毎年、夏になると盛り上がるのが「小学生の自由研究」。
凝ったテーマや独自性に富んだ自由研究がニュースやSNSで話題になることも多いのですが、中にはどうみても親の負担が大きいであろうものも……。
子供のためを思えば手を貸すことはやぶさかでないにしても、どこまで手伝うべきか悩みますよね。
この記事では、小学生の自由研究の目的や選び方、お子さんと一緒に楽しく取り組むポイントを紹介します。
小学生の自由研究の目的は?
そもそもなぜ小学生が自由研究をするのかというと、次のような目的があるからです。
子供の自主性や創造性を育む
問題解決能力を育む
自由研究がはじまったとされるのは1947年。戦後の大きな変革の中で子供の自主性や自発性を促すことを目的とした教科としてスタートしましたが、現在は教科ではなくなり、あくまでも自主的な活動という位置づけになっています。
学校によって半強制のところもあれば任意のところもあるなど違いはあるものの、上で示したように自主性、創造性、好奇心や探究心などを刺激して社会活動において必要な能力を育てることに貢献している点は変わらないようです。
親はどのくらい手伝っている?
小学生の自由研究には大切な目的と役割があるのですが、取り組み方に関しては地域性や学校ごとの違いだけでなく、家庭での考え方の違いなどもあるのが難しいところ。
本来であれば子供の力だけでやり遂げさせるべきだという考え方もあれば、興味を広げるために親が子供と一緒になって楽しみながらやるべきだという考え方もあります。
さまざまな考え方がありますが、2021年8月5日に株式会社エス・エー・アイが発表した「『子どもの夏休みの自由研究』に関する調査」を参考に、どのように取り組む家庭が多いのかみてみましょう。
自由研究で親が不安なことは?
同調査によるアンケート結果は以下のとおり。
1位「親がどこまでサポートしたらよいか」|52.7%
2位「子どもだけでやりきれるか」|44.4%
3位「夏休み中に終わるか」|29.2%
計画的に進められるか、やり遂げられるのかなどを不安に思う親が多いのは当然といえば当然でしょうが、それ以上に多くの親が「どこまで手伝うべきか」不安に考えているようです。
また一方で「自由研究で大切なものは?」との質問では次のような結果が出ています。
1位「やる気や好奇心が持てるか」|60.8%
2位「子どもが主体となって問題を解決できるか」|42.7%
3位「最後までやり遂げる強い気持ちを養えるか」|34.7%
これらの結果を総合すると、小学生の自由研究について「最後まで興味を持って取り組めるようサポートしたいけれども、どのようにリードしたらよいのか……」と悩んでいる親が多いようです。
親子で一緒に取り組む家庭が多数!
同調査では「実際にどの程度手伝うのか?」という質問もしており、結果は次のようになっています(回答数1,023人)。
1位「親子で一緒に取り組んでいる」|41.8%
2位「困ったときだけアドバイスする程度」|39,7%
3位「題材や教材を与えるなど積極的に手伝う」|10.2%
4位「まったく手伝わない(子どもだけでやらせる)」|7.1%
5位「親がやる(代行業者に依頼する)」|1.2%
「子供と一緒に自由研究に取り組んでいる」「最低限度のアドバイスのみ」というスタンスの親は、全体の8割以上。
いずれの方法も子供の興味や関心を加速させ、やる気を失わないようなサポートがメインになるようですが、ほとんどの親が何かしらの手伝いをしています。
自由研究の選び方
小学3~4年生くらいになると自主的に興味を持って取り組む機会も増えますが、とくに低学年のうちは親がリードしなければテーマさえ決まらないことも珍しくありません。
あくまでも子供の興味関心を尊重した上で決定することが大切ではあるものの、どのように自由研究を選べばよいのか覚えておくと役立ちます。
先ほどと同じ「『子どもの夏休みの自由研究』に関する調査」(株式会社エス・エー・アイ)によると、自由研究で取り上げるテーマ第1位は自由工作。「やはり」という感じではありますが、文字どおりの研究よりも工作を選ぶことが多いようです。
1位「自由工作」|50.8%
2位「興味を持った題材の調査」|43.9%
3位「絵を描く」|31.6%
ITを駆使して、パソコンやタブレットでたくさんの情報を手に入れることもできます。
以前のように図書館へ出かけて調べものをする以外にも、自宅でも情報収集できるようになったことも、第2位の調査/研究を選ぶ理由になっているのかもしれませんね。
市販されている自由研究キットも、工作や理科の実験ツールなどが多く見られます。
自由研究を楽しむポイント
自由研究は、夏休みという長い時間を利用して取り組めるのが大きな特徴。
普段の小学校生活の中ではなかなかできないことに挑戦したり、思う存分好きなことに打ち込んだりするのにうってつけです。
普段から興味を持っていることや好きなことに思う存分取り組めるものが自由研究だと伝えることで、子供が楽しんで取り組めるようになります。
また、これまでやったことがないことにチャレンジするのにもよい機会です。
とにかく子供が興味を持ったこと、やりたいことを自由に取り組ませるだけでも有意義な自由研究になることが多いので、あまり心配はいらないのではないでしょうか。
自由研究の目的はあくまでも自主性や想像力などを育てることであって、誰かと競争するものではありません。
評価を気にする必要がないので、自由にのびのびと取り組ませてあげてくださいね。
自由研究で大切なこと
最後に「自由研究で大切なのは何だと思いますか?」というアンケートの結果を紹介します。どんなことを考えながらサポートすればよいのか参考にしてください。(「『子どもの夏休みの自由研究』に関する調査」(株式会社エス・エー・アイ))
1位「やる気や好奇心が持てるか」|60.8%
2位「子どもが主体となって問題を解決できるか」|42.7%
3位「最後までやり遂げる強い気持ちを養えるか」|34.7%
まとめ:気負いすぎずに楽しんで
共働きでなかなか時間が取れなかったり、そもそも子供が興味を示さずやる気にならなかったり、さまざまな問題や課題が起きるのが自由研究の常。
「親として、子供の興味関心を引き出して深めてあげたい……!」などと意気込む気持ちはあっても気負いすぎないことが大切です。
親が気負いすぎると子供が自主性を出しにくくなったり、逆にやる気を削いでしまったりすることもあるので、注意してくださいね。
長い夏休み、ぜひゆっくりと時間をかけてお子さんの興味や関心を育ててあげられると良いですね。