【愛用歴14年】家用薪ストーブ設置に必要な条件とコスパについて解説

薪ストーブの写真

エネルギー費用の高騰が予測されるなか、薪ストーブを自宅で使ってみたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

今回は、薪ストーブを自宅で愛用して14年の筆者が、気になる費用や注意点を経験をもとにご紹介します。

ユーザーだからこそわかるメリットや大変さも包み隠さずお伝えしますので、検討している方はぜひ参考にしてくださいね。

自宅で使う薪ストーブのメリット

一度体験したら他の暖房器具には戻れない魅力的な薪ストーブ。

自宅に設置することで得られるメリットはたくさんありますが、今回はそのなかでも特におすすめしたいメリットを3つご紹介します。

病みつきになる!ダントツの温かさ

なんといっても一番の魅力は、部屋全体を隅々まで温めてくれることです。

エアコンや石油ファンヒーターを使っていた頃は、温風が当たるところ以外は寒かったのですが、薪ストーブを使うようになってからは部屋のどこにいても同じように温かく快適です。

温まるまでに多少時間はかかりますが、温泉に入ったあとのように身体が芯から温まるので、以前使っていた暖房器具は使う気になれません。

もちろん、こたつやホットカーペットもいりませんし、灯油の入れ替えが面倒な石油ファンヒーターも使わないので、その分電気代や灯油代は安くなります。

料理などの家事に利用できる

部屋全体が温かくなるので、部屋に洗濯ものを干していると夜にはすっかり乾いています。

冬は外に干していても乾きにくい日があるので、薪ストーブがあるととても助かります。

また、長時間煮込むおでんなどの料理を作るときには、ガスコンロの上ではなく薪ストーブの上に置いておけば、ガス代の節約にもなりますよ。

温かい飲み物を用意するときにも、少量のお湯ならすぐに沸くので家族みんな薪ストーブを活用しています。

乾燥の予防も兼ねて、やかんに水を入れていつも薪ストーブの上に置いているのですが、沸いたお湯を食器洗いの前や大掃除の汚れ落としにも使っています。

子どもの教育にも役立つ

我が家では子どもが小さい頃から薪ストーブを自宅で使っていますが、火を付ける様子を見せたり、火をつける作業を一緒にしたりしました。

火をつける作業はコツが必要で、大人でも最初は手こずるのですが、何度も失敗しながら最後には火が付いて家族に喜ばれる、という小さな成功体験ができていると思います。

また、大きな薪に火が燃え移るまでに何をするべきか、さらに燃焼には酸素が必要なことも体験を通して知り、理科の知識も得たようです。

薪割りや薪運びのお手伝いもするので、家族みんなでする作業があることも、子育てにおいて良いポイントだと思います。

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薪ストーブを自宅で使うときにかかる費用は

メリットがたくさんの薪ストーブですが、気になるのは設置や使用にかかる費用ですよね。

多くの種類の薪ストーブがあり、部屋の大きさなどによって最適な薪ストーブは異なりますが、今回は我が家の場合どのくらい費用がかかったのかを具体的にご紹介します。

実際にどの薪ストーブにするか選ぶときの参考にしてくださいね。

薪ストーブ代と設置の費用

10畳ほどのリビングに設置したのですが、1台目はホームセンターで、煙突も含め10万円ほどの薪ストーブを購入しました。

10年ほど使い続けたのですが、薪を入れる扉の一部が劣化してきたので買い替えることになりました。

2台目はインターネットで調べて、煙が出にくく灰も少ないうえに、いろんな種類の薪が燃やせるという薪ストーブを22万円で購入し、今も使い続けています。

設置工事は壁に穴を開けて煙突を設置するだけでなく、万が一のことを考えて防火のための処置が必要なので、20万円以上はみておいたほうがいいと思います。

かなり高額な買い物になりますので、慎重に選びたいものです。

暖房方式、材質、デザインなどたくさんの種類がありますので、部屋の大きさや部屋のどのあたりに設置するのか、またどんなふうに利用したいのかを家族で話し合って決めるといいでしょう。

薪はどのくらい使うの?

薪の写真1

設置する部屋の大きさや薪ストーブを使う時間の長さにもよりますが、我が家の場合は1日約10時間、10畳のリビングを温めるのに少なくとも20㎏くらい薪を燃やします。

すべての薪をインターネットで購入するとしたら、大手通販サイトによると250㎏で20,350円(送料別)、つまり12〜13日で約2〜3万円となり、毎日使う光熱費としてはかなり高額になってしまいます。

参考:楽天市場:能登産ナラ乾燥薪36cm大中割 箱入

この先ガスや電気が値上がりしても、すべての薪をインターネットで購入する場合、薪ストーブはコスパが良いとはいえません。

ただ、薪を無料で調達できる場合は電気代やガス代などの節約につながります。

我が家の場合は、知り合いの植木屋さんなどから薪の材料になる材木を譲ってもらっています。

薪ストーブを継続して使っている方の多くは、薪の調達先を確保しているようです。

薪割り機や掃除道具なども必要

薪の写真2

薪の材料を手に入れたら、薪ストーブに入るサイズにカットします。

木材の大きさにもよりますが、我が家の場合は大きな丸太などがあるので、チェンソーで40cmくらいの長さにカットしてから、薪割り機で4〜5等分に割ります。

なかには斧で割る方もいるようですが、大量の薪を割るには時間も体力もかなり使うことになるでしょう。

薪割り機などはインターネットで簡単に購入できますが、機械類は長く使うため、ときどきメンテナンスをしなくてはならず、注意が必要です。

その他に、煙突掃除をするための掃除用具や火や熱に強い手袋、灰を出すためのスコップや火ばさみなどがいりますが、すべてホームセンターで揃えることができます。

薪ストーブの周りは木のくずや灰などで散らかるので、小さなホウキと塵取りもいりますが、100均のもので充分だと思います。

さらに、着火しにくいときのために着火剤やバーナーもあると安心です。

また、あると便利なのがブロワーという風を起こす道具で、薪ストーブ内に空気を送り込んで、着火しやすくするのに使っています。

自宅で薪ストーブを使い続けるための条件とは

自宅で薪ストーブを使うためには、さらにいくつかの条件があります。

せっかく購入した薪ストーブが、いつの間にかオブジェになってしまわないように、使い続けるための注意点をご紹介します。

条件がクリアできるかどうか、購入前にぜひチェックしてくださいね。

薪の保管場所

薪は乾燥させておくことが大事で、伐採してから数ヵ月からできれば2年間くらいは乾燥させておきたいところです。

乾燥が十分でない薪は、薪割りが難しいうえになかなか火が着きませんし、どうにか着火できても煙がたくさん出たり、煙突がススだらけになったりといいことがありません。

そのため、雨が降っても濡れないようなところで薪割りをするまで薪を保管し、薪割りをしたあとにも屋根付きの場所で保管する必要があります。

大量に燃やしますので、置き場所もある程度の広さがなくてはならず、我が家は庭がそこまで広くないので、車で10分ほどの距離にある親戚の土地に置かせてもらい、薪割りもその場所でしています。

薪が少なくなってきたら、その都度トラックに積み込んで家まで運ぶので、結構手間がかかります。

薪が乾燥するまで保管でき、薪割りできる広さの庭があれば条件クリアですね。

煙突の付け方に工夫を

当然のことですが、薪を燃やすと煙が出ます。

煙のせいでご近所トラブルにならないよう、煙突の付け方は工夫しなければなりません。

風向き次第で煙が流れる先は変わっていきますが、なるべく煙突を高くするなど配慮が必要です。

我が家の場合は、となりの家との間に空き地があったので、空き地側の部屋に薪ストーブを設置することにしました。

また、風が強い日は煙が家の中に逆流して、部屋中が煙臭くなってしまうこともありますが、煙突を高くしたり角度をつけたりすることで逆流しにくくなるでしょう。

長く快適に薪ストーブを使い続けるためにも、煙突を付けるときは向きや高さなどを考慮して付けるといいと思います。

ただし、自宅の周りに家が密集しているなど煙突のつけようがない場合、条件クリアは難しいかもしれません。

準備やメンテナンスに使う時間と労力

薪を購入する場合を除いて、薪を準備するために相当な時間と労力が欠かせません。

薪割りするために大きな丸太を運んだり、薪を積み上げたりとたくさんの作業がありますが、その多くが力仕事です。

我が家では夫が中心になって夫婦で薪割りをしますが、子どもたちもできるところは手伝ってくれています。

休みの日が朝から夕方まで一日中薪割りで終わる日もあって大変ですが、頑張ったあとはすがすがしい気分になりますよ。

また、煙突掃除はひとシーズンに4〜5回くらいで、我が家では業者に頼まず家族でしています。

煙突の掃除をするためには、1時間前くらいからストーブを消して熱くなった煙突を冷ますので、比較的暖かい日の昼間にすることが多いです。

作業は30分ほどで終わりますが、そのための時間もやりくりして作らなくてはいけません。

薪ストーブを使うために、レジャーなどに使う時間が少なくなってしまうかもしれませんが、さまざまな作業が楽しくできそうだと感じたら、条件クリア間違いなしです。

大変だけどやめられない薪ストーブ

薪ストーブの前の犬の写真

薪ストーブのメリットや、自宅に設置して使うための注意点をご紹介しましたが、いかがでしょうか。

たくさんの楽しみ方ができる薪ストーブですが、電気やガスの料金が高くなったとしても、エアコンなどの代わりとして誰でも気軽に使える暖房器具とはいえないと思います。

また、上記に記した条件を継続してクリアできないと、せっかく初期費用を投じても使えなくなるので、慎重に検討して設置を決めるといいでしょう。

とはいえ、手間がかかることを差し引いても、長く使い続けたいと思うほど薪ストーブには魅力があります。

使ってみたいと思った方は、しっかりと準備をして自宅での薪ストーブを存分に楽しんでくださいね。

ママライタープロフィール

tomo

21歳の息子、19歳の娘、14歳の息子を持つママライター。(※原稿執筆時)
知的好奇心を満たしてくれるものが大好物。
子供たちの影響でアニメにも興味あり。苦手なのは計算と掃除。

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