賃貸物件で快適に安心して暮らすために、家財保険への加入はもはや必須です。
火災や風災、水災は、いつどこで起こるかわかりません。、日本中どこに住んでいても、災害に備えておくべきです。
この記事では、これから賃貸物件で暮らす方へ向けて、家財保険など各種保険の内容と、加入したほうが良い理由、保険の選び方に関して解説します。
最後まで読んで、災害に対しての適切な備えについて理解を深めていきましょう。
目次
家財保険とは
そもそも家財とは、家具や家電製品、衣類など賃借人の所有物のことを指します。
家財保険は、家財がさまざまな災害によって被った損害を補償するための保険です。
火災や水害、落雷、水漏れなどの原因による損害が対象で、多くの保険が現預金を含む家財全般の盗難も対象としています。
損害を受けたあと、使えなくなった家財を処分するための実費も補償されるなど、補償内容は加入する家財保険ごとに多彩です。
いつ起こるかわからない災害に対して、自分の所有物への損害を補償するために家財保険は加入すべき保険だといえます。
賃貸契約で家財保険に入ったほうがいい理由
賃貸物件に住むときは、基本的に家財保険に入っておくべきです。
また万が一を考えれば、家財保険だけでなく借家人賠償責任保険や個人賠償責任保険にも加入するのがベストです。
その理由には、家財や隣家への補償と、原状回復義務の修繕費への補償の二つが挙げられます。
理由1:家財や隣家への補償
いくら家財が少ないといっても、テレビや洗濯機、電子レンジなどの家電製品や、テーブルやイス、ソファなどの家具、下着も含めた衣服、自転車や原付バイクなど合わせればかなりの金額になるはずです。
もしこれらがすべて失われたら、元通りにするまでにはかなりの金額がかかります。
また、集合住宅の他の入居者や、隣の家に損害が及べば、補償するべき金額は家財の数倍に上ります。
家財の補償や賠償責任などを心配せず、安心して暮らしたいなら、家財保険には加入しておくほうが良いでしょう。
理由2:原状回復義務の修繕費を補償
過失による損害であれば、賃借人には借りている部屋や建物に対しての原状回復義務が発生します。
火災や破裂・爆発、水濡れなどにより建物に被害が出た場合、建物を元通りにするには莫大な金額の損害賠償を請求されるでしょう。
さらに原状回復するまでの間、大家さんが得るはずだった家賃収入も補填しなくてはなりません。
これらはどちらも借家人賠償責任保険特約、および個人賠償責任保険特約を付加した家財保険でカバーできます。
また、物件の退去時も同様です。
賃借人の故意または過失によって劣化した部分の原状回復にかかる費用は負担しなくてはなりませんが、家財保険の特約「借家人賠償責任保険」でカバーできます。
賃貸物件で暮らすことは、おのずと建物や周辺の方々に対する責任も負うことになります。
家財保険に加入して万が一に備えておくことは、社会の責任を果たすことにもつながります。
賃借人が加入するその他の保険
ここでは、借家人賠償責任保険、個人賠償責任保険に関して解説します。
どちらも家財保険に追加できる特約となっているので、詳しい内容を確認しておきましょう。
借家人賠償責任保険
借家人賠償責任保険は、原状回復するための費用を補償する保険で、家財保険に追加できる特約の一つです。
火災などの災害によって発生する損害は、借りている部屋だけでなく建物全体にも及ぶことがあります。
そんなときに借家人賠償責任保険が適用されます。
補償されるのは、火災や破裂・爆発、水濡れなどの事故が原因で、保険に加入している借家人が大家さんに対して、損壊した部屋や建物に対して法律上の損害賠償責任を負ったときです。
故意による損害や、借家人およびその親族に対する損害に関しては補償されません。
借家人賠償責任保険は、建物の所有者、つまり大家さんのために加入する保険といえます。
個人賠償責任保険
個人賠償責任保険も、家財保険に追加できる特約です。
個人賠償責任保険は、日常生活での身近な事故による損害を補償します。
火災で隣の家にまで被害が出たり、ペットが他人にケガを負わせてしまったりしたときに、相手の治療費や慰謝料、建物の修理費などが個人賠償責任保険で補償されます。
補償内容は多岐にわたり、例えば水漏れで階下の部屋に損害を与えた場合や、自転車で走行中に歩行者にぶつかってケガをさせてしまった場合も対象です。
個人賠償責任保険は、さまざまなトラブルによって他人に与えてしまった損害を補償する保険です。
火災保険と家財保険の違い
ここからは、火災保険と家財保険の違いについてお伝えします。
賃貸物件の建物にかける火災保険は、一般的に物件の所有者が加入し、火災などの災害で被った建物の損害を補償します。
補償されるのは建物自体や建物に直接備え付けられた設備や収納・家具、門、塀、車庫などです。
一方、同じ災害で被った賃借人の家具や家電、日用品といった家財を補償するには、火災保険とは別の家財保険に賃借人が加入する必要があります。
また、家財保険でも賃借人の過失による建物や他人に与えた損害までを補償するには、借家人賠償責任保険や個人賠償責任保険などの特約を付加する必要があります。
火災保険 | 家財保険 | |
---|---|---|
建物や設備の損害補償 | 〇 | × |
家具や家電、日用品などの補償 | × | 〇 |
過失による建物や他人への損害補償 | × | △(借家人賠償責任保険や個人賠償責任保険などの特約が必要) |
一般的に賃貸物件に入居するときは加入が必要ですが、念のため補償内容や補償の要件は確認しておくと安心です。
家財保険の保険料
家財保険に加入するには、保険料の支払いが必要です。
保険金額の決め方と保険料の相場を解説します。
保険金額の決め方
保険金額の決め方には二つの方法があります。
一つ目の方法は、実際に自分や家族の持ち物を再び購入するために必要な額から決める方法です。
現在持っている家具、家電、パソコンなどの購入価格から試算することで必要十分な保険金額がわかるでしょう。
二つ目は、加入者の年齢や家族構成から決める方法です。
持ち物の購入価格を調べるのには手間がかかりますし、時間とともに更新されていくことから定期的に見直す必要もあります。
保険会社は加入者の手間を省くのに役立つ、加入者の年齢や家族構成などから保険金額の参考値を算出する表やシミュレーションツールを提供していることが多いです。
例えば、損保ジャパンの場合、年齢や家族構成に応じて以下のような目安を設定しています(2020年10月現在)。
家族構成 | 2名 大人のみ |
3名 大人2名 子ども1名 |
4名 大人2名 子ども2名 |
5名 大人2名 子ども3名 |
独身世帯 | |
---|---|---|---|---|---|---|
世帯主の年齢 | 25歳前後 | 490万円 | 580万円 | 670万円 | 760万円 | 300万円 |
30歳前後 | 700万円 | 790万円 | 880万円 | 970万円 | ||
35歳前後 | 920万円 | 1,000万円 | 1,090万円 | 1,180万円 | ||
40歳前後 | 1,130万円 | 1,220万円 | 1,310万円 | 1,390万円 | ||
45歳前後 | 1,340万円 | 1,430万円 | 1,520万円 | 1,610万円 | ||
50歳前後 (含以上) |
1,550万円 | 1,640万円 | 1,730万円 | 1,820万円 |
このような参考値を基準に、それぞれの状況に応じて保険金額を調整するのも一つの方法です。
保険料の相場
火災保険で必要な保険料は、保険金額によって変わります。
例えば、チューリッヒ少額短期保険「ミニケア賃貸保険(賃貸家財総合保険)」の場合は以下のとおりです(2022年3月現在)。
保険金額 | 100万円 | 200万円 | 300万円 | 400万円 | 500万円 | 600万円 | 700万円 | 750万円 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
保険料(年) | 3,610円 | 4,190円 | 4,770円 | 5,350円 | 5,940円 | 6,520円 | 7,100円 | 7,390円 |
参考:チューリッヒ/家財保険とは。火災保険との違いは?賃貸の家財保険は必要?
この表はあくまで一例ですので、実際にかかる保険料は各保険会社に確認してください。
また、保険には借家人賠償責任保険や個人賠償責任保険、盗難に対する補償がセットされていますが、それらがない保険であれば保険料は安くなるでしょう。
逆に、この保険にはない不注意で起きた損害などが補償される保険であれば保険料が高くなると思われます。
家財保険はどう選べばいい?
家財保険には加入したいと思っても、どの保険を選べば良いのか迷うことがあります。
ここでは家財保険をどう選べばいいのか考えてみましょう。
不動産会社が保険を提示するのが一般的
賃貸物件の場合、入居する条件として家財保険への加入を求められるケースがほとんどです。
これは大家さんの万が一のときに対する備えともいえます。
そのため、賃貸契約の際、仲介する不動産会社が加入する家財保険を提示するのが一般的です。
不動産会社の担当者の話を聞きながら、家財保険の補償内容を確認しておきましょう。
補償内容を理解したうえで検討しよう
保険会社の指定がなければ、不動産会社に相談し、補償の金額や必要な特約を確認し、自分で契約先を決めます。
自分で契約する場合にも、家財補償額や付加する特約が適切かどうかを確認しましょう。
もし不安なら、複数の保険会社で見積もりを取って比較してみることをおすすめします。
すでに賃貸に住んでいる方が家財保険に加入する方法
家財保険は、賃貸物件に住み始めるときだけ加入できるものではなく、すでに賃貸物件に住んでいる方でも加入できます。
家財保険はさまざまな保険会社が提供しているため、インターネットで検索して補償内容や保険料を比較して選ぶと良いでしょう。
保険の約款や重要事項等説明書はわかりづらいことが多いため、実際に契約する前に疑問点を保険会社に確認することをおすすめします。
まとめ:万が一に備えて家財保険は入っておこう
家財保険は、万が一に備える保険です。
そのため、何も問題が起きなければ出費になる可能性があります。
しかしそれはあくまで結果であり、賠償責任を負ったときを考えれば、加入するメリットは十分理解できるはずです。
ただ家財保険だけで補償されるのは自分の所有する家財だけなので、建物のための借家人賠償責任保険と、隣家のための個人賠償責任保険の各特約を付加してこそ安心できるといえます。
賃貸物件で始まるせっかくの新しい暮らしです。
家財保険には、社会の一員としての責任を果たすためにも、ぜひ加入しましょう。
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