世代を超えて長く愛されていて季節感が感じられる歌の一つに「夏も近づく八十八夜」で始まる茶摘み歌があります。
茶摘み歌に出てくる八十八夜とは、どのような意味があるのでしょうか。
八十八夜とはいつのことを指すのか、込められた意味や由来、長年愛されている唱歌の歌詞の由来や意味などを詳しく紹介します。
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八十八夜とは?季節や意味、由来

そもそも八十八夜とは何なのでしょうか。
読み方や季節はいつ頃のことをいうのか、意味や由来、茶摘みとどのような関係性があるのか、八十八夜に関連する行事としての慣習などを紹介します。
八十八夜とは?読み方やいつ頃の季節かを紹介
八十八夜は「はちじゅうはちや」と読み、立春から数えて88日目になります。
「立春」や「立夏」などの二十四節気は中国で作られた暦で、農作業の目安となるものです。
季節の変化をつかむ目安として日本で補助的に作られた暦を「雑節」といい、八十八夜は雑節の一つにあたります。
ちなみに、「節分」「彼岸」「土用」などは雑節の例です。
八十八夜は平年だと5月2日、閏年だと5月1日で、2023年は5月2日(火)になります。
春と夏の分かれ目にあたり、暖かく穏やかな気候になる季節です。
八十八夜の意味や由来
暦のうえでは八十八夜から夏になり、農作業を始める目安とされています。
ただし、この時期は昼間は暖かくても朝晩は冷え込むことがあり、霜がおりて農作物が被害を受けることも少なくありません。
そのため、江戸時代頃から天候に注意を促す目的で暦に書かれるようになりました。
また、「米」の字を分けると「八十八」になることや、末広がりでおめでたい意味のある八が重なることから、「農の吉日」にあたる縁起の良い日とされています。
茶摘みと八十八夜の関係は?
「八十八夜の別れ霜」ということわざを聞いたことがあるでしょうか。
八十八夜の頃になれば天候は安定し、霜がおりることもほとんどなくなります。
八十八夜の頃におりる霜がその季節の最後の霜といわれることから「別れ霜」と呼ばれており、この時期を種まきの目安とするようになりました。
また、お茶農家では、八十八夜の頃が茶摘みに精を出すシーズンとなります。
八十八夜は何をする?新茶を飲む慣習も
八十八夜の頃は、芽吹いたばかりの茶葉が摘み取り時期に入る時期です。
生育したばかりのみずみずしい茶葉を摘んで作られた新茶は、そのシーズンで最初に作られたお茶という意味から一番茶とも呼ばれます。
八十八夜に摘まれた新茶を飲むと、その一年は無病息災に過ごせる、長生きするという言い伝えもあります。
新茶の時期は4月中旬から5月中旬頃で、地域や環境によって異なり一律ではありません。
新茶の特徴は、爽やかな風味とすがすがしい香り、甘味やうまみの成分であるアミノ酸が多く含まれていることです。
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手遊び歌でも楽しめる茶摘み歌とは?歌詞の意味や由来を紹介

茶摘み歌を歌いながら手遊びをした経験のある方も多いのではないでしょうか。
ここからは、茶摘み歌の歌詞の意味や由来、遊び方などを紹介します。
茶摘み歌とは?
茶摘み歌は作詞者、作曲者不詳の文部省唱歌、日本の伝統歌です。
1912年(明治45年)に刊行された「尋常小学唱歌 第三学年用」に初めて掲載されました。
もともとの題名は「茶摘」ですが、「摘」という字は小学校では習わないので、小学校の音楽の教科書に書かれている題名は「茶つみ」とひらがな表記されています。
親子で長く歌い継がれる歌として2006年(平成18年)に文化庁と日本PTA全国協議会が選定した「日本の歌百選」に、茶摘み歌も入っています。
茶摘み歌の由来
茶摘み歌は、茶畑で茶葉を摘むときに歌われる仕事歌です。
昔は茶葉を手摘みしており、4月下旬から5月上旬の八十八夜の頃に、近くから茶摘みのために雇われた女たちが、仕事をしながら鼻歌を歌ったのがきっかけだといわれています。
茶摘み歌の歌詞のルーツは諸説あり、そのうちの一つは京都府綴喜郡宇治田原町(現在の宇治田原町)に伝わる茶摘み歌がもとになっているのではないかとする説です。
宇治田原では「向こうに見えるは茶摘みじゃないか。茜だすきに菅の笠」「お茶を摘め摘め摘まねばならぬ。摘まねば田原の茶にならぬ」と歌われていたとされています。
茶摘み歌の歌詞の意味
茶摘み歌のなかに出てくる「茜だすき」は、茶摘み娘が肩からかけている赤い色をしたたすきのことをいいます。
たすきとは、和服の袖や袂が作業の邪魔にならないよう、たくし上げるために使う紐や布地のことです。
菅(スゲ)は、カヤツリグサ科の多年草の植物で、葉は細長くとがっており、笠やみの、しめ縄を作るときに使われます。
菅の笠は、菅を使って三角形に編んだ笠のことです。
手遊び歌の意味や遊び方
茶摘み歌の手遊び歌は、2人で向かい合っておこないます。
最初は4拍子の「せっせっせーのよいよいよい」からです。
同じ動きを繰り返すところは、お茶の葉を摘むときの手の動きに似ているといわれています。
また、歌の最後に2人で手を組み合わせるところは、菅の笠を編んだ形にも似ていますね。
まとめ:家族で新茶を飲んだり手遊びをしたりして楽しもう

小学校の音楽の教科書にも載っていて、昔から歌い継がれている茶摘み歌で八十八夜という言葉を知った方もいるのではないでしょうか。
八十八夜は農作業をするうえでの大切な基準になる日だったのですね。
八十八夜の頃に摘み取られた爽やかな新茶を飲んでその年の無病息災を願ったり、親子で手遊びをしたりして、楽しい時間を過ごしてみてはどうでしょうか。
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