気候が良い秋の日に歩いていると、ふと民家の生垣から良い香りが漂ってくることがあります。
それは金木犀の花が咲いているから。
金木犀の香りが好きな方も多いでしょう。
しかし、金木犀がいつ咲くのか、ご存じでしょうか。
この記事では、金木犀のこと、そして金木犀の仲間の木のこと、そして、金木犀の花言葉や香りを保存する方法を紹介します。
金木犀(キンモクセイ)はどのような植物?
金木犀は江戸時代に日本に伝わってきた、原産国が中国の植物です。
日本では公園や庭木、道路の生垣として植えられることが多く、観賞用の木として親しまれています。
甘く、良い香りがすることから、ジンチョウゲ、クチナシと並ぶ三大香木の一つです。
なぜ「金木犀」という名前が付いているかというと、木の皮が「犀(サイ)」の皮膚に似ていること、そしてオレンジ色の花が金色に輝くように美しい木だからです。
ちなみに、学名のosmanthusは、ギリシャ語でosmeが香り、anthosが花という意味なので、やはりその香りが世界中で愛されていることがわかります。
| 学名 | osmanthus fragrans var.aurantiacus |
|---|---|
| 和名 | キンモクセイ(金木犀) |
| 英名 | fragrant orange-colored olive |
| 科・属名 | モクセイ科・モクセイ属 |
| 原産地 | 中国 |
| 常緑/落葉 | 常緑 |
| 広葉/針葉 | 広葉 |
| 草丈・樹高 | 3〜6m |
| 花の色 | オレンジ |
金木犀の開花時期

一般的な金木犀は9月下旬~10月中旬に開花します。
たまに、季節外れのように咲いている金木犀がありますが、それは四季咲きの金木犀です。
四季咲きの場合、春と秋の二度咲くように品種改良されています。
通常、植物は決まった季節だけに花を咲かせるものですが、「四季咲きの花」というと四季にわたって花を咲かせる植物のことをいいます。
春と秋に咲く金木犀は、いわば「二季咲き」ですが、四季咲きの花に含められています。
ウェザーニュースによると、関東では一昨年2022年は9月終わりごろから金木犀の香りが漂い始めていましたが、昨年2023年は10月中旬ごろからだったそうです。
今年2024年はいつごろになるか楽しみですね。
参照:金木犀(キンモクセイ)が関東でも香り始める 昨年より2週間遅く – ウェザーニュース
金木犀の仲間たち

金木犀には、いくつかの種類があります。
続いては、金木犀の仲間の木をご紹介します。
銀木犀(ギンモクセイ)

銀木犀は、金木犀のもとになった品種なので、見た目が金木犀によく似ています。
違うのは花の色で、銀木犀のほうは金木犀よりも白っぽい花が咲きます。
葉にも違いがあり、銀木犀の葉は先端または全体が鋸歯(縁がギザギザ)になっています。
銀木犀のほうが金木犀よりも香りが弱く、かなり近づかなければ香りを感じにくいでしょう。
薄黄木犀(ウスギモクセイ)

形は金木犀と似ていますが、薄い黄色の花を咲かせるこちらの花は準絶滅危惧種に指定されています。
熊本県や鹿児島県に自生していて、香りは弱めです。
金木犀と異なり、薄黄木犀には長楕円形の実がなる点が特徴的です。
また、金木犀の木は3~6mほどであるのに対し、薄黄木犀は4~10mとやや高い木となります。
柊木犀(ヒイラギモクセイ)

柊木犀は、柊と銀木犀がかけ合わさった雑種とされている、2~6mの常緑小高木です。
柊のように、葉の縁がギザギザしているのがパッと見でもわかります。
また、雄株のみなので、実が付きません。
金木犀よりもたくましく、日陰でも丈夫に育ちます。
琉球木犀(リュウキュウモクセイ)
日本ではトカラ列島(中之島)以南の琉球列島や大東島で咲く種類です。
現地の言葉では「ナトーリ」「ナントーラ」「ナトゥーリ」と呼ばれます。
金木犀と比べて小さく、3mmほどの小さな淡黄白色の花を付け、葉は長楕円形で鋸歯はありません。
開花時期は6~7月頃です。花びらの先が丸まっており、おしべやめしべが飛び出して見えているのも特徴です。
金木犀の花言葉

金木犀には、多くの花言葉があります。
花言葉と、そのいわれをご紹介します。
- 謙遜:小さくて控え目な花の様子から
- 気高い人:雨が降ると一気に散ってしまう潔い様子から。中国では高貴な人がその香りを身に着けていたため
- 真実:たとえ離れていても、香りを隠すことができないことから
- 初恋:香りが良く、インパクトがあって忘れられないことが初恋と似ているから
- 陶酔:うっとりしてしまうほど、甘く良い香りがすることから
- 隠世:「かくりよ」とは「あの世」のこと。魔除けとして使われる花
花が小さいことや香りが高いことから、さまざまな意味が込められたようです。
金木犀の香りを楽しむ方法

金木犀の良い香りは、昔からさまざまな方法で使われてきました。
ポプリや香水など、完成するまでに1~2ヵ月かかるものもありますが、花の時期が終わったあとでも再び金木犀の香りが楽しめるので、おすすめです。
続いては、自家製で作れて金木犀の香りを楽しめるアイテムをご紹介します。
入浴剤としてお風呂に浮かべる
金木犀の香りの入浴剤を作る方法、花だけを摘み、市販のお茶パックに入れるだけ。
とても簡単に金木犀の香りを楽しめる方法です。
湯船に浮かべるとバスタイムに芳香浴ができ、疲労回復やリラックス効果が期待できるといわれています。
モイストポプリを作る
金木犀は乾燥させるとその香りが失われてしまうため、乾燥させずにポプリを作ります。
乾燥ポプリより使い道も広いので、おすすめですよ。
- 【材料】
- 金木犀の花(5~8分咲きのときが、特に香りが強いです)
- 粗塩
- 口の広いビン(密閉できるもの)
- 【作り方】
- 摘んだ金木犀の花をキッチンペーパーなどの上に広げ、茎やゴミを取り除いて半乾きにさせる(1時間程度で半乾きになります)
- ビンに粗塩と金木犀を交互に詰める(一番下と一番上は粗塩)
- ふたを閉めて冷暗所で1ヵ月くらい熟成させる
モイストポプリなら、ふたを開ければいつでも香りを楽しめます。
オレンジと白で見た目もきれいなので、玄関や洗面所などの飾りとして置いてもキレイです。
また、バスソルトとしてお風呂に入れてもいいですね。
桂花茶(けいかちゃ)を作る
中国では昔から、金木犀を使って桂花茶を作っています。
桂花茶は金木犀の香りを茶葉に移したもので、精神安定や整腸、利尿効果があるといわれているお茶です。
- 【材料】
- 金木犀の花(茶葉の2~3倍の量)
- 緑茶、紅茶、ウーロン茶の茶葉
- 密閉容器
- 【作り方】
- 金木犀の花を摘み、茎やゴミをていねいに取り除く
- 気になる場合は水洗いする(洗わないほうが香りが残ります)
- 茶葉と混ぜ合わせる
- 密閉容器に入れて冷蔵庫で一晩寝かす
金木犀の花と茶葉の割合はお好みで加減してください。
手順2で洗ったあと、風通しの良い日陰で2~3日干して乾燥させると日持ちします。
香水・ルームフレグランスを作る
金木犀の花の香りが好きな方なら、いつも香りを身に着けて付けていられたらうれしいですよね。
香水やルームフレグランスを作れば、そのような希望が叶います。
- 【材料】
- 金木犀の花
- 遮光瓶
- 無水エタノール
- 【作り方】
- 金木犀の花を摘み、茎やゴミをていねいに取り除く
- ビンの半分~満タンに金木犀の花を入れる
- 無水エタノールをビンの8分目まで入れる
- ふたをして冷暗所で2ヵ月寝かせる
透明のビンしかない場合は、アルミホイルを巻いて保存してください。
できあがったら、香水として使ったり、ウッドスティックをさしてルームフレグランスにしたり、精製水で薄めてアロマスプレーにしたりと、幅広い使い方ができます。
作業する際、エタノールは肌に触れると荒れるため、ビニール手袋をして扱いましょう。
まとめ

「金木犀って、いつ咲くのだろう?」と思われていた方も多いと思いますが、その答えは9月下旬~10月中旬だとわかりました。
また、四季咲きの金木犀もあるため、春にも金木犀が咲いていることがあります。
金木犀は、実は銀木犀から生まれた木で、他にも似たような花を付ける仲間の木が数種類あります。
花の命は短いですが、モイストポプリや香水などを作っておけば、長い期間香りを楽しめるので、おすすめです。


































