子どもにとって引っ越しは、仲良しのお友達と離れる寂しさや慣れ親しんだ家、公園などとお別れする寂しさ、新しい環境への不安など、さまざまな気持ちが入り混じり、向き合わなければならないときです。
そこで、引っ越しに対する不安な気持ちを和らげ、引っ越しが楽しみに思えるような、子どもの気持ちに寄り添ってくれる絵本を紹介します。
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引っ越しが楽しみになる絵本3選
引っ越しに対する不安や、住み慣れた家を出て新しい場所になじめるのかという不安を吹き飛ばしてくれる、引っ越しってワクワクする楽しいものなんだと感じさせてくれるような絵本を3冊ご紹介します。
名作シリーズから『14ひきのひっこし』
優しい絵のタッチが魅力の「14ひきシリーズ」の第一作目の作品です。
14ひきのねずみの家族が新しい家を探して出発します。
新しいすみかにぴったりの木の根っこを見つけ、家や橋や水道を作って無事に住めるおうちの完成です。
食べ物もたくさん集めたので、寒い冬が来ても大丈夫。
お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、そして10人の子どもたち1匹1匹が、個性豊かに描き込まれた絵本です。
文・絵：いわむらかずお
出版社：童心社
対象年齢：3歳～
引っ越し先の出会いを描く『げんくんのまちのおみせやさん』
引っ越してきたばかりのげんくんが、家の近くにある街の商店街を探検して回ります。
さかな屋さん、おそば屋さん、おいしそうなコロッケを揚げるお肉屋さん。
パン屋さんにはげんくんと同い年くらいの女の子がいます。
そのうち、げんくんの後ろからついてきた子犬とも仲良くなって……。
細かく描き込まれたお店の様子や新しい街を探検する楽しさが味わえる本です。
文・絵：ほりかわりまこ
出版社：徳間書店
対象年齢：5歳～
引っ越しに詳しくなれる『ぼくんちひっこし』
銀行や役所、転校手続きなどが無事に終わったら、いよいよ引っ越しです。
傷つきやすい家具は毛布でくるんで保護する、大きな荷物は玄関から出せないので窓からつるして下ろすなど、引っ越しの日にスポットを当てています。
引っ越しってどんなもの？という疑問を楽しみながら解消し、理解につなげられる本です。
細かく描き込まれているので、トラックの中に何がある？など親子で一緒に楽しめます。
文：山本省三
絵：鈴木まもる
出版社：金の星社
対象年齢：3歳～
離れても友達！が伝えられる絵本3選
友達と離れる寂しさを癒したり、引っ越していく友達やこれまで仲良くしてくれた友達にプレゼントしたりするのにおすすめの絵本を紹介します。
元気になる方法がわかる『いつだってともだち』
キツネとオオカミが織りなす「おれたち、ともだち」のシリーズ12作目です。
キツネは仲良しのオオカミのところに遊びに行きますが、オオカミは居眠りばかり。
おまけに、イノシシやクマや、ヘビなど他の友達もキツネと全然遊んでくれません。
キツネは一人ぼっちになったような気持ちで落ち込みます。
しかし、実はオオカミはキツネに内緒でキツネの誕生日を祝おうとしていたのでした……。
心温まるキツネの誕生会シーンは、友達っていいなとしみじみ感じさせてくれますよ。
文：内田麟太郎
絵：降矢なな
出版社：偕成社
対象年齢：3歳～
離れていても友達『せいちゃん』
毎日自転車に乗って遊びに来ていた隣に住むせいちゃん。
そんな日がずっと続くと思っていたけれど、夏になったら引っ越しするという手紙を持ってきました。
引っ越しってなんだろうと思いながらも忘れかけていた日に、突然別れの日が来ます。
それまでとはまったく違う日を過ごすことになり、戸惑いや寂しさを感じていたところにせいちゃんから手紙が来て……。
引っ越しにともなって揺れ動く子どもの心の動きを丁寧に描いた絵本です。
文・絵：松成真理子
出版社：ひさかたチャイルド
対象年齢：4歳～
初めての別れに『ぼくとクッキー さよならまたね』
毎日一緒に遊ぶのが当たり前だった、ぼくと仲良しのクッキー。
ところが、クッキーは明日引っ越してしまうことに。
クッキーとさよならするなんていやだ、どうしよう、どうしよう……･。
大好きなクッキーに向けて手紙を書くシーン、一生懸命考えて書いた手紙は感動を呼びます。
大好きな友達との初めての別れを経験する子どもに、去っていく友達にプレゼントしたい本です。
文・絵：かさいまり
出版社：ひさかたチャイルド
対象年齢：4・5歳～
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新しい友だちとの出会いが楽しみになる絵本3選
引っ越し先で新しい友達が作れるかな？と不安な気持ちになっている子どもに、新しい環境でも友達はできるよ、と希望を持たせてあげられるような絵本を3冊ご紹介します。
新しい友達と出会う喜びが伝わる『とんことり』
かなえは引っ越しで知らない町に来ました。
お父さん、お母さんと荷物の整理をしていると、玄関のほうで「とんことり」と音がして、1日目はすみれの花束、2日目はたんぽぽ、3日目は手紙が届きました。
差出人は誰かわかりません。
4日目に音がしたので、かなえが飛び出すと見知らぬ女の子がいました。
女の子はかなえに「遊びにいこう」と言い、二人は友達になります。
新しい土地でかなえに友達ができるまでを描いた本です。
文：筒井頼子
絵：林明子
出版社：福音館書店
対象年齢：4歳～
自分から友達が作れる『ともだちがほしいの』
引っ越し先の新しい幼稚園で、ふうこちゃんにはなかなか友達ができません。
夏休みに、前のところで仲良くしていた友達が遊びに来てくれて、友達と過ごす楽しさを知ることができたふうこちゃん。
新学期に幼稚園で自分から勇気を出して「いっしょにあそぼう」と言えるようになり、友達ができました。
友達がいない不安と友達と遊べることの楽しさ、引っ越しをする子どもが抱える心の揺らぎを描いた絵本です。
文：柴田愛子
絵：長野ヒデ子
出版社：ポプラ社
対象年齢：小学校初級以上
転入して親友に『リサとガスパールのであい』
ガスパールの学校にガスパールと色違いでよく似たリサが転校してきました。
最初はガスパールとリサが似ていることから冷やかされて、リサのことが嫌いだったガスパールですが、あることをきっかけに二人は大の仲良しになります。
引っ越しは大切な友達との出会いのきっかけになることもある、と希望を持たせてくれる絵本です。
文：アン・グットマン
絵：ゲオルグ・ハレンスレーベン
訳：石津ちひろ
出版社：ブロンズ新社
対象年齢：4歳～
まとめ：引っ越しが楽しみになりますように
引っ越しによって仲良しの友達と別れることを寂しがっていたり、新しい環境で友達ができるかな、馴染めるかなと不安に思っていたりする子どもに読み聞かせるのにおすすめの絵本を9冊ご紹介しました。
絵本を読むことで、引っ越しは悪いことばかりではないと気付くきっかけになるかもしれません。
引っ越しに対する不安が少しでも解消されて、明るい気持ちで新しい生活に馴染んでいけると良いですね。
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