お正月の食卓を彩るおせち料理。
「おせちを手作りしたいけれど、初心者にはちょっとハードルが高いかも……」なんてママ・パパも多いのでは?
そこで今回は、おせちを手作りする際のポイントやコツ、手軽に作れる定番のおせちメニューなどを紹介します。
ぜひ参考にして、今度のお正月には家族皆で手作りのおせちを楽しんでください。
おせち料理とは?おせちの基本を知ろう
おせちは日本のお正月には欠かせない伝統的な料理ですが、その由来や意味まですべてきちんと理解している方は少ないのではないでしょうか?
子どもにおせちの意味を聞かれたときに困らないよう、まずはおせちに関する基本的な知識を深めましょう。
おせち料理とは?意味や由来
「おせち料理=お正月」のイメージを持つ方も多いでしょう。
本来のおせちはお正月に限らず、1月7日の「七草の節句」や、3月3日の「桃の節句」など、季節の変わり目などのお祝いごとをする日に、神様にお供えしていた料理がルーツといわれています。
その料理を「御節供(おせちく)」と呼び、おせち料理の語源とされています。
そして、数ある節目のなかで最も重要なのはお正月という考えから、おせち料理は正月料理を意味する日本の伝統料理として、徐々に姿を変えていきました。
おせちはどんなもの?
従来のおせち料理は、季節の野菜やこんにゃく、昆布や豆腐などの食材を使った質素な料理が中心で、神様に収穫の報告やお礼の意味を込めて捧げる意味合いが強いものでした。
しかし、時代の移り変わりとともにおせち料理は少しずつ姿を変え、現代では新鮮な蟹や海産物などもあしらった、豪華なお祝いの料理として楽しまれるようになりました。
また、おせちは住んでいる地域や各家庭によってもそれぞれ風習が異なります。
おせちのメニューやお重の数、料理の詰め方など、地域ごとの風習の違いを調べてみることで、日本文化への理解をより深めることができるかもしれませんね。
三段重のおせちが基本?
「めでたさを重ねる」という意味から、おせち料理は重箱に詰められます。
また、各段ごとに詰める料理が決められており、最近のおせちは「三重段」が基本とされています。
1番上の重箱には祝い肴などの前菜、2段目にはメインの焼き物や酢の物、3段目には煮物を詰めるのが一般的です。
料理を詰める際は奥からきっちり詰めていき、似た色の食材は横並びにせず離れた場所に詰めるようにしましょう。
そうすることで、見た目にも美しいおせちを作ることができます。
ミニおせちや洋風も
大人には馴染み深いおせちですが、子どもにとっては食べづらい料理があったり、離乳食中の子どもが食べるには難しい食材が入っていたりすることも。
そんなときは、無理に風習やルールに縛られ過ぎる必要はありません。
品数を少なくする、ミニおせちを作るなどして、子どもがおいしくおせちを食べられるような工夫を凝らしてあげましょう。
最近では洋風にアレンジしたおせち料理もたくさんあるので、そのようなレシピを参考にするのもおすすめです。
手作りできる!おせちの代表的な料理と意味
おせちを手作りするのは大変と思われがちですが、初心者でもあまり手間をかけずに作れるおせち料理レシピはたくさんあります。
次は初心者でも作りやすいおすすめのおせち料理と、それぞれの料理に込められた意味を詳しく紹介します。
田作り
田作りは、カタクチイワシの子どもを干して飴炊きにしたおせち料理です。
昔はカタクチイワシを農作物の肥料として使っていたことから、当時の人々にとってカタクチイワシは五穀豊穣や人々の健康を象徴する食材でもありました。
そして、「今年も良いお米が取れますように」という願いを込めて、カタクチイワシを飴色に炒めたこの料理を「田作り」と呼ぶようになったのです。
田作りは簡単に作れるだけでなく、子どもでも食べやすい甘じょっぱい風味が特徴的。
小さい子どもがいるママ・パパが手作りするにはぴったりのお正月料理ですよ。
栗きんとん
おせち料理の定番である栗きんとん。
きんとんは漢字で「金団」と書き、「金の集まったもの」や「財宝」を意味します。
そのため、栗きんとんには「今年も豊かな生活が送れますように」という願いが込められているといわれています。
栗きんとんはさつまいもをポタージュ状にして、栗の甘露煮を加えるだけで作れるので、初めて手作りおせちに挑戦する方にもおすすめです。
口溶けが良くデザート感覚で食べられる甘い料理なので、好き嫌いが多い子どもでもおいしく食べられるはずですよ。
大根と人参の紅白なます
紅白なますは大根と人参で作られる酢の物です。
使用する食材の両方が大地に根を張る根菜であることから、なますには「家の土台を強固にし、一家が平和になりますように」などという願いが込められています。
また、お祝い事に使用するのし袋の「水引き(みずひき)」を連想させることから、縁起物としても重宝されてきました。
なますは大根と人参を千切りにして塩漬けし、砂糖とお酢を和えたら完成します。
日持ちしやすく彩りもきれいなので、重箱に入れればおせち料理を一層華やかにしてくれますよ。
数の子
ニシンの腹子である数の子は、卵の数がとても多いことから、古くから子孫繁栄を願う縁起物として扱われてきました。
また、ニシンは別名「カド」と呼ばれることもあり、「カドの子」がなまって「数の子」と呼ばれるようになった、という一説もあります。
おせち料理の数の子は、塩抜きし、醤油、酒を加えただし汁に漬けて作ります。
数の子はおめでたい意味合いも強いので、子どもにもぜひ食べて欲しいおせち料理ですが、塩分が多い料理でもあるため、小さい子どもに食べさせる際ははごく少量を与えるよう気をつけましょう。
たたきごぼう
関西では「田作り」「数の子」と並び、「たたきごぼう」が祝い肴三種とされているなど、おせち料理には欠かせないたたきごぼう。
たたきごぼうはごぼうをたたいて開くことから、「開運」の意味があるとされています。
また、ごぼうは地中に根を張り力強く成長するため、古くから「延命長寿」の象徴としても考えられてきました。
さっぱりとした甘さが特徴的なたたきごぼうは、作り方もシンプルで手軽です。
茹でたごぼうをたたき、ゴマの和え衣と絡めれば完成するので、家事や育児に忙しいママ・パパでもあまり時間をかけずに手作りできるでしょう。
手作りおせちに挑戦!コツとポイントは?
手作りおせちに挑戦する際は、気をつけた方が良いポイントがいくつかあります。
次はおせち料理を手作りする際の2つのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
作るものと買うものを決める
おせちはたくさんの料理を詰め合わせる必要があるので、無理にすべての料理を手作りしようとすると、ママ・パパの負担が大きくなってしまいます。
そのため、初めて手作りおせちに挑戦するのであれば、作る料理と買う料理を分けて考えることがポイントです。
上記で紹介したような簡単な料理は手作りして、少し手間がかかりそうなものは購入する、という風にすれば、あまり手間をかけずとも豪華なおせちが完成します。
重箱に詰める場合は、事前にどの料理をどこに詰めるか図に描いておくと、さらに効率的ですよ。
予定表を作り、材料を購入する
おせちは品数が多いので、全部の料理を1日で用意するのは難しいもの。
そのため、おせちを手作りする際は調理から始めるのではなく、まずは予定表を作ることから始めるのがおすすめです。
元旦当日から逆算して、いつ何を作るのかを事前に計画しておくと、スムーズに調理を進められるでしょう。
黒豆など下準備に時間がかかるもの、日持ちするものなどは早い段階で準備しておき、紅白なますのようにさっと作れる料理は31日に調理すれば問題ありません。
そうすることで、元旦の朝は料理をお重に詰めるだけで豪華なおせちが完成します。
また、おせちの食材は年末になると価格が高騰するので、ものによっては手作りせずに既製品を購入した方が安く済むことも。
手作りおせちに挑戦するのであれば、予定表と合わせて予算感も事前に決めておくと、余計な出費を抑えやすくなります。
まとめ:手作りおせちに挑戦しよう
年末の忙しい時期におせちを作るのは大変かもしれませんが、ママ・パパが思いを込めて手作りしたおせちは、子どもにとって特別感のあるとっておきのご馳走になるはず。
子どもも一緒に作れそうなメニューがあれば、親子で一緒に手作りおせちに挑戦するのもいいかもしれません。
今回の記事も参考にしながら、ぜひ次のお正月は愛情たっぷりの手作りおせちを家族皆で楽しんでみてください。