第二子を出産して、上の子の赤ちゃん返りに悩まされている方もいるでしょう。
これから第二子を出産予定で、赤ちゃん返りとはどのようなものかと不安に感じている方もいるかもしれません。
赤ちゃん返りは特別なことではなく、多くの子が経験する発達の重要な過程です。
赤ちゃん返りの時期や原因、対処法などを知ることにより、手こずるのもわずかなひとときと、大きく構えられるのではないでしょうか。
子どもの心に寄り添い、ストレスなく乗り切るにはどのような方法があるかご紹介します。
赤ちゃん返りとは?
「赤ちゃん返り」とは幼児退行ともいわれ、2~6歳くらいまでの子どもに見られる言動で、赤ちゃん時代に逆戻りしたかのように振る舞うことです。
一般的に知られているのが、下の子が生まれたことがきっかけで赤ちゃん返りするケースでしょう。
ただでさえ下の子のお世話で忙しいママを、わざと困らせているようでイライラしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、子どもにとっては無意識や無自覚の言動がほとんどだということを、まずは理解しましょう。
赤ちゃん返りはいつまでも続くものではありませんが、なるべく穏やかにこの期間を乗り切りたいですね。
赤ちゃん返りはいつから始まる?
赤ちゃん返りが始まるのは、2~3歳頃が多いといわれています。
そのころに下の子が生まれる家庭が多いことが理由の一つですが、弟や妹のいないひとりっ子でも赤ちゃん返りをすることがあります。
引っ越しや入園、入学など、子どもにとって大きく生活環境が変わったことがきっかけで赤ちゃん返りするケースもあるようです。
赤ちゃん返りが続く期間は1ヵ月~1年程度と子どもによりさまざまで、平均は約5ヵ月といわれています。
子どもが赤ちゃん返りをする理由
無意識とはいえ、子どもは理由なく赤ちゃん返りをするわけではありません。
何らかの原因があったうえで、知らず知らずのうちに赤ちゃん返りとなってSOSのサインを発しているのだと考えられます。
主な原因をチェックしてみましょう。
環境が変わったことへの戸惑い
弟や妹が生まれることは、自分を取り巻く環境に大きな変化が生じます。
まして、小さな幼児のうちならまだまだ親に甘えたい年頃です。
下の子の出産でママが入院し、初めて何日もママと離れ離れになった子もいるでしょう。
産後の回復期に、手のかかる新生児のお世話や睡眠不足でママは大変です。
そんなときに上の子は「親が自分だけのものではなくなった」ことを知ります。
その戸惑いが赤ちゃん返りを引き起こしているのでしょう。
また、下の子に関係なく、保育園や幼稚園に入園したときなど、生活環境が大きく変わったことが赤ちゃん返りの原因になることもあります。
親の関心を引きたい
今までパパとママの愛情を独占していた子どもにとって、下の子が周囲の注目を集め、お祝いして喜んでいる様子を見るのは何とも複雑でしょう。
下の子が生まれてパパやママを取られたような気持ちになるのも無理はありません。
自分も赤ちゃんだったら同じように面倒を見てもらえるのか、パパやママを自分だけのものにしたいという心理が働き、無意識に赤ちゃん返りをしているケースもあります。
不安な気持ちのあらわれ
下の子が生まれると、それまで一番愛されていた自分が、今後はそうではないかもしれないという不安を感じる子もいます。
子どもの意思とは無関係に、周囲は上の子をお兄ちゃんやお姉ちゃんとして接することもあるでしょう。
何の準備もないまま今までとは異なる立場に立たされ、兄や姉らしい態度を期待されることにプレッシャーを感じて不安になることもあるかもしれません。
そのストレスが夜泣きやおねしょを引き起こすこともあります。
親からの愛情を確かめている
赤ちゃんは泣いて訴えることしかできないため、生活のペースは下の子を中心に進んでいきます。
上の子は話せばわかるので、後回しにされることもあるでしょう。
それまではママとべったりだった生活が一変し、赤ちゃんを抱いて授乳したりお世話したりする様子に嫉妬することもあります。
自分に構ってくれる時間が減ったことで、以前のように愛されていないと感じ、親の愛情を確認する意味で赤ちゃん返りしてしまうケースもあります。
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赤ちゃん返りしている子どもの行動
赤ちゃん返りと一口でいっても、すべての面で赤ちゃんのような行動をするわけではなく、そのなかの一部だけが表れることもあります。
そのため、赤ちゃん返りと気付かないケースもあるかもしれません。
ここでは、一般的によく見られる赤ちゃん返りの行動を紹介します。
今までできていたことができなくなる
成長の過程でできるようになったことが、突然できなくなることがあります。
例えば、おむつが外れたのに失敗してしまう、おねしょをするなどです。
着替えや食事など自分でできていたことが、手伝ってもらわなければできなくなることもあります。
赤ちゃんのようにベビーカーに乗りたがったり、ミルクをほしがったりするケースも見られます。
夜泣きをする
睡眠にも変化が見られることがあります。
睡眠リズムが乱れたり、入眠に手こずってぐずったりすることも。
寝かしつけが必要になり、眠れるまでに時間がかかるようになります。
また、日中のストレスが夜泣きやおねしょとなって表れるケースもあります。
甘える・わがままになる
今まで楽しく通っていた保育園や幼稚園に行くのを嫌がるようになることもあります。
ママと赤ちゃんだけで楽しく過ごし、自分だけ仲間はずれにされたと寂しく感じるせいもあるかもしれません。
ママと一緒にいたがるようになり、登園を拒否する子もいます。
抱っこをせがんだり、四六時中くっつきたがって後追いしたりするなど甘える言動も見られます。
また、自己主張が激しくなり、わがままになったと感じることもあるでしょう。
反抗的になる
環境の変化によるストレスのためか、反抗的で親などの言うことを聞かず困らせてしまうこともあります。
「トイレに行こう、お風呂に入ろう」と声かけしても、「しない!」の一点張り。
イヤイヤ期の再来なのか赤ちゃん返りなのか区別がつかないケースもあるでしょう。
乱暴になっておもちゃを投げたり、パパやママを叩いたりするケースも見られます。
子どもが赤ちゃん返りしたときの対処方法
子どもが赤ちゃん返りするのにはそれなりの理由があることを説明しました。
子どもは今までに感じたことのない初めての感情と対峙して、子どもなりに乗り越えようとしています。
ママはどのように対処するのが効果的なのでしょうか。
叱らない
赤ちゃんのお世話でママも大変ですが、赤ちゃん返りの行動に対しては叱らず、できるだけ望むようにしてあげてください。
「ママが大好き、独り占めしたい」という熱烈なラブコールが赤ちゃん返りとなって表れるわけですから、「お兄ちゃん・お姉ちゃんなんだから」と無理やり我慢させたり、叱ったりするのはNGです。
上の子を優先させる時間を作る
可能であれば、上の子と二人きりで出かけるなど、ママとの楽しい時間を作るよう意識してください。
パパや祖父母に下の子のお世話を頼んで、以前と同じようにママを独占させてあげましょう。
下の子が泣いていても、緊急性がないときは上の子を優先してあげるのも一つの方法です。
自分が蔑ろにされているわけではないと理解すれば、「泣いているからミルクあげよう」などの思いやりの気持ちも育つでしょう。
スキンシップを増やす
抱っこやハグなどのスキンシップは、脳から幸福感や安心感を与える幸せホルモン「オキシトシン」が分泌されると判明しています。
オキシトシンは別名「愛情ホルモン」とも呼ばれ、スキンシップによって愛情が感じられるとともに、不安やストレスを解消させる効果をもたらします。
もちろんスキンシップだけでなく、子どもにも伝わりやすいよう、言葉で愛情を伝えることも大切です。
まとめ
気付かないながらも上の子に十分に接してあげられず、歯がゆい思いのママもいることでしょう。
赤ちゃん返りは、子どもが今までに経験のない初めての感情と対峙して、子どもなりに乗り越えようとしているのだと、今しばらく辛抱してください。
そのうち「笑った!」「ハイハイした!」など、下の子の成長を一緒に喜んでくれるようになり、子育てがますます楽しくなりますよ。
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