日本人女性ががんで死亡する確率は約6人に1人、そして、女性のがん死亡数1位は大腸がんです(※1)。
女性のがん罹患数(新たにがんと診断された数、※1)も乳房に次ぐ2位で、多くの女性がかかる可能性があり、命を脅かす恐れのあるがんだといえるでしょう。
一方で、大腸がんの5年相対生存率をみてみると、初期に当たるⅠ期で94.5%、Ⅱ期で88.4%(※2)。
5年相対生存率は100%に近いほど治療で命を救えることを意味するもので、早期発見の大切さがわかる結果になっています。
この記事では、健康診断の便潜血で要精密となり、大腸内視鏡検査を受けてポリープを切除した、40代筆者の体験談を紹介します。
※1 国立研究開発法人国立がん研究センター「がん情報サービス」
※2 がん情報サービス「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 大腸がん」
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大腸検査に抵抗がある人は多い

厚生労働省では40歳以上の方に、年に1度の大腸がん検診(便潜血)を推奨しています。
便潜血検査で要精密になると、そのあと大腸内視鏡検査をおこなうケースが一般的ですが、「お尻からカメラを入れる……」と聞いただけで抵抗を感じる方は多いはず。
実際に私も「なんとか内視鏡検査をせずに精密検査を受けられないだろうか」とあがきましたが、どの病院で聞いても「内視鏡検査ですね」という回答でした。
多くの方が大腸内視鏡に抵抗を感じる理由は、ずばり「恥ずかしい」「痛い、不快」の2つでしょう。
しかし、実際に体験してみると想像とは随分違う印象でした。
大腸検査が嫌なよくある理由①恥ずかしい
実際に大腸内視鏡検査を受けた今、恥ずかしかったかと問われたらこう答えます。
「恥ずかしがっている余裕はないから、心配しなくていい」
人によるとは思いますが、私は最初から最後まで「恥ずかしい」とは思いませんでした。
なぜなら、大腸内視鏡検査を受ける前に、下剤を飲み終えた段階で疲れて果てていたから。
診察ベッドに横向きに寝転がったときには「やっと検査だ……これで終わる……」が実感でした。
私の場合は、鎮静剤を使って眠っている状態で検査を受けたことも大きいです。
詳しくは大腸検査の流れで紹介します。
大腸検査が嫌なよくある理由②親世代の古い口コミ
不安を払しょくするためには経験者に聞くのが1番。
でも大腸内視鏡検査の体験談を親世代に聞くときは注意が必要だと思います。
ここで私が親世代の経験者に聞いた体験談を紹介しましょう。
「20年前に検査をしたけど痛くて痛くて……」
「30年前に夫が検査をしたけど、不快でもう2度と検査をしたくないと言っていた」
実際に大腸内視鏡検査を受けた今、この口コミの印象を聞かれたら私はこう答えます。
「20、30年前の経験談は古い。聞くなら最近検査を受けた人に聞こう」
古い情報で不安になりすぎないようにしましょう。
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大腸内視鏡検査の流れ
大腸内視鏡検査の流れは以下のとおりです。
- 診察・予約
- 食事制限(前日・当日)
- 下剤を飲む(自宅または病院)
- 着替え
- 大腸内視鏡検査
- 診察・結果
診察・予約

私は、大腸内視鏡検査をおこなっている病院のホームページから検査予約をしました。
検査の前に1度受診をする決まりだったので「便潜血 要精密」となった健康診断結果を持参して受診。
医師の診察を受け、看護師から検査の詳細と準備の説明を受けました。
電話で問い合わせた複数の病院で「便潜血で要精密になったら大腸内視鏡検査」と言われていたため、最初から大腸内視鏡検査の予約をしましたが、病院を受診したあとに検査の予約を取る方法もあるでしょう。
実はかかりつけの病院で受けたかったのですが、検査ができるのは半年先と言われて諦めた経緯があります。
大腸内視鏡検査の予約が取れるタイミングは病院によって差が大きく、半年先のところがあれば、翌週受けられるところも。
口コミが多く評判の良い病院はなかなか予約が取れません。
しかし、早く予約できる病院がだめだというわけでもありません。
私自身も2週間後に予約が可能だった病院で検査を受けました。
食事制限
大腸内視鏡検査をおこなうときに大腸の中に便や未消化物が残っていると、検査がスムーズに進みません。
そのため、検査の前日と当日には食事を制限し、消化の良いものを食べるように病院から指導されました。
私は病院から「食べて良いもの」「食べたらだめなもの」の一覧表を渡されましたが、インターネットでも参考になるリストを見つけることが可能です。
下剤を飲む
検査の前には下剤を飲んで、大腸の中のものをすべて出してしまいます。
私の検査スケジュールは、検査当日の朝から下剤を飲み、午後に検査というものでした。
下剤は粉末のものを指定量の水で溶かして自分で作ります。
事前に看護師さんから受けた説明は、下剤が飲みづらいことを前提としていました。
たとえば「飲みづらさを少しでも軽減するために、作ってすぐに冷蔵庫で冷やしておくといいですよ」など。
「そんなに飲みづらいものなのかな」と最初は興味津々でしたが、飲み進めるにつれて、その言葉の意味を身にしみて感じることになりました。
飲みづらいです。
イメージは、薄い味のスポーツ飲料(しかも大量)といったところでしょうか。
最初はごくごくと飲めるのですが、1時間も経たないうちに音を上げ、あとはひたすら流し込むことに専念しました。
下剤を飲むのはきつかったですが、トイレに行くのはそれほど大変ではありませんでした。
「下剤を飲んだら無理やり便を出す状況になって痛いのではないか」と心配していましたが、私の場合は痛みを感じることはありませんでした。
下剤を飲む場所や種類は病院によって違う
下剤は、病院で飲むか、自宅で飲むかを選択できる病院が多いようです。
私は自宅を選択しましたが、病院で飲む場合は下剤の準備をしてもらえたり、下剤を飲み終えたあとの移動が楽だったりするメリットがあります。
また、病院によって下剤の量や味も違うようです。
私が検査を受けたあとに夫も別の病院で大腸内視鏡検査を受けたのですが、下剤の量は夫のほうが少なく、私よりも短い時間で飲み終えていたので羨ましく思いました。
来院・着替え
下剤をすべて飲み終え、便の状況を確認したあと、指定の時間に病院に電話してから来院しました。
ちなみに、便の状況がどのように変化するかは説明を受けた際に参考になるチラシをもらっていたので、それを見ながら自分で確認。
色や形状で、大腸内視鏡検査を受けられる状況になったかどうかがわかります。
「自宅で下剤を飲んでから病院に行くまでの間にトイレに行きたくなるのでは?」と心配していましたが、病院まで徒歩15分の道のりでトイレに行きたくなることはありませんでした。
病院では、まず医師の診察と説明を受けて、検査室へと移動。
検査用のパンツに履き替えて、診察ベッドに横たわります。
大腸内視鏡検査
私は鎮静剤を使ったため、点滴が用意されました。
看護師さんが「はい、では鎮静剤を入れていきますね」と言い、私が「なんだか眠くなってきました」と言ったあとの記憶はありません。
目覚めたのは検査の最終段階。
もうろうとするなかで医師の声が聞こえ、検査が終わったことがわかりました。
検査が終わって誰もいなくなった部屋でしっかりと歩けるようになるまで横になったあと、待合室へと移動しました。
鎮静剤を使うメリット・デメリット
多くの病院では、鎮静剤を使うか使わないかを選ぶことができます。
鎮静剤を使うと、検査はとても楽です。
日本消化器内視鏡学会のホームページでは
大腸内視鏡検査では内視鏡を挿入する際に大腸を伸ばしたり、大腸のなかを広げて視ようと空気(または炭酸ガス)を入れすぎるとお腹がはったり、痛くなります。
このような場合に鎮静薬などを注射することにより意識を低下させて緊張をやわらげ、苦痛を軽くします。
多くは呼びかけに反応する程度の量を注射して検査をおこないます(意識下鎮静)。
日本消化器内視鏡学会ホームページ
と説明しています。
一方で「検査の最中に医師と患者が話せない」というデメリットがあります。
私は検査の前に、承諾書を提出し「10mm以内のポリープが見つかった場合は検査中に切除する」ことを取り決めていました。
裏を返せば、10mmを超えるポリープが見つかった場合、医師の独断で切除できないことを意味します。
また、鎮静剤を使うと検査のあとに車や自転車を運転して帰ることができません。
その他にも
血圧が下がったり、呼吸が弱くなることがありますので、検査中と検査後も意識がはっきりするまではモニターをつけて監視します。
日本消化器内視鏡学会ホームページ
などの注意点があります。
診察・説明
検査の結果説明がすぐにあり、10mmを超える大きさのポリープがあったことがわかりました。
鎮静剤で眠っていた私には相談できなかったため、検査時には切除できていません。
これが意味することは、ポリープを切る手術をするために、もう1度同じ流れ(食事制限から大腸内視鏡まで)をしなければならないということです。
検査が終わったあとすぐに告げられたのですが、不思議とショックは少なく「2度目なら下剤ももう少しうまく飲めるかな」「できるだけ早く手術して切りたい」が実感でした。
こうした感想を持つこと自体、大腸内視鏡検査が私にとって「次は絶対したくない」と思うようなものではなかったのだと思います。
検査時にはポリープの一部だけを精密検査用に切除していました。
病変が悪性か良性かは後日わかるということで、検査結果の説明を聞く診察の予約と、ポリープ切除の手術予約をしてその日は帰宅しました。
大腸内視鏡検査を受けた経緯
私は便秘もなく、大腸のトラブルとはこれまで無縁でした。
大腸にポリープがあると感じるような症状も皆無。
健康診断の便潜血検査で「要精密」の結果が出たときも、自分の大腸にポリープがあるとは思いもしませんでした。
しかし、実際にはポリープはかなり大きくなっており、最近できたものではないことがわかりました。
1点気になっていたのは、私の父も母も大腸ポリープを取っていることです。
日本消化器病学会ガイドラインでは
大腸がんの患者さんのなかには、がんが発生しやすい家系の方がいます(遺伝性大腸がん)。
大腸にたくさんのポリープが発生する場合(家族性大腸腺腫症)と、ポリープの数は少ないですが大腸がんが家族内に多く発生する場合(リンチ症候群)がありますので、親子兄弟などの血縁関係者に大腸ポリープや大腸がんと診断された方がいる場合は、早めに検査を受けていただいたほうが良いでしょう。
日本消化器病学会ホームページ
とあります。
また
大腸ポリープはほとんどの場合、患者さんが自覚する症状がありません。
特に、小さいポリープの場合は、すべて無症状といっても過言ではありません。
日本消化器病学会ホームページ
とも解説しています。
私はこの2つに当てはまっていたようです。
医師からは「今回はたまたま便潜血で見つかったが、ポリープがあっても出血がないケースも多い」と説明を受けました。
医師から言われた言葉

検査を受ける前に医師から言われた「大腸内視鏡検査を受けてくれれば命を助けられることが多いが、そもそも検査を受けなければ助けられない」という言葉が印象に残っています。
日本消化器病学会ガイドラインでは
大腸がんは、正常な粘膜から腺腫(良性腫瘍)が生じ、それが悪性化してがんになる場合と、腺腫の状態を経ずに一気にがんになる場合とがあります。
このうち、腺腫となったあとに大腸がんになるものについては、腺腫のうちにそのポリープを取ってしまうことで大腸がんを予防することができます。
日本消化器病学会ホームページ
と説明されています。
この事実を知ったときに「便潜血で要精密が出たときは不安で嫌で仕方なかったけれど、内視鏡検査を後回しにしなくて本当に良かった」と心から思いました。
便潜血検査で要精密となっても「たぶん痔の出血だろう」と自己判断して検査を受けない方も多いのだとか。
私にとって、大腸内視鏡検査は思っていたよりも嫌なものではありませんでした。
腺腫(良性腫瘍)の段階で切除することができたのは、本当にラッキーだったと思います。
そして、今後も定期的に検査を受けようと思います。
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ママライタープロフィール

小中学生と高校生の息子たちを子育て中のママライター。(※原稿執筆時)
息子たちの興味に合わせて、鉄道、天体観測、自学などを楽しんできましたが、思春期になったいま、息子との会話は専らスポーツ観戦です。
DIYやお笑い鑑賞、フリマアプリで不用品を売ったり、ポイ活をしたりと、種類を問わず興味のおもむくままに楽しんでいます。

































