

春の新芽が出るのを見届けてから古い葉が落ちる姿から、円満な世代交代や、子孫代々受け継がれていくなどの意味が込められています。

縁起ものとして、しめ飾りだけでなく記念樹として植えられることもしばしばある樹木です。

垂(しで)

垂は神の君臨や邪気を追い払うことを意味する飾りで、「四手」や「紙垂(かみしで)」と呼ばれることもあります。

しめ縄に、わらでできた「藁垂」をつけ、その間にギザギザの形をした紙の垂をつけるのが一般的です。

垂の数は一般的には四垂ですが、特に決まりはないため、住んでいる地方の慣習に従うのが良いでしょう。

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しめ飾りはいつからいつまで飾る?

しめ飾りはいつからいつまで飾る?

お正月の準備を始めるのは、12月13日のすす払いが終わってからといわれています。

すす払いとは、今でいう大掃除のことで、江戸時代はこの日を大掃除の日と定めていたようです。

しめ縄を飾るのは、このすす払いを終えて歳神様を迎える準備ができてから。

現代では一般的にクリスマスが過ぎた25日頃に飾られることが多くなっています。

ただし、29日は「二重苦」、31日は一夜飾りとなり縁起が悪いとされているため、できれば28日までに飾るのが理想です。

しめ飾りを外すのは松の内が終わってからのため、関東地方が1月7日、関西地方が1月15日が一般的ですが、地域によっては8日までのところもあるようです。

まとめ:しめ縄やしめ飾りの意味を知って理解を深めよう

お正月は、歳神様を迎えて新しい年の豊作や健康を祈る特別な日です。

歳神様をしっかりと家に迎え入れるために、掃除をしたり、しめ縄を飾ったりして準備を整えておきましょう。

親子で楽しいお正月を迎えられると良いですね。

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