「子どもが幼稚園に入るのに、集団行動できるのか心配」「集団行動が苦手な子に理由はあるの?」など、悩む親も少なくありません。
今回は、集団行動が苦手な子どもたちの特徴や理由、親や周囲ができるサポート方法を紹介します。
集団行動が苦手な子どものサポート方法がわかるようになると、ただ1人で悩むだけではなく前向きにいろいろとトライしてみようという気持ちになるのではないでしょうか。
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集団行動が苦手な理由と原因
集団行動が苦手な子どもには、どのような特徴や理由があるのでしょうか。
実は、集団行動が苦手な子どもたちの特徴や理由は大きく分けて3つあります。
一つずつ詳しく説明しましょう。
成長や発達が適切な時期にいない
集団行動ができるようになるには、精神的な成長や発達が必要です。
一般的に他人に興味を持ち、集団で行動できるようになるのは3歳頃から6歳頃です。
子どもの成長の度合いには個人差があるので、6歳をすぎてもまだ集団行動に慣れない子もいます。
集団行動の大切さや、どうすれば人と同じ行動ができるようになるのか、なぜ自分勝手な行動をしてはいけないのか理解するのは実はとても難しいことです。
子ども1人1人の成長の度合いによって理解の仕方も変わってくるので、集団行動が必要なときにその都度適切な声かけやサポートをしましょう。
時期がくれば、その子のペースで徐々に集団になじめるようになることがほとんどです。
個人の性格や性質
集団生活になじめるかどうかは、子どもの性格や性質、個性によっても大きく変わり、それによって得意・不得意があります。
集団生活を苦手だと思う子どもの性格には、下記のようなものがあります。
内向的な性格や引っ込み思案、大人しい
自己中心的で目立ちたがり屋
マイペースでおっとり
このような性格の子どもは、大人になっても集団生活が苦手という意識を持ち続ける場合もあります。
多くの場合は、声がけやサポートで自分なりの集団生活での馴染み方や他人との距離の取り方、接し方を取得していけるでしょう。
一方、馴染めているように見えても本人が無理をしている場合もあるので、そういう場合も適切なサポートができるといいですね。
学校生活など集団行動で疲れてしまっても、自宅や休日に自分らしくいられればまた月曜日から頑張って行ける子も少なくありません。
発達障害やグレーゾーン
ASDやADHD、またはLDなどの発達障害、または診断がつかなくてもグレーゾーンの特性があり、社会性やコミュニケーションに難があって不安や困り感につながっている子もいます。
自分でも「なんで友達と同じような行動が取れないのかわからない」「衝動性が強く我慢できない」そういった特性を持つ子もいます。
ほかにも、指示が理解しにくい、興味や関心に偏りがある子なども集団行動を難しく感じるでしょう。
療育や対応、特別支援級などでの対応で、徐々に集団行動に慣れていくこともできますが、発達障害の度合いにもよるので一概にどれくらいできるようになるのかはわかりません。
疾患を抱えている可能性があるかも知れないと思ったら、専門家に相談してみるのが一番です。
集団行動が取れないだけではなく、そのことでその子が生きづらさを感じている可能性もあります。
少しでも心配に思ったら、1人で悩んだりせず専門家の判断を仰ぐのが一番です。
発達障害の子を専門的に見ている先生から、適切なサポートの仕方が得られることがあるので、不安に思ったら早めに相談してみましょう。
環境や状況が要因
集団行動が苦手な子のなかには、環境や状況に原因がある子もいます。
例えば、同じ学年の子と接する機会が少なかった、一人っ子や転勤が続いたなど、今まで集団行動をしてこなかった子が急にできるようになるのは難しいですよね。
社会性や協調性を培う体験や機会不足が原因で、うまく行動できないことも十分に考えられます。
原因の一つとして、コロナ禍で外出が減り、他人とのコミュニケーションが足りてない場合もあります。
また、吃音・ケガや障害をからかわれたなどのことがきっかけで他者と距離を取っているなんてことも。
本人から集団行動をしない理由を聞く、もしくは観察するなどして集団行動の機会を増やしていくことが改善につながることもあります。
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子どもはいつから集団行動ができる?
子どもが集団生活が楽しくなりはじめる年齢は3歳から6歳を過ぎてからです。
個人差もあることなので、6歳すぎまでかかる子どももいると紹介しましたが、ここではその理由をもう少し詳しく説明します。
3歳までは集団行動は難しいことがほとんど
3歳までは他人の気持ちを思いやることもできず、1人遊びがほとんどで他人の気持ちが想像ができない子も多いでしょう。
3歳くらいまでは、集団生活での集団行動を意識するのはまだ難しく、同じ場所で遊んでいても、互いに関わり合いを持たない「平行遊び」がほとんどです。
まずは、おもちゃの取り合いから貸し借りを学び、遊具の順番待ちや譲り合いなどを通して、他者とのコミュニケーションを学びましょう。
その後、何回も何回も複数の子たちと遊ぶことで、集団生活や集団行動を少しずつ意識するようになります。
4、5歳で友達と遊び始める
4、5歳になるとやっと友達と遊び始めるようになります。
まずは、1人から2人、3人と遊び仲間が増えていくことで、仲間がいることの喜びや楽しさを学び始めるのが、幼稚園や保育園の年中・年長の頃です。
ただし、みんながこの時期に仲良く遊べるわけではありません。
自己中心的な子も多くケンカも増えますが、そこで他者と揉めることで我慢や譲ることも覚えていく時期です。
ここで、対人関係が苦手な場合は衝突を避ける、相手に譲る、声をかける、謝るなど自分なりの対応や処世術などをじっくり学ぶ機会となります。
6、7歳で集団行動を学び始める
集団生活で他者とのコミュニケーションや協調性、社会性を学べるようになるのは6歳から7歳頃です。
小学校に入って、運動会や文化祭、遠足などのイベントで友達と何かを成し遂げる喜びや達成感をやっと感じられるようになります。
ただ、保育園や幼稚園で何を体験してきたかという経験が大きく影響するのも事実です。
人数の少ない保育園や自宅保育だった子の場合はまだ少し時間がかかるかもしれません。
さまざまな体験から徐々に身につくものなので、小学校低学年くらいのときは、集団行動に苦手意識があっても当然です。
しかし、小学校生活では集団行動が必須なので、苦手意識が高いと対応が難しく困ることになるかもしれません。
集団生活が苦手な様子があれば、就学前後によく先生とも相談して対応を検討するようお願いしましょう。
親や周囲ができる集団行動のサポート
「子どもが集団行動が苦手」「集団生活で生きづらさを感じている」などの場合、親や周囲の大人は何をしてあげればいいのでしょうか。
ここでは、集団行動が苦手な子どものために、親や周囲ができるサポート方法をまとめて紹介します。
自分勝手な行動をしてしまう場合
自分勝手な行動をしてしまう性格のせいで集団行動が苦手な場合、集団行動が必要な理由を明確に、さらに具体的に説明することが大切です。
周りから見ると自分勝手な行動に見えるかもしれませんが、実は集団行動の必要性をわかっていないだけかもしれません。
なぜ今みんなと同じことをしないといけないのか理解できず、常に自分のペースで動いてしまう子もいます。
ほかにも、やりたいことをやりたいときにしてしまうのは、ただマイペースな性格だからなのかもしれません。
集中力がありすぎて、好きなことに没頭し、周りが見えなくなってしまう子もいます。
そのような子たちには、頭ごなしに叱りつけても逆効果です。
今なんで自分の好きなことをしてはいけないのか、自分の行動が、ほかの子の邪魔や迷惑になる理由や状況を根気よく説明するといいでしょう。
緊張や不安が原因の場合
集団行動が苦手な子どものなかには、緊張や不安が原因でうまく集団に入れない子もいます。
例えば、引っ込み思案で大人しい子や不安を感じやすい子は、集団に慣れるまで時間がかかります。
慎重すぎる性格や、行動やおしゃべりが早くできない子もそうです。
その場合は、親や信用できる教師がそばについて予行演習をするのも有効です。
集団行動には体験の積み重ねも必要なので、機会を増やし、繰り返し行って自信をつけさせてあげると安心できるようになります。
指示が理解できない場合
未就学児や小学校低学年の子どもは、聞いているようで意外と理解できていないことが多いものです。
指示が理解できていないのに、なにが理解できていないのか、言語化できずにいる場合もあります。
まずは、保護者が簡単な指示を出し理解できているかどうかを確認してみましょう。
学校の先生は生徒たちみんなに話しかけているつもりでもその子は「自分以外の誰かに話しかけている」と認識しているのかもしれません。
先生の話がわからなかったり、聞いていなかったりするせいで集団行動が苦手な場合があるので「先生がなんて注意してたかわかる?」と確認してみるといいでしょう。
先生が言ったことを復唱させ、言い換え表現ができるか確認すると理解の程度がわかります。
もし、子どもが理解できない場合は先生に質問できるようにすることや、もう一度言ってもらえるようにすることなどを伝えましょう。
先生にも保護者面談などで「聞いているように見えるけど理解ができていない」「自分事にならず、理解が乏しい」など伝え、サポートをお願いすると安心です。
まとめ:叱らずに根気良くサポートを
集団行動は大人が思っている以上に難しいものです。
成長や発達、個人の性格やその子が育った環境など、たくさんの要因があって苦手だと感じる子がたくさんいます。
集団行動が苦手な場合は、適切な発達年齢までまずは待つこと、適切な時期に集団行動の機会を増やして必要性や協調性を学ぶことが大切です。
慣れることで徐々に身につくことも多いので、叱るのではなく集団行動の必要性を説明し、サポートするのが大切です。
不安なことやわからないことがあれば、学校の先生に相談しながら子どもたちに寄り添ったサポートができればいいですね。
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