保証人がいないからといって、物件を借りることを諦める必要はありません。
方法によっては、保証人を立てなくても賃貸物件の契約は可能です。
具体的な契約方法は後述するため、まずは保証人に関する基礎知識を次項から確認していきましょう。
目次
賃貸を借りるには一般的に保証人や連帯保証人が必要
賃貸を借りるには、日本では昔から保証人や連帯保証人を立てることが一般的です。
なぜなら、借主が何らかの事情で家賃が払えなくなったり部屋を破損したりした場合、保証のめどが立たないと大家さんが困るからです。
保証会社を使う例も近年になってやや見られるようになりましたが、現状約7割は保証人や連帯保証人が必要になります。
保証人と連帯保証人の違い
保証人とは、業者から支払いの命令があった時に、借主が自己破産や行方不明になっていない限り、借主にまず請求するように主張できます。
しかし、連帯保証人の場合には借主と同様の返済義務が発生するので、借主が払えないと言っている場合は連帯保証人に請求がいってしまいます。
保証人とは
保証人は、借主がどうしても支払いができないときだけ支払えばよいという考えです。
そのため、借主が支払い能力がなくても、何かしら財産を持っていればそちらの差し押さえを先にしてから、といった指示ができます。
なので、保証人は連帯保証人より、支払いの義務は比較的ライトだと考えてよいでしょう。
連帯保証人とは
連帯保証人制度は民法で定められており、保証人より強力な返済義務をもちます。
借主が何らかの理由で家賃を払えない場合、家主は連帯保証人に請求できますが、このとき保証人のように、先に借主の財産の差し押さえをするように主張することが不可能です。
このように、保証人よりかなり責任が重いのが連帯保証人になります。
保証人になれる方の基準
保証人になれる方の基準には以下が挙げられます。
- 65歳未満の方
- 借主よりも収入が高い方
保証人になれるかどうかのポイントは、支払い能力の有無です。
定年後は収入面や年齢的なリスクが懸念されることから、保証人の年齢が65歳未満に制限されるケースが多くあります。
また、万一の際は保証人が債務を肩代わりするため、入居審査時に提出する収入証明をもとに収入の高さをチェックされるようです。
賃貸物件を保証人なしで借りる方法
ここからは、賃貸物件を保証人なしで借りる方法を見ていきましょう。
保証会社を利用する
最近、賃貸を借りる際は保証人の代わりに保証会社を使えるところが約2割~3割ほど増えています。
保証会社は最初にお金を払って加入することで、借主が家賃を払えない状況になったとき代わりに家賃を払ってくれる、といった仕組みになります。
しかし、一時的に代わりに払ってくれるだけで借主に返済義務がなくなったわけではなく、保証会社に払ってもらったお金は返済の必要があります。
>>賃貸保証会社とは?利用するメリットや保証範囲について徹底解説
クレジットカードを使う場合
クレジットカードを持っているということは、クレジットカードの審査に通るくらい、収入のめどもあるということです。
大家さんが家賃支払いをクレジットカード可にしている場合、クレジットカードの所持で保証人を免除するという制度もあります。
保証人不要物件を選ぶ
賃貸物件のなかには、保証人不要かつ保証会社の利用なしで借りられる物件もあります。
保証人を立てることや、保証会社に支払う保証料の捻出が難しい場合は、保証人不要物件に絞って探すのがいいでしょう。
ただし、保証人不要物件に住む際は、後述する注意点を知っておくことが大切です。
保証人不要物件のメリット
保証人不要物件のメリットは、契約手続きがスムーズに進むことです。
保証人が必要なケースでは、保証人に関する書類の準備などに時間がかかります。
その点、保証人不要物件では借主の書類だけで手続きできるため、契約がスピーディーに完了します。
保証人不要物件の注意点
保証人不要物件に住む際は、以下のポイントに注意しましょう。
物件に問題があることが多い
保証人不要物件は、物件に問題があることが多いです。
例として、事故物件である、周辺環境が悪いなどの要因が挙げられます。
物件自体に問題がなければ、保証人を不要にしなくても借主が見つかるでしょう。
その点、保証人不要物件として募集をかけているのは、募集条件を下げなければならない事情があると考えられます。
保証人不要で借りられても、入居してから物件に対する不満が生じる可能性は十分にあります。
コストがかかる
保証人の代わりに保証会社を利用する際は、コストがかかる点に注意が必要です。
保証会社を利用すると、初期費用として保証料が必要なうえに、月々の手数料の支払いも発生します。
保証人を立てずに物件を借りる場合は、保証会社に対するコストを把握しておきましょう。
保証会社は選べないことが多い
保証人不要物件を借りる場合は、保証会社を選べないことが多いです。
保証人なしで賃貸契約を結ぶ際は、保証会社の利用を義務付けられるのが基本です。
その場合、貸主や不動産会社によって保証会社を指定されるケースも珍しくありません。
過去に滞納歴があり、その際に利用した保証会社で同じ場合は、審査に通過する見込みが低いと覚えておきましょう。
督促が厳しい可能性がある
保証会社を利用して物件を借りる場合、家賃を滞納すると保証会社から連絡がきます。
特に保証人不要物件では、滞納分を保証人に請求できないことから、督促が厳しくなる傾向があります。
例えば、督促状が何度も届く、督促の電話が頻繁にかかってくるなどは少なくありません。
保証人不要物件では督促が厳しいことを理解し、家賃を滞納しないように注意しましょう。
連帯保証人が立てられないA子さんの保証会社利用のケース
ここであるケースを見てみましょう。
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A子さん(30)は両親が早くに亡くなり、事務をしながら一人暮らしをしています。
部屋の更新の時期がきたので、もっと同じ価格で部屋が広めの部屋を探していました。
その際、連帯保証人を立てられる親族や兄弟もいないので悩んでおり、不動産会社に相談すると、保証会社利用で借りられる部屋がいくつかあるとのことでした。
保証会社は入居時に家賃一ヵ月分を支払うというもので少し初期費用は増えますが、連帯保証人がいないと借りられないと思っていたA子さんにとってはとてもありがたい話でした。
A子さんは保証会社利用をすることにし、保証会社の審査で会社の社員証のコピーなどを提出。しばらくして審査にとおり、保証会社を利用して入居できることとなりました。
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A子さんのケースは、連帯保証人が立てられない立場の人にとっては心強い話になりますね。
保証人や連帯保証人が立てられない人は、不動産会社に保証会社利用や保証人不要の条件で入れる部屋がないか積極的に聞いてみることが大事です。
まとめ:保証人や保証人不要のケースを知って賢く賃貸を借りよう
保証人と連帯保証人の責任の違い、また保証会社やクレジットカード利用で保証人が不要になるケースも理解できたのではないかと思います。
保証人が立てられず困っている借主にとっては、保証会社が利用できると助かりますね。
家賃の支払いが滞ることは家主にとっては死活問題なので保証は大切なのですが、何よりも借主本人が安定して家賃を払い続けることができれば、何も問題はありません。
ですので、滞納自体が起こらないように、しっかり生活と収入をととのえてくださいね。
賃貸スタイルでは、賃貸のご希望内容に合わせて賃貸物件をお探しいただけますので、ぜひご利用ください。